92 / 934
三章
ありがとうの音、1
しおりを挟む
それからはトントン拍子に話が進んだ。口火を切ったのは、僕だった。
「体育祭の100メートル予選を終えて準決勝に向かう途中、昴がいつもと違いすぎて天変地異に見舞われた気がしたけど、その理由がやっと解ったよ」
「うん、あの時はごめんね」
昴はそう言って頬を掻いた。そして準決勝のスタートラインに到着してからの胸の内を、柔和な口調で明かしてくれた。
100メートル準決勝のスタート直前、あがり症のもじもじ性格に襲われた僕を立ち直らせた事が、昴自身も立ち直らせた事。それ以降は、体育祭をより楽しく感じた事。そのお蔭で、銀河の妖精に臨む輝夜さんの成功を心から願えた事。そして、こんな自分ならまた好きになってもいいかなと、ちょっぴり思えた事。昴はそれらを、一つ一つ慈しむように話してくれた。僕は床に跪坐し、そんな彼女を仰ぎ見ていた。跪座とは神道の座法で、つま先を立てた正座のこと。「私は私がこの世で一番嫌いになった」と打ち明けた昴のあの狼狽ぶりを思うと、昴から離れ椅子に戻ることがどうしてもできなかった僕は、その場で床に膝を着き、つま先を立てた正座の姿勢になったのである。
「これが俺のドリルだ、の選手選考に、男の子たちはとても手間取ったわよね。でも、私たち女にそれは無かった。なぜだと思う?」
「実はそれ、男子の間でちょっとした話題になったんだ。最初こそ諸説入り乱れていたけど、みんなでワイワイやりたかっただけだったから、すぐ意見が一致したよ。それは、昴が上手くやったんだろうって事。十組の男子は皆、昴に絶対的な信頼を寄せているからさ」
「な、なななっ!」
予想外の返事を聞かされたからか、昴は「な」を連発して椅子から転げ落ちそうになった。長い睫毛を盛んに瞬かせアワアワする彼女に、つくづく思う。誰もが認めるしっかり者のくせにこんな可愛い所もあるから、皆に愛されるんだよな、と。
昴が女の子たちから学年一位の女子と目されていることは、男子にとって周知の事実だった。涙が出るほど有り難いことに、湖校には性格の良い美少女が、それこそゴマンといる。一年生だけでも、百人は軽く超えるはずだ。その中にあってさえ、昴は学年トップ5に入る美少女なのに、薙刀全国大会小学生の部の覇者という称号も有してる。薙刀が隆盛を極めるこの時代、東日本随一の薙刀強豪校である湖校において、この称号の重みは絶大。昴は性格や容姿だけでなく身体能力においても、すこぶる付きに抜きんでた存在なのだ。これだけでも、昴の序列一位はほぼ確定していただろう。しかし神は彼女に、更なる天分を与えていた。それは、料理の才能。彼女は、料理の選択授業を受け持つプロの先生にすら「私より遥かに上」と言わしめるほどの、料理の達人だったのである。ここだけの話、昴は複数の世界的大ヒット冷凍食品の開発者として、平均生涯収入を数倍する財産を既に築いている。会社という名の中間搾取者が消滅しつつある現代社会では、商品に占める会社の取り分が激減したため、価格を下げながらも特許料や著作料を増やすことができた。よって世界中で売れた商品の開発者ともなれば、莫大な収入を得られるようになったのだ。五指に余る世界的ヒット商品を生み出した天川昴のプロフィールは安全上の理由により伏せられていても、専門家育成学校である研究学校の生徒にとって、プロの料理人から大絶賛される料理を一年生にして作り上げる昴は、憧れを通り越し崇拝の対象にすらなっていた。その上、気立ても器量も良い薙刀全国覇者とあっては、序列一位女子でない方がおかしいだろう。そんな昴がいるのだから、体育祭の選手選考ごときはスムーズに決まって当然だよなあと、僕ら男子は満場一致で推測していたのだ。
みたいな感じのことを、恥ずかしさ九割うれしさ一割に身もだえする昴に、僕は話した。
「てな訳で、昴が上手くやったんだろうって十組の野郎どもは推測したんだけど、真相はどうだったの?」
恥ずかしさ九割うれしさ一割に身もだえする幼馴染を眺めていたら、自分へのサド疑惑が浮上して来たので、予定を繰り上げ真相を尋ねてみた。昴を面と向かって褒めたことがあまりない僕としては、名残惜しかったんだけどね。
「うん、眠留だから正直に話すね。私は前期委員長でも体育祭実行委員長でもないのに、選手を決める掲示板でみんな私に話を振ってくるの。その方が話はサクサク進むって経験上知っていたから、私はいつも通り流れに身を任せた。そのことを言っているなら、男の子たちの推測は間違いではないと思う。ただ・・・」
男子と同じく、女子も学内ネットで秘密会合をしばしば開いているのかなと考えつつ、僕は水を向ける。
「ただ?」
「ただ、銀河の妖精の選考に手間取らなかった直接の原因は、他にあるの。それが無かったら、私達もドロドロになっていたと思う。他の組はみんなそうだったって、小耳に挟んだしね」
湖校体育祭きっての花形競技として名高い銀河の妖精は、女の子たちにとって、序列付けの枢要基準の一つなのだろう。他の組はみんなドロドロだったという言葉に、僕は少なくない動揺を覚えた。それが意外だったのか、男の子にはそういうの無いのと、昴は首をかしげて不思議そうにしている。そんな彼女へ、僕は男子の秘密会合をちょっぴり明かした。
「上っ面の序列に流されず、腹の底で対等な付き合いができる男に、男は惚れるんだよ」
我が意を得たりと、昴は身を乗り出し頷いた。
「それ、凄くよくわかるわ。私と輝夜が友達になった理由もまさにそれだし、さっき言った直接の原因も、それだからね」
「前半の友達の部分は理解できるけど、後半がまったく分からないです」
昴は少し俯き目を伏せ、それはそうよねと呟いた。僕は悟る。
慈しむように紡がれた時間は、もう終わりなのだと。
「体育祭の100メートル予選を終えて準決勝に向かう途中、昴がいつもと違いすぎて天変地異に見舞われた気がしたけど、その理由がやっと解ったよ」
「うん、あの時はごめんね」
昴はそう言って頬を掻いた。そして準決勝のスタートラインに到着してからの胸の内を、柔和な口調で明かしてくれた。
100メートル準決勝のスタート直前、あがり症のもじもじ性格に襲われた僕を立ち直らせた事が、昴自身も立ち直らせた事。それ以降は、体育祭をより楽しく感じた事。そのお蔭で、銀河の妖精に臨む輝夜さんの成功を心から願えた事。そして、こんな自分ならまた好きになってもいいかなと、ちょっぴり思えた事。昴はそれらを、一つ一つ慈しむように話してくれた。僕は床に跪坐し、そんな彼女を仰ぎ見ていた。跪座とは神道の座法で、つま先を立てた正座のこと。「私は私がこの世で一番嫌いになった」と打ち明けた昴のあの狼狽ぶりを思うと、昴から離れ椅子に戻ることがどうしてもできなかった僕は、その場で床に膝を着き、つま先を立てた正座の姿勢になったのである。
「これが俺のドリルだ、の選手選考に、男の子たちはとても手間取ったわよね。でも、私たち女にそれは無かった。なぜだと思う?」
「実はそれ、男子の間でちょっとした話題になったんだ。最初こそ諸説入り乱れていたけど、みんなでワイワイやりたかっただけだったから、すぐ意見が一致したよ。それは、昴が上手くやったんだろうって事。十組の男子は皆、昴に絶対的な信頼を寄せているからさ」
「な、なななっ!」
予想外の返事を聞かされたからか、昴は「な」を連発して椅子から転げ落ちそうになった。長い睫毛を盛んに瞬かせアワアワする彼女に、つくづく思う。誰もが認めるしっかり者のくせにこんな可愛い所もあるから、皆に愛されるんだよな、と。
昴が女の子たちから学年一位の女子と目されていることは、男子にとって周知の事実だった。涙が出るほど有り難いことに、湖校には性格の良い美少女が、それこそゴマンといる。一年生だけでも、百人は軽く超えるはずだ。その中にあってさえ、昴は学年トップ5に入る美少女なのに、薙刀全国大会小学生の部の覇者という称号も有してる。薙刀が隆盛を極めるこの時代、東日本随一の薙刀強豪校である湖校において、この称号の重みは絶大。昴は性格や容姿だけでなく身体能力においても、すこぶる付きに抜きんでた存在なのだ。これだけでも、昴の序列一位はほぼ確定していただろう。しかし神は彼女に、更なる天分を与えていた。それは、料理の才能。彼女は、料理の選択授業を受け持つプロの先生にすら「私より遥かに上」と言わしめるほどの、料理の達人だったのである。ここだけの話、昴は複数の世界的大ヒット冷凍食品の開発者として、平均生涯収入を数倍する財産を既に築いている。会社という名の中間搾取者が消滅しつつある現代社会では、商品に占める会社の取り分が激減したため、価格を下げながらも特許料や著作料を増やすことができた。よって世界中で売れた商品の開発者ともなれば、莫大な収入を得られるようになったのだ。五指に余る世界的ヒット商品を生み出した天川昴のプロフィールは安全上の理由により伏せられていても、専門家育成学校である研究学校の生徒にとって、プロの料理人から大絶賛される料理を一年生にして作り上げる昴は、憧れを通り越し崇拝の対象にすらなっていた。その上、気立ても器量も良い薙刀全国覇者とあっては、序列一位女子でない方がおかしいだろう。そんな昴がいるのだから、体育祭の選手選考ごときはスムーズに決まって当然だよなあと、僕ら男子は満場一致で推測していたのだ。
みたいな感じのことを、恥ずかしさ九割うれしさ一割に身もだえする昴に、僕は話した。
「てな訳で、昴が上手くやったんだろうって十組の野郎どもは推測したんだけど、真相はどうだったの?」
恥ずかしさ九割うれしさ一割に身もだえする幼馴染を眺めていたら、自分へのサド疑惑が浮上して来たので、予定を繰り上げ真相を尋ねてみた。昴を面と向かって褒めたことがあまりない僕としては、名残惜しかったんだけどね。
「うん、眠留だから正直に話すね。私は前期委員長でも体育祭実行委員長でもないのに、選手を決める掲示板でみんな私に話を振ってくるの。その方が話はサクサク進むって経験上知っていたから、私はいつも通り流れに身を任せた。そのことを言っているなら、男の子たちの推測は間違いではないと思う。ただ・・・」
男子と同じく、女子も学内ネットで秘密会合をしばしば開いているのかなと考えつつ、僕は水を向ける。
「ただ?」
「ただ、銀河の妖精の選考に手間取らなかった直接の原因は、他にあるの。それが無かったら、私達もドロドロになっていたと思う。他の組はみんなそうだったって、小耳に挟んだしね」
湖校体育祭きっての花形競技として名高い銀河の妖精は、女の子たちにとって、序列付けの枢要基準の一つなのだろう。他の組はみんなドロドロだったという言葉に、僕は少なくない動揺を覚えた。それが意外だったのか、男の子にはそういうの無いのと、昴は首をかしげて不思議そうにしている。そんな彼女へ、僕は男子の秘密会合をちょっぴり明かした。
「上っ面の序列に流されず、腹の底で対等な付き合いができる男に、男は惚れるんだよ」
我が意を得たりと、昴は身を乗り出し頷いた。
「それ、凄くよくわかるわ。私と輝夜が友達になった理由もまさにそれだし、さっき言った直接の原因も、それだからね」
「前半の友達の部分は理解できるけど、後半がまったく分からないです」
昴は少し俯き目を伏せ、それはそうよねと呟いた。僕は悟る。
慈しむように紡がれた時間は、もう終わりなのだと。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
彩鬼万華鏡奇譚 天の足夜のきせきがたり
響 蒼華
キャラ文芸
元は令嬢だったあやめは、現在、女中としてある作家の家で働いていた。
紡ぐ文章は美しく、されど生活能力皆無な締め切り破りの問題児である玄鳥。
手のかかる雇い主の元の面倒見ながら忙しく過ごす日々、ある時あやめは一つの万華鏡を見つける。
持ち主を失ってから色を無くした、何も映さない万華鏡。
その日から、月の美しい夜に玄鳥は物語をあやめに聞かせるようになる。
彩の名を持つ鬼と人との不思議な恋物語、それが語られる度に万華鏡は色を取り戻していき……。
過去と現在とが触れあい絡めとりながら、全ては一つへと収束していく――。
※時代設定的に、現代では女性蔑視や差別など不適切とされる表現等がありますが、差別や偏見を肯定する意図はありません。
イラスト:Suico 様
【完結】タイムトラベル・サスペンス『君を探して』
crazy’s7@体調不良不定期更新中
ミステリー
過去からタイムトラベルをし逃げてきた兄弟が、妹の失踪事件をきっかけに両親が殺害された事件の真相に挑むミステリー
────2つの世界が交差するとき、真実に出逢う。
5×××年。
時を渡る能力を持つ雛本一家はその日、何者かに命を狙われた。
母に逃げろと言われ、三兄弟の長男である和宏は妹の佳奈と弟の優人を連れ未来へと飛んだ。一番力を持っている佳奈を真ん中に、手を繋ぎ逃げ切れることを信じて。
しかし、時を渡ったその先に妹の姿はなかったのだ。
数年後、和宏と優人は佳奈に再会できることを信じその時代に留まっていた。
世間ではある要人の命が狙われ、ニュースに。そのことを発端にして、和宏たちの時代に起きた事件が紐解かれていく。
何故、雛本一家は暗殺されそうになったのだろうか?
あの日の真実。佳奈は一体どこへ行ってしまったのか。
注意:この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
【解説】
この物語は、タイムトラベルして事件の真相を暴くのではなく、縛りがあってタイムトラベルすることのできない兄弟が、気づきと思考のみで真相に辿り着くという話。
なので殺害方法とかアリバイなどの難しいことは一切でない。知恵で危機を乗り越えていく。
雛本三兄弟シリーズとは、登場人物(性格などベース)だけは変わらずに色んな物語を展開していくパラレルシリーズです。
学園戦記三国志~リュービ、二人の美少女と義兄妹の契りを結び、学園において英雄にならんとす 正史風味~
トベ・イツキ
キャラ文芸
三国志×学園群像劇!
平凡な少年・リュービは高校に入学する。
彼が入学したのは、一万人もの生徒が通うマンモス校・後漢学園。そして、その生徒会長は絶大な権力を持つという。
しかし、平凡な高校生・リュービには生徒会なんて無縁な話。そう思っていたはずが、ひょんなことから黒髪ロングの清楚系な美女とお団子ヘアーのお転婆な美少女の二人に助けられ、さらには二人が自分の妹になったことから運命は大きく動き出す。
妹になった二人の美少女の後押しを受け、リュービは謀略渦巻く生徒会の選挙戦に巻き込まれていくのであった。
学園を舞台に繰り広げられる新三国志物語ここに開幕!
このお話は、三国志を知らない人も楽しめる。三国志を知ってる人はより楽しめる。そんな作品を目指して書いてます。
今後の予定
第一章 黄巾の乱編
第二章 反トータク連合編
第三章 群雄割拠編
第四章 カント決戦編
第五章 赤壁大戦編
第六章 西校舎攻略編←今ココ
第七章 リュービ会長編
第八章 最終章
作者のtwitterアカウント↓
https://twitter.com/tobeitsuki?t=CzwbDeLBG4X83qNO3Zbijg&s=09
※このお話は2019年7月8日にサービスを終了したラノゲツクールに同タイトルで掲載していたものを小説版に書き直したものです。
※この作品は小説家になろう・カクヨムにも公開しています。
【完結】陰陽師は神様のお気に入り
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
キャラ文芸
平安の夜を騒がせる幽霊騒ぎ。陰陽師である真桜は、騒ぎの元凶を見極めようと夜の見回りに出る。式神を連れての夜歩きの果て、彼の目の前に現れたのは―――美人過ぎる神様だった。
非常識で自分勝手な神様と繰り広げる騒動が、次第に都を巻き込んでいく。
※注意:キスシーン(触れる程度)あります。
【同時掲載】アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、小説家になろう
※「エブリスタ10/11新作セレクション」掲載作品
妹はわたくしの物を何でも欲しがる。何でも、わたくしの全てを……そうして妹の元に残るモノはさて、なんでしょう?
ラララキヲ
ファンタジー
姉と下に2歳離れた妹が居る侯爵家。
両親は可愛く生まれた妹だけを愛し、可愛い妹の為に何でもした。
妹が嫌がることを排除し、妹の好きなものだけを周りに置いた。
その為に『お城のような別邸』を作り、妹はその中でお姫様となった。
姉はそのお城には入れない。
本邸で使用人たちに育てられた姉は『次期侯爵家当主』として恥ずかしくないように育った。
しかしそれをお城の窓から妹は見ていて不満を抱く。
妹は騒いだ。
「お姉さまズルい!!」
そう言って姉の着ていたドレスや宝石を奪う。
しかし…………
末娘のお願いがこのままでは叶えられないと気付いた母親はやっと重い腰を上げた。愛する末娘の為に母親は無い頭を振り絞って素晴らしい方法を見つけた。
それは『悪魔召喚』
悪魔に願い、
妹は『姉の全てを手に入れる』……──
※作中は[姉視点]です。
※一話が短くブツブツ進みます
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるかも。
◇なろうにも上げました。
八百万の学校 其の参
浅井 ことは
キャラ文芸
書籍化作品✨神様の学校 八百万ご指南いたします✨の旧題、八百万(かみさま)の学校。参となります。
十七代当主となった翔平と勝手に双子設定された火之迦具土神と祖父母と一緒に暮らしながら、やっと大学生になったのにも関わらず、大国主命や八意永琳の連れてくる癖のある神様たちに四苦八苦。
生徒として現代のことを教える
果たして今度は如何に──
ドタバタほのぼのコメディとなります。
Vtuberだけどリスナーに暴言吐いてもいいですか?
天宮暁
キャラ文芸
俺、人見慧(ひとみけい)は、ただのユルオタ高校生だ。
そんな俺は、最近Vtuberにドマハリしてる。
ヴァーチャル・マイチューバー、略して「Vtuber」。イラストやCGを顔認識アプリと連動させ、まるで生きてるように動かしながら、雑談したり、ゲームしたり、歌を歌ったり、イラスト描いたり、その他諸々の活動をしてる人たちのことである。
中でも俺が推してるのは、七星エリカっていうVtuberだ。暴言ばっか吐いてるんだけど、俺はなぜか憎めないんだよな。
そんな彼女がコラボ配信で大炎上をやらかしたその翌日、いつも通り友人と教室でだべってた俺は、いきなりクラスの女子にからまれた。
神崎絵美莉というその女子は、絵に描いたようなザ・陽キャ。ユルオタの俺と接点なんてあろうはずもない……はずだった。
だが、その後のなりゆきから、俺は神崎の「秘密」を知ることになってしまい――!?
※ ご注意
この話はフィクションです。実在する団体、人物、Vtuberとは一切関係がございません。作者は、業界の関係者でもなければ関係者に直接取材をしたわけでもない、一介のVtuberファンにすぎません。Vtuberについての見解、業界事情等は100%作者の妄想であることをご理解の上、お楽しみくださいませ。
異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話
kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。
彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。
彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。
そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。
S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。
オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる