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第四章 第一節 四解文書 第一節 それを知れば憤怒にかられる
第879話 あたくし隣の部屋がいいですわ
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「あ、ええ。2階にいくつか空き部屋があるわ。好きなの使ってちょうだい」
ミサトが興味なさげに言うと、キラが口元をすこし曲げた。
「あたくし、ライトお兄さまの隣の部屋がいいですわ」
「駄目よ。タケルの隣は、あたしの部屋。ゆずるつもりはないわ」
「なら正面はどうですの?」
「それはわたしの部屋ですわ。わたしもアスカさん同様、ゆずるつもりはありません」
キラはわざとらしくおおきなため息をついた。
「いたしかたありませんわね。お二方ともお兄さまの子供を宿す任務があると聞いておりますからね」
「そう! あたしとクララはタケルとツガって、次のパイロットを生まなきゃなんないの。だからちょっとでも近くにいる必要がある」
「そうですわ。まぁ、肝心のタケルさんにその気がないのが問題なのですけど……」
「あたくしとお兄さまがツガえば、99・9の子が産まれるんですけどね」
さりげなく言ったキラのひとことに、ラウンジの空気がぴりついたのをヤマトは感じた。
すこしでも純血度が高い日本人を、というのなら、キラの言うことは、なにひとつ間違いなかった。だが、アスカとクララにとって、それは競争相手ですらなくなることを意味した。
彼女たちの存在意義のおおくを、えぐり取られたに等しい。
「な、な、なに言ってンのよ。あんたたち兄妹でしょう? そんなの許されるわけないじゃない」
「あら、アスカ。昔はよくあったのよ。近親婚って」
うろたえるアスカに、ミサトが火に油を注ぐような話をもちだしてきた。
「クレオパトラは弟と結婚したし、日本でも聖徳太子は妹と結婚したって話よ」
「ミサトさん、それは2000年以上も前の話でしょう。今は25世紀ですよ。遺伝的にも倫理的にも許される……」
「ユウキ、なに言ってるのよ。地球の存亡がかかってるのよ。そんなくっだらない理由で躊躇する余裕なんてないのよ」
「そうだな。国際連邦軍としても、99・9の日本人が誕生してくれるのは望ましいな」
ウルスラがミサトの意見をあとおしする。
「まぁ、みなさま方、冗談ですのよ」
キラが口元に手をやり、吹きだしそうなのを抑えるような仕草で言った。
「アスカお姉さまやクララお姉さまのような、魅力的な女性にあたくしが勝てるなんて思ってもみませんわ」
そのことばにアスカとクララが顔をすこし赤らめた。あまりにもあけすけな世辞だったが、ふたりとも悪い気はしなかったようだ。
「それに亜獣はこの世代で完全に駆逐すれば、そんなこと考えなくてもよくなるんじゃありませんの」
ミサトがため息まじりに、ヤマトを横目でにらんだ。
「キラ、タケルくんはそうするって言ってるけどね……」
ミサトが興味なさげに言うと、キラが口元をすこし曲げた。
「あたくし、ライトお兄さまの隣の部屋がいいですわ」
「駄目よ。タケルの隣は、あたしの部屋。ゆずるつもりはないわ」
「なら正面はどうですの?」
「それはわたしの部屋ですわ。わたしもアスカさん同様、ゆずるつもりはありません」
キラはわざとらしくおおきなため息をついた。
「いたしかたありませんわね。お二方ともお兄さまの子供を宿す任務があると聞いておりますからね」
「そう! あたしとクララはタケルとツガって、次のパイロットを生まなきゃなんないの。だからちょっとでも近くにいる必要がある」
「そうですわ。まぁ、肝心のタケルさんにその気がないのが問題なのですけど……」
「あたくしとお兄さまがツガえば、99・9の子が産まれるんですけどね」
さりげなく言ったキラのひとことに、ラウンジの空気がぴりついたのをヤマトは感じた。
すこしでも純血度が高い日本人を、というのなら、キラの言うことは、なにひとつ間違いなかった。だが、アスカとクララにとって、それは競争相手ですらなくなることを意味した。
彼女たちの存在意義のおおくを、えぐり取られたに等しい。
「な、な、なに言ってンのよ。あんたたち兄妹でしょう? そんなの許されるわけないじゃない」
「あら、アスカ。昔はよくあったのよ。近親婚って」
うろたえるアスカに、ミサトが火に油を注ぐような話をもちだしてきた。
「クレオパトラは弟と結婚したし、日本でも聖徳太子は妹と結婚したって話よ」
「ミサトさん、それは2000年以上も前の話でしょう。今は25世紀ですよ。遺伝的にも倫理的にも許される……」
「ユウキ、なに言ってるのよ。地球の存亡がかかってるのよ。そんなくっだらない理由で躊躇する余裕なんてないのよ」
「そうだな。国際連邦軍としても、99・9の日本人が誕生してくれるのは望ましいな」
ウルスラがミサトの意見をあとおしする。
「まぁ、みなさま方、冗談ですのよ」
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そのことばにアスカとクララが顔をすこし赤らめた。あまりにもあけすけな世辞だったが、ふたりとも悪い気はしなかったようだ。
「それに亜獣はこの世代で完全に駆逐すれば、そんなこと考えなくてもよくなるんじゃありませんの」
ミサトがため息まじりに、ヤマトを横目でにらんだ。
「キラ、タケルくんはそうするって言ってるけどね……」
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