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ダイブ4 古代オリンピックの巻 〜 ソクラテス・プラトン 編 〜
第187話 さすがにあの数じゃあ守りきれねぇ
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マリアの表情にはあきらかな焦りが浮かんでいた。ゾーイにはそう見えた。
「すまねぇ、スピロ。さすがにあの数は守りきれる自信がねぇ。いくら弱いっていってもな」
「どうされるんです?」
「急いでタルディスのとこに戻るしかねぇな。あいつらが押し寄せる前にな」
そのとき突然北側の観客席から悲鳴があがった。
数人の観客たちが自分たちの背後にあらわれた怪物に気づいた悲鳴だった。その悲鳴を合図に観客席は恐怖一色に包まれた。人々がトラックとの仕切りになっている木の柵を壊し、われ先にと逃げはじめる。土手側に逃げられない人々がトラック側に走りでて、戦車競争のレーン上にひとがあふれはじめた。
怪物たちが咆哮をあげた。それを合図に一気に怪物の進撃がはじまった。逃げ遅れた人々は巨人たちに踏みつけられ、投げつけられ、そして獣たちに食いつかれた。
恐怖にかられた人々がトラックのほうへ殺到する。
そこへ折返し点をまわってきた戦争が走り込んできた。レーン上に進入してきた観客を御者は避けきれない。人々をはね飛ばしたかと思うと、後続の戦車の馬たちがそれを踏みつけていく。が、戦車はそのまま制御をうしない、コースから逸れて北側の観客席に飛び込んでいく。
怪物たちの脅威からなんとか逃れでたはずの人々に、戦車がぶつかっていった。次の戦車はその破壊した戦車にのりあげて。おおきく車体が馬ごと跳ね上がった。今度は観客たちをうえから押し潰す。
その光景に戦車競争のコース上から逃げ始める観客たち。人々はレース中の戦車に巻き込まれないよう祈りながら、分離帯をまたいで、ゾーイたちがいる南側の観客席のほうへ走ってきはじめた。
だが、なんとか走り抜けて、こちらの土手にたどり着こうかというところで、空から急襲してきたハリピュイアや翼や嘴や爪が青銅でできている怪鳥ステュムパリデスにつかまった。
あまりの凄惨な状況にマリアが大声で叫んだ。
「オレはタルディスのところへ戻る。ゾーイ、怪物退治はおまえたちにまかせる」
「ちょ、ちょっと、マリアさん。あたいにもお姉さまにもあんな怪物倒す力なんてありゃしないよ」
「だったらエヴァに武器を借りろ」
「あら、マリアさん。わたしの武器は私しか使えませんのよ」
「そうだったな。ーったく使えねぇな」
そう言うなり、マリアは怪物たちがいる方向を見て、キョロキョロとなにかを探しはじめた。
「だったら、スピロ。オレが武器をもってきてやる。その代わり、おまえがタルディスのお守りをしろ」
「武器……」
スピロは疑問を口にしたが、マリアはにんまりと口をゆがめて言った。
「とっておきの万能兵器だよ。エヴァ、協力しろ!」
「すまねぇ、スピロ。さすがにあの数は守りきれる自信がねぇ。いくら弱いっていってもな」
「どうされるんです?」
「急いでタルディスのとこに戻るしかねぇな。あいつらが押し寄せる前にな」
そのとき突然北側の観客席から悲鳴があがった。
数人の観客たちが自分たちの背後にあらわれた怪物に気づいた悲鳴だった。その悲鳴を合図に観客席は恐怖一色に包まれた。人々がトラックとの仕切りになっている木の柵を壊し、われ先にと逃げはじめる。土手側に逃げられない人々がトラック側に走りでて、戦車競争のレーン上にひとがあふれはじめた。
怪物たちが咆哮をあげた。それを合図に一気に怪物の進撃がはじまった。逃げ遅れた人々は巨人たちに踏みつけられ、投げつけられ、そして獣たちに食いつかれた。
恐怖にかられた人々がトラックのほうへ殺到する。
そこへ折返し点をまわってきた戦争が走り込んできた。レーン上に進入してきた観客を御者は避けきれない。人々をはね飛ばしたかと思うと、後続の戦車の馬たちがそれを踏みつけていく。が、戦車はそのまま制御をうしない、コースから逸れて北側の観客席に飛び込んでいく。
怪物たちの脅威からなんとか逃れでたはずの人々に、戦車がぶつかっていった。次の戦車はその破壊した戦車にのりあげて。おおきく車体が馬ごと跳ね上がった。今度は観客たちをうえから押し潰す。
その光景に戦車競争のコース上から逃げ始める観客たち。人々はレース中の戦車に巻き込まれないよう祈りながら、分離帯をまたいで、ゾーイたちがいる南側の観客席のほうへ走ってきはじめた。
だが、なんとか走り抜けて、こちらの土手にたどり着こうかというところで、空から急襲してきたハリピュイアや翼や嘴や爪が青銅でできている怪鳥ステュムパリデスにつかまった。
あまりの凄惨な状況にマリアが大声で叫んだ。
「オレはタルディスのところへ戻る。ゾーイ、怪物退治はおまえたちにまかせる」
「ちょ、ちょっと、マリアさん。あたいにもお姉さまにもあんな怪物倒す力なんてありゃしないよ」
「だったらエヴァに武器を借りろ」
「あら、マリアさん。わたしの武器は私しか使えませんのよ」
「そうだったな。ーったく使えねぇな」
そう言うなり、マリアは怪物たちがいる方向を見て、キョロキョロとなにかを探しはじめた。
「だったら、スピロ。オレが武器をもってきてやる。その代わり、おまえがタルディスのお守りをしろ」
「武器……」
スピロは疑問を口にしたが、マリアはにんまりと口をゆがめて言った。
「とっておきの万能兵器だよ。エヴァ、協力しろ!」
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