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第三章 第三節 進撃の魔法少女

第470話 魔法少女には一群と二群がいるの

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 その時、司令室の映像チャンネルから、ミサトがエドにむかって問いただしている声が聞こえてきた。
「どういうこと?。わたしは一万人って聞いていたわよ。二万って数字はどこから?」
 ミサトはエドに訊いたが、エドより先に 金田日が釈明の声をあげた。
「え、えぇ。一万人でまちがいないです。おそらくヤマト・タケルが魔法少女にブラフをはっただけかと……」

「ブッブー。タケル、ざんねんでしたぁ。二万人なんて数字どこからでてきたの?。のべ人数でもちがってるわよ」
 エンマ・アイがこころもち高姿勢な態度で言った。
「のべ?。どういうことだい?」
「また、とぼける。キミの手にはノらないゾ。——っていいたいとこだけど……、いいわ。タケル、教えたげる」
「いいのかい。ヤマト・タケルにキミの秘密をおしえて?」
 キーヘーは口をバッテンにしたままエンマ・アイに言った。どうやら口の形はただの飾りでしかないらしい。
 エンマ・アイは手をひらひらとふって、「大丈夫、大丈夫」と言った。
「秘密を教えるわけじゃないもの。これは宣戦布告よ、タケルへのね」
 エンマ・アイはヤマトのほうへウインクをしてみせた。

「魔法少女には一群と二群がいるの。さっきまであなたたちが戦っていたのが『一群』。これまで現れたのはみんな『一群』よ。知性があって単独で判断ができるうえ、命令にも絶対服従するの。強かったでしょ」
「あぁ、あれはちいさな亜獣のようなものだ」
「『二群』は魔法の力が『一群』よりちょっぴり見劣りする代わりに数がおおいの」
「けっこう力の差はあるとぼくは思うけどなぁ」
 キーヘーが茶々をいれてきたが、エンマ・アイはそれを無視して続けた。
「『二群』は見た目もちょっとちがうの。タケル、キミも見たでしょ。不足したパーツをほかの個体から補完したヤツ。あれよ」
「あぁ、見たよ。だけどニューヨークのソーホーのヤツは、適当にからだの部位をくっつけて動き回っていた」
「あれも見たの?」
 エンマ・アイは口元を押さえて訊いた。あきらかに吹き出しそうなのを堪えていた。
「ふふふ。あれってよくない?。とっても芸術的で」
「いや、気分がよくない。人間をおもちゃのように扱ってる」
「えぇ~~。なんだかタケル、つまんない男になっちゃったみたい」
 エンマ・アイがすねるような仕草をすると、キーヘーがしたり顔で意見してきた。
「しかたないよ。キミらがぼくらの秘密の隠し場所を暴いてくれたからね。あんなのでも戦力にするしかなくなったのさ。まったく余計な真似をしてくれるよ——」

「せっかく、人間をリユース、リサイクルしてたっていうのに……」

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