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第一章 第四節 誓い
第62話 この基地の近くに出現するだと!!
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亜獣が現れる場所を事前に特定できるようになったのは、38体目の「ゲッターロ」からだ、と記録にあった。
初回での出現先の予測はあいかわらず不可能だったが、二度目の出現には対応できるようになった。個体ごとに異なる亜獣の体液の特長から、生体マーカーを特定する技術が開発されたおかげだ。
出現する地域、出没時間、地上での行動時間……。
エドは、亜獣アトンの生体マーカーから、次の出現がどこになるのかを解析していた。 エドが中空に浮遊するモニタに表示されている生体マーカーの値の一部のデータを指でつまんだ。そのまますぐ下に設置されている机型モニタの上にむかって落とし込む。数値がそのモニタ上に吸い込まれると、地図データとなって展開していった。地図は、世界地図から一気に日本にフォーカスされ、みるみるうちに首都圏近くがズームされていく。地図は数値を読み取りながら、ズームとスクロールをくりかえしたかと思うと、富士山近くの街の上空でぴたりと静止した。その地図データの脇に「出現予測日 5月12日 午前3時02分」と浮かび上がっていた。
エドはすぐにテレパスラインを起動し、ブライトに接続した。ブライトは2コール目ででた。寝起きなのか不機嫌そうな声を返してきた。
「エド、どうした?」
「亜獣の出現日と場所が特定できました。出現場所は富士市です」
エドはブライトに前のめりになってもらうため、一番、心をつかむだろう情報をまっさきにぶつけた。
「この基地の近くだと!」
ブライトの驚く声に、エドは心が躍った。すかさず次の情報をたたみかける。
「えぇ、四日後の12日の3時です」
「真夜中!」
エドにはそう言ったまま口をつぐんだブライトの気持ちがよくわかった。過去にあまり前例のない暗闇での戦いに、どう対応しようかと頭を巡らせているに違いないのだ。エドは自分の考案した作戦を披瀝する、千載一遇のチャンスだと感じていた。
さあ、自分たち「亜獣チーム」の活躍の番がきた。
「ブライト司令官、じつは、わたしに策がありまして……」
エドはブライトに自分の考案した作戦の概要の説明をはじめた。
だが、その背後で亜獣出現予定地を指し示していた「光点」がするするとスクロールをはじめた。時間にするとものの数秒の間に、地図上では二十キロ横に「光点」は移動していた。それは清水市内の中心にあるオフィスビル群が集まる地区だった。
その地区のシンボル、高さ200メートル級の「清水グランドビル」の上で「光点」がなにごともなかったように点滅をしていた。
初回での出現先の予測はあいかわらず不可能だったが、二度目の出現には対応できるようになった。個体ごとに異なる亜獣の体液の特長から、生体マーカーを特定する技術が開発されたおかげだ。
出現する地域、出没時間、地上での行動時間……。
エドは、亜獣アトンの生体マーカーから、次の出現がどこになるのかを解析していた。 エドが中空に浮遊するモニタに表示されている生体マーカーの値の一部のデータを指でつまんだ。そのまますぐ下に設置されている机型モニタの上にむかって落とし込む。数値がそのモニタ上に吸い込まれると、地図データとなって展開していった。地図は、世界地図から一気に日本にフォーカスされ、みるみるうちに首都圏近くがズームされていく。地図は数値を読み取りながら、ズームとスクロールをくりかえしたかと思うと、富士山近くの街の上空でぴたりと静止した。その地図データの脇に「出現予測日 5月12日 午前3時02分」と浮かび上がっていた。
エドはすぐにテレパスラインを起動し、ブライトに接続した。ブライトは2コール目ででた。寝起きなのか不機嫌そうな声を返してきた。
「エド、どうした?」
「亜獣の出現日と場所が特定できました。出現場所は富士市です」
エドはブライトに前のめりになってもらうため、一番、心をつかむだろう情報をまっさきにぶつけた。
「この基地の近くだと!」
ブライトの驚く声に、エドは心が躍った。すかさず次の情報をたたみかける。
「えぇ、四日後の12日の3時です」
「真夜中!」
エドにはそう言ったまま口をつぐんだブライトの気持ちがよくわかった。過去にあまり前例のない暗闇での戦いに、どう対応しようかと頭を巡らせているに違いないのだ。エドは自分の考案した作戦を披瀝する、千載一遇のチャンスだと感じていた。
さあ、自分たち「亜獣チーム」の活躍の番がきた。
「ブライト司令官、じつは、わたしに策がありまして……」
エドはブライトに自分の考案した作戦の概要の説明をはじめた。
だが、その背後で亜獣出現予定地を指し示していた「光点」がするするとスクロールをはじめた。時間にするとものの数秒の間に、地図上では二十キロ横に「光点」は移動していた。それは清水市内の中心にあるオフィスビル群が集まる地区だった。
その地区のシンボル、高さ200メートル級の「清水グランドビル」の上で「光点」がなにごともなかったように点滅をしていた。
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