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【第二章 他国との交流編】
お母さん! 地上最強の生命体が誕生しました!
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「ところで、ヴァ二アルはどうしてこんな辺境の地まで来たの? 言葉遣いや振る舞いを見るからに平民とは思えないのだけれど」
俺はぶたれた左頬に手を添えて、シルフとヴァ二アルの会話を聞いていた。
ヴァ二アルは初めて会った時にヴァ二アル家がどうのこうのと言っていた。
貴族でもなく、ましてや、この世界の住民になった俺からしてみればチンプンカンプンだったがよくよく考えたら貴族が一人で行動するなんておかしなこと。
シルフは様々な視覚的な情報からそれを感じたのだろう。
俺には高圧的な態度だったヴァ二アルもシルフの真摯な対応に心を開いたのか、ポツリと事情を話し始めた。
「僕の生まれ育った国はこの国から遠い場所にあります。この山に囲まれた国とは違い、国の東側には海が広がって、年中、陽が照っている場所で人々も陽気で笑顔が絶えない国でした」
ほう。
この世界にもそんな理想郷のような場所があるのか。
何となくだが、異世界というと国VS国、種族VS種族で終わりの見えない戦争が続いていると思っていた。
現にゴーレム幼女が強力な魔法を使えたり、魔法少女達も存在していて、戦争をするには材料が豊富だからだ。
「へえ。驚いた。国の外は危ない場所だと聞かされていたし、現に私も幼い頃に国の外に出て危険な身にあったからそういう場所があったなんて知らなかったわ」
驚いたという割にはシルフは眉一つ動かさず、覇気の無い言葉を吐くのみで、まだ、完全にシルフの病気が治っていない事が明らかだった。
「ええ。僕もシルフ姉さんと同じというか、世間知らずだったんですよ。自分の国があんまりにも平和だから国の外も平和だと勘違いしていたんです。それで、僕はある目的のために旅をすることに決めたんです」
ある目的?
こいつ、もったい付けるなんて上等なテクニックを使いやがって!
こっちは頬が痛いから早く冷やしに行きたいんだから早く言いやがれってんだよ!
イライラした様子が伝わったのか、シルフは俺と目線を合わせ、無言で俺の怒りを諌める。
「で、その目的って何なの?」
「それは____」
「____はなじまあああ!!!」
事情を説明しようとしていたヴァ二アルの声はかき消され。
ゴーレム幼女のドスが効いた声と共にシルフの部屋の扉は破壊され、扉の先から般若のような面をした最悪の魔女が現れる。
白いワンピースのような可愛らしい服は扉を壊した時に土煙を浴びたのか、所々に埃が付き、月のようにきらめきを放つ金色の髪にも扉の残骸が付いていた。
「ひいいい!!! ごめんなさい!!!」
あまりの恐怖に咄嗟に謝罪の言葉を述べる。
ただ、冷静に考えるとゴーレム幼女が何に怒っているのか分からない。
「お前、あれだけ作業をサボるなって言ったのにいい度胸してるみそ!」
「いやだって、兵士達に呼ばれて... ...」
「言い訳は聞き飽きたみそ!!! こっちが汗水垂らして頑張っているのにお前ときたら... ...」
そういうとゴーレム幼女は右手に謎の光の球体を作り出す。
謎の光は野球ボールほどの大きさだろうか、その光の玉が大きさの割には膨大な量のエネルギーを蓄えているというのはアニメ好きの俺からしてみれば容易に想像出来た。
「いや! おまっ! 冗談でしょ!? 流石にヤバいって! シルフもいるんだ_____ぞっ!」
頭に血が上ったゴーレム幼女はシルフが居る事にも気付かなかったのか、俺の言葉を耳にし、初めて我に返った。
しかし、時すでに遅し、ある程度の大きさまで成長した高エネルギー弾はゴーレム幼女の手を離れ、時速10kmほどのスピードで向かってくる。
普段であれば避けられる速度だったが、ゴーレム幼女の鬼の形相にビビッていた俺はその場に動けずにいた。
_____あかん。これ、死ぬ... ...。
迫る光の玉を目の前につくづく俺は死亡フラグを立てる天才だと実感させられた。
しかし、それを実感するのは今日これまで。
どうせ、数秒後には塵となっている。
何度か死を経験しているので恐怖はなく、ただただ、あっけに取られていると視界の外から「_____危ない!!!」という声が聞こえ、俺はその声の持ち主であろう人物と共に床に倒れ込んだ。
「... ...いてて。大丈夫か? 助かったよ」
自身の胸の中にはヴァ二アルがいる。
どうやら、こいつが命を投げ出す覚悟で救ってくれたらしい。
見たところ、俺にもヴァ二アルにも外傷らしい外傷は見当たらず、胸をなでおろす。
「ふう... ...。よかっ... ...。ん?」
何か胸部に生暖かく、懐かしい感触の物が触れていることに気付く。
そう。
勘の良い男なら誰しも気付くあれが当たっているのだ。
「いてて。花島は大丈夫かい? 危なかったね」
そう言いながら、ヴァ二アルが立ち上がると今までついていなかったたわわな部位がはだけた服から露わになり、俺は鼻血を出しながら。
「いえ。色々な意味でありがとうございます」
と感謝の辞を述べる。
「ん? 色々?」
馬乗りのような体勢になっているヴァ二アルは俺を見るために自然と見下す形となる。
そして、今までとは違い、俺を見るときに何やら大きな障害物があることを疑問に感じた。
「あれ? なんか、胸に変なものが付いてる... ...」
変なものじゃない。
決してそれは変じゃないよ。
むしろ、君は尻尾に引き続き、男子が欲しい部位の二番目を手に入れた最強の生命体になったんだよ。
そして、薄々、それが何か分かったのか。
ヴァ二アルは胸に付いたものを静かに触れ。
「や・柔らかい... ...。えっ!? 柔らかいよ!!!」
と普通の感想を大きな声で言いましたとさ。
おしまい。
俺はぶたれた左頬に手を添えて、シルフとヴァ二アルの会話を聞いていた。
ヴァ二アルは初めて会った時にヴァ二アル家がどうのこうのと言っていた。
貴族でもなく、ましてや、この世界の住民になった俺からしてみればチンプンカンプンだったがよくよく考えたら貴族が一人で行動するなんておかしなこと。
シルフは様々な視覚的な情報からそれを感じたのだろう。
俺には高圧的な態度だったヴァ二アルもシルフの真摯な対応に心を開いたのか、ポツリと事情を話し始めた。
「僕の生まれ育った国はこの国から遠い場所にあります。この山に囲まれた国とは違い、国の東側には海が広がって、年中、陽が照っている場所で人々も陽気で笑顔が絶えない国でした」
ほう。
この世界にもそんな理想郷のような場所があるのか。
何となくだが、異世界というと国VS国、種族VS種族で終わりの見えない戦争が続いていると思っていた。
現にゴーレム幼女が強力な魔法を使えたり、魔法少女達も存在していて、戦争をするには材料が豊富だからだ。
「へえ。驚いた。国の外は危ない場所だと聞かされていたし、現に私も幼い頃に国の外に出て危険な身にあったからそういう場所があったなんて知らなかったわ」
驚いたという割にはシルフは眉一つ動かさず、覇気の無い言葉を吐くのみで、まだ、完全にシルフの病気が治っていない事が明らかだった。
「ええ。僕もシルフ姉さんと同じというか、世間知らずだったんですよ。自分の国があんまりにも平和だから国の外も平和だと勘違いしていたんです。それで、僕はある目的のために旅をすることに決めたんです」
ある目的?
こいつ、もったい付けるなんて上等なテクニックを使いやがって!
こっちは頬が痛いから早く冷やしに行きたいんだから早く言いやがれってんだよ!
イライラした様子が伝わったのか、シルフは俺と目線を合わせ、無言で俺の怒りを諌める。
「で、その目的って何なの?」
「それは____」
「____はなじまあああ!!!」
事情を説明しようとしていたヴァ二アルの声はかき消され。
ゴーレム幼女のドスが効いた声と共にシルフの部屋の扉は破壊され、扉の先から般若のような面をした最悪の魔女が現れる。
白いワンピースのような可愛らしい服は扉を壊した時に土煙を浴びたのか、所々に埃が付き、月のようにきらめきを放つ金色の髪にも扉の残骸が付いていた。
「ひいいい!!! ごめんなさい!!!」
あまりの恐怖に咄嗟に謝罪の言葉を述べる。
ただ、冷静に考えるとゴーレム幼女が何に怒っているのか分からない。
「お前、あれだけ作業をサボるなって言ったのにいい度胸してるみそ!」
「いやだって、兵士達に呼ばれて... ...」
「言い訳は聞き飽きたみそ!!! こっちが汗水垂らして頑張っているのにお前ときたら... ...」
そういうとゴーレム幼女は右手に謎の光の球体を作り出す。
謎の光は野球ボールほどの大きさだろうか、その光の玉が大きさの割には膨大な量のエネルギーを蓄えているというのはアニメ好きの俺からしてみれば容易に想像出来た。
「いや! おまっ! 冗談でしょ!? 流石にヤバいって! シルフもいるんだ_____ぞっ!」
頭に血が上ったゴーレム幼女はシルフが居る事にも気付かなかったのか、俺の言葉を耳にし、初めて我に返った。
しかし、時すでに遅し、ある程度の大きさまで成長した高エネルギー弾はゴーレム幼女の手を離れ、時速10kmほどのスピードで向かってくる。
普段であれば避けられる速度だったが、ゴーレム幼女の鬼の形相にビビッていた俺はその場に動けずにいた。
_____あかん。これ、死ぬ... ...。
迫る光の玉を目の前につくづく俺は死亡フラグを立てる天才だと実感させられた。
しかし、それを実感するのは今日これまで。
どうせ、数秒後には塵となっている。
何度か死を経験しているので恐怖はなく、ただただ、あっけに取られていると視界の外から「_____危ない!!!」という声が聞こえ、俺はその声の持ち主であろう人物と共に床に倒れ込んだ。
「... ...いてて。大丈夫か? 助かったよ」
自身の胸の中にはヴァ二アルがいる。
どうやら、こいつが命を投げ出す覚悟で救ってくれたらしい。
見たところ、俺にもヴァ二アルにも外傷らしい外傷は見当たらず、胸をなでおろす。
「ふう... ...。よかっ... ...。ん?」
何か胸部に生暖かく、懐かしい感触の物が触れていることに気付く。
そう。
勘の良い男なら誰しも気付くあれが当たっているのだ。
「いてて。花島は大丈夫かい? 危なかったね」
そう言いながら、ヴァ二アルが立ち上がると今までついていなかったたわわな部位がはだけた服から露わになり、俺は鼻血を出しながら。
「いえ。色々な意味でありがとうございます」
と感謝の辞を述べる。
「ん? 色々?」
馬乗りのような体勢になっているヴァ二アルは俺を見るために自然と見下す形となる。
そして、今までとは違い、俺を見るときに何やら大きな障害物があることを疑問に感じた。
「あれ? なんか、胸に変なものが付いてる... ...」
変なものじゃない。
決してそれは変じゃないよ。
むしろ、君は尻尾に引き続き、男子が欲しい部位の二番目を手に入れた最強の生命体になったんだよ。
そして、薄々、それが何か分かったのか。
ヴァ二アルは胸に付いたものを静かに触れ。
「や・柔らかい... ...。えっ!? 柔らかいよ!!!」
と普通の感想を大きな声で言いましたとさ。
おしまい。
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