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第三章 第三節 進撃の魔法少女
第482話 このパーツは行き場所がないから転がってる
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「どういうこと、レイ!」
ミサトは反射的に叫んでいた。 レイの確信めいたことばにゾクッとさせられたが、それをまともに受け取って安請け合いできる内容ではない。自分がおのれの重責をむきあって、腹を括ろうとしているのに、あまりに迂闊で無責任さに満ちたことばにも感じられた。
「今言ったままのとおり。魔法少女を倒すにはからだをばらばらにすればいい」
「意味がわからない」
「そう……。でも草薙さんが見せてくれた保管庫の映像にそのヒントがある」
「レイ、それ、具体的に教えてもらえる」
草薙が空中にさきほどの保管庫の映像を呼び出しながら訊いた。中空にさきほど見た保管庫の映像が速回しで再生されはじめた。
引き出しの壁に囲まれた保管庫が映し出され、そのなかのいくつかの引き出しがふいに開いて、なかからからだの部位が飛び出してきて、合体して不気味な姿をさらしはじめる。
続いて腕のない黒人女性が画面に映り、自力で這い回る腕が、その女性に絡みつきながら合体をはじめる姿、そして本来あるべき腕の部分に警備員の頭を生やした、東洋系の女性の姿がうろついている姿が画面にカットインしてこようとする。
「とめて!」
レイが言うと、ひと影がない画面が映し出された。
「だれもいないわよ」
春日リンが怪訝そうにレイに言った。
「そう、だれもいない……。でも床を見て」
ミサトは保管庫の床に目をやった。だが、そこには転がったままの脚や、おそらく這い回っている手、そしてのたくり回っている腕などの部位があるだけだった。
「レイ、なにもないわ。だれもいないし、なにもない」
「いいえ。ミサト。からだのパーツが転がっているわ」
「えぇ、それはそう……。だけど……」
「このパーツは行き場所がないから転がってる」
レイの言う意味がわからなかった。が、草薙はその意味がすぐにわかったらしい、すぐにどこかに連絡をとったかと思うと、中空を操作して、あたらしい映像を呼び出した。
「今、現在の保管庫のライブ映像を映し出します」
そう言ったとたん、シームレスにさきほどの静止した映像から、現地の映像に切り替わった。
「嘘でしょ!」
ミサトは映像を見るなり声をあげていた。
さきほどの静止した映像と、ほぼ寸分違わない映像がまだそこにあった。
脚は陸にあげられた魚のようにのたうっていたが、そこに転がったままで、手は指先を動かして這い回っていたし、腕は蛇のようにうねうねと動いているだけで、まだそこにあった。よくみると、西洋系の男性の頭が奥のほうに転がっていて、目を開いたり閉じたりしていた。
「ど、どういうことなの?」
ミサトは反射的に叫んでいた。 レイの確信めいたことばにゾクッとさせられたが、それをまともに受け取って安請け合いできる内容ではない。自分がおのれの重責をむきあって、腹を括ろうとしているのに、あまりに迂闊で無責任さに満ちたことばにも感じられた。
「今言ったままのとおり。魔法少女を倒すにはからだをばらばらにすればいい」
「意味がわからない」
「そう……。でも草薙さんが見せてくれた保管庫の映像にそのヒントがある」
「レイ、それ、具体的に教えてもらえる」
草薙が空中にさきほどの保管庫の映像を呼び出しながら訊いた。中空にさきほど見た保管庫の映像が速回しで再生されはじめた。
引き出しの壁に囲まれた保管庫が映し出され、そのなかのいくつかの引き出しがふいに開いて、なかからからだの部位が飛び出してきて、合体して不気味な姿をさらしはじめる。
続いて腕のない黒人女性が画面に映り、自力で這い回る腕が、その女性に絡みつきながら合体をはじめる姿、そして本来あるべき腕の部分に警備員の頭を生やした、東洋系の女性の姿がうろついている姿が画面にカットインしてこようとする。
「とめて!」
レイが言うと、ひと影がない画面が映し出された。
「だれもいないわよ」
春日リンが怪訝そうにレイに言った。
「そう、だれもいない……。でも床を見て」
ミサトは保管庫の床に目をやった。だが、そこには転がったままの脚や、おそらく這い回っている手、そしてのたくり回っている腕などの部位があるだけだった。
「レイ、なにもないわ。だれもいないし、なにもない」
「いいえ。ミサト。からだのパーツが転がっているわ」
「えぇ、それはそう……。だけど……」
「このパーツは行き場所がないから転がってる」
レイの言う意味がわからなかった。が、草薙はその意味がすぐにわかったらしい、すぐにどこかに連絡をとったかと思うと、中空を操作して、あたらしい映像を呼び出した。
「今、現在の保管庫のライブ映像を映し出します」
そう言ったとたん、シームレスにさきほどの静止した映像から、現地の映像に切り替わった。
「嘘でしょ!」
ミサトは映像を見るなり声をあげていた。
さきほどの静止した映像と、ほぼ寸分違わない映像がまだそこにあった。
脚は陸にあげられた魚のようにのたうっていたが、そこに転がったままで、手は指先を動かして這い回っていたし、腕は蛇のようにうねうねと動いているだけで、まだそこにあった。よくみると、西洋系の男性の頭が奥のほうに転がっていて、目を開いたり閉じたりしていた。
「ど、どういうことなの?」
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