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天川昴、1
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「わあ、栗羊羹だ。いただきま~す!」
昴は爪楊枝で羊羹を刺し、パクッとほおばる。そして一回噛んで目を輝かせ、二回噛んでうっとり目を細め、三回目からは目を閉じて、彼女は恍惚の表情を浮かべた。うちの神社は所沢市からほど近い、川越市の和菓子屋さんから和菓子を購入している。様々なものをロボットが拵えるようになったこの時代、腕の良い職人さんは芸術家として高い社会的地位を得るに至っていた。その和菓子職人さんにこの表情を見せたらさぞ喜ぶだろうな、今度録画しておこうかなあ、なんておバカな思い付きにひたっていた僕を、しっかり者の姉が諭す。
「しょうーもないこと考えてないで、眠留も食べなさい」
昴は二切れ目の羊羹を爪楊枝で刺しつつ、羊羹の乗ったお皿を僕に勧めた。
「はい、ご馳走になります」
しょーもないことを言い当てられ動揺した僕は、それが自分の家のお茶請けであることも忘れ、ペコリとお辞儀して栗羊羹を頂いたのだった。
とまあそれはさておき、
「で、どうしたんだ今日は」
もぎゅもぎゅ動く口を左手で隠し、僕は尋ねた。
「朝起きたら、眠留の家に遊びに行きたくなっちゃったの。おじいちゃんとおばあちゃんにも、ご挨拶したかったし」
昴は僕の祖父母を、おじいちゃんおばあちゃんと呼ぶ。そうなった時期やきっかけに誰も気づかぬまま、我が家ではいつの間にかそれが定着していたのだ。娘の無礼を慌てて正そうとする昴の母親を目にし、そういえば不自然なのかなと初めて思い至った祖父母は、そう呼ばれてたいそう嬉しかったことを母親に伝えた。恐縮する親から許可を貰った昴は、今も変わらず二人にそう呼びかけている。もちろん僕も、そのほうが嬉しいしね。
「昴が来て、じいちゃんとばあちゃんは喜んだろ」
「うん、とっても喜んでくれた。いつまでも健康で長生きしてくださいって、ここに来るたび神様にお願いするんだ。社務所にいた末吉も拝殿に付いてきて、並んでお参りしたの。そうしたらあの子、私と一緒にきちんと頭を下げるのよ。可愛くて抱き上げて頬ずりしたら、うにゃうにゃ抗議じみた声で鳴くからもう、私メロメロになっちゃって」
「うにゃ」
「はいはい、可愛くて優しくて素敵な小吉も、いつもそうお願いしているのよね。わかってるよ」
「にゃ~」
昴は爪楊枝を置き、小吉の首もとをかく。ごろごろ鳴いて、小吉はまた眠りについた。テーブルに遮られていても、僕にはその様子が見えた気がした。
すると不意に、先日の北斗の言葉が耳に蘇った。「お前は悩み苦しみ蹲っても、それが後悔になってしまう前に、勇気を持って弱音をさらけ出す。永遠の後悔を背負う前に、必ずなんらかの行動に出る。それが、眠留なんだよ」 胸の中で親友に語りかけてみる。「なあ北斗、これから昴に、神社の跡継ぎについて話してみるよ。美鈴と仲の良い昴は、僕が見逃している何かに気づいていると思うんだ」 胸の中で「そうしろそうしろ」と、親友は豪快に笑った。
「昴、聞いてほしいことがあるんだ」
「うん、そんな気がしてた」
昴はまっさらの笑顔で応えた。
――大丈夫、私がだれも来させないから。
小吉がテレパシーで、僕にそう囁いた。
「この神社は美鈴が継ぐべきだと、僕は考えている」
「うん」
「美鈴は、神職として天賦の才を持っている。ありきたりの表現だけど、美鈴は神社の仕事を習っているのではなく、神社の仕事を思い出しているようにしか見えない。じいちゃんが手本を一度示しただけで、何年も前からそれをしてきたように美鈴は働く。手本をただ真似るのではなく、意味を理解し心を尽くして、美鈴は神に奉仕する。あれは到底、僕には不可能なことなんだよ」
「素人の私が、神事を垣間見ただけでもそれはわかる。美鈴ちゃんの巫女姿には、心奪われ見とれてしまう何かがある。あれは、真似しようとして真似できるものでは決してない。私もそう思うわ」
昴は感受性が鋭い。それは読心術どころか予知能力に等しい能力であり、理論をすっ飛ばし一気に答を得る力を持っている。昴は社家に生まれた訳ではないが、昴こそは天性の巫女なのだろう。理論構築で答に辿り着く北斗とは、まるで真逆のタイプなのだ。
それでいて二人とも同じ結論に落ち着くのだから、惹かれあって当然と言えた。悪戯心の芽生えた僕は、昴の痛いところを突いてみる。
「美鈴の巫女姿が卓越し過ぎているせいで、巫女のアルバイトさんが集まらなくて毎年困るんだよね。昴も、絶対やってくれないしさ」
「だっ、だって恥ずかしいじゃない。瑞々しい生花の横に、安っぽい造花が突っ立っているようなものなのよ」
「そんなこと全然無いよ。正月はいつも北斗がぼやくんだ。昴の巫女姿、今年も見られなかったなあって」
顔を真っ赤にして昴は固まった。造花うんぬんは別として、昴はとにかく恥ずかしいのだ。表面だけを取り繕った自分を、北斗に晒すことが。
一年半前、小学五年生だった僕ら三人は、あるアニメにドハマリした。それは平成時代を代表する傑作アニメの一つで、僕らは我を忘れてその世界に浸った。中でも北斗の入れ込みようは凄まじく、時と場所を完全無視して主人公のモノマネをし、そんな彼に周囲はドン引きだったが、僕には彼の気持ちが痛いほど解った。たった一人で世界に宣戦布告した主人公の少年と北斗は、瓜二つといえるほど心根が似ていたのである。主人公と似た気質を持つ祖父も、きっとそう感じていたのだろう。「北斗君と眠留と儂の三人で酒を酌み交わすまでは、死ねんのう」 主人公の真似をする北斗に目をほころばせていた祖父は、今でも北斗が神社に顔を出すたび、待ち遠しげにそう呟いている。
昴もそのアニメにドハマリした。いや、ヒロインの少女への憧れは、北斗のそれより深かったかもしれない。一見つっけんどんだが誰よりも主人公を助け愛するヒロインに憧れるあまり、昴は一時真剣に、髪をヒロインと同じ色に染めようとしていた。ファッション関係のアプリを駆使し、現実世界ではそうそう見かけない色に髪を染めた自分の超リアル等身大3D映像を造りあげた彼女は、それを美鈴に見せ意見を求めた。美鈴はその場で感想を述べず、昴にあるお願いをした。
「憧れているアニメヒロインが私にもいるのだけど、同じようにできる?」
二度目の事ゆえ手早くその映像を造りあげた昴は、妹の意図を悟った。妹は背格好も性格も憧れのヒロインととても似ていたのに、できあがった映像は、残念としか言いようのない代物だったのである。北斗へは絶対口外しないことを僕に約束させ、昴は自分の残念映像を見せ、そして誓った。「私は二度と表面だけを真似たりしない」と。
それから約半年後、昴は急に大人びた雰囲気をまとうようになった。彼女の内面に変化をもたらしたきっかけは、あの出来事だったのではないか。僕は、そう考えている。
幼稚園のころから肌の綺麗な女の子だった昴は今、あのころ以上にきめ細やかな、張りのある美しい肌をしている。優しさと利発さを兼ね備えた、人を惹きつける大きな目。主張しすぎない、すっきり高い鼻梁。リップクリームなどいらぬ、血色の良い艶やかな唇。小顔はそれらを引き立て、輝く黒髪は肌の白さを際だたせていた。かつて主人公を北斗に、ヒロインを自分に重ね合わせていた夢見る少女は、もしかしたら今こそ夢を叶えつつあるのかもしれない。僕には、そう思えてならなかった。なぜなら次の一言で、昴はそれをきっちり証明してみせたからだ。
「わかった、でも条件がある。眠留が輝夜を説得して、輝夜と並んで巫女になるなら私も巫女になるわ。眠留だって、輝夜の巫女姿を見たいでしょう」
あのヒロインが一筋縄ではいかない女性だったように、ヒロインと似ている昴も、一筋縄でいくはずなかったのである。
「ごめんなさい、調子に乗りすぎました。どうか許してください」
真面目話を自分から切り出しておいて自ら脱線した僕は、両手をテーブルに付き、ただひたすら頭を下げたのだった。
昴は爪楊枝で羊羹を刺し、パクッとほおばる。そして一回噛んで目を輝かせ、二回噛んでうっとり目を細め、三回目からは目を閉じて、彼女は恍惚の表情を浮かべた。うちの神社は所沢市からほど近い、川越市の和菓子屋さんから和菓子を購入している。様々なものをロボットが拵えるようになったこの時代、腕の良い職人さんは芸術家として高い社会的地位を得るに至っていた。その和菓子職人さんにこの表情を見せたらさぞ喜ぶだろうな、今度録画しておこうかなあ、なんておバカな思い付きにひたっていた僕を、しっかり者の姉が諭す。
「しょうーもないこと考えてないで、眠留も食べなさい」
昴は二切れ目の羊羹を爪楊枝で刺しつつ、羊羹の乗ったお皿を僕に勧めた。
「はい、ご馳走になります」
しょーもないことを言い当てられ動揺した僕は、それが自分の家のお茶請けであることも忘れ、ペコリとお辞儀して栗羊羹を頂いたのだった。
とまあそれはさておき、
「で、どうしたんだ今日は」
もぎゅもぎゅ動く口を左手で隠し、僕は尋ねた。
「朝起きたら、眠留の家に遊びに行きたくなっちゃったの。おじいちゃんとおばあちゃんにも、ご挨拶したかったし」
昴は僕の祖父母を、おじいちゃんおばあちゃんと呼ぶ。そうなった時期やきっかけに誰も気づかぬまま、我が家ではいつの間にかそれが定着していたのだ。娘の無礼を慌てて正そうとする昴の母親を目にし、そういえば不自然なのかなと初めて思い至った祖父母は、そう呼ばれてたいそう嬉しかったことを母親に伝えた。恐縮する親から許可を貰った昴は、今も変わらず二人にそう呼びかけている。もちろん僕も、そのほうが嬉しいしね。
「昴が来て、じいちゃんとばあちゃんは喜んだろ」
「うん、とっても喜んでくれた。いつまでも健康で長生きしてくださいって、ここに来るたび神様にお願いするんだ。社務所にいた末吉も拝殿に付いてきて、並んでお参りしたの。そうしたらあの子、私と一緒にきちんと頭を下げるのよ。可愛くて抱き上げて頬ずりしたら、うにゃうにゃ抗議じみた声で鳴くからもう、私メロメロになっちゃって」
「うにゃ」
「はいはい、可愛くて優しくて素敵な小吉も、いつもそうお願いしているのよね。わかってるよ」
「にゃ~」
昴は爪楊枝を置き、小吉の首もとをかく。ごろごろ鳴いて、小吉はまた眠りについた。テーブルに遮られていても、僕にはその様子が見えた気がした。
すると不意に、先日の北斗の言葉が耳に蘇った。「お前は悩み苦しみ蹲っても、それが後悔になってしまう前に、勇気を持って弱音をさらけ出す。永遠の後悔を背負う前に、必ずなんらかの行動に出る。それが、眠留なんだよ」 胸の中で親友に語りかけてみる。「なあ北斗、これから昴に、神社の跡継ぎについて話してみるよ。美鈴と仲の良い昴は、僕が見逃している何かに気づいていると思うんだ」 胸の中で「そうしろそうしろ」と、親友は豪快に笑った。
「昴、聞いてほしいことがあるんだ」
「うん、そんな気がしてた」
昴はまっさらの笑顔で応えた。
――大丈夫、私がだれも来させないから。
小吉がテレパシーで、僕にそう囁いた。
「この神社は美鈴が継ぐべきだと、僕は考えている」
「うん」
「美鈴は、神職として天賦の才を持っている。ありきたりの表現だけど、美鈴は神社の仕事を習っているのではなく、神社の仕事を思い出しているようにしか見えない。じいちゃんが手本を一度示しただけで、何年も前からそれをしてきたように美鈴は働く。手本をただ真似るのではなく、意味を理解し心を尽くして、美鈴は神に奉仕する。あれは到底、僕には不可能なことなんだよ」
「素人の私が、神事を垣間見ただけでもそれはわかる。美鈴ちゃんの巫女姿には、心奪われ見とれてしまう何かがある。あれは、真似しようとして真似できるものでは決してない。私もそう思うわ」
昴は感受性が鋭い。それは読心術どころか予知能力に等しい能力であり、理論をすっ飛ばし一気に答を得る力を持っている。昴は社家に生まれた訳ではないが、昴こそは天性の巫女なのだろう。理論構築で答に辿り着く北斗とは、まるで真逆のタイプなのだ。
それでいて二人とも同じ結論に落ち着くのだから、惹かれあって当然と言えた。悪戯心の芽生えた僕は、昴の痛いところを突いてみる。
「美鈴の巫女姿が卓越し過ぎているせいで、巫女のアルバイトさんが集まらなくて毎年困るんだよね。昴も、絶対やってくれないしさ」
「だっ、だって恥ずかしいじゃない。瑞々しい生花の横に、安っぽい造花が突っ立っているようなものなのよ」
「そんなこと全然無いよ。正月はいつも北斗がぼやくんだ。昴の巫女姿、今年も見られなかったなあって」
顔を真っ赤にして昴は固まった。造花うんぬんは別として、昴はとにかく恥ずかしいのだ。表面だけを取り繕った自分を、北斗に晒すことが。
一年半前、小学五年生だった僕ら三人は、あるアニメにドハマリした。それは平成時代を代表する傑作アニメの一つで、僕らは我を忘れてその世界に浸った。中でも北斗の入れ込みようは凄まじく、時と場所を完全無視して主人公のモノマネをし、そんな彼に周囲はドン引きだったが、僕には彼の気持ちが痛いほど解った。たった一人で世界に宣戦布告した主人公の少年と北斗は、瓜二つといえるほど心根が似ていたのである。主人公と似た気質を持つ祖父も、きっとそう感じていたのだろう。「北斗君と眠留と儂の三人で酒を酌み交わすまでは、死ねんのう」 主人公の真似をする北斗に目をほころばせていた祖父は、今でも北斗が神社に顔を出すたび、待ち遠しげにそう呟いている。
昴もそのアニメにドハマリした。いや、ヒロインの少女への憧れは、北斗のそれより深かったかもしれない。一見つっけんどんだが誰よりも主人公を助け愛するヒロインに憧れるあまり、昴は一時真剣に、髪をヒロインと同じ色に染めようとしていた。ファッション関係のアプリを駆使し、現実世界ではそうそう見かけない色に髪を染めた自分の超リアル等身大3D映像を造りあげた彼女は、それを美鈴に見せ意見を求めた。美鈴はその場で感想を述べず、昴にあるお願いをした。
「憧れているアニメヒロインが私にもいるのだけど、同じようにできる?」
二度目の事ゆえ手早くその映像を造りあげた昴は、妹の意図を悟った。妹は背格好も性格も憧れのヒロインととても似ていたのに、できあがった映像は、残念としか言いようのない代物だったのである。北斗へは絶対口外しないことを僕に約束させ、昴は自分の残念映像を見せ、そして誓った。「私は二度と表面だけを真似たりしない」と。
それから約半年後、昴は急に大人びた雰囲気をまとうようになった。彼女の内面に変化をもたらしたきっかけは、あの出来事だったのではないか。僕は、そう考えている。
幼稚園のころから肌の綺麗な女の子だった昴は今、あのころ以上にきめ細やかな、張りのある美しい肌をしている。優しさと利発さを兼ね備えた、人を惹きつける大きな目。主張しすぎない、すっきり高い鼻梁。リップクリームなどいらぬ、血色の良い艶やかな唇。小顔はそれらを引き立て、輝く黒髪は肌の白さを際だたせていた。かつて主人公を北斗に、ヒロインを自分に重ね合わせていた夢見る少女は、もしかしたら今こそ夢を叶えつつあるのかもしれない。僕には、そう思えてならなかった。なぜなら次の一言で、昴はそれをきっちり証明してみせたからだ。
「わかった、でも条件がある。眠留が輝夜を説得して、輝夜と並んで巫女になるなら私も巫女になるわ。眠留だって、輝夜の巫女姿を見たいでしょう」
あのヒロインが一筋縄ではいかない女性だったように、ヒロインと似ている昴も、一筋縄でいくはずなかったのである。
「ごめんなさい、調子に乗りすぎました。どうか許してください」
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