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第四章 第四節 ヤマト襲撃される
第1009話 あんなのどこに隠してたの!
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「まずい。ふつうの素体じゃない!」
『もう、あんなのどこに隠してたの!』
草薙は腹立たしげに呟いた。
『大佐、すまねぇ。一体だけ民生用の『素体』に擬態してやがった』
バットーが悔しそうに詫びをいれてきた。
『バトー、あいつの戦力、わかるか?』
『ああ。ありゃあ、建設用のMM65型だ。3トンくらいなら楽々持ちあげるパワーがあるし、ピストン状に変形する左腕は、ちょいとしたボーリングマシーン並だ』
『なら電磁パルス弾で電気回路をショートさせる。だがそれだけじゃねえ。どうやら動力は軍事用のモンに交換されてるようだ』
『それはやっかいだな。パワーはどれくらいある?』
『下のMM65型の二倍はあるでしょうな。でも大佐、気をつけてくだせぇよ。あのモデルは電気回路を失っても、油圧駆動がそなわってますからね。しばらくは代替で動くことができるんだ』
『了解した。少々やっかいだが、なんとか制圧してみせよう』
草薙がバリケードの陰から、タイミングを見計らって飛び出そうと身構えながら言った。
が、草薙が動くより先に、『素体』が左腕のピストンをバリケードに叩きつけた。ひとたまりもなかった。バリケードが粉々に飛び散った。
草薙とヤマトの姿があらわになる。
草薙は迷いもなく、『素体』にむかって、立て続けに銃弾を撃ち込んだ。が、素体の外殻は民生用では考えられないほど頑丈で、弾丸のほとんどをはじき返した。
「電磁波かレーザーじゃないと無理だ」
ヤマトは叫んだ。
『わかってる。でもこんな狭いとこで使ったら、通信が途切れるのよ』
「レーザーなら!」
『なら撃って!』
草薙の指示が聞こえると同時に、ヤマトは襲撃者にむけてレーザー銃を撃った。細切れになったレーザーのパルスは、素体のからだに吸い込まれるようにヒットした。ヤマトは心のなかで『よし!』と叫んだが、襲撃者は倒れるどころか、まったく怯みもせずこちらに突っ込んできた。
草薙がヤマトの前に立ち塞がるように飛び出し、銃弾を集中させる。襲撃者はその反撃をものともせず、右腕をふりまわして草薙を脇に跳ね飛ばした。草薙はとっさに受け身をとったが、脇腹付近を横殴りされて壁にぶつかった。
「草薙さん!」
おもわずヤマトは叫んだが、すぐに覆いかぶさるようにして自分を狙う襲撃者のほうへ銃をむけた。
「やっぱり、ヤタ、あんたか」
「そうよ、ヤマト・タケル。あんたはあたし直々に手をくださないと気が済まないからね」
「そんなイカツイ重機に憑依しているセンスのわるさは相変わらずだね」
『もう、あんなのどこに隠してたの!』
草薙は腹立たしげに呟いた。
『大佐、すまねぇ。一体だけ民生用の『素体』に擬態してやがった』
バットーが悔しそうに詫びをいれてきた。
『バトー、あいつの戦力、わかるか?』
『ああ。ありゃあ、建設用のMM65型だ。3トンくらいなら楽々持ちあげるパワーがあるし、ピストン状に変形する左腕は、ちょいとしたボーリングマシーン並だ』
『なら電磁パルス弾で電気回路をショートさせる。だがそれだけじゃねえ。どうやら動力は軍事用のモンに交換されてるようだ』
『それはやっかいだな。パワーはどれくらいある?』
『下のMM65型の二倍はあるでしょうな。でも大佐、気をつけてくだせぇよ。あのモデルは電気回路を失っても、油圧駆動がそなわってますからね。しばらくは代替で動くことができるんだ』
『了解した。少々やっかいだが、なんとか制圧してみせよう』
草薙がバリケードの陰から、タイミングを見計らって飛び出そうと身構えながら言った。
が、草薙が動くより先に、『素体』が左腕のピストンをバリケードに叩きつけた。ひとたまりもなかった。バリケードが粉々に飛び散った。
草薙とヤマトの姿があらわになる。
草薙は迷いもなく、『素体』にむかって、立て続けに銃弾を撃ち込んだ。が、素体の外殻は民生用では考えられないほど頑丈で、弾丸のほとんどをはじき返した。
「電磁波かレーザーじゃないと無理だ」
ヤマトは叫んだ。
『わかってる。でもこんな狭いとこで使ったら、通信が途切れるのよ』
「レーザーなら!」
『なら撃って!』
草薙の指示が聞こえると同時に、ヤマトは襲撃者にむけてレーザー銃を撃った。細切れになったレーザーのパルスは、素体のからだに吸い込まれるようにヒットした。ヤマトは心のなかで『よし!』と叫んだが、襲撃者は倒れるどころか、まったく怯みもせずこちらに突っ込んできた。
草薙がヤマトの前に立ち塞がるように飛び出し、銃弾を集中させる。襲撃者はその反撃をものともせず、右腕をふりまわして草薙を脇に跳ね飛ばした。草薙はとっさに受け身をとったが、脇腹付近を横殴りされて壁にぶつかった。
「草薙さん!」
おもわずヤマトは叫んだが、すぐに覆いかぶさるようにして自分を狙う襲撃者のほうへ銃をむけた。
「やっぱり、ヤタ、あんたか」
「そうよ、ヤマト・タケル。あんたはあたし直々に手をくださないと気が済まないからね」
「そんなイカツイ重機に憑依しているセンスのわるさは相変わらずだね」
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