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第三章 第四節 エンマ・アイ
第588話 エンアイム捜索作戦決行
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四班に分かれて同時進行で行われる、デミリアンと精鋭部隊によるエンアイム捜索作戦は予定通り決行された。
そしてそれは予想通り空振りに終わった。
金田日にとっては、エドと協力して精度を高めた『亜獣捜索システム』の検証の場であったので、空振りながら魔法少女を高精度で特定できたのはおおきな成果だった。
だが、そのシステムの指摘通り、中国大陸の四箇所の拠点では、エンアイムらしき痕跡は見つからなかった。もちろん魔法少女とのコンタクトはあったし、各方面とも多かれ少なかれ戦闘もあった。
だがその魔法少女たちは、以前に中華合衆国軍によってあらかた駆逐されたあとで、国連軍はその残党を相手にしたにすぎなかった。『亜獣捜索システム』で魔法少女の潜伏地点が1メートル四方単位のピンポイントで割り出せ、奇襲をかけられたうえ、そのすべてが二群の魔法少女だったため、ほぼ通常兵器で掃討できた。
作戦終了の次の日、責任者や関係者全員が会議室に集められた。
開口一番、カツライ・ミサトは重々しい口調で激を飛ばした。
「明後日、いよいよ敵の本丸に攻撃をしかけます。次は今までのような楽な戦いにならない」
ミサトが指を回して、リストを中空に呼びだした。
「攻撃部隊を二班に分けて、同時に進行します。その組み合わせはこっちで勝手に決めさせてもらったわ」
会議室のおおきなテーブルの中央に文字が現れた。そこにいた全員がからだを乗り出すようにして、そのリストを覗き込む。
★第二東京区(熱海方面地下都市)——レイ・クララ組
指揮官 カツライ・ミサト司令
隊長 トグロ中佐
副隊長 イシカワ少佐・サイトー少佐
デミリアン責任者 舎利弗小人
亜獣責任者 エド
武器責任者 アル
★第三東京区(箱根方面地下都市)——アスカ・ユウキ組
司令室指揮 ヤシナ・ミライ副司令
隊長 バットー中佐
副隊長 スージー・クワトロ中佐
デミリアン責任者 春日リン
亜獣責任者 金田日博士
武器責任者 玄羽介《くろう・けい》
「両方の陣営の総指揮は、ウルスラ総司令が受け持ちます。各自、いろいろ意見はあるかもしれないけど、これはタケルくんも交えて決めた決定事項。それで進めてちょうだい」
ミサトはアスカやクララを火種にして吹きだすであろう不満の口火を、ヤマトの名前をだすことで抑え込むことにした。
小娘たちの小賢しいなわばり争いで、時間を無駄にするわけにはいかない。だからふたりを別々の組に振り分けもしている。
そしてそれは予想通り空振りに終わった。
金田日にとっては、エドと協力して精度を高めた『亜獣捜索システム』の検証の場であったので、空振りながら魔法少女を高精度で特定できたのはおおきな成果だった。
だが、そのシステムの指摘通り、中国大陸の四箇所の拠点では、エンアイムらしき痕跡は見つからなかった。もちろん魔法少女とのコンタクトはあったし、各方面とも多かれ少なかれ戦闘もあった。
だがその魔法少女たちは、以前に中華合衆国軍によってあらかた駆逐されたあとで、国連軍はその残党を相手にしたにすぎなかった。『亜獣捜索システム』で魔法少女の潜伏地点が1メートル四方単位のピンポイントで割り出せ、奇襲をかけられたうえ、そのすべてが二群の魔法少女だったため、ほぼ通常兵器で掃討できた。
作戦終了の次の日、責任者や関係者全員が会議室に集められた。
開口一番、カツライ・ミサトは重々しい口調で激を飛ばした。
「明後日、いよいよ敵の本丸に攻撃をしかけます。次は今までのような楽な戦いにならない」
ミサトが指を回して、リストを中空に呼びだした。
「攻撃部隊を二班に分けて、同時に進行します。その組み合わせはこっちで勝手に決めさせてもらったわ」
会議室のおおきなテーブルの中央に文字が現れた。そこにいた全員がからだを乗り出すようにして、そのリストを覗き込む。
★第二東京区(熱海方面地下都市)——レイ・クララ組
指揮官 カツライ・ミサト司令
隊長 トグロ中佐
副隊長 イシカワ少佐・サイトー少佐
デミリアン責任者 舎利弗小人
亜獣責任者 エド
武器責任者 アル
★第三東京区(箱根方面地下都市)——アスカ・ユウキ組
司令室指揮 ヤシナ・ミライ副司令
隊長 バットー中佐
副隊長 スージー・クワトロ中佐
デミリアン責任者 春日リン
亜獣責任者 金田日博士
武器責任者 玄羽介《くろう・けい》
「両方の陣営の総指揮は、ウルスラ総司令が受け持ちます。各自、いろいろ意見はあるかもしれないけど、これはタケルくんも交えて決めた決定事項。それで進めてちょうだい」
ミサトはアスカやクララを火種にして吹きだすであろう不満の口火を、ヤマトの名前をだすことで抑え込むことにした。
小娘たちの小賢しいなわばり争いで、時間を無駄にするわけにはいかない。だからふたりを別々の組に振り分けもしている。
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