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ダイブ4 古代オリンピックの巻 〜 ソクラテス・プラトン 編 〜
第193話 まずいですわ!。タルディスさんが!
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エヴァはピストル・バイクを上昇させて競馬場を俯瞰した。
さきほどのミサイル攻撃でコース内にでてきた怪物を、相当数吹きとばしたはずなのに、それほど数が減っているように思えなかった。
「おい、怪物の数、全然減ってねぇじゃねぇか。てめぇのミサイルの威力もたいしたことねぇな」
マリアが後部座席から自分と同じ疑問を口にした。が、口汚かったのがどうにも気にさわった。
「マリアさん、おとこばですが、それなりには減ってるはず……」
「あぁ、すまねぇ、前言撤回する」
あまりにもあっさりとマリアが訂正してきたことに、エヴァは驚いて後部座席のほうを振り向いた。
「エヴァ、土手をみろ!」
そう強い口調で言われて、あわてて北側の土手に目をむけた。驚いたことに土手のむこうから、溢れるように怪物たちが湧き出ていた。そしてその怪物たちは北側から、タルディスがいる東側の観客席へ押しかけていた。
「マリアさん、まずいですわ!。タルディスさんが!」
「エヴァ!、急げ」
マリアは声を荒げたが、それより速くエヴァはバイクを前に倒して、真下にむかって猛スピードで直滑降した。タルディスの周りには怪物たちが取り囲んでおり、マリアが作った『剣の要塞』は総攻撃を浴びていた。すでに何本かの剣の刃は欠け落ちて、そこから手を突っ込んでいる怪物もいた。なかに隠れているタルディスは、「くるな!」とわめき声をあげながら、得意のパンチで応戦している。だが、怪物にはほとんど効果がないようで、剣の隙間から見えるタルディスの顔には泣きがはいっている。
あともうすこしで怪物の群れに突っ込むというタイミングでエヴァはブレーキをひいた。その勢いを借りて、マリアが後部座席を蹴飛ばすようにして飛び出し、勢いよく地面の上に降りたった。地面に足がつくやいなや、マリアはタルディスの元へ走り出した。その瞬間を襲おうと、怪物たちがマリアに群がったが、一瞬ののち切り刻まれていた。
「おい、人がいねぇあいだに卑怯なマネすんじゃねえ。このクソ悪魔。いや、クソ悪魔の傀儡ども。いや、クソ悪魔のクソ傀儡ども……」
「マリアさん、そんな怪物の呼び方はどうでもいい。助けてくれ」
タルディスが剣の要塞のなかから悲鳴をあげた。そこへマリアが走り込んできて、剣の檻の隙間からタルディスに言う。
「タルディス。簡単に言うな。オレだって百や二百程度なら余裕だがな。へたすると万単位だぞ。スパルタのレオニダス王じゃねぇんだ。そんな無茶できるかぁ」
「じゃあ、どうすれば……」
タルディスの声は消え入りそうだった。
さきほどのミサイル攻撃でコース内にでてきた怪物を、相当数吹きとばしたはずなのに、それほど数が減っているように思えなかった。
「おい、怪物の数、全然減ってねぇじゃねぇか。てめぇのミサイルの威力もたいしたことねぇな」
マリアが後部座席から自分と同じ疑問を口にした。が、口汚かったのがどうにも気にさわった。
「マリアさん、おとこばですが、それなりには減ってるはず……」
「あぁ、すまねぇ、前言撤回する」
あまりにもあっさりとマリアが訂正してきたことに、エヴァは驚いて後部座席のほうを振り向いた。
「エヴァ、土手をみろ!」
そう強い口調で言われて、あわてて北側の土手に目をむけた。驚いたことに土手のむこうから、溢れるように怪物たちが湧き出ていた。そしてその怪物たちは北側から、タルディスがいる東側の観客席へ押しかけていた。
「マリアさん、まずいですわ!。タルディスさんが!」
「エヴァ!、急げ」
マリアは声を荒げたが、それより速くエヴァはバイクを前に倒して、真下にむかって猛スピードで直滑降した。タルディスの周りには怪物たちが取り囲んでおり、マリアが作った『剣の要塞』は総攻撃を浴びていた。すでに何本かの剣の刃は欠け落ちて、そこから手を突っ込んでいる怪物もいた。なかに隠れているタルディスは、「くるな!」とわめき声をあげながら、得意のパンチで応戦している。だが、怪物にはほとんど効果がないようで、剣の隙間から見えるタルディスの顔には泣きがはいっている。
あともうすこしで怪物の群れに突っ込むというタイミングでエヴァはブレーキをひいた。その勢いを借りて、マリアが後部座席を蹴飛ばすようにして飛び出し、勢いよく地面の上に降りたった。地面に足がつくやいなや、マリアはタルディスの元へ走り出した。その瞬間を襲おうと、怪物たちがマリアに群がったが、一瞬ののち切り刻まれていた。
「おい、人がいねぇあいだに卑怯なマネすんじゃねえ。このクソ悪魔。いや、クソ悪魔の傀儡ども。いや、クソ悪魔のクソ傀儡ども……」
「マリアさん、そんな怪物の呼び方はどうでもいい。助けてくれ」
タルディスが剣の要塞のなかから悲鳴をあげた。そこへマリアが走り込んできて、剣の檻の隙間からタルディスに言う。
「タルディス。簡単に言うな。オレだって百や二百程度なら余裕だがな。へたすると万単位だぞ。スパルタのレオニダス王じゃねぇんだ。そんな無茶できるかぁ」
「じゃあ、どうすれば……」
タルディスの声は消え入りそうだった。
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