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二章
嬉しくて
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あれから十日経った、今日。
場所は、ショッピングモールの休憩所。
「というわけで芹沢さん、僕は猛に心から感謝しているんだ。もし猛がいなかったら、体が軽くなった僕は調子に乗って走り過ぎ、脚を壊していたはず。猛の、予想通りにね。猛がいたからこそ僕はそれを、回避できたんだよ。高度な知識と豊富な経験を併せ持つ猛は、高速ストライド走法の完成に必要不可欠な、僕の共同研究者。僕に初めてできた、大切な共同研究者なんだ。そうだよな、猛」
落ち着きを取り戻した芹沢さんへ、五月六日からの共同研究を伝え終えた僕は、照れまくる猛の肩に腕を回して話を締めくくった。「よせやい眠留、くすぐったいじゃないか」などとほざき懸命に照れ隠しをする猛の向こう側で、芹沢さんは満面の笑みを浮かべハンカチを目もとに当てている。「よし」と僕は心中頷き、二人が再び同じ道を歩めるよう勝負に出た。
「でね芹沢さん。僕は猛に何度か、『お前はよくこんな高度な計算ができるな』って言ったんだ。すると猛は『ふっふっふ、怪我を乗り越え先へ進もうとする男の気概を舐めるんじゃねぇ』って、いつも胸を反り返していた。僕はそんな猛を見るたび、昴の言葉を思い出してさ」
「天川さんの言葉?」
いきなり出てきた昴の名に、芹沢さんは意表を突かれたようだ。その空白状態の心へ、昴の言葉がどうか染み込みますように。
「大きな問題を抱えて悩みまくっていた僕に、昴は『未来を基準に考える』ことを話してくれた。過ぎ去った過去ではなく、やって来る未来に目を向けて、生きてゆくんだね。それが猛にぴったり合う気が、僕はした。僕には猛が、未来を見据えて行動しているように感じられた。『怪我から学び、怪我を完治させた俺はそれをバネに、今よりもっと成長した俺になる』 猛はそんな未来の自分を基準に、今を精一杯生きている。僕はそう、強く感じたんだよ」
僕の右横から、涙を必死でこらえる猛の気配が伝わってきた。僕は心の中で友に語りかける。友から理解された時の喜びは、男にとって別格の喜び、だよな猛!
「猫将軍君、私はやっと理解できました。私は、過去を生きていた。猛の脚を傷つけてしまったという、過去を基準に私は生きていた。だから未来を見据えて生きる猛と同じ道を、私は一緒に歩けなくなって・・・」
芹沢さんは声を詰まらせ猛の胸で泣き崩れる。けど、もう心配ない。そして二人にとって、もう僕は必要ではない。僕はお邪魔虫にならぬよう、猛に目配せして立ち上がった。
「待ってくれ眠留」
立ち去ろうとする僕を呼び止め、猛は言った。
「お前はさっき俺に負けたよと言ったが、俺からも言わせてくれ。眠留、お前は凄い奴だ。俺は、負けたよ」
「ならこれで、チャラのお相子だな。今度は先制点を取られないよう、気を引き締めるよ」
「ったく、テメエはカッコ良すぎなんだよ、眠留」
「それはお互い様だ、猛」
猛は左拳を突き出す。僕は右拳を突き出す。
僕らは拳を合わせ、コンッと心地よい音を響かせた。
「じゃあ、明日な」
僕は手を振り、休憩所を後にした。
夕方、猛から電話があった。
「眠留が言った『猛は何でもない演技をしている』は、強烈だったぞ」
「そうか」
「だから眠留が去ってから、俺は清良に全てぶちまけた。脚を壊して、本当は恐かった。俺にはこれしか無いのに俺はこれからどうなっちまうんだろうって考えたら、恐くて夜も眠れなかった。何もかも脱ぎ捨て、そうぶちまけたんだ」
「そうか」
「そしたら『不謹慎かもしれないけど、私は今が一番嬉しい』って、清良がえらく喜んでくれてな。 その笑顔に、俺はやっと気づけたよ。俺の幼稚なプライドこそが、清良を傷つけていたんだってな」
「そう言えるお前は、本物のプライドを持っている男だと、僕は思うよ」
「ああ、ありがとう。素直に受け取っておくぜ」
「ああ、それがいい」
その後、「清良が眠留にお礼をしたいって言ってきかないんだが、どうしよう」という相談を僕は受けた。二人で神社に遊びに来てくれればそれで充分と何度言っても猛は合意せず、僕は正直困った。
まあそれ以上に、嬉しかったけどね。
ショッピングモールで選んだ苺を、美鈴は大層喜んでくれた。
「この苺、いつもより美味しい気がする。お兄ちゃん、何か良いことあった?」
「うん、実はこんなことがあったんだ」
晩ご飯のデザートに二人で苺を食べながら、猛と芹沢さんのプライベートに触れないよう注意しつつ、僕は今日の出来事を話した。夕方の電話まで話し終えた僕に、美鈴は顔を輝かせた。
「撫子部の人が来てくれるの! わあ、私すごく嬉しい!」
「ん? 美鈴は撫子部に興味あるのか」
すると美鈴は珍しく、じっとり湿った眼差しを僕に向けた。
「あのねえお兄ちゃん、私がおばあちゃんと中吉から、華道と茶道と書道と箏曲を幼稚園に入る前から教えてもらっているの、知らないはず無いよね」
「ぶはっ! も、もちろん知ってるよ。ばあちゃんからは謡曲、中吉からは日舞も習っているんだよね」
「うん。だから芹沢さんが遊びに来てくれたら、私すっごく嬉しいな!」
美鈴に撫子部を見学させてやれないか、明日芹沢さんに訊いてみよう。来年まで待っていたら、東雲の椿が卒業してしまうからな。
瞳を煌めかせ喜ぶ美鈴に、僕はそう思った。
そして今、寝る前のひとときを、僕は輝夜さんと電話で話しながら過ごしている。ああ、至福‥‥
「それでね眠留くん、私が最後から二番目、そして昴が最後に部長と一本試合をしたのだけど、二人とも全然相手にされなかったの。それどころか一年生部員全員と一本試合をしたのに、部長は汗ひとつかいていないんだもん。私と昴はもう、嬉しいやら嬉しいやら嬉しいやら」
「輝夜さん、嬉しいしか言ってないよ」
僕はさっきからずっと、頬はゆるみっぱなしで目尻は下がりっぱなしの状態になっていた。だが、それで良い。輝夜さんになら、それで良いのである。
「だって眠留くん、部長はそのあと、二年生と三年生の先輩方全員とも一本試合をされたの。たった一人で120人全員を、一本で打ち負かしたのよ!」
「ひゃ、120人全員! 想像を絶するとはまさにこの事だね。時間はどれくらいかかったのかな?」
「六年生部員の指導に20分、そして部長との試合に40分は各学年共通だったから、120分で丁度120人ね。休憩を二回挟んだ朝九時から午後十二時までの三時間だけで、部長はそれを成し遂げられたの。だから私と昴は嬉しくて嬉しくて・・・」
輝夜さん、解るよ。僕だって輝夜さんと出会えて、嬉しくて嬉しくてたまらないからさ。
僕は寝落ちするまで輝夜さんと話した。
幸せだった。
場所は、ショッピングモールの休憩所。
「というわけで芹沢さん、僕は猛に心から感謝しているんだ。もし猛がいなかったら、体が軽くなった僕は調子に乗って走り過ぎ、脚を壊していたはず。猛の、予想通りにね。猛がいたからこそ僕はそれを、回避できたんだよ。高度な知識と豊富な経験を併せ持つ猛は、高速ストライド走法の完成に必要不可欠な、僕の共同研究者。僕に初めてできた、大切な共同研究者なんだ。そうだよな、猛」
落ち着きを取り戻した芹沢さんへ、五月六日からの共同研究を伝え終えた僕は、照れまくる猛の肩に腕を回して話を締めくくった。「よせやい眠留、くすぐったいじゃないか」などとほざき懸命に照れ隠しをする猛の向こう側で、芹沢さんは満面の笑みを浮かべハンカチを目もとに当てている。「よし」と僕は心中頷き、二人が再び同じ道を歩めるよう勝負に出た。
「でね芹沢さん。僕は猛に何度か、『お前はよくこんな高度な計算ができるな』って言ったんだ。すると猛は『ふっふっふ、怪我を乗り越え先へ進もうとする男の気概を舐めるんじゃねぇ』って、いつも胸を反り返していた。僕はそんな猛を見るたび、昴の言葉を思い出してさ」
「天川さんの言葉?」
いきなり出てきた昴の名に、芹沢さんは意表を突かれたようだ。その空白状態の心へ、昴の言葉がどうか染み込みますように。
「大きな問題を抱えて悩みまくっていた僕に、昴は『未来を基準に考える』ことを話してくれた。過ぎ去った過去ではなく、やって来る未来に目を向けて、生きてゆくんだね。それが猛にぴったり合う気が、僕はした。僕には猛が、未来を見据えて行動しているように感じられた。『怪我から学び、怪我を完治させた俺はそれをバネに、今よりもっと成長した俺になる』 猛はそんな未来の自分を基準に、今を精一杯生きている。僕はそう、強く感じたんだよ」
僕の右横から、涙を必死でこらえる猛の気配が伝わってきた。僕は心の中で友に語りかける。友から理解された時の喜びは、男にとって別格の喜び、だよな猛!
「猫将軍君、私はやっと理解できました。私は、過去を生きていた。猛の脚を傷つけてしまったという、過去を基準に私は生きていた。だから未来を見据えて生きる猛と同じ道を、私は一緒に歩けなくなって・・・」
芹沢さんは声を詰まらせ猛の胸で泣き崩れる。けど、もう心配ない。そして二人にとって、もう僕は必要ではない。僕はお邪魔虫にならぬよう、猛に目配せして立ち上がった。
「待ってくれ眠留」
立ち去ろうとする僕を呼び止め、猛は言った。
「お前はさっき俺に負けたよと言ったが、俺からも言わせてくれ。眠留、お前は凄い奴だ。俺は、負けたよ」
「ならこれで、チャラのお相子だな。今度は先制点を取られないよう、気を引き締めるよ」
「ったく、テメエはカッコ良すぎなんだよ、眠留」
「それはお互い様だ、猛」
猛は左拳を突き出す。僕は右拳を突き出す。
僕らは拳を合わせ、コンッと心地よい音を響かせた。
「じゃあ、明日な」
僕は手を振り、休憩所を後にした。
夕方、猛から電話があった。
「眠留が言った『猛は何でもない演技をしている』は、強烈だったぞ」
「そうか」
「だから眠留が去ってから、俺は清良に全てぶちまけた。脚を壊して、本当は恐かった。俺にはこれしか無いのに俺はこれからどうなっちまうんだろうって考えたら、恐くて夜も眠れなかった。何もかも脱ぎ捨て、そうぶちまけたんだ」
「そうか」
「そしたら『不謹慎かもしれないけど、私は今が一番嬉しい』って、清良がえらく喜んでくれてな。 その笑顔に、俺はやっと気づけたよ。俺の幼稚なプライドこそが、清良を傷つけていたんだってな」
「そう言えるお前は、本物のプライドを持っている男だと、僕は思うよ」
「ああ、ありがとう。素直に受け取っておくぜ」
「ああ、それがいい」
その後、「清良が眠留にお礼をしたいって言ってきかないんだが、どうしよう」という相談を僕は受けた。二人で神社に遊びに来てくれればそれで充分と何度言っても猛は合意せず、僕は正直困った。
まあそれ以上に、嬉しかったけどね。
ショッピングモールで選んだ苺を、美鈴は大層喜んでくれた。
「この苺、いつもより美味しい気がする。お兄ちゃん、何か良いことあった?」
「うん、実はこんなことがあったんだ」
晩ご飯のデザートに二人で苺を食べながら、猛と芹沢さんのプライベートに触れないよう注意しつつ、僕は今日の出来事を話した。夕方の電話まで話し終えた僕に、美鈴は顔を輝かせた。
「撫子部の人が来てくれるの! わあ、私すごく嬉しい!」
「ん? 美鈴は撫子部に興味あるのか」
すると美鈴は珍しく、じっとり湿った眼差しを僕に向けた。
「あのねえお兄ちゃん、私がおばあちゃんと中吉から、華道と茶道と書道と箏曲を幼稚園に入る前から教えてもらっているの、知らないはず無いよね」
「ぶはっ! も、もちろん知ってるよ。ばあちゃんからは謡曲、中吉からは日舞も習っているんだよね」
「うん。だから芹沢さんが遊びに来てくれたら、私すっごく嬉しいな!」
美鈴に撫子部を見学させてやれないか、明日芹沢さんに訊いてみよう。来年まで待っていたら、東雲の椿が卒業してしまうからな。
瞳を煌めかせ喜ぶ美鈴に、僕はそう思った。
そして今、寝る前のひとときを、僕は輝夜さんと電話で話しながら過ごしている。ああ、至福‥‥
「それでね眠留くん、私が最後から二番目、そして昴が最後に部長と一本試合をしたのだけど、二人とも全然相手にされなかったの。それどころか一年生部員全員と一本試合をしたのに、部長は汗ひとつかいていないんだもん。私と昴はもう、嬉しいやら嬉しいやら嬉しいやら」
「輝夜さん、嬉しいしか言ってないよ」
僕はさっきからずっと、頬はゆるみっぱなしで目尻は下がりっぱなしの状態になっていた。だが、それで良い。輝夜さんになら、それで良いのである。
「だって眠留くん、部長はそのあと、二年生と三年生の先輩方全員とも一本試合をされたの。たった一人で120人全員を、一本で打ち負かしたのよ!」
「ひゃ、120人全員! 想像を絶するとはまさにこの事だね。時間はどれくらいかかったのかな?」
「六年生部員の指導に20分、そして部長との試合に40分は各学年共通だったから、120分で丁度120人ね。休憩を二回挟んだ朝九時から午後十二時までの三時間だけで、部長はそれを成し遂げられたの。だから私と昴は嬉しくて嬉しくて・・・」
輝夜さん、解るよ。僕だって輝夜さんと出会えて、嬉しくて嬉しくてたまらないからさ。
僕は寝落ちするまで輝夜さんと話した。
幸せだった。
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