猛毒の果実はとても甘い

まゆき

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5個目 青年は、後味が苦いことを知っている

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僕は、生まれた時から甘い果実を食べていたのだ。でも、それを知ったのは、、猛毒の苦いものを食べた時だった。
甘いものを食べていたから、とても苦く感じるのだ。

もう、甘いものなんて食べなければ-


苦いものに慣れていく




見た瞬間に解った。ここは、昔の僕の家だ。ここはもうないはずだから、夢だな

いつもの夢と違うところがあった。

いつもは、昔の自分を眺めているのだけれど、今日は、自分本人になったようだ。
この身体は、すごく懐かしい感じがした。


僕は、無意識のうちに両親に電話をしていた。事故が起きたのは、午後9時だと聞いた。今の時刻は、午後8時50分。

「もしもし悠一?なんかあった?」
「お…お母さんの声…っ、うぅ…」
「悠一どうしたの?まあいいわ、何もないなら電話切るね」
「あ、まっ…切れてしまった。」
これで…もう会えない…引き止められなかった。


「結局何もできてないじゃん」
「っ…誰⁉︎」

そこにいたのは、自分の現在の姿。
中1の僕を冷たい目で見ていて、冷たい口調で話している。

「あの時から変わってないじゃん。
今でも『家族』の為とか思ってるんでしょ
自分が人と関わらなかったり、笑わなくなったりしたこと」 

「…」

「それはね、『自分」の為なんだよ」







…輩、先輩、

「悠一先輩‼︎」
「っ、ここは?」
「屋上ですよ。写真を撮ろうと思ってきたら、先輩が涙を流して寝ていたので、嫌な夢でも見ていたのかと…」
「悪いけど、もう僕に話しかけないでくれるかな?僕は人と関わるのが嫌なんだ。」




…先輩、多分それは違います。屋上に1人でいたい人って言うのは、人と関わるのが嫌なんじゃない。人に執着するのが嫌なんです。


…昔の僕のように
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