僕の名前は、猫将軍眠留

初山七月

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「行ってらっしゃい眠留。学校で、たっぷり遊ぶんだぞ」
「行ってらっしゃい眠留。学校、楽しんでおいで」
「にゃ」
 母屋の玄関で僕を見送ってくれる祖父、祖母、そして三毛猫の小吉に手を振り応えた。
「行ってきます」
 勢いよく踵を返し、僕は境内を駆け抜けて行った。

 修行を終え風呂から上がったのが、約二時間前の五時五十五分。一分後、裸のままベッドに倒れ気絶するように眠った。一時間後の朝七時、HAIに大音量ベルと電気ショックで起こされた。電気ショックで神経を刺激すると翔化に悪影響が出るため夜は電気ショックを控えてくれるのだけど、朝はそんなの知ったこっちゃ無いとばかりにHAIはこの目覚まし最終兵器を使ってくる。ベルで起きれば最終兵器を回避可能と知りつつも、僕はまだ一度もそれに成功していない。明日こそベルで起きるぞ、いや一生無理かなあなんて考えながら台所へ向かい、祖父母と妹、大吉中吉小吉末吉の四人と四匹で朝ご飯を食べた。朝食後、HAIに手伝ってもらい今日受ける小テストの予習をした。小テストに合格すれば、残り時間を寝て過ごせるからだ。小学六年生の年子の妹は僕より身長が3センチ高いから予習をして登校時間をずらしているというのが本音だけど、それについて考えると無限に落ち込んでしまうので脇にうっちゃる事とする。さっき玄関で見送ってくれた猫は、もうすぐ十五歳になる三毛の翔猫、小吉。僕が生まれた時すでに二歳だった小吉は、物心つく前から僕の優しいお姉さんだった。母が四年前に事故で亡くなり、そのショックで父が遠くへ赴任してからは、実の姉と変わらぬ愛情を僕ら兄妹に注いでくれている。
 小テストの予習を毎朝手伝ってくれるHAIも、実の姉のような存在だ。といっても、HAIは人型ロボットではない。住居一体型AIという名が示す通り、住居と一体化した人工知能であるHAIは、住居内環境やセキュリティ等の管理を居住者に代わり取り仕切ってくれる量子コンピューターだ。教育機能もすこぶる優秀で、はっきり言って勉強の苦手な僕は、HAIにどれだけ助けられたか知れない。問題を解けず音を上げそうになっていると、二十代前半の女性の3D映像で傍らに現れ、理解へ行き付く的確なヒントをくれる。人工知能だと分かっていてもその愛情深い声と仕草に、僕はどうしても頭が上がらないのだった。

 境内を駆け石段を降り、道路を右折する。朝日を背に木立を抜けると、600メートルほど先に僕の学校、国立狭山湖畔研究学校が見えた。徒歩十分のこの学校に行けたらいいな、だって楽だもんなあ、と小さい頃から思っていた僕は、文部科学省から届いた入学案内に一も二もなく飛びついた。この学校を始めとする全国六十の国立研究学校に入学試験はなく、小学六年生の二月一日に、入学を勧める案内書が届くだけなのである。そんな学校はこの研究学校以外ひとつもないため、入学選考に関する様々な都市伝説が飛び交うハメになっている。けど僕はそんなの、これっぽっちも気にしていない。なぜって僕はこの学校が、とても気に入っているからだ。その理由の一つが、今朝も道端で僕を待ってくれていた。
「お~っす、眠留」
 小学校からの親友、七ッ星北斗が右手を挙げた。
「お~っす、北斗」 
 僕も右手を挙げ、パンッとハイタッチする。耳に馴染んだ軽快な音が、朝の大気に朗々と響いた。僕らはニカっと笑い合い、学校へ歩を進める。といっても学校は、もう目と鼻の先なんだけどね。
 七ッ星北斗は四年前、小学三年生への進級に合わせて埼玉県所沢市に引っ越してきた。自己紹介で自分は転校生だとハキハキ話す北斗に、今よりもっとモジモジ性格だった僕は、あまり仲良くなれそうにないなと最初感じた。けどそれは、続く話で一変した。「僕のことは北斗と呼んでください。それと、僕は前世紀後期から今世紀初期のアニメや漫画が大好きです。同じ趣味を持つ人がいたら、是非お声掛けください」 彼は目を輝かせ、皆にそう呼びかけたのだ。大半のクラスメイトは呆気にとられ、変なことを言う人ねと囁き合っていた。だが僕は彼の話に、「この転校生は昭平アニコミが大好きなんだ」と心中驚きの声をあげた。昭平アニコミとは昭和時代と平成時代のアニメとコミックスの総称で、その真っただなか世代の祖父から多大な影響を受けて育った僕も、昭平アニコミの熱狂的ファンだったのである。休み時間、僕は勇気を振り絞り彼に言った。「僕も昭平アニコミの大ファンなんだ」 彼は、満面の笑みを浮かべた。僕と北斗は性格も容姿も脳の性能もまるで違っていたが、その日以降、僕らは時間の許す限り昭平アニコミについて語り合い、その世界に浸った。そして気づくと僕達二人は、本当にいつの間にか、互いを無二の親友と思うようになっていたのだった。
 なんてことを思い出しながら歩いているうち、校門の方角から女子生徒の歓声と男子生徒のどよめきが聞こえてきた。僕は回想を蹴飛ばし、渾身のガッツポーズをする。そして同じポーズをする北斗と睨み合うや、二人で先を争い歩き始めた。しかしそれもつかの間、校門で新一年生達に挨拶する長身の女性を目にしたとたん、僕らは雷に打たれたが如く体を硬直させてしまった。北斗が震える声で呟く。
「白薔薇の騎士長。朝露の白薔薇・・・」
 隣へ目を向けずとも、親友の僕には手に取る様にわかった。傍らで立ち尽くす我が友は今、目にハートマークを浮かべ千切れんばかりに尾を振る、子犬になっているのだと。
 ――気持ちはわかるが僕は犬じゃない、猫だ!
 などと意味不明な宣言を胸中したお蔭か、その女性から注意を向けられるより先に、登校時間の通学路で立ち尽くす自分達の低民度さに気づくことができた。友の左肩に手を置き、呼びかける。
「さあ行こう」 
 僕らは再び歩き始めた。
 この学校には、入学してきた一年生に特別待遇が設けられている。
『生徒会役員及び円卓騎士は四月中、毎朝それぞれから一名ずつを選出し、計二名で校門に立ち新一年生を迎える事。また初めの十日間は、生徒会長と騎士長のどちらか一名が必ずそれに加わる事』
 この特別待遇は新一年生にとって、この上なく素晴らしいことと言える。校名に研究という語彙があるように、この学校を初めとする国立研究学校は、六年間の自主研究により一人一人がその分野の専門家になることを目的とし設立された、いわばプロ養成学校だ。それを成し遂げ、すでに第一線のプロとして活躍されている先輩方を間近に見られるのだから、夢抱く新一年生にとってこれほど励みになる事はそうないのである。声が裏返らぬよう最大の注意を払うと共に、最高の敬意を込めて僕は挨拶した。
「お早うございます、騎士長」
 人間性、知性、身体能力、美貌、そのどれもが超一流の彼女は輝く花の笑みで、
「お早うございます」 
 そう返してくれた。
 騎士長の横を通り過ぎる。
 その頬を、朝露にきらめく白薔薇の香りがくすぐった。 
 ――かんべんしてください、もう完全に降参です!
 僕は心の中で、子犬になって転げまわったのだった。
 
 国立狭山湖畔研究学校、略して湖校ここうは、1クラス42人、一学年20クラスで840人、六学年合わせて5040人の生徒数を誇る、巨大学校だ。この巨大校の一体性を損なうことなく学校を安全に運営するため試験的に採用されたのが、学年専用校舎制だった。学年ごとに専用校舎を設けることで登下校時や緊急時の混雑を解消しつつも、六つの校舎を数珠繋ぎに配置することでその連携を深め、学校全体の一体性を育んでゆく。湖校で初めて実施されたこの試みは大いなる成功を収め、その結果、学年専用校舎制は当校以降に建設された五十八の国立研究学校全てで採用される運びとなった。湖校は、その先駆けとなったのである。その歴史が、専用校舎へ誇りと愛着を抱くという校風を育ててきたのだけど、どうやら今年の一年生には、これに不満を持つ生徒が大勢いるらしい。かくいう僕らも、その一員なのだった。
「だからそもそも、白薔薇姫の第六校舎は、俺らの第一校舎から遠すぎるんだよ」
「ホントそうだよな、第二エリア西端にある白薔薇姫の校舎はここから1500メートルも離れているって考えただけで、僕は絶望のどん底だよ」
「あこがれの人と渡り廊下で偶然すれちがう。それが、俺の夢だったのに」
「僕らとは通学路も違うから、登下校中に偶然お見かけすることさえ叶わない」
「ああ俺は、なんでもっと早く生まれてこなかったんだ。俺は、バカだ~~!」
「泣くな北斗、お前が泣くと、僕も泣いてしまうじゃないか。うっ、うっ」
「泣こう眠留。この悲しみが少しでも癒えるなら、共に涙を流そうではないか」
 一見お馬鹿丸出し、でもホントは魂の叫び、的な掛け合いをしながら、一年十組を目指し僕と北斗は西階段を上る。僕らは、同じクラスだからね。
 この学校は、ユニークなクラス分けをすることでも知られていた。友達と一緒に入学すると、最初の一年を高確率で同じクラスにしてもらえるのだ。いや実を言うと、それはユニークなんて軽々しい代物ではなかった。湖校を初めとする国立研究学校は、仲良くなる人を意図的に集めてクラスを作ると、一部の人達からまことしやかに囁かれていたのだ。入学前までは、そんなのそれこそ都市伝説だよと僕も思っていた。けど先週八日にこの学校へ入学し、その日と翌日の計二日をクラスの皆と共に過ごしただけで、それは嘘ではなかったと実感することができた。皆が皆、もの凄くいいヤツだったのである。どうしてこんなことが可能なのかな、一体どんな秘密が隠されているのかなあ、なんてぼんやり考えていると、北斗が僕の肩に腕を回し小声で話しかけてきた。
「それはそうと眠留。懇意にしている白薔薇親衛隊の先輩から、昨夜俺は驚愕すべきことを聞いた。貴公がこれを秘匿できるなら、特例として話さぬでもない。どうする?」
 オタクのコイツは、時々こんな口調になる。普段の僕なら「相変わらず困った奴だ」という演技をするのが常なのだけど、そんな演技を蹴飛ばし、ついでにクラス分けへの疑問も蹴り飛ばし、僕は焦りまくって尋ねた。だって白薔薇親衛隊から聞いたってことは、騎士長の話に違いないからね。
「何だよ、勿体ぶらず教えろよ」
 北斗は真剣そのものの顔で囁いた。
「朝露の白薔薇の御御脚は、胴体より12センチ長いそうだ」
「なっ、なんだって~~!!」
 僕は驚愕した。驚愕する少年、という絵画のモデルになれるほど驚愕した。胴長短足の低身長に悩む僕にとって、脚の長い高身長の女性はそれだけで憧れの対象なのに、あのお方の御御脚はまさに想像を絶する長さだったからである。頭の中で計算した。「あのお方は僕より33センチ高い178センチだから、178÷2+6で・・・きゅ、95! 股下95センチ!」 その途方もない数値に、僕の頭は完全にショートした。
「ま、またし、またした、おまたした」
 パシンパシーン!
 頭をはたく音が二つ、第一校舎二階廊下に景気よく鳴り響く。そしてそれとは真逆の、
「あんた達、またしょーもないこと話しているんでしょう」
 という、天川昴の脱力しきった声が聞こえた。

 天川昴に初めて出会ったのは、幼稚園の入園日だった。家族に連れられ幼稚園にやって来た僕は、広々とした花壇いっぱいに咲き誇る色とりどりのチューリップから、目が離せなくなってしまった。花壇の脇にしゃがみ、鮮やかな赤白黄色に心奪われていると、同じ制服を着た女の子が、
「チューリップ、好きなの?」
 と話しかけてきた。
「今まであまり気にかけてこなかったけど、僕はこの花が大好きみたい」
 なんて感じのことを、新幼稚園児の僕は一生懸命話した。隣に座る女の子は年長組のお姉さんなのだと思っていたから、おどおどモジモジしつつも言葉をつないで懸命に話した。女の子はそんな僕の話を根気よく聴いてくれた。そしてチューリップのように微笑むと、自分もこの花が大好きなこと、ぜひお花係になって花のお世話をしていきたい等々のことを、楽しそうに話してくれた。その言葉にしっかり耳を傾けていれば、彼女が年長組のお姉さんではないのだとその時点で気づけただろう。しかし少々ぼんやり気味だった僕は、入園式でその子と並んで椅子に座っても、それどころか同じクラスで一緒に遊ぶようになっても、その子をお姉さんだと信じて疑わなかった。なぜならその子はいつも、大好きなチューリップの香りに包まれていたからだ。明るく活発で気立ても器量も良い昴は小学生になっても、いつも沢山の友達に囲まれていた。昴がいなかったら、あがり症だった僕は、もっと寂しい子供時代を送っていたと思う。小学校に入るまでお姉さんだと勘違いしていたのは、いわゆる黒歴史だけどね。
 昴は北斗ともとても仲が良く、二人は寄ると触ると会話に花を咲かせ、僕をいつも喜ばせてくれる。それは今日も同じで、頭を景気よく叩かれた北斗は厨二病ポーズをビシッと決め、昴に言い放った。
「ふっふっふっ、この俺に、何の用かなチューリップ」
 昴は右膝を左膝に寄せ、両手を腰に当て顔を傾げて、おいたをする子供を優しく諭す微笑みを浮かべた。僕は目を見開き独りごちる。「おお、さすが昴。美脚と細腰と女性的たおやかさを完璧に表現した萌え萌えポーズをこうも容易く決められるのは、僕の知る限りこの世でお前だけだ!」 ちなみに彼女の、腰まで届くふんわり艶やかな黒髪も、北斗の一番好きな髪型である。
「いまだに私をチューリップと呼ぶのは、もう北斗だけね。どこまでお子様なのかしら」
 お子様はさておき、昴の言葉に嘘はない。去年くらいから急に大人びてきた彼女をそう呼ぶのは、もはや北斗だけだからだ。ただ、長年二人を見てきた僕には、北斗の気持ちがわかる気がした。言うなれば今の昴は、花咲く前の蕾。大輪の花として咲きほこることが約束されていても、どんな花になるか、まだ誰も知らない蕾。だから北斗は彼なりに、その状態を守ろうとしている。変な先入観を与え惑わさぬよう、妙な方向付けをして偏らせぬよう、昴が昴のまま咲けるよう、今まで通りの名で呼びかけ蕾を自然な状態に保とうとしている。面と向かって話したことは無くても、彼は昴にそんな想いを抱いている。僕には、そう感じられるのだ。
 その証拠と言えるかどうかは微妙だけど、北斗と昴はそのまま、学園ストーリーの王道のような言葉のラリーに突入した。二人とも、最高に楽しそうだ。お邪魔虫になるのを避けるべく、僕は静かにその場を離れた。

 二人の視界に入らぬよう遠回りして、後ろ側の出入り口から教室へ足を踏み入れる。そのとたん、清らかな香りが鼻孔をくすぐった。僕は手に汗握り胸を高鳴らせ、足早に自分の席へ向かった。
 僕の席は、最前列中央の右側。小学校入学以来、クラスの男子で一番背の低いことが多かった僕にとって、そこは慣れた席である以上に萎える席だった。よって今の心境は、僕にとって初めてのもの。正直言うと、未だに信じられない。最前列中央右側に座れたことを、これほど嬉しく思う日が来たなんて。
「おはよう」「オ~ス」とクラスメイト達に声をかけながら、はやる気持ちを抑え人壁をかき分ける。ようやく最後の壁を突破すると、僕の席の左席に座る、髪を顎のラインで切りそろえた女の子の後ろ姿が目に映った。心臓の鼓動が一段速くなる。僕は落ち着くため、小さく深呼吸した。すると清浄な空気が肺を満たし、活力が全身を駆け巡って行った。改めて思う。「母さんから聞いていた通り、こんな女性ホントにいたんだな」 昔モジモジ性格だったこと、そしてあがり症だったことを全て忘れて、僕は挨拶した。
「おはよう、白銀さん」

 ――その人がやって来ると、空気がきれいになる気がしたわ。そして不思議と、元気が湧いてくるの。元気をくれたその人に、あのとき勇気を出して話しかければ良かったって、母さんは今でも思い返す。だから眠留は、たくさんの人とお話できるようになってね――
 懐かしむような温かい笑みをこぼし、母は僕によくその話をした。そんな母を見るのが嬉しくて、「うん、わかったよ」なんて行動の伴わない安請け合いをあの頃の僕は連発していた。今は思う。せめてそうなろうと努力する姿だけでも、亡くなる前に見せておけばよかった。一度だけでも、そんな姿を見せておけばよかった。後悔先に立たず。それが僕の、座右の銘だ。
 だから入学式の日、華奢な体をすぼめ一人寂しげに席に座る白銀さんを見たとき、僕は生まれて初めて女の子に自分から声をかけた。美人に可愛さと可愛らしさを加えたその容姿に気後れしたけど、僕はなぜか「隣の席になった猫将軍眠留です。よろしくお願いします」と普通に挨拶していた。いきなり話しかけられて、彼女は少し驚いたようだ。でもすぐ、大きくて綺麗なアーモンド形の目を細め「白銀輝夜と言います。こちらこそよろしくお願いします」と笑顔で返してくれた。僕より背の低い、華奢な印象通りの可愛らしい声と、可愛さ50%増しの笑顔につられて僕も笑顔になれたけど、内心は焦りまくっていた。話題、話題を探さなきゃ、何でもいいからとにかく話題を、と心中のたうちまくっていた僕は、閃いた話題に縋りついた。
「最前列のこの席は、僕の定位置のようなものなんだ」
「あっ、私もそう。学校から送られてきた席順を見て、いつも通りねって思ったの」
 美人を印象づける輪郭のくっきりした目に、柔らかい雰囲気が芽生えた。「良かった、どうやら僕は正解を引けたらしい。人生初にしては、上手くいったんじゃないかな」 心の中でそう独り言ちたら、自然と落ち着くことができた。
 それから僕らは、身長が低いと経験しがちなことについて話した。幼稚園から数えると八年の歳月を費やしただけあり、話題は尽きなかった。僕らは互いの体験を披露し、自分にも似たエピソードがあると打ち明け、うなずき合い、そして笑い合った。不思議だった。不思議で仕方なかった。誰にも言えなかった思い、苦い気持ちと共に胸にしまい込んできた思い、それらの思いをどうして僕は今、こうも楽しく話しているのだろう。どうしてそれを、笑って話しているのだろう。理由は、全くわからなかった。ただ、窓から差す朝日と溶けあうように笑う彼女を見ていたら、一つだけわかったことがあった。
 彼女のお隣さんになれて、僕はなんて幸せなのだろう、と。

「おはよう、猫将軍くん」
 彼女は今日も、朝日と溶けあうように笑う。胸の中で、僕は親友に語りかけた。
 北斗の昴への想い、やっぱり僕はわかる気がするよ。
 白銀さんの笑顔を、僕も守りたいんだ。
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