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第三章 第七節 さよならアイ
第838話 アスカとクララの覚悟2
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「いいや。嫌な思いじゃないさ。ちょっと恥ずかしくはあるけどね。アイとの思い出を追体験できたのは、むしろ嬉しかった。ほんとうに好きだったんだって、再確認できたし、偽物だったけどまた話をすることができた」
「なによぉ、のろけてンの? タケル、あんた、わかってる? あたしもクララもあんたとツガう任務を受けてンのよ。恋人候補のふたりの前で、別のおんなの、しかも昔のおんなの話をして、にやけてるなんて信じらンない」
「だれもにやけちゃいないさ、アスカ。それにアイはもう死んだんだ。それにアイに擬態した魔法少女を叩き潰すことで、ぼくはちゃんとけりをつけたつもりだ」
「ほんとうにそんなことでけりをつけられるものですか?」
クララがヤマトの目の奥を覗き込むようにして尋ねてきた。
「わからない。でもぼくは断ち切った、と思ってる。その手でアイの脳を破壊してくれた、きみたちのためにも、ぼくは断ち切らなければならないといけないと思ってる」
「あたしたちは関係ない! タケル、あなたの力で前に進みなさいよね」
「ああ、そうだね。アスカ。きみたちは関係ない。ただその思いを背負うことで、ぼくはうしろを振り向かずに済む」
そのことばに、アスカはわざとらしくそっぽをむいたが、クララはヤマトの顔を正面から見つめた。だが三人とも無言だった。
しばらくしてクララが口を開いた。
「もし、アイさんが生きていたら、わたくし、いい友だちになれたと思いますわ」
「そうかい?」
「ええ。とても馬が合ったかと」
「はん、クララ、なに甘っちょろいこと言ってンの。あの子がいたら、あたしたちライバルにすらなれなかったわよ。どれほどの凄腕だったと思ってンのさ」
「ええ、わかってますわよ。足元にも及ばないほど、実戦経験を積んでますし、つらい体験も、苦しい思いもしている。たった一体や二体しか倒してないわたしたちとはちがいます。でも……」
「いい子だった…… タケルさんが惹かれるのもわかります」
クララはアイの名前が刻まれた銘板をじっと見つめたまま言った。
「そうね! たしかにいい子だったと思うわ。でも隣にいたら、うざったくて仕方がなかったわよ。99・9%(スリー・ナイン)だし、腕はピカイチだし、タケルを独り占めしてるし、それに……」
「あたしによく似ていたから……」
「なによぉ、のろけてンの? タケル、あんた、わかってる? あたしもクララもあんたとツガう任務を受けてンのよ。恋人候補のふたりの前で、別のおんなの、しかも昔のおんなの話をして、にやけてるなんて信じらンない」
「だれもにやけちゃいないさ、アスカ。それにアイはもう死んだんだ。それにアイに擬態した魔法少女を叩き潰すことで、ぼくはちゃんとけりをつけたつもりだ」
「ほんとうにそんなことでけりをつけられるものですか?」
クララがヤマトの目の奥を覗き込むようにして尋ねてきた。
「わからない。でもぼくは断ち切った、と思ってる。その手でアイの脳を破壊してくれた、きみたちのためにも、ぼくは断ち切らなければならないといけないと思ってる」
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「ああ、そうだね。アスカ。きみたちは関係ない。ただその思いを背負うことで、ぼくはうしろを振り向かずに済む」
そのことばに、アスカはわざとらしくそっぽをむいたが、クララはヤマトの顔を正面から見つめた。だが三人とも無言だった。
しばらくしてクララが口を開いた。
「もし、アイさんが生きていたら、わたくし、いい友だちになれたと思いますわ」
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「ええ。とても馬が合ったかと」
「はん、クララ、なに甘っちょろいこと言ってンの。あの子がいたら、あたしたちライバルにすらなれなかったわよ。どれほどの凄腕だったと思ってンのさ」
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「そうね! たしかにいい子だったと思うわ。でも隣にいたら、うざったくて仕方がなかったわよ。99・9%(スリー・ナイン)だし、腕はピカイチだし、タケルを独り占めしてるし、それに……」
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