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三章
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「私はプレゼンの授業で習ったとおりに話したつもりだったけど、実際は女を前面に出していたようね。ここからは改めるわ」
相変わらずハテナマークを量産している自分を脇に置き、居住まいを正して昴に承諾の意を伝える。
「女は過程を大切にするの。私の話が長くなったのも、体育祭の時の気持ちを一つ一つ取り上げたからなのね」
プレゼンのどこを改めたかは判明せずとも、昴の気持ちを沢山知れて嬉しかったのは事実だったから、僕は感謝を込め首を縦に振った。
「それに対し男性は、結果を重視する。だから話も、結果を告げてからなされることが多い。結果は、結論と言い換えてもいいわね」
確かにその傾向があると、僕もプレゼンの授業で教わっていた。
「男女の大きな違いはもう一つあるわ。それは、女は想いに目を向け、男は物理現象に目を向けるという事。女は、これこれこんな想いの変遷を経て最終的にこんな想いを抱くようになりました、という説明をするの。この出来事にこんな想いを抱き、それが次の出来事へこんな想いを芽生えさせ、という説明こそが大切だと、女は考えるのね」
ここでようやく閃きを得られた。
――僕より高度な高速ストライド走法の物理的仕組みを僕は話し合うつもりだったけど、昴はそこに至るまでの想いの仕組みを話し合うつもりだったのかな?
「一方男性は、物理現象に目を向ける。想いではなく、実際に起こった現象に目を向けるのね。う~んでも、物理現象という言葉だとちょっと分かりづらいかもしれないから、ここは本命の、高速ストライド走法について話してみましょう」
前半部分が閃きと合致したので「おおっ」と高揚したのだけど、そんな僕を置き去りにして昴はスクっと立ち上がり、体育祭で披露した高速ストライド走法の技術解説を始めてしまった。オイオイそりゃ幾らなんでも唐突すぎだぞと鼻白むも、彼女の話に僕はたちまち引き込まれてゆく。なぜなら彼女の話には、天才薙刀使いである昴だからこその霊験と、天才薙刀使いである昴だからこその盲点が、無数に散りばめられていたからだ。例えば、これ。
「私の最大の盲点は、薙刀の体軸を私がまったく意識していなかった事にあるわね」
私見だが、薙刀以上に体軸の重要な武道及び武術は、地上に存在しないと僕は考えている。なのになぜ、昴は体軸を意識していなかったのか? その説明のためには、薙刀の歴史を紐解く必要があるだろう。
薙刀誕生の経緯は諸説あり定かではない。だが、薙刀を戦闘で最初に用いた人達が誰なのかは判明している。それは、僧兵。世が乱れ治安の悪化した平安時代中期、大寺院は広大な領地を守るため、自前の武力集団を保有するようになった。それが僧兵の起源であり、そして僧兵が好んで用いた武器こそが薙刀だった。そう、薙刀は武士ではなく、僧兵によって世に広められた武器なのである。
時代が下り源平の世になると、薙刀は武士の間にも広まって行った。騎馬武者が名乗りを上げ一騎打ちをしていた源平時代初期は、弓や太刀が武士の主要な武器だったが、大勢が徒歩で戦う徒戦へと合戦が変化していくにつれ、薙刀が用いられるようになっていったのだ。個人と個人が死力を尽くして戦う際、己が命を預ける武器に薙刀を選ぶ人が大勢いたのは、特筆に値すると今は考えられている。
しかし南北朝時代になると様相は一変し、合戦で薙刀を見かける事はほぼ無くなった。個人の武勇に頼る個人戦から集団を効果的に運用する集団戦へと合戦が変化してゆくにつれ、槍が用いられるようになって行ったのだ。集団で槍をかかげ槍衾を作り、敵陣の急所を一気に突くという『戦術』こそが重要だと、武士は気づいたのである。個人戦の主要武器であった薙刀は、こうして槍に取って代わられ、忘れられた武器になっていった。
余談だが、「なら槍は長い方が有利なのではないか」という閃きを得た織田信長が三間槍を作り大大名にのし上がって行ったのは、有名な史実。楽市楽座や鉄砲等の戦略に秀でた信長が天下取りに大手をかけた事は、「戦術は戦略に如かず」の実例と言えるだろう。
話をもとに戻そう。合戦で使われなくなり忘れられた武器になっていた薙刀は、江戸時代の武家の婦女たちにより、再び世に躍り出ることとなる。薙刀は、武家の婦女が身に付けるべき必須武芸として、日本中に普及していったのだ。そしてこの時代のこの人達こそが、薙刀を武道として大成したのだと、今は考えられている。
想像してみてほしい。武家に生まれた十歳前の女の子が、母親と祖母から薙刀の手ほどきを受けている。自分の身長より長い、重い木の棒を握りしめ、薙刀の型の稽古を庭で懸命にしている。そんな光景を思い浮かべてほしい。では考えてみよう。この女の子に、木の棒を振る腕力があるだろうか? 十歳前の女の子に、自分の身長より長い、ずっしり重い木の棒を自由自在に振りまわす筋力が果たしてあるだろうか? そう、そんなものありはしないのである。だからこそその子は身をもって知る。座学や理屈ではなく、その身をもって芯から悟る。薙刀は筋力で振るのではなく、軸で振るのだと。
「専門的な訓練を受けていない限り人は大抵、薙刀を利き腕一本で振ろうとするの。例えば右利きの人なら、こんな感じね」
そう言って昴は右中段に構え、薙刀を振る真似をした。利き腕の右腕は盛んに動いているのに体に近い左腕はほとんど動いていないその様子に、僕は強い親近感を覚えた。運動音痴で苦しんでいた数年前の自分が、重なって見えたのである。
「それに対し薙刀道では、左右の手の中間を軸にして、両腕で薙刀を振る。左右の手の真ん中を中心とする円を思い浮かべ、その円に沿って両手を同時に動かすのね。そうする事で、利き腕一本では為し得ない遠心力を発生させ、その遠心力を利用して、長さ2メートル20センチの薙刀竹刀を素早く操るの。こんな感じにね」
昴は手幅を三分の一ほどすぼめて、両手をくるくる動かした。その様子を見つめていた僕は思わず「危ない!」と声を出してしまう。円運動のあまりの正確さに、昴が実際に薙刀を振っていてその切っ先が壁にぶつかる寸前だと、錯覚してしまったのだ。とほほと頭をかく僕にニッコリ笑いかけ、昴は説明を再開した。
「利き腕を使って振る人は無意識に、手幅を広く取る。テコの原理を使って、薙刀を振りやすくしているのね。しかしそれだとさっきのように腕を大きく動かさねばならないから、切っ先の速度は落ちるし、相手に動きを読まれやすくもなる。でも両腕による円運動なら、手元の僅かな動きで十分な剣速を得られるし、動きを相手に読まれ難くなるの。だからこれを、私達はとても重視しているのだけど・・・」
「・・・のだけど?」
「いかに両腕を使おうと手の間隔が狭まれば、操作が鈍くなるのもまた事実。よってそれを補うため私達は腕だけでなく、体全部を使って薙刀を操る技術を磨くの。その要を担うのが、この『骨盤の軸運動』なのよ」
骨盤の軸運動と聞きオオッと声を上げそうになるも、昴が両手を腰のくびれに当てクイクイッと動かしたので、僕は口を「オ」の形に開けたままその魅力的な柳腰に視点を固定してしまった。三秒後、昴は上体を曲げ僕の顔を覗き込み、パチンとウインクして言った。まあ眠留ったら、どこを見ているの?
「!#$%&*!!」
釣った張本人はお前だろうと反論しようにも見とれていたのは事実だし、腰の次は襟ぐりからのぞく胸の谷間に目が行ってしまったのも事実だし、そのさい「順調に成長しているなあ」と思ったのも事実だし、等々のなんやかんやで平たく言うと、僕は完璧にパニくったのだった。
「ふふふ、眠留は変わらないね。わたし安心しちゃった」
なんて意味不明なことを呟き、昴は前かがみ状態から跪座になる。床に直接膝を着く幼馴染みの姿に、僕は条件反射でポケットからハンカチを二つ取り出し昴へ差し出した。のだけど、
「あれ? ええっと、僕は何を言おうとしたんだっけ?」
パニック中の条件反射だったので自分の行動の意味を把握しておらず、僕は言葉に詰まってしまう。数秒後、自分の行動にようやく合点がいき、それを説明した。
「そうだ昴、このハンカチを膝の下に敷いてよ。僕はズボンを穿いているけど、スカートじゃ膝がむき出しになっちゃうからさ」
「前言撤回。あなたは、変わったわ」
「へ? なんのこと?」
「ううん、何でもないの。ハンカチありがとう。一つだけ使わせてもらうね」
昴は両手を胸の前で合わせ、目を閉じる。そして目を開け、薄手のハンカチを受け取り半分に折り、膝の下に敷いた。その一連の仕草に、哀しみを隠そうとする気配を感じた僕は咄嗟に椅子を降り、昴の前に正座した。「もう、仕方ないんだから」 昴はそんな笑みをほのかに浮かべ、座法を跪座から正座に変えて話を再開した。
相変わらずハテナマークを量産している自分を脇に置き、居住まいを正して昴に承諾の意を伝える。
「女は過程を大切にするの。私の話が長くなったのも、体育祭の時の気持ちを一つ一つ取り上げたからなのね」
プレゼンのどこを改めたかは判明せずとも、昴の気持ちを沢山知れて嬉しかったのは事実だったから、僕は感謝を込め首を縦に振った。
「それに対し男性は、結果を重視する。だから話も、結果を告げてからなされることが多い。結果は、結論と言い換えてもいいわね」
確かにその傾向があると、僕もプレゼンの授業で教わっていた。
「男女の大きな違いはもう一つあるわ。それは、女は想いに目を向け、男は物理現象に目を向けるという事。女は、これこれこんな想いの変遷を経て最終的にこんな想いを抱くようになりました、という説明をするの。この出来事にこんな想いを抱き、それが次の出来事へこんな想いを芽生えさせ、という説明こそが大切だと、女は考えるのね」
ここでようやく閃きを得られた。
――僕より高度な高速ストライド走法の物理的仕組みを僕は話し合うつもりだったけど、昴はそこに至るまでの想いの仕組みを話し合うつもりだったのかな?
「一方男性は、物理現象に目を向ける。想いではなく、実際に起こった現象に目を向けるのね。う~んでも、物理現象という言葉だとちょっと分かりづらいかもしれないから、ここは本命の、高速ストライド走法について話してみましょう」
前半部分が閃きと合致したので「おおっ」と高揚したのだけど、そんな僕を置き去りにして昴はスクっと立ち上がり、体育祭で披露した高速ストライド走法の技術解説を始めてしまった。オイオイそりゃ幾らなんでも唐突すぎだぞと鼻白むも、彼女の話に僕はたちまち引き込まれてゆく。なぜなら彼女の話には、天才薙刀使いである昴だからこその霊験と、天才薙刀使いである昴だからこその盲点が、無数に散りばめられていたからだ。例えば、これ。
「私の最大の盲点は、薙刀の体軸を私がまったく意識していなかった事にあるわね」
私見だが、薙刀以上に体軸の重要な武道及び武術は、地上に存在しないと僕は考えている。なのになぜ、昴は体軸を意識していなかったのか? その説明のためには、薙刀の歴史を紐解く必要があるだろう。
薙刀誕生の経緯は諸説あり定かではない。だが、薙刀を戦闘で最初に用いた人達が誰なのかは判明している。それは、僧兵。世が乱れ治安の悪化した平安時代中期、大寺院は広大な領地を守るため、自前の武力集団を保有するようになった。それが僧兵の起源であり、そして僧兵が好んで用いた武器こそが薙刀だった。そう、薙刀は武士ではなく、僧兵によって世に広められた武器なのである。
時代が下り源平の世になると、薙刀は武士の間にも広まって行った。騎馬武者が名乗りを上げ一騎打ちをしていた源平時代初期は、弓や太刀が武士の主要な武器だったが、大勢が徒歩で戦う徒戦へと合戦が変化していくにつれ、薙刀が用いられるようになっていったのだ。個人と個人が死力を尽くして戦う際、己が命を預ける武器に薙刀を選ぶ人が大勢いたのは、特筆に値すると今は考えられている。
しかし南北朝時代になると様相は一変し、合戦で薙刀を見かける事はほぼ無くなった。個人の武勇に頼る個人戦から集団を効果的に運用する集団戦へと合戦が変化してゆくにつれ、槍が用いられるようになって行ったのだ。集団で槍をかかげ槍衾を作り、敵陣の急所を一気に突くという『戦術』こそが重要だと、武士は気づいたのである。個人戦の主要武器であった薙刀は、こうして槍に取って代わられ、忘れられた武器になっていった。
余談だが、「なら槍は長い方が有利なのではないか」という閃きを得た織田信長が三間槍を作り大大名にのし上がって行ったのは、有名な史実。楽市楽座や鉄砲等の戦略に秀でた信長が天下取りに大手をかけた事は、「戦術は戦略に如かず」の実例と言えるだろう。
話をもとに戻そう。合戦で使われなくなり忘れられた武器になっていた薙刀は、江戸時代の武家の婦女たちにより、再び世に躍り出ることとなる。薙刀は、武家の婦女が身に付けるべき必須武芸として、日本中に普及していったのだ。そしてこの時代のこの人達こそが、薙刀を武道として大成したのだと、今は考えられている。
想像してみてほしい。武家に生まれた十歳前の女の子が、母親と祖母から薙刀の手ほどきを受けている。自分の身長より長い、重い木の棒を握りしめ、薙刀の型の稽古を庭で懸命にしている。そんな光景を思い浮かべてほしい。では考えてみよう。この女の子に、木の棒を振る腕力があるだろうか? 十歳前の女の子に、自分の身長より長い、ずっしり重い木の棒を自由自在に振りまわす筋力が果たしてあるだろうか? そう、そんなものありはしないのである。だからこそその子は身をもって知る。座学や理屈ではなく、その身をもって芯から悟る。薙刀は筋力で振るのではなく、軸で振るのだと。
「専門的な訓練を受けていない限り人は大抵、薙刀を利き腕一本で振ろうとするの。例えば右利きの人なら、こんな感じね」
そう言って昴は右中段に構え、薙刀を振る真似をした。利き腕の右腕は盛んに動いているのに体に近い左腕はほとんど動いていないその様子に、僕は強い親近感を覚えた。運動音痴で苦しんでいた数年前の自分が、重なって見えたのである。
「それに対し薙刀道では、左右の手の中間を軸にして、両腕で薙刀を振る。左右の手の真ん中を中心とする円を思い浮かべ、その円に沿って両手を同時に動かすのね。そうする事で、利き腕一本では為し得ない遠心力を発生させ、その遠心力を利用して、長さ2メートル20センチの薙刀竹刀を素早く操るの。こんな感じにね」
昴は手幅を三分の一ほどすぼめて、両手をくるくる動かした。その様子を見つめていた僕は思わず「危ない!」と声を出してしまう。円運動のあまりの正確さに、昴が実際に薙刀を振っていてその切っ先が壁にぶつかる寸前だと、錯覚してしまったのだ。とほほと頭をかく僕にニッコリ笑いかけ、昴は説明を再開した。
「利き腕を使って振る人は無意識に、手幅を広く取る。テコの原理を使って、薙刀を振りやすくしているのね。しかしそれだとさっきのように腕を大きく動かさねばならないから、切っ先の速度は落ちるし、相手に動きを読まれやすくもなる。でも両腕による円運動なら、手元の僅かな動きで十分な剣速を得られるし、動きを相手に読まれ難くなるの。だからこれを、私達はとても重視しているのだけど・・・」
「・・・のだけど?」
「いかに両腕を使おうと手の間隔が狭まれば、操作が鈍くなるのもまた事実。よってそれを補うため私達は腕だけでなく、体全部を使って薙刀を操る技術を磨くの。その要を担うのが、この『骨盤の軸運動』なのよ」
骨盤の軸運動と聞きオオッと声を上げそうになるも、昴が両手を腰のくびれに当てクイクイッと動かしたので、僕は口を「オ」の形に開けたままその魅力的な柳腰に視点を固定してしまった。三秒後、昴は上体を曲げ僕の顔を覗き込み、パチンとウインクして言った。まあ眠留ったら、どこを見ているの?
「!#$%&*!!」
釣った張本人はお前だろうと反論しようにも見とれていたのは事実だし、腰の次は襟ぐりからのぞく胸の谷間に目が行ってしまったのも事実だし、そのさい「順調に成長しているなあ」と思ったのも事実だし、等々のなんやかんやで平たく言うと、僕は完璧にパニくったのだった。
「ふふふ、眠留は変わらないね。わたし安心しちゃった」
なんて意味不明なことを呟き、昴は前かがみ状態から跪座になる。床に直接膝を着く幼馴染みの姿に、僕は条件反射でポケットからハンカチを二つ取り出し昴へ差し出した。のだけど、
「あれ? ええっと、僕は何を言おうとしたんだっけ?」
パニック中の条件反射だったので自分の行動の意味を把握しておらず、僕は言葉に詰まってしまう。数秒後、自分の行動にようやく合点がいき、それを説明した。
「そうだ昴、このハンカチを膝の下に敷いてよ。僕はズボンを穿いているけど、スカートじゃ膝がむき出しになっちゃうからさ」
「前言撤回。あなたは、変わったわ」
「へ? なんのこと?」
「ううん、何でもないの。ハンカチありがとう。一つだけ使わせてもらうね」
昴は両手を胸の前で合わせ、目を閉じる。そして目を開け、薄手のハンカチを受け取り半分に折り、膝の下に敷いた。その一連の仕草に、哀しみを隠そうとする気配を感じた僕は咄嗟に椅子を降り、昴の前に正座した。「もう、仕方ないんだから」 昴はそんな笑みをほのかに浮かべ、座法を跪座から正座に変えて話を再開した。
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