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第四章 第三節 Z.P.G.(25世紀のルール)
第958話 ダイ・ラッキーの本当の名前
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「くそぅ。ヤマト・タケルがあれほどの手練れだとは思わなかった」
ダイ・ラッキーが吐き捨てるように言った。
「まがりなりにも世界を救い続けている男だぜ。あまく見過ぎだ」
「だが宇宙軌道上でドラゴンズ・ボールをヤマト・タケルから奪い取った」
「あれは奇襲だっただろうが。しかもユウキとクララという精鋭が護衛についていた。三つ巴だったから、うまくいったのさ。それでも7つのうち1つしか奪えなかった……」
「あんたの名前じゃねぇが、あンときゃあ、ラッキーだったのさ」
「ヤマト・タケルにはきっちりと責任をとらせてやる」
ダイ・ラッキーがどすの利いた声で言った。アルはその口調にただならない殺気を感じ取った。
「おい、おい。おだやかじゃねぇな。ヤマト・タケルになにをするつもりか知らねぇが、あいつは今、地球の命運を左右する存在だぜ。すまねぇが、迂闊なことはしてくれんなよ」
「迂闊なこと? さぁ、どういうことだろうな。オレたちにとっちゃあ、この地球がどうなろうと関係ねぇんだ。こちとら、おまえさんたちチップ埋込者と
ちがって、長生きできるわけじゃねぇからな」
「ダイ・ラッキー、やめてくれよ。あんたにも愛する家族や仲間がいンだろう。そいつらの将来がどうなっても……」
「いねぇよ」
ダイ・ラッキーがしずかな口調で否定した。
「おれの身内や仲間のほとんどは、あのナポリの悲劇に巻込まれて死んじまったからな」
「ヤマト・タケルの手でな」
「ダイ・ラッキー、あれはタケルのせいじゃない。亜獣の一方的な先制攻撃だった。タケルたちも巻込まれただけだ。オレたちも優秀なパイロットをひとり失ったんだ」
アルはいつのまにか大きなジェスチャーで弁明していた。
「おれはヤマト・タケルを許さねぇよ。直接、この手で報復してやる」
「おい、待ってくれ。ぶっそうなことを言わねぇでくれ。だいたい直接と言っても、あんたにこの日本への入国許可なんておりやしねぇだろ」
ダイ・ラッキーが鼻でわらった。
「ふん、三代目。おれはイタリアの血が混じっちゃあいるが、日本国籍をもってるんだ」
「じゃあ、あんたダイ・ラッキーって名前じゃねぇのか」
「日本語の名前をAIが勝手に英語風に読み替えたのを、コードネームとして使っているだけさ。ほんとうは『ダイ・ラッキー・ワン』というんだが、長すぎるんで上の二つだけで呼んでるだけだ」
「ラッキー・ワン…… じゃあ、本当の名前は『幸一』って……」
「そうだ」
「なら苗字は……?」
「特別におしえてやるよ。DIEと聞けば、みな『死』を連想するだろう。おれはそれが気に入っているが、DIEには『金型』しかもお金の金型という意味もある。おれの苗字の由来はそっちのほうさ」
ダイ・ラッキーはにたりと笑った。
「おれの本当の名前は銭形……銭形幸一。れっきとした日本人だ」
「だれにも漏らすなよ、アル…… アルセーヌ・露伴・三代目」
ダイ・ラッキーが吐き捨てるように言った。
「まがりなりにも世界を救い続けている男だぜ。あまく見過ぎだ」
「だが宇宙軌道上でドラゴンズ・ボールをヤマト・タケルから奪い取った」
「あれは奇襲だっただろうが。しかもユウキとクララという精鋭が護衛についていた。三つ巴だったから、うまくいったのさ。それでも7つのうち1つしか奪えなかった……」
「あんたの名前じゃねぇが、あンときゃあ、ラッキーだったのさ」
「ヤマト・タケルにはきっちりと責任をとらせてやる」
ダイ・ラッキーがどすの利いた声で言った。アルはその口調にただならない殺気を感じ取った。
「おい、おい。おだやかじゃねぇな。ヤマト・タケルになにをするつもりか知らねぇが、あいつは今、地球の命運を左右する存在だぜ。すまねぇが、迂闊なことはしてくれんなよ」
「迂闊なこと? さぁ、どういうことだろうな。オレたちにとっちゃあ、この地球がどうなろうと関係ねぇんだ。こちとら、おまえさんたちチップ埋込者と
ちがって、長生きできるわけじゃねぇからな」
「ダイ・ラッキー、やめてくれよ。あんたにも愛する家族や仲間がいンだろう。そいつらの将来がどうなっても……」
「いねぇよ」
ダイ・ラッキーがしずかな口調で否定した。
「おれの身内や仲間のほとんどは、あのナポリの悲劇に巻込まれて死んじまったからな」
「ヤマト・タケルの手でな」
「ダイ・ラッキー、あれはタケルのせいじゃない。亜獣の一方的な先制攻撃だった。タケルたちも巻込まれただけだ。オレたちも優秀なパイロットをひとり失ったんだ」
アルはいつのまにか大きなジェスチャーで弁明していた。
「おれはヤマト・タケルを許さねぇよ。直接、この手で報復してやる」
「おい、待ってくれ。ぶっそうなことを言わねぇでくれ。だいたい直接と言っても、あんたにこの日本への入国許可なんておりやしねぇだろ」
ダイ・ラッキーが鼻でわらった。
「ふん、三代目。おれはイタリアの血が混じっちゃあいるが、日本国籍をもってるんだ」
「じゃあ、あんたダイ・ラッキーって名前じゃねぇのか」
「日本語の名前をAIが勝手に英語風に読み替えたのを、コードネームとして使っているだけさ。ほんとうは『ダイ・ラッキー・ワン』というんだが、長すぎるんで上の二つだけで呼んでるだけだ」
「ラッキー・ワン…… じゃあ、本当の名前は『幸一』って……」
「そうだ」
「なら苗字は……?」
「特別におしえてやるよ。DIEと聞けば、みな『死』を連想するだろう。おれはそれが気に入っているが、DIEには『金型』しかもお金の金型という意味もある。おれの苗字の由来はそっちのほうさ」
ダイ・ラッキーはにたりと笑った。
「おれの本当の名前は銭形……銭形幸一。れっきとした日本人だ」
「だれにも漏らすなよ、アル…… アルセーヌ・露伴・三代目」
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