猛毒の果実はとても甘い

まゆき

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4個目 2人は、互いのことを知ろうとする。

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先輩の名前は、中村悠一(なかむらゆういち)と言うらしい。



友達に、写真部に入ったと言ったら、
「ま、マジかよ‼︎」
「あーあの噂の『氷結先輩』がいる部活よね」
「氷結先輩?」
「ああ、滅多に言葉を発さず、いつも真顔で笑った顔を見たやつはいないらしい」
「何でだろうね?」
「私噂で聞いたんだけど、氷結先輩って、昔両親を無くして、それ以来あんな感じになったらしいよ~」
「へぇー」「じゃあ、小さい頃は普通だったんだなw」「想像付かねーw」



その噂が本当だったら、とても辛いと思う。だからあの時、寂しそうだったのかな











あの新入部員の名前は、島月透(しまつきとおる)と言うらしい。


あいにく僕には情報を入手するための人脈が無い。入部届を見たのだ。


「すいません、ここ、写真部ですか?
入部希望何ですけど…」

コクコクと頷くと、島月透は入部届を僕に渡して
「俺、島月透です。呼び方は好きなようにしてください」

僕はまた頷いた。あいつのことは、
島月さんとでも呼ぼうと思う。
まあ、呼ぶ機会もないと思うが。

島月さんは、次の部活から参加すると言い、そのまま部室を去って行った。







初めての部活だ。部室に行くとホワイトボードに何か書いてあった。


-写真部活動内容
   好きなところで好きな写真を撮る-



先輩は居なかった。俺はとりあえず写真を撮るために、好きな場所へ行った。





放課後の屋上は、中学生の時から好きだった。運動部の声と、全員の姿が見えるから。そして、1人1人の顔が見えないから。

まるで、本当はいない人のように、アニメの人のように見えるこの感覚が好きだから。




屋上へのドアを開けると、そこには






先輩が居た。
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