上 下
18 / 18

第18話 魔物殺戮開始へ

しおりを挟む
 俺は地面を軽くパンチして穴を開けた。その穴にニャターシャを埋めて土をかぶせ、無心で手を胸の前で合わせ目を閉じた。

 冷静になりアドレナリンの効果がなくなったせいか、背中がすごくヒリヒリする。

 さっきの攻撃のダメージはなかなか大きかったようだ。俺は気を失いそのまま後ろに倒れた。



 しばらくして俺は目を覚ました。朝になり、目の前には綺麗な青い空が広がっていた。まるで昨日のことなんて何もなかったかのように。



 寝ている場合じゃない。寝ている暇なんて俺にはない。

 俺の攻撃が全く効かなかったんだ。このままじゃアイツには勝てない。経験値を稼いでレベルを上げる必要がある。

 レベル上げにはどこが最適か。俺の知ってる中じゃあそこしかない。ナールが倒したゴブリンソードキングのいた森だ。あそこには強い魔物がいると言っていた。

 俺はそこに向かって全力で走った。走ったというよりトビウオのように飛んだという方が正しいかもしれない。

 来るときは馬車で何時間もかかった距離だったが、わずか十数秒でたどり着いた。



 俺は森に入る前に決意した。この森に住む魔物全てを殺してやる...と。

 森ごと吹き飛ばせられれば一番楽なんだが...。そういえば、帝国を吹き飛ばしたアイツが使っていた技、ケイアスシャドウ...だったか?もしかしたら使えるかもしれない。



 「ケイアスシャドウ!!」



 俺は両腕を前に出しそう叫んだ。

 だが何も起こらない。



 俺はふと、ナールが言っていたことを思い出した。技を使うには正確な技名と明確な技のイメージ、それを使いこなせる身体能力が必要だと。

 俺はあのとき背中を向けていたから敵の技を見ていない。だからイメージができず技が発動できないのか。というより、そもそもアイツより弱いから使えないのかもしれない。

 今気づいたんだが武器も持っていない。まあしょうがない。素手で倒していくしかない。

 俺は薄暗い森の中に足を踏み入れた。



 数歩進んだところで前方から何か音が聞こえる。



 ザーーーーーーーーーーーザーーーーーーーーーーーザーーーーーーーーーーー

しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

金貨1,000万枚貯まったので勇者辞めてハーレム作ってスローライフ送ります!!

夕凪五月雨影法師
ファンタジー
AIイラストあり! 追放された世界最強の勇者が、ハーレムの女の子たちと自由気ままなスローライフを送る、ちょっとエッチでハートフルな異世界ラブコメディ!! 国内最強の勇者パーティを率いる勇者ユーリが、突然の引退を宣言した。 幼い頃に神託を受けて勇者に選ばれて以来、寝る間も惜しんで人々を助け続けてきたユーリ。 彼はもう限界だったのだ。 「これからは好きな時に寝て、好きな時に食べて、好きな時に好きな子とエッチしてやる!! ハーレム作ってやるーーーー!!」 そんな発言に愛想を尽かし、パーティメンバーは彼の元から去っていくが……。 その引退の裏には、世界をも巻き込む大規模な陰謀が隠されていた。 その陰謀によって、ユーリは勇者引退を余儀なくされ、全てを失った……。 かのように思われた。 「はい、じゃあ僕もう勇者じゃないから、こっからは好きにやらせて貰うね」 勇者としての条約や規約に縛られていた彼は、力をセーブしたまま活動を強いられていたのだ。 本来の力を取り戻した彼は、その強大な魔力と、金貨1,000万枚にものを言わせ、好き勝手に人々を救い、気ままに高難度ダンジョンを攻略し、そして自身をざまぁした巨大な陰謀に立ち向かっていく!! 基本的には、金持ちで最強の勇者が、ハーレムの女の子たちとまったりするだけのスローライフコメディです。 異世界版の光源氏のようなストーリーです! ……やっぱりちょっと違います笑 また、AIイラストは初心者ですので、あくまでも小説のおまけ程度に考えていただければ……(震え声)

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活

SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。 クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。 これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。

王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します

有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。 妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。 さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。 そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。 そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。 現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!

よくある転生だった!だが俺は勇者じゃなかった

ベルピー
ファンタジー
よくある異世界転生。俺こと、美波勇気もテンプレのように毎日毎日の残業残業で倒れてしまった。 ここでテンプレならチートを授かるモノだが、気づいたらゲームの世界にいた。 そう、昔少しだけ流行ったドラゴンファンタジーのゲームの世界だ。有名ロールプレイングゲームを真似て作られた為、そこまで人気はなかったが俺はこのゲームが好きでけっこうやりこんでいた。 勇者だったらハッピーエンドを迎えたのに、俺が転生したのは勇者とともに魔王を討伐する友人のキャラだった。 一緒に魔王を倒したならそこそこ良いキャラじゃね?と思うかもしれないが、このキャラ。魔王と戦う直前に好きな人を勇者に取られてそのままヤケクソになって魔王に向かって死んでしまうのだ。。。 俺は死にたくない。ゲームの知識を活かして生き残るしかない!!

処理中です...