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第三章 第五節 エンマアイの記憶
第666話 リョウマさんのようになるつもりですか!
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アスカのしおらしい様をみて、クララはあわてた。
「アスカさん、ダメです。もっと怒りを、怒りを、たぎらせてください。そうしないと、わたしたち、持っていかれます——」
「リョウマさんのようになるつもりですか!!」
「大丈夫よ。クララ!、もう大丈夫!!」
「おかげで……、もう落ち着いた。こいつなんかに取り込まれたりなんかされるもんですか!。あんたはどうなのよぉ?」
「わたしですか……。えぇ、悪態をついたら、そう……、なんとかいけそうです」
「そう……。でも悔しいわね」
「なにがです?」
「叫びだしそうなくらい、心をかき乱された」
「ええ。自分を忘れるくらい衝撃を受けました……。でも感情を制御できました」
「ま、教科書通りってとこよ。『怒り』を優先させて、感情をコントロールする、っていうのはね」
「そんなのあてになるわけないじゃないですかぁ。デミリアンに乗ったことがないひとが教えてるんですよ」
「たしかにね」
アスカが笑った。
クララもつられるよに、ふきだした。
今度は無理やりつくった、戦略的な笑みではなく、こころから湧いてくる笑いだった。
『あぁ……、よかった——』
ふいに司令部から春日リンが安堵の声をあげた。
『さっきから、なんども声をかけてるのに、無視して喧嘩してるからどうなるかと……』
「なによ、メイ。あたしをだれだと思ってンのよ」
『わかってるわよ。でもね、これは簡単に耐えられるものじゃないわ。とくにこんなふいうちを喰らってはね』
「まあ、危なかった……かもね」
そのとき、レイがやけにうんざりとした声で言ってきた。
『クララ。そろそろ亜獣のほうに取りかかっていい?。わたしが亜獣を押さえつけるから、そのあいだにあの脳にとどめをさして欲しい』
すると、今度はアスカのほうにユウキが声をかけるのが聞こえてきた。
『アスカくん。まぁ、その……ショックを受けるのはわかるが、すでにわたしたちは300メートルほどまで昇っている。さらに昇るか降りるか、決めてもらいたいのだがね』
「了解よ、ユウキ。待たせてわるかったわね。だけど選択肢なんかないっ。あのオンナの脳をツブしに行くにきまってるでしょ」
アスカはそんなことは当然とばかりに、軽口を叩いた。
そうなれば、クララもおなじように呼応するしかない。
クララはロング・ソードを構えながら、天井の穴から見え隠れするエンマ・アイの脳を見つめながら言った。
「あんなものを見せつけてきたのを、あのオンナに後悔させてやるとしましょう」
「アスカさん、ダメです。もっと怒りを、怒りを、たぎらせてください。そうしないと、わたしたち、持っていかれます——」
「リョウマさんのようになるつもりですか!!」
「大丈夫よ。クララ!、もう大丈夫!!」
「おかげで……、もう落ち着いた。こいつなんかに取り込まれたりなんかされるもんですか!。あんたはどうなのよぉ?」
「わたしですか……。えぇ、悪態をついたら、そう……、なんとかいけそうです」
「そう……。でも悔しいわね」
「なにがです?」
「叫びだしそうなくらい、心をかき乱された」
「ええ。自分を忘れるくらい衝撃を受けました……。でも感情を制御できました」
「ま、教科書通りってとこよ。『怒り』を優先させて、感情をコントロールする、っていうのはね」
「そんなのあてになるわけないじゃないですかぁ。デミリアンに乗ったことがないひとが教えてるんですよ」
「たしかにね」
アスカが笑った。
クララもつられるよに、ふきだした。
今度は無理やりつくった、戦略的な笑みではなく、こころから湧いてくる笑いだった。
『あぁ……、よかった——』
ふいに司令部から春日リンが安堵の声をあげた。
『さっきから、なんども声をかけてるのに、無視して喧嘩してるからどうなるかと……』
「なによ、メイ。あたしをだれだと思ってンのよ」
『わかってるわよ。でもね、これは簡単に耐えられるものじゃないわ。とくにこんなふいうちを喰らってはね』
「まあ、危なかった……かもね」
そのとき、レイがやけにうんざりとした声で言ってきた。
『クララ。そろそろ亜獣のほうに取りかかっていい?。わたしが亜獣を押さえつけるから、そのあいだにあの脳にとどめをさして欲しい』
すると、今度はアスカのほうにユウキが声をかけるのが聞こえてきた。
『アスカくん。まぁ、その……ショックを受けるのはわかるが、すでにわたしたちは300メートルほどまで昇っている。さらに昇るか降りるか、決めてもらいたいのだがね』
「了解よ、ユウキ。待たせてわるかったわね。だけど選択肢なんかないっ。あのオンナの脳をツブしに行くにきまってるでしょ」
アスカはそんなことは当然とばかりに、軽口を叩いた。
そうなれば、クララもおなじように呼応するしかない。
クララはロング・ソードを構えながら、天井の穴から見え隠れするエンマ・アイの脳を見つめながら言った。
「あんなものを見せつけてきたのを、あのオンナに後悔させてやるとしましょう」
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