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七章
無限への跳躍
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「終わった――!」
読み終えた瞬間、僕は万歳して叫んだ。
ここは、実技棟四階の個室。日時は、十二月二日の午前八時十分。僕は足腰編の①に続き、②を終わらせる事ができた。本当は書くだけなら昨日のうちに終わっていたのだけど、文章力のない僕は一晩寝かさないと自分の文に自信が持てないので、僕にとっては今日がこの論文の完成日なのだ。そんな僕を、
「眠留さん、おめでとうございます!」
右斜め前に座るエイミィが拍手で祝福してくれた。暫く一緒に拍手して喜びを分かち合ったのち、僕は居住まいを正した。
「この短期間に論文をここまで進めることができたのは、すべてエイミィのお蔭だ。エイミィ、本当にありがとう」
これはまごうこと無き真実だ。五月下旬に開始した翔刀術の技術理論は、100日経っても一行すら文字になっていなかった。それをこの三カ月でここまで進めることができたのは、エイミィの助力があったからこそ。僕はエイミィに、深々と頭を下げた。
国際規格DランクからBランクへのバージョンアップに伴い、紫柳子さんはエイミィに古今東西の武術理論をインストールした。それが論文作成に、とても役立った。正確には、項目の作り方と構成の仕方が大層勉強になった。秘伝とされる武術を継承した武術家の多くは、独自の視点で項目を作り、かつ独自の構成で論文を書いていた。秘伝武術は通常とは異なる技術で構築されているため、理論説明も通常の方法では不可能だったのだ。それを見落としていた僕は、一人称や主観を避ける等々の一般的なルールを、翔刀術の論文にも無理やり当てはめていた。そのせいで僕は頭の中にある想いを、そして鍛錬から得た経験や知識を、一行も文字にできなかった。世界へ向けて発表するならルールを守らねばならないが、今のところ家族にすら見せる予定のない論文なのだから、もっと自由に書いて良い。エイミィはそれを、僕に教えてくれたのである。
エイミィの豊富な医学的知識も、もちろん役に立った。論旨を共に考察し、語彙や表現方法に関する貴重な助言も沢山してくれた。そして何より、不完全であってもとにかく終わらせることが重要なのだと、彼女は思い出させてくれた。僕は不完全だから、不完全な論文になって当たり前。それでも今やっておけば、次はもう少し巧く書くことができる。だから、
――不完全に臆せず書くべし
の気構えが文書作成にはとても大切なのだと、エイミィは思い出させてくれたのである。にもかかわらずエイミィは、
「私はここにいただけです。すべては眠留さんの努力の成果です」
そう言って、淡く笑うだけだった。頑なというより力なく、謙虚というより儚げなその様子に、僕は輝夜さんとの約束を破ってしまった。
「エイミィ、輝夜さんと昨夜、何かあったの?」
昨日のお昼、日曜日に詳細を話すと輝夜さんは言った。昨夜九時にも、女子会みたいで楽しかったというメールを輝夜さんは送ってくれた。なのに日曜を待たず、話し合いについてエイミィに尋ねてしまった。昨日より一段と人間らしく、そして綺麗になったエイミィのその淡い微笑みに、僕はそうせざるを得なかったのである。
でもそれは、とんちんかんな問いかけだったらしい。いやそれはもっと危険な、とんちんかんに墓穴を加えた問いかけだったらしい。なぜならエイミィは虚を突かれたような表情を暫ししたのち、俗に言う「怖くて仕方ない笑顔」を浮かべたからだ。アニメや漫画では定番のシチュエーションでもこの身に降りかかって来るなんて考えた事もなかった僕は、顔は笑っていても心はまったく笑っていないエイミィに、頬を引きつらせる事しかできなかった。
「眠留さん、女の子の会話を殿方が探るのは好ましくないですね。それとも、疚しい事があるのですか?」
そうこれは、主人公に好意を寄せている女の子が主人公に近づく女性の影を嗅ぎ取ったときの、お約束の場面。後ろめたい事などなくとも、女の子にこの笑顔を向けられると、どんなに勇敢な主人公でも大汗かいて逃げ出すという、ハーレム系物語における超定番シチュエーションなのである。
「いっ、いえっ、めっそうもありません。疚しい事など一つもありません」
と反射的に口走ってしまった自分の愚かさに、僕は天を仰いだ。女子の会話を探ることと、疚しいこと。この二つが提示されたら、主人公は何があっても前者を選択せねばならない。なぜなら後者を選択したとたん、『疚しい事があるからこそそっちが気になった』という道へ物語は分岐してしまうからだ。待ち受ける未来を幻視し、僕は大汗をかき始めた。そんな僕にエイミィは顔の皮一枚で笑っただけの、背筋の凍る笑顔をグイグイ近づけて来る。という状況に置かれた主人公は脱兎のごとく逃げ出すのがお約束で、まさしくそのとおりのことを僕もしたかったのだけど、ここは狭い個室。僕にできたのは大汗をかきながら盛大にアワアワする事だけだった。すると、
ふわ・・・
エイミィが身を浮かせ僕に抱き付いてきた。完璧な顔立ちと豊かな双丘に恵まれた超絶美少女と密着状態になった僕は失神する未来を確信した。が、そうはならなかった。今更ながら思い出したのである。エイミィはAIの、3Dだったのだと。
「そう、私はAI。3D映像の体しか持たない、機械です。私にできるのは、創造の手助けをすることだけ。有限から無限への跳躍という、人のみが成しうる創造の御業を助けるのが私の務め。眠留さんがこの世に出現させた文章、私は大好きです。その手助けしかできない悲しみに囚われたせいで、眠留さんを心配させてしまいましたね。ごめんなさい、眠留さん」
脳裏にある光景が広がった。それは狭山湖畔公園に咲く、コスモスだった。今年は忙しくて行けなかったが僕はあの場所が大好きで、去年までは秋になると必ず足を運び、湖を背に咲くコスモスの群生を飽きもせず眺めていた。秋の高い空と、湖の清涼さと、可憐でありつつもつつましく咲くコスモスたちの話を、家に遊びに来たエイミィにしたところ、自分も是非そこに行ってみたいと呟きエイミィは瞼を閉じた。その佇まいを思い出し、僕は言った。
「白いコスモス」
ぴくっと微かにエイミィがその身を震わせた。僕はエイミィの背中を、ゆっくりトントンと叩いた。
「外来種は基本的にカタカナで表記される。でもあの花から、和の気配を感じたんだろうね。日本人はコスモスに、秋桜という和名をつけた。エイミィ、来年の秋、狭山湖畔公園のコスモスたちに会いに行こう。エイミィが気に入ってくれたら僕はエイミィを、白いコスモスのような女性と思うようにするからさ」
その時はエイミィに二つ名を献じないとね、空高きコスモスなんてどうかな。などと先走ったことを訊く僕に、エイミィはなにも答えなかった。
それでもコクリコクリと、エイミィは僕の肩で何度も頷いてくれたのだった。
明朝の再会を約束し、個室の扉を閉める。そして僕はいつもより、ゆっくり歩を進めていった。
実技棟の四階から十組の教室へ移動するだけなら、普通に歩いても遅刻の心配はない。だがHR前にトイレを済ませたいという事もあり、足早に教室を目指すのが常なのだけど、今日は違った。先ほどの出来事もさることながら、有限から無限への跳躍というエイミィの言葉を、吟味したかったのである。僕は腕を組み顎に手を当て、つま先の1メートルほど先を見つめながら、毎朝使っている東階段へゆっくり向かっていた。すると、
「眠留スマン、ちょっといいか」
不意に猛の声がかかった。驚いて顔をあげると、廊下の壁から顔を生やした猛が目の前にいて、思わずのけ反ってしまった。もちろんそれは錯覚で、実際は東階段から頭だけを出し僕に呼びかけていたのだけど、壁際を歩いていたのと不意打ちされたのが災いし、頭が壁から生えているように感じたのである。研究を熟考している最中にマジ済まなかったと猛は平謝りしたが、その勘違いを正すより、
「猛、歩きながら小声で話そうか」
僕は会話を始める提案をした。猛は秘密の話がある場合、こんなふうに必ず身を隠す。つまり猛は秘密の話を今からしようとしていて、かつ今は時間に余裕のある状況ではない。よって誤解をとくより猛の意を汲み、会話を開始することの方が重要と僕は判断したのだ。
やっぱテメェは漢だぜ、と猛は顔中で笑い僕の背中を叩いた。女の子の背中を優しくトントンと叩くのも良いが、友から威勢よく背中を叩かれるのも負けぬほど良いもの。僕と猛は弾む足取りで階段を下りていった。のだけど、
「眠留、俺と一緒にフォークダンスを踊らないか?」
猛にそう問われたとたん、僕は階段から転げ落ちそうになったのだった。
読み終えた瞬間、僕は万歳して叫んだ。
ここは、実技棟四階の個室。日時は、十二月二日の午前八時十分。僕は足腰編の①に続き、②を終わらせる事ができた。本当は書くだけなら昨日のうちに終わっていたのだけど、文章力のない僕は一晩寝かさないと自分の文に自信が持てないので、僕にとっては今日がこの論文の完成日なのだ。そんな僕を、
「眠留さん、おめでとうございます!」
右斜め前に座るエイミィが拍手で祝福してくれた。暫く一緒に拍手して喜びを分かち合ったのち、僕は居住まいを正した。
「この短期間に論文をここまで進めることができたのは、すべてエイミィのお蔭だ。エイミィ、本当にありがとう」
これはまごうこと無き真実だ。五月下旬に開始した翔刀術の技術理論は、100日経っても一行すら文字になっていなかった。それをこの三カ月でここまで進めることができたのは、エイミィの助力があったからこそ。僕はエイミィに、深々と頭を下げた。
国際規格DランクからBランクへのバージョンアップに伴い、紫柳子さんはエイミィに古今東西の武術理論をインストールした。それが論文作成に、とても役立った。正確には、項目の作り方と構成の仕方が大層勉強になった。秘伝とされる武術を継承した武術家の多くは、独自の視点で項目を作り、かつ独自の構成で論文を書いていた。秘伝武術は通常とは異なる技術で構築されているため、理論説明も通常の方法では不可能だったのだ。それを見落としていた僕は、一人称や主観を避ける等々の一般的なルールを、翔刀術の論文にも無理やり当てはめていた。そのせいで僕は頭の中にある想いを、そして鍛錬から得た経験や知識を、一行も文字にできなかった。世界へ向けて発表するならルールを守らねばならないが、今のところ家族にすら見せる予定のない論文なのだから、もっと自由に書いて良い。エイミィはそれを、僕に教えてくれたのである。
エイミィの豊富な医学的知識も、もちろん役に立った。論旨を共に考察し、語彙や表現方法に関する貴重な助言も沢山してくれた。そして何より、不完全であってもとにかく終わらせることが重要なのだと、彼女は思い出させてくれた。僕は不完全だから、不完全な論文になって当たり前。それでも今やっておけば、次はもう少し巧く書くことができる。だから、
――不完全に臆せず書くべし
の気構えが文書作成にはとても大切なのだと、エイミィは思い出させてくれたのである。にもかかわらずエイミィは、
「私はここにいただけです。すべては眠留さんの努力の成果です」
そう言って、淡く笑うだけだった。頑なというより力なく、謙虚というより儚げなその様子に、僕は輝夜さんとの約束を破ってしまった。
「エイミィ、輝夜さんと昨夜、何かあったの?」
昨日のお昼、日曜日に詳細を話すと輝夜さんは言った。昨夜九時にも、女子会みたいで楽しかったというメールを輝夜さんは送ってくれた。なのに日曜を待たず、話し合いについてエイミィに尋ねてしまった。昨日より一段と人間らしく、そして綺麗になったエイミィのその淡い微笑みに、僕はそうせざるを得なかったのである。
でもそれは、とんちんかんな問いかけだったらしい。いやそれはもっと危険な、とんちんかんに墓穴を加えた問いかけだったらしい。なぜならエイミィは虚を突かれたような表情を暫ししたのち、俗に言う「怖くて仕方ない笑顔」を浮かべたからだ。アニメや漫画では定番のシチュエーションでもこの身に降りかかって来るなんて考えた事もなかった僕は、顔は笑っていても心はまったく笑っていないエイミィに、頬を引きつらせる事しかできなかった。
「眠留さん、女の子の会話を殿方が探るのは好ましくないですね。それとも、疚しい事があるのですか?」
そうこれは、主人公に好意を寄せている女の子が主人公に近づく女性の影を嗅ぎ取ったときの、お約束の場面。後ろめたい事などなくとも、女の子にこの笑顔を向けられると、どんなに勇敢な主人公でも大汗かいて逃げ出すという、ハーレム系物語における超定番シチュエーションなのである。
「いっ、いえっ、めっそうもありません。疚しい事など一つもありません」
と反射的に口走ってしまった自分の愚かさに、僕は天を仰いだ。女子の会話を探ることと、疚しいこと。この二つが提示されたら、主人公は何があっても前者を選択せねばならない。なぜなら後者を選択したとたん、『疚しい事があるからこそそっちが気になった』という道へ物語は分岐してしまうからだ。待ち受ける未来を幻視し、僕は大汗をかき始めた。そんな僕にエイミィは顔の皮一枚で笑っただけの、背筋の凍る笑顔をグイグイ近づけて来る。という状況に置かれた主人公は脱兎のごとく逃げ出すのがお約束で、まさしくそのとおりのことを僕もしたかったのだけど、ここは狭い個室。僕にできたのは大汗をかきながら盛大にアワアワする事だけだった。すると、
ふわ・・・
エイミィが身を浮かせ僕に抱き付いてきた。完璧な顔立ちと豊かな双丘に恵まれた超絶美少女と密着状態になった僕は失神する未来を確信した。が、そうはならなかった。今更ながら思い出したのである。エイミィはAIの、3Dだったのだと。
「そう、私はAI。3D映像の体しか持たない、機械です。私にできるのは、創造の手助けをすることだけ。有限から無限への跳躍という、人のみが成しうる創造の御業を助けるのが私の務め。眠留さんがこの世に出現させた文章、私は大好きです。その手助けしかできない悲しみに囚われたせいで、眠留さんを心配させてしまいましたね。ごめんなさい、眠留さん」
脳裏にある光景が広がった。それは狭山湖畔公園に咲く、コスモスだった。今年は忙しくて行けなかったが僕はあの場所が大好きで、去年までは秋になると必ず足を運び、湖を背に咲くコスモスの群生を飽きもせず眺めていた。秋の高い空と、湖の清涼さと、可憐でありつつもつつましく咲くコスモスたちの話を、家に遊びに来たエイミィにしたところ、自分も是非そこに行ってみたいと呟きエイミィは瞼を閉じた。その佇まいを思い出し、僕は言った。
「白いコスモス」
ぴくっと微かにエイミィがその身を震わせた。僕はエイミィの背中を、ゆっくりトントンと叩いた。
「外来種は基本的にカタカナで表記される。でもあの花から、和の気配を感じたんだろうね。日本人はコスモスに、秋桜という和名をつけた。エイミィ、来年の秋、狭山湖畔公園のコスモスたちに会いに行こう。エイミィが気に入ってくれたら僕はエイミィを、白いコスモスのような女性と思うようにするからさ」
その時はエイミィに二つ名を献じないとね、空高きコスモスなんてどうかな。などと先走ったことを訊く僕に、エイミィはなにも答えなかった。
それでもコクリコクリと、エイミィは僕の肩で何度も頷いてくれたのだった。
明朝の再会を約束し、個室の扉を閉める。そして僕はいつもより、ゆっくり歩を進めていった。
実技棟の四階から十組の教室へ移動するだけなら、普通に歩いても遅刻の心配はない。だがHR前にトイレを済ませたいという事もあり、足早に教室を目指すのが常なのだけど、今日は違った。先ほどの出来事もさることながら、有限から無限への跳躍というエイミィの言葉を、吟味したかったのである。僕は腕を組み顎に手を当て、つま先の1メートルほど先を見つめながら、毎朝使っている東階段へゆっくり向かっていた。すると、
「眠留スマン、ちょっといいか」
不意に猛の声がかかった。驚いて顔をあげると、廊下の壁から顔を生やした猛が目の前にいて、思わずのけ反ってしまった。もちろんそれは錯覚で、実際は東階段から頭だけを出し僕に呼びかけていたのだけど、壁際を歩いていたのと不意打ちされたのが災いし、頭が壁から生えているように感じたのである。研究を熟考している最中にマジ済まなかったと猛は平謝りしたが、その勘違いを正すより、
「猛、歩きながら小声で話そうか」
僕は会話を始める提案をした。猛は秘密の話がある場合、こんなふうに必ず身を隠す。つまり猛は秘密の話を今からしようとしていて、かつ今は時間に余裕のある状況ではない。よって誤解をとくより猛の意を汲み、会話を開始することの方が重要と僕は判断したのだ。
やっぱテメェは漢だぜ、と猛は顔中で笑い僕の背中を叩いた。女の子の背中を優しくトントンと叩くのも良いが、友から威勢よく背中を叩かれるのも負けぬほど良いもの。僕と猛は弾む足取りで階段を下りていった。のだけど、
「眠留、俺と一緒にフォークダンスを踊らないか?」
猛にそう問われたとたん、僕は階段から転げ落ちそうになったのだった。
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