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ダイブ4 古代オリンピックの巻 〜 ソクラテス・プラトン 編 〜
第223話 おまえの肩車とっても快適だったぞ
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黒煙のむこうから声が返ってくる。
「せめてあなたくらいは道連れにさせていただきます」
その声と同時に『デウス・エクス・マキナ』が無理やり前進して、ピストル・バイクを叩き落とそうと手を伸ばしてきた。が、踏み出した右脚が焼け落ちて崩れ、そのまま全身が前かがみに傾く。
だが、それでもプラトンはさらに左脚を踏み出してきた。が、今度は左脚も燃え落ちて膝から下がなくなった。『デウス・エクス・マキナ』は踏み出した姿勢のまま、そのまま跪いて動けなくなる。
その瞬間マリアは空中をとんでいた。大剣をふりあげ右の肩口めがけて、黒煙のなかに飛び込んでいく。
黒煙をすり抜けると、そこにプラトンの姿があった。マリアは大剣を上段から振り下ろす。だが、『デウス・エクス・マキナ』が突然ガクンと傾むいて、プラトンが右の肩口から内部の骨格のなかに滑り落ちた。マリアの剣はぎりぎりのところで、プラトンをとらえ損ねた。そのまま『デウス・エクス・マキナ』の外骨格の一部をはじき飛ばしただけだった。木っ端があたりに飛び散る。
「ちっ!、仕留め損ねた」
すぐさまマリアは肩口の骨格部分から下をのぞき見る。プラトンが『デウス・エクス・マキナ』の胸付近の梁をつかんでぶら下がっているのが見えた。
マリアはなんのためらいもなく、『デウス・エクス・マキナ』の中に飛び込んだ。
大剣をぶらさがっているプラトンにむかって振りおろす。その瞬間、プラトンは悪魔アンドレアルフスに変貌し、その鋭い爪をマリアのほうへふりまわした。マリアはその爪を腕ごと薙ぎ払おうとしたが、ふりまわした大剣が、内骨格の梁にひっかかり届かなかった。
その隙を狙われマリアの腕が爪でえぐられる。
痛みに一瞬、顔がゆがむ。
が、そのままマリアはその爪を掴んだ。
掴んだまま、剣で『デウス・エクス・マキナ』の胸の外骨格をたたき壊して穴を空け、そこからアンドレアルフスもろとも飛び降りた。
組み合ったまま落ちていくふたり。
マリアはつかんでいた爪を引っぱり、アンドレアルフスに顔を近づけて言う。
「なぁ。プラトン、おまえの肩車とっても快適だったぞ。礼を言う」
マリアはアンドレアルフスを突きはなすと、大剣でその首を刎ねとばした。
剣が完全に振り抜かれたと同時に、マリアは地面に着地し、ふりおろした剣の切っ先が地面にめり込んだ。
マリアはアンドレアルフスの頭が転がっていくのを目の端にとらえながら付け加えた。
「だが匂いだけは我慢ならなかったがな。プラトン……」
「せめてあなたくらいは道連れにさせていただきます」
その声と同時に『デウス・エクス・マキナ』が無理やり前進して、ピストル・バイクを叩き落とそうと手を伸ばしてきた。が、踏み出した右脚が焼け落ちて崩れ、そのまま全身が前かがみに傾く。
だが、それでもプラトンはさらに左脚を踏み出してきた。が、今度は左脚も燃え落ちて膝から下がなくなった。『デウス・エクス・マキナ』は踏み出した姿勢のまま、そのまま跪いて動けなくなる。
その瞬間マリアは空中をとんでいた。大剣をふりあげ右の肩口めがけて、黒煙のなかに飛び込んでいく。
黒煙をすり抜けると、そこにプラトンの姿があった。マリアは大剣を上段から振り下ろす。だが、『デウス・エクス・マキナ』が突然ガクンと傾むいて、プラトンが右の肩口から内部の骨格のなかに滑り落ちた。マリアの剣はぎりぎりのところで、プラトンをとらえ損ねた。そのまま『デウス・エクス・マキナ』の外骨格の一部をはじき飛ばしただけだった。木っ端があたりに飛び散る。
「ちっ!、仕留め損ねた」
すぐさまマリアは肩口の骨格部分から下をのぞき見る。プラトンが『デウス・エクス・マキナ』の胸付近の梁をつかんでぶら下がっているのが見えた。
マリアはなんのためらいもなく、『デウス・エクス・マキナ』の中に飛び込んだ。
大剣をぶらさがっているプラトンにむかって振りおろす。その瞬間、プラトンは悪魔アンドレアルフスに変貌し、その鋭い爪をマリアのほうへふりまわした。マリアはその爪を腕ごと薙ぎ払おうとしたが、ふりまわした大剣が、内骨格の梁にひっかかり届かなかった。
その隙を狙われマリアの腕が爪でえぐられる。
痛みに一瞬、顔がゆがむ。
が、そのままマリアはその爪を掴んだ。
掴んだまま、剣で『デウス・エクス・マキナ』の胸の外骨格をたたき壊して穴を空け、そこからアンドレアルフスもろとも飛び降りた。
組み合ったまま落ちていくふたり。
マリアはつかんでいた爪を引っぱり、アンドレアルフスに顔を近づけて言う。
「なぁ。プラトン、おまえの肩車とっても快適だったぞ。礼を言う」
マリアはアンドレアルフスを突きはなすと、大剣でその首を刎ねとばした。
剣が完全に振り抜かれたと同時に、マリアは地面に着地し、ふりおろした剣の切っ先が地面にめり込んだ。
マリアはアンドレアルフスの頭が転がっていくのを目の端にとらえながら付け加えた。
「だが匂いだけは我慢ならなかったがな。プラトン……」
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