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第四章 第四節 ヤマト襲撃される
第1014話 お兄さま、ご無事でしたか?
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エア・バイクが屋上に降りたところで、ヤマトは床に降りたちながら、インフォグラシズをとりだした。屋上には草薙をはじめとする顔を見知った護衛が6人と、それ以外の援軍の兵士が7人いた。いずれも『素体』も『ゴースト』でもなく、生身の人間であることがすぐに確認できた。
「よく、だれも怪我しなかったね」
『そんなに都合よくいかなかったわ。援軍の兵士は何人か怪我して離脱してる。大怪我ではないけどね』
ヤマトはそれを聞いて、なにか草薙に言おうとしたが、アスカとキラが駆け寄ってきてそのタイミングを逸した。
「タケル! 大丈夫だった?」
「お兄さま、ご無事でしたか?」
ヤマトは大袈裟に手を広げて見せた。
「アスカ、キラ、見ればわかるだろ? それよりそっちはどう? 怪我してない?」
「クララお姉さまがすこしかすり傷を……」
「クララが?」
ヤマトはエア・モービルの車内にいるクララのほうへ目をむけた。彼女は車内に留まったまま、こちらに視線をむけている。
「かすり傷よ、かすりキズ! 階段が崩れ落ちたときに、あちこちすりむいただけ」
「でもアスカお姉さま。脚に血が滲んでましたわ。クララお姉さまはショックを受けてましてよ」
「擦り傷程度なら、あたしだって。跳弾で削れた壁の破片が当たったからね」
そう言いながらアスカが手の甲を見せる。真ん中あたりが赤くなっているのがわかる。軽い内出血をしているようだった。
「ちょっと痛そう……」
そう言いかけたとき、草薙の怒気をはらんだ声が耳朶をうった。
「それはどういうことです!」
どうやら本部とやりとりしているらしかった。ヤマトはすばやく草薙と本部との秘匿回線に、チューニングをあわせた。相手はミライ副司令だった。
『草薙大佐、仕方がないでしょう。そのあたりの電波の解析が、リアルタイムで追いつかなかったの』
『ヤシナ副司令、言い訳はいいです。その解析は間違いないのですね』
『ええ、間違いないわ!』
『襲撃した素体の一体は、そのビルのなかのRV装置を使って操作されてたの!』
ヤマトはミライの言っている意味が瞬時に理解できなかった。
が、次の瞬間、自分の背中になにか硬い物がおしつけられ、ヤマトはすべてを理解した。
耳元で囁くような声が聞こえた。
『ヤマト・タケル、思い知りなさい』
ヤタの声だった。
兵士の身なりをしたその男は、スモークシールドで顔ははっきり見えなかったが、見間違えようがなかった。
まちがいなくヤタ本人だった。
「よく、だれも怪我しなかったね」
『そんなに都合よくいかなかったわ。援軍の兵士は何人か怪我して離脱してる。大怪我ではないけどね』
ヤマトはそれを聞いて、なにか草薙に言おうとしたが、アスカとキラが駆け寄ってきてそのタイミングを逸した。
「タケル! 大丈夫だった?」
「お兄さま、ご無事でしたか?」
ヤマトは大袈裟に手を広げて見せた。
「アスカ、キラ、見ればわかるだろ? それよりそっちはどう? 怪我してない?」
「クララお姉さまがすこしかすり傷を……」
「クララが?」
ヤマトはエア・モービルの車内にいるクララのほうへ目をむけた。彼女は車内に留まったまま、こちらに視線をむけている。
「かすり傷よ、かすりキズ! 階段が崩れ落ちたときに、あちこちすりむいただけ」
「でもアスカお姉さま。脚に血が滲んでましたわ。クララお姉さまはショックを受けてましてよ」
「擦り傷程度なら、あたしだって。跳弾で削れた壁の破片が当たったからね」
そう言いながらアスカが手の甲を見せる。真ん中あたりが赤くなっているのがわかる。軽い内出血をしているようだった。
「ちょっと痛そう……」
そう言いかけたとき、草薙の怒気をはらんだ声が耳朶をうった。
「それはどういうことです!」
どうやら本部とやりとりしているらしかった。ヤマトはすばやく草薙と本部との秘匿回線に、チューニングをあわせた。相手はミライ副司令だった。
『草薙大佐、仕方がないでしょう。そのあたりの電波の解析が、リアルタイムで追いつかなかったの』
『ヤシナ副司令、言い訳はいいです。その解析は間違いないのですね』
『ええ、間違いないわ!』
『襲撃した素体の一体は、そのビルのなかのRV装置を使って操作されてたの!』
ヤマトはミライの言っている意味が瞬時に理解できなかった。
が、次の瞬間、自分の背中になにか硬い物がおしつけられ、ヤマトはすべてを理解した。
耳元で囁くような声が聞こえた。
『ヤマト・タケル、思い知りなさい』
ヤタの声だった。
兵士の身なりをしたその男は、スモークシールドで顔ははっきり見えなかったが、見間違えようがなかった。
まちがいなくヤタ本人だった。
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