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第四章 第二節 犯罪組織グランディスとの戦い
第885話 金田日博士が示す可能
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「ですが、そのマガンジーはキラくんが完全に消滅させたはずではないですか?」
ユウキがすこし不服そうに言った。
「うむ。ユウキくんの指摘どおり、あの特別な兵器によって、チリ一つ残さず消えたはずだ。それはデータ上でもまちがいない。だが、亜空間から亜獣が出現するときに計測される生体マーカーは、これがまちがいなくマガンジーのものであるとも告げているのだ」
「でも亜獣は現われていないんでしょう?」
「ああ、クララくん。その通りだ。ここはなにもない宇宙空間だからね。亜空間からもしでてきたとしても、さすがの亜獣もなにもできない。しかも微細なシグナルだけで、実際には亜獣は出現していない」
「金田日博士。どういう可能性があるかを、パイロット諸君に伝えてくれないかね」
ウルスラが先を急がせた。
「あ、はい」
ふたたび金田日の映像が表示された。
「この光点は現われるたびに、地球に近づいている。考えられる可能性は今のところ3つある」
「ひとつ目は、爆縮に巻込まれなかった一部のマガンジーの破片が、宇宙をただよっていて、亜獣のシグナルを発信している。2つ目は爆縮から逃れようとして、亜空間転移した一部の破片の信号が亜空間から漏れでている。そして3つ目は……」
金田日はここでおおきく息を吸った。ヤマトはこれから述べられる3番目こそが、もっとも高い可能性がある仮説だとすぐに感じ取った。
「爆縮から逃れた破片をかき集めて、もう一度からだを再構築しようとしている」
「博士!」
キラがすごい剣幕でわってはいったきた。
「博士はわたくしがあの亜獣を討ち漏らしたと言うのですの?」
「い、いや。そうではない。キラ・ヤマトくん。あれは完璧すぎるほどの手段で駆逐した。だが、亜獣の特性自体がいままで経験したことがないようなものだったのだ。宇宙空間に現われる。その場で自己修復することができる。これだけでもかつての103体にない特性だ。だから、あのマガンジーが破片ひとつひとつが別個の生命体で、それが寄せ集まって、ひとつの個体を形作っている、という可能性も捨てきれないのだ」
「でも破片だけ集めても、亜獣のおおきさにはならない」
レイがまたぶっきらぼうに意見した。
「もちろんだ、レイくん。だが、あのマガンジーは自己修復能力を持つ。だからある程度のおおきさにまでなったら、そこから自己増殖しても不思議ではない」
「それが地球にむかっているというのですか?」
ユウキの声は純粋に驚いていた。先ほどのような不服げな口調はすっかり鳴りを潜めている。
ユウキがすこし不服そうに言った。
「うむ。ユウキくんの指摘どおり、あの特別な兵器によって、チリ一つ残さず消えたはずだ。それはデータ上でもまちがいない。だが、亜空間から亜獣が出現するときに計測される生体マーカーは、これがまちがいなくマガンジーのものであるとも告げているのだ」
「でも亜獣は現われていないんでしょう?」
「ああ、クララくん。その通りだ。ここはなにもない宇宙空間だからね。亜空間からもしでてきたとしても、さすがの亜獣もなにもできない。しかも微細なシグナルだけで、実際には亜獣は出現していない」
「金田日博士。どういう可能性があるかを、パイロット諸君に伝えてくれないかね」
ウルスラが先を急がせた。
「あ、はい」
ふたたび金田日の映像が表示された。
「この光点は現われるたびに、地球に近づいている。考えられる可能性は今のところ3つある」
「ひとつ目は、爆縮に巻込まれなかった一部のマガンジーの破片が、宇宙をただよっていて、亜獣のシグナルを発信している。2つ目は爆縮から逃れようとして、亜空間転移した一部の破片の信号が亜空間から漏れでている。そして3つ目は……」
金田日はここでおおきく息を吸った。ヤマトはこれから述べられる3番目こそが、もっとも高い可能性がある仮説だとすぐに感じ取った。
「爆縮から逃れた破片をかき集めて、もう一度からだを再構築しようとしている」
「博士!」
キラがすごい剣幕でわってはいったきた。
「博士はわたくしがあの亜獣を討ち漏らしたと言うのですの?」
「い、いや。そうではない。キラ・ヤマトくん。あれは完璧すぎるほどの手段で駆逐した。だが、亜獣の特性自体がいままで経験したことがないようなものだったのだ。宇宙空間に現われる。その場で自己修復することができる。これだけでもかつての103体にない特性だ。だから、あのマガンジーが破片ひとつひとつが別個の生命体で、それが寄せ集まって、ひとつの個体を形作っている、という可能性も捨てきれないのだ」
「でも破片だけ集めても、亜獣のおおきさにはならない」
レイがまたぶっきらぼうに意見した。
「もちろんだ、レイくん。だが、あのマガンジーは自己修復能力を持つ。だからある程度のおおきさにまでなったら、そこから自己増殖しても不思議ではない」
「それが地球にむかっているというのですか?」
ユウキの声は純粋に驚いていた。先ほどのような不服げな口調はすっかり鳴りを潜めている。
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