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第三章 第二節 魔法少女大戦

第454話 ユウキはこころのなかで必死で自問自答した

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 どうすれば……いい……。

 ユウキはこころのなかで必死で自問自答した。が、それと同時に、レイだったら、どうするか?。に頭を巡らせてみる。

 レイは論理的な思考で解決方法を探ろうとする。その契機はいつだって肌感覚の疑問がはじまりだ。そこから合理的疑いを導き出し、解決方法へ導くのだ。
 だが、その着目点はいつだって突拍子もない——。
 
 この出撃前、いくつかの攻撃プランをみんなで討論しているときも、レイはひとりだけ無茶苦茶な提案をしてきた。
「ユウキかアスカのどちらかがやって欲しいの」
「なぁーーんで、あたしがそんな危険な役を買ってでなくちゃなんないのさ」
「魔法少女のほんとうの能力を把握したいから」
「なに言ってンのぉ。あたしとタケルとで……、それとユウキとで、イオージャをやっつけちゃうから、そんなの関係なくなるわよ」
「うん。イオージャは倒してもらってかまわない。わたしが知りたいのは魔法少女のほう」
「レイくん、どういう意味なのかね?」
 ユウキはレイの言っている意味をはかりかねて尋ねた。
「簡単なこと。魔法少女のあきらかに能力差があるようなの。最初のフーディアムと武漢、そしてニューヨーク、ソーホーだけでもちがってる」
「ちがうってどういう風になのかい?}
 レイ自身もよくわかっていない漠然とした疑問にもかかわらず、ヤマトは興味を引かれたらしい。
「うん、力の差があるような気がするの。『移行領域』のベールのカバー率や、飛行スピードなんかがちがう。それだけじゃない。なぜ魔法少女はまず最初に電撃攻撃をしかけてくるのか。なんで最初からあの『分解光線』を出してこないのかも不思議……」
「は、そんなの個体差とかそういうルーチンなんでしょ。亜獣なりのね」
 アスカは一笑に付してやる勢いでレイを否定した。ここにいたって面倒を押しつけるなという見え見えの態度だった。
「そうかもしれない。でもその違いがほんとうに個体差なのか、意味のないルーチンなのか、どうなのかを切り分けたいだけ」
「魔法少女はイオージャを倒しゃあ、消えるわよ。たぶん……」
 アスカがあくまでもレイの提案を突っぱねようと、自分勝手な希望的な意見を口にした。それにクララが割って入った。
「アスカさん。イオージャを倒しても、魔法少女は残ったままだったらどうするつもりですか?。今までの経緯や考察から、その可能性が高いのですよ」
「まぁ、そりゃ、そんときはそんときよ。こんなのいつだってイレギュラーしか起きやしないんだからさ」
 アスカはわるびれることなく、すぐさまクララに反駁はんばくした。
 
 が、結局はレイに説き伏せられて、現場でぶっつけ本番で危険な実験をさせられるはめになった……。
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