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ダイブ8 オルレアンの乙女 〜ジャンヌ・ダルク編 〜
第9話 800年未来から、あなたを助けに来ました
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「ごめんなさい。セイ、あなたの言う通りです。わたし自身、年齢や性別で小馬鹿にされてきたというのに、おなじことをあなたに……」
セイは空中に何本もの剣を現出させた。
頭上に浮かぶ剣の柄をそのままうしろでつかむと、そのまま引き抜いた。
「謝罪は不要さ。ミス・ダルク。ぼくはあなたを守るために遣わされた。それだけです」
ジャンヌは驚愕の表情のままベルトランとメスのほうに目をむけた。ふたりともジャンヌに無言のまま、うなずいた。
「神の…… 神の子なのですか……?」
ジャンヌの唇は震えていた。それが怖れからくるのか、畏敬の念からくるものかわからなかった。
セイはすばやく剣を逆手に持ち変えると、よどみない動作でジャンヌの方向へむかって剣を投げつけた。
「きゃっ!」
ジャンヌは小さな叫び声とともに、身をかがめた。
セイの投げつけた剣は、ジャンヌのすぐ横を通り抜けて、反対側の壁に突き刺さった。
そこに黒の騎士がいた。
どす黒い邪気をまとった騎士は壁から抜け出し、背後からジャンヌに襲いかかろうとしていた。が、セイの一投で頭を貫かれていた。
ぐぎぎぎぎぎぎ……
まるで油切れの機械のような音をたてながら、黒の骸骨騎士がバラバラと霧消しはじめた。
「ごめん。もう一体、残っていたみたい」
ジャンヌがセイの元へ走ってきた。そしてそのままセイの前に跪くと、五指を組んで仰ぎ見た。
「神の子! セイ、あなたはわたしの使命を果たすために、神から遣わされた神の子なのですね」
「あ、いや、そんな……」
ジャンヌはセイに向って一心不乱に祈りはじめた。セイにはなにを言っているのか全部聞き取れなかったが、主への感謝がやつぎばやに呟かれているのだけはわかった。
やがてジャンヌはゆっくりと立ち上がると、居心地なく棒立ちしているセイにむかって言った。
「セイ、わたしと一緒に戦場に赴いてください」
「もちろん。だけど、ぼくは騎士でもなんでもないけど、大丈夫?」
ジャンヌは伏し目がちにセイの背後のフロアのほうに目をやった。
そこに自分とおなじ年くらい、14、5歳くらいの少年が倒れていた。
「彼はわたしの雑用係りをやってもらうはずだった、ルイ・ド・クートという少年です。彼のことは大変残念ですが、これも神のお導きなのでしょう」
ジャンヌはルイの亡骸のそばに跪くと祈りはじめた。やがて祈りが終わると、ジャンヌは立ち上がって言った。
「セイ、あなたはルイの代わりに、雑用係としてわたしに帯同してください」
セイは空中に何本もの剣を現出させた。
頭上に浮かぶ剣の柄をそのままうしろでつかむと、そのまま引き抜いた。
「謝罪は不要さ。ミス・ダルク。ぼくはあなたを守るために遣わされた。それだけです」
ジャンヌは驚愕の表情のままベルトランとメスのほうに目をむけた。ふたりともジャンヌに無言のまま、うなずいた。
「神の…… 神の子なのですか……?」
ジャンヌの唇は震えていた。それが怖れからくるのか、畏敬の念からくるものかわからなかった。
セイはすばやく剣を逆手に持ち変えると、よどみない動作でジャンヌの方向へむかって剣を投げつけた。
「きゃっ!」
ジャンヌは小さな叫び声とともに、身をかがめた。
セイの投げつけた剣は、ジャンヌのすぐ横を通り抜けて、反対側の壁に突き刺さった。
そこに黒の騎士がいた。
どす黒い邪気をまとった騎士は壁から抜け出し、背後からジャンヌに襲いかかろうとしていた。が、セイの一投で頭を貫かれていた。
ぐぎぎぎぎぎぎ……
まるで油切れの機械のような音をたてながら、黒の骸骨騎士がバラバラと霧消しはじめた。
「ごめん。もう一体、残っていたみたい」
ジャンヌがセイの元へ走ってきた。そしてそのままセイの前に跪くと、五指を組んで仰ぎ見た。
「神の子! セイ、あなたはわたしの使命を果たすために、神から遣わされた神の子なのですね」
「あ、いや、そんな……」
ジャンヌはセイに向って一心不乱に祈りはじめた。セイにはなにを言っているのか全部聞き取れなかったが、主への感謝がやつぎばやに呟かれているのだけはわかった。
やがてジャンヌはゆっくりと立ち上がると、居心地なく棒立ちしているセイにむかって言った。
「セイ、わたしと一緒に戦場に赴いてください」
「もちろん。だけど、ぼくは騎士でもなんでもないけど、大丈夫?」
ジャンヌは伏し目がちにセイの背後のフロアのほうに目をやった。
そこに自分とおなじ年くらい、14、5歳くらいの少年が倒れていた。
「彼はわたしの雑用係りをやってもらうはずだった、ルイ・ド・クートという少年です。彼のことは大変残念ですが、これも神のお導きなのでしょう」
ジャンヌはルイの亡骸のそばに跪くと祈りはじめた。やがて祈りが終わると、ジャンヌは立ち上がって言った。
「セイ、あなたはルイの代わりに、雑用係としてわたしに帯同してください」
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