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第三章 第二節 魔法少女大戦

第422話 アメリカ陸軍 魔法少女との戦いの記録4

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「この隊長すごい!」

 その感嘆のことばを聞いてヤマトも気づいたらしく、かるく口笛を吹いて自分なりの驚きを表現してみせた。
「レイの言う通り。たしかに優秀だ。まるで草薙大佐みたい……」
「いえ、タケルくん。これはわたしでも思いつかないかもしれない」
 草薙も感心しきりの様子で腕組みをして、あらためて映像に目をやった。

 ミライは今先ほどの説明であっという間に、解決策を見いだした三人に驚かされた。たしかに静かな場所で客観的にみているという環境のちがいはある。だが、この三人なら実際にこの戦場に放り込まれても、まちがいなくこのソリューションに行きつき、危機を脱するだろうと確信できた。
「ちょっとぉ。なに三人だけでわかった感じになってんのぉ。わたしたちはなんにもわかんないわよ」
 苛立ちを隠しきれない様子で、ミサトが不満の声をあげた。
 ミライがミサトの方に目をむけると、ミサトだけでなく、リンやアルはもちろん、専門家であるはずの、エド、金田日までもが、これからどうなるのか想像できずにいるようだった。

 無理もない——。
 三人以外のパイロット、アスカ、クララ、ユウキも『解』に行き着いていないのだから……。

 実際、ミライも映像の続きを見るまで、その作戦は頭をかすめもしなかった。だからそれが実行に移されたとき、度肝を抜かれる思いだった。
 このスージー・クワトロ大佐という大隊長の大胆な判断力には舌をまく。
「そーうよ。ミサトの言うとおり、なぁ~に、三人で盛りあがってんのさ。教えなさいよ」
 アスカが不満をぶつけたが、ヤマトはひと言「見てるといい」とだけ言った。

 と、その時、スージーが上を見あげた。今度はちらりと目をむけるのではなく。しっかりと、空の上の『クジラ』を見すえ続けた。おそらくそのとき脳内通信を通じて、部下たちに指示がでていたにちがいない。
 その視界にフロアの外側を取り囲んでいた兵士が放ったと思われるランチャー・ミサイルの軌跡がみえた。それも同時に数箇所から。
 そのミサイルは数十メートル上の天井、つまりプールの底を狙っていた。
 猛烈な爆発音がフロア内に響き渡り、あたりがぐらっと揺れた。脳震盪のうしんとうをおこしそうなほど、スージーの頭が揺さぶられる。

 一瞬何も起きないと覚悟するような間があった。

 が、プールの底に亀裂らしきものがみえたと同時に一気にプールの底が抜けた。
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