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第四章 第一節 四解文書 第一節 それを知れば憤怒にかられる
第861話 四解文書 第一節!!!
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ヤマトの取り乱す様子をみて、レイはすぐにそれがなにを意味するのか勘づいた。
ヤマトが必死でダイ・ラッキーの言動を阻止しようとしている。自分はそれを手助けしなければならない。
「ダイ・ラッキー、教えて」
だが、レイの口をついて出たことばは、自分がおこすべき行動とは真逆のことだった。
ヤマト・タケルと交わした、いかなるときも盾になる、という約束を反故にしたわけではなかった。ましてや裏切るつもりなどもなかった。
ただ、知りたいだけだった。
自分たちが命懸けで守っているヤマト・タケルが、命懸けで守っている秘密を——
ほかの面々は自分が発したことばに、おどろきの目をむけていた。
非難も賛同も感じられない。ただただ驚愕している目だった。
「レイ……」
ヤマトのことばは、いくぶん非難めいて感じられた。
「それ、四解文書の一節でしょ。教えて!」
ダイ・ラッキーはにやりと笑いながら言った。
「ああ。教えてやる……」
「おまえらの操っている、あのデミリアンっていうヤツな、あいつら、ただのジャンキーだよ」
ヤマトが叫んだ。
「十三! 電源を切れ! ゴーストを落とせ。いますぐにだ!」
「人間の血を摂取することで、ハイになっちまうのさ。しかも純度が高けりゃ、高いほどいい……」
「十三!!」
「は、オレたちのやってることと、ちっとも変わら……」
ダイ・ラッキーの隠れ家の景色が、目の前から消えた。
代わりに狭苦しい秘密部屋の壁が映し出されていた。
レイは今の今、ダイ・ラッキーに言われたことばを、こころのなかで反芻しようとした。
が、すぐ横で聞こえた、アスカの大声がその思いをかき消した。
「タケル! どーーいうことっ!」
リアル・ヴァーチャル装置から勢いよく飛び出したのだろう、なにかがガンとぶつかる音がかぶさった。
「いまのことば、説明してください! タケルさん」
「あれは本当に四解文書の一部なのですか!」
アスカに続いてクララとユウキが、ヤマトに詰め寄っている様子だった。
レイはゆっくりと顔に取り付けられたゴーグルをはずすと、リアル・ヴァーチャリティ装置からからだを乗り出して言った。
「ユウキ、まちがいないと思うわ。今さっきのは四解文書の第一節よ」
「レイさん、なぜ、それがわかるんです」
「だって、今、わたし、憤怒にかられてるから」
ヤマトが必死でダイ・ラッキーの言動を阻止しようとしている。自分はそれを手助けしなければならない。
「ダイ・ラッキー、教えて」
だが、レイの口をついて出たことばは、自分がおこすべき行動とは真逆のことだった。
ヤマト・タケルと交わした、いかなるときも盾になる、という約束を反故にしたわけではなかった。ましてや裏切るつもりなどもなかった。
ただ、知りたいだけだった。
自分たちが命懸けで守っているヤマト・タケルが、命懸けで守っている秘密を——
ほかの面々は自分が発したことばに、おどろきの目をむけていた。
非難も賛同も感じられない。ただただ驚愕している目だった。
「レイ……」
ヤマトのことばは、いくぶん非難めいて感じられた。
「それ、四解文書の一節でしょ。教えて!」
ダイ・ラッキーはにやりと笑いながら言った。
「ああ。教えてやる……」
「おまえらの操っている、あのデミリアンっていうヤツな、あいつら、ただのジャンキーだよ」
ヤマトが叫んだ。
「十三! 電源を切れ! ゴーストを落とせ。いますぐにだ!」
「人間の血を摂取することで、ハイになっちまうのさ。しかも純度が高けりゃ、高いほどいい……」
「十三!!」
「は、オレたちのやってることと、ちっとも変わら……」
ダイ・ラッキーの隠れ家の景色が、目の前から消えた。
代わりに狭苦しい秘密部屋の壁が映し出されていた。
レイは今の今、ダイ・ラッキーに言われたことばを、こころのなかで反芻しようとした。
が、すぐ横で聞こえた、アスカの大声がその思いをかき消した。
「タケル! どーーいうことっ!」
リアル・ヴァーチャル装置から勢いよく飛び出したのだろう、なにかがガンとぶつかる音がかぶさった。
「いまのことば、説明してください! タケルさん」
「あれは本当に四解文書の一部なのですか!」
アスカに続いてクララとユウキが、ヤマトに詰め寄っている様子だった。
レイはゆっくりと顔に取り付けられたゴーグルをはずすと、リアル・ヴァーチャリティ装置からからだを乗り出して言った。
「ユウキ、まちがいないと思うわ。今さっきのは四解文書の第一節よ」
「レイさん、なぜ、それがわかるんです」
「だって、今、わたし、憤怒にかられてるから」
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