ぼくらは前世の記憶にダイブして、世界の歴史を書き換える 〜サイコ・ダイバーズ 〜

多比良栄一

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ダイブ4 古代オリンピックの巻 〜 ソクラテス・プラトン 編 〜

第211話 なんだ。おまえら疑ってたのかよ

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「ゾーイ。お見事でした」
 空から滑るように舞い降りてきた天馬をみて、スピロはゾーイにねぎらいのことばをかけた。ゾーイはとてもゆるやかに、そして正確にスピ口の目の前に戦車を着地させた。
「お姉様。セイを……、セイの活躍をみたかい」
 スピ口は戻ってくるなり自分のことより、セイのことを興奮気味に語りはじめた妹に、すくなからず驚かされた。
「ええ、もちろんですよ。まぁ、見るな、と言っても目にはいりましてよ。もっとも……」
 スピ口は手でひさしをつくって、ひとしきり競馬場ヒッポドローム内をさらうように見てから続けた。
「その活躍で、怪物どもはほとんど居なくなりましたけどね」
「たった二回剣をふっただけなんだよ。たった二回であらかた怪物どもを片づけちまった」
「黄道十二宮の悪魔、ハマリエルとウエルキエルを倒したというのは、どうやら本当だったようですね」

「なんだ。おまえら疑ってたのかよ」

 ふいに上空からふてくされた声が投げつけられてきた。
 ふりむくまでもない。マリアだった。マリアはエヴァのピストル・バイクの下方に手をひっかけてぶらさがっていた。後部座席にタルディスの姿もある。
「いえ、マリア様。疑っていただなんて……。ただ自分の目で見てあらためて納得したというところです。そうですね、マリア様とエヴァ様の凄さもね」
「あらあら。なんかつけ足しみたいに言われては少々気分を害しますわね」
 エヴァがゆっくりとバイクを降下させながら言った。バイクが人の背丈ほどまで降りてくると、マリアが手を離して飛びおりた。マリアは地に足がつくやいなや、勢いよくこちら側へ駆けてくるなり、ゾーイの背中をパンとはたいて言った。
「おい!。ゾーイ、きさまよくやった!」
 ゾーイはマリアの手荒い祝福に戸惑いながら、「あ、ありがとう」とだけかえした。
「でも、ほんとうにヒヤヒヤしましたわ」
 エヴァがバイクから降りるとこちらへやってきた。タルディスは後部座席に座らせたままだ。
「わたくしはゾーイの力を信じておりました。なんとかしてくれると……」
「すごいですわね。わたしはあのタルディスさんをバイクの上に乗せるだけでアップアップだというのに、馬を四頭、しかも戦車ごとだなんて……」
「あぁ、力がチートだな」
 スピ口はゾーイが褒められるのを開いて、我がことのように誇らしくなった。

「ほら、ゾーイ。あなたの力は本物なのです。胸をはりなさい」
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