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エルフの王女と国を再建する
お母さん! 瓦礫の撤去が進みません!
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____「ホワイトシーフ王国 城下町」____
一週間後______。
町には未だに瓦礫が残っていました。
むしろ、全然減ってないんだが... ...。
「俺が100人いれば余裕や!」等とイナバの物置並みの安定感ぶりをアピールしていたのに全く戦力ならず、むしろ、女・子供がいた方が作業が進んでいたんじゃないか?
と思えてくるほど。
シルフは進まない状況に頭を抱え、「あたしがいけないのか... ...?」とブツブツ言っている。
進まない理由は明確だ。
最初から分かっていた事だが、人力じゃ無理!!!!!
足場は悪く、歩くと瓦礫は崩れ、瓦などの陶器類が割れ、足を負傷する。
しかも、レンガ敷の道の下は相当地盤が悪かったようで、水があふれ出す箇所も多々あった。
ゴーレムの森に水洗トイレを作った際も水が溢れ出し止まらなかった点を加味すると... ...。
「ふむ。恐らく、ここは昔、沼か海だったのかもしれんな... ...」
と地質学者顔負けの顔で足にあった泥をすくい上げる。
まずはこの水を止めなくては作業が進まないだろうな... ...。
責任を感じているのかホワイトは大きな体で懸命に作業を続けた。
彼女の足は既に泥だらけだ。
「おーい! ホワイト! 少し休んだらどうだ! もう、ぶっ続けだぞ!」
「大丈夫! 私、こういうの慣れてるから!」
これは、早く瓦礫を撤去しなくてはホワイトが可哀想だ... ...。
「あ、そういえば... ...!」
そういえば、岩に関しての専門家がいる事に今頃気付いた。
□ □ □
「おい、ゴーレム! お前も寝てないで手伝えよ!」
岩の専門家であるゴーレム幼女は何もする事がなく、汚い泥の地面に横になり寝ていた。
まるで、その泥から今まさに産まれてくるモンスターのようだ。
「えー。めんどくさいみそ。私は花島と同じ事をしてるだけみそよー」
俺はそんな泥んこ遊びをするほどにヤングではない。
「そんな事言うなよ。シルフを見てみろ。思い通りに事が進まなくて自分を見失いそうだぞ」
指を指した先にいるシルフは「私か!? これは私の責任なの!?」と放っておくとマズイ状況。
「うーん。じゃあ、シルフの為に人肌脱ぐかみそ」
まあ、シルフの為なら... ...。
と重い腰をあげたゴーレムは一度、ゴロンと横に転がり、その反動を利用して手を地面につき、起き上がる。
□ □ □
「で、どうすれば良いみそ?」
「とりあえず、この瓦礫を撤去してくれ」
「撤去かあ~。私は物体を石に変えたりとかは得意だけど無くす事は出来ないみそ」
「え? そうなの? 真打登場みたいなノリで『人肌脱ぐかみそ』とか言ってたくせに全然使えないっすね! パイセン!」
ゴーレム幼女をバカにするように指を差す。
「おい! 花島! あんまり、調子こくとお前を石にするみそよ!!」
「____ぐっ!!! こいつ!!」
拳を強く握り締め、悔しい思いを断ち切り、小さな声でゴーレム幼女に「す・すみませんでした」と頭を深々と下げて謝罪。
ゴーレム幼女は腕組をしながら、俺の頭を上から下に押し付けるようにし。
「けっ! ちょっと前まで可愛いペットかと思っていたら、生意気になってみそ!!」
「へ・へへへ。すいやせん... ...」
それをヘラヘラした表情で聞いていた。ただ、心の中では「このクソ幼女が! 絶対にお前の処女奪ってやるからな!」と少年のような純粋な気持ちでいた。
「____で、結局、どうすれば良いんだみそ?」
ゴーレム幼女が手を放したのを見計らって、頭をあげる。
「物体を石に変える事は出来るんだよな?」
おもむろに転がっていたレンガを手に取る。
すると、レンガは力を入れていないのにも関わらず、豆腐のようにボロボロと崩れてしまった。
どうやら、レンガは既に劣化していたようだ。
このレンガを再利用して家を建てても近いうちに倒壊する恐れもある... ...。さて、どうしようか... ...。
一休さんのようにポクチンポクチンと考え、ある事を閃いた。
「ゴーレムよ。お前はどうやって小便をする?」
「は? いきなり、なんだみそ? 普通に座ってするみそ」
「そうか、男は立って小便するって知ってたか?」
「え!? そうなのかみそ!? それじゃあ、小便が飛び散ってド汚いみそ!」
「そうだな。しかし、男は立って小便をする事が誇りでもあるし、男に生まれてきた特権でもある」
「そんなド汚い『誇り』も『特権』もクソいらねえみそ!」
「女のお前には分からんよ。そう。男と女でもこんなに価値観ってもんが違うんだ... ...」
「で、さっきから何が言いたいんだみそ!?」
「価値観ってものは人によっても人種によっても宗教によっても違う。ましてやここは異世界だ。俺達にとってはこの目の前に広がる瓦礫はゴミにしか見えないが、誰かにとってはお宝って可能性もある」
空を見上げて、まだ見ぬその誰かに思いを馳せる。
「そんな奴いる訳ないみそ」
ゴーレムは頼りない俺に嫌気がさしたのか「ふう~」っとため息をつく。
「... ...ですよね」
馳せた思いは一瞬にして爆ぜ、瓦礫の撤去方法を考えたが、何も思いつかなかった。
所詮、異世界に転生しても特殊な能力もないし、運動が出来る訳でも頭が良い訳でもない。
おまけに顔もよくない。
しかも、年齢も27歳という中途半端な歳。
高校生なら若さで何とかなったかもしれないとか考えてしまうのは既に叔父様的思考なのかな?
それに、異世界転生者の基本設定でもあるニートでも引きこもりでもない。
実家に就職という荒業を使い、『正社員』という肩書を持った卑怯者。
ニートからも社会人からも少し上から見られ、「へー。実家に就職したんだー。実家が商売やってるとか羨ましい」などと嫌味を言われる存在となった。
そりゃ、ゴーレムの幼女に「こいつ使えねえな」って思われますよ。
異世界に来て、しばらく経つが、自分の自信の無さは改善しなさそうだ。
よく、こんなポンコツに国の再建を頼んだもんだよ... ...。
とシルフの人の見る目を疑った。
まあ、エルフだから、人の見る目なんて元々持っていないのかもしれない。
元はと言えば、シルフが「町を破壊しろ!」なんて言ったのがいけないのだ!
うん。そうだ! 俺が何で考えが浮かばないで落ち込んでるんだ! シルフが考えれば良いじゃないか!
とシルフに怒りの矛先を向ける。
シルフを見ると噴水の脇で体操座りをして、あからさまに負のオーラを纏いながら落ち込んでいた。
だが、そんな事は関係無しの傍若無人な俺はシルフに詰め寄る。
「おいおい! お姫様よ! 落ち込んでないで瓦礫の撤去方法でも考えたらどうだい!?」
俺は「てやんでえい!」と言わんばかりの迫力。
シルフは顔もあげずにボソボソと聞き取りにくい声で答えた。
「だって、あのクソタンクトップが一週間で終わるとか言ってたじゃない... ...」
「おいおい! 人のせいってか!? まず、この状況にさせたのは、シルフだろ!?」
「しょうがないじゃない... ...。こうするしか街を再建する方法がなかった」
「いやいや! あったでしょ!? これ以外の方法くらい考えたらあったよ! 考えずに先走ったのがいけないよ!」
アメリカのコメディアンのように両手を広げ、ボディーランゲージを多用してシルフに伝える。
シルフは顔を上げ、潤んだ瞳で俺を見て。
「_____嫌い」
子犬のような瞳で、その言葉を言われ我に返った。
男というものは女の泣き顔にはめっぽう弱い生き物だ。
シルフはその事を知っているのだろう。
ここぞという所で使うからタチが悪い。
「... ...ごめん」
「... ...大嫌い」
「言い過ぎたよ... ...」
「殺す」
「殺しはしないで... ...。今、良い案考えるから... ...」
俺は顎に手を当て、考える。
「良い案浮かんだ?」
「いや、まだだよ! 考えたばっかでしょ!?」
「ふう~。つかえねえな... ...」
男が女に言われたくないセリフナンバーワンの言葉を聞き、イラッとしたが、この状態のシルフに色々と言うと病んでしまうので表情に出さないように頑張った。
「____あ! あれがあったか!」
噴水の奥の景色にゴーレムマンションがある事に気付き、同時にそれを見て、瓦礫の撤去と町の再建の両方が出来る案を思いつき、俺は自然と顔がニヤケ。
「うわあ... ...。何そのエロい顔... ...。生理的に無理」
とシルフにドン引きをされる。
一週間後______。
町には未だに瓦礫が残っていました。
むしろ、全然減ってないんだが... ...。
「俺が100人いれば余裕や!」等とイナバの物置並みの安定感ぶりをアピールしていたのに全く戦力ならず、むしろ、女・子供がいた方が作業が進んでいたんじゃないか?
と思えてくるほど。
シルフは進まない状況に頭を抱え、「あたしがいけないのか... ...?」とブツブツ言っている。
進まない理由は明確だ。
最初から分かっていた事だが、人力じゃ無理!!!!!
足場は悪く、歩くと瓦礫は崩れ、瓦などの陶器類が割れ、足を負傷する。
しかも、レンガ敷の道の下は相当地盤が悪かったようで、水があふれ出す箇所も多々あった。
ゴーレムの森に水洗トイレを作った際も水が溢れ出し止まらなかった点を加味すると... ...。
「ふむ。恐らく、ここは昔、沼か海だったのかもしれんな... ...」
と地質学者顔負けの顔で足にあった泥をすくい上げる。
まずはこの水を止めなくては作業が進まないだろうな... ...。
責任を感じているのかホワイトは大きな体で懸命に作業を続けた。
彼女の足は既に泥だらけだ。
「おーい! ホワイト! 少し休んだらどうだ! もう、ぶっ続けだぞ!」
「大丈夫! 私、こういうの慣れてるから!」
これは、早く瓦礫を撤去しなくてはホワイトが可哀想だ... ...。
「あ、そういえば... ...!」
そういえば、岩に関しての専門家がいる事に今頃気付いた。
□ □ □
「おい、ゴーレム! お前も寝てないで手伝えよ!」
岩の専門家であるゴーレム幼女は何もする事がなく、汚い泥の地面に横になり寝ていた。
まるで、その泥から今まさに産まれてくるモンスターのようだ。
「えー。めんどくさいみそ。私は花島と同じ事をしてるだけみそよー」
俺はそんな泥んこ遊びをするほどにヤングではない。
「そんな事言うなよ。シルフを見てみろ。思い通りに事が進まなくて自分を見失いそうだぞ」
指を指した先にいるシルフは「私か!? これは私の責任なの!?」と放っておくとマズイ状況。
「うーん。じゃあ、シルフの為に人肌脱ぐかみそ」
まあ、シルフの為なら... ...。
と重い腰をあげたゴーレムは一度、ゴロンと横に転がり、その反動を利用して手を地面につき、起き上がる。
□ □ □
「で、どうすれば良いみそ?」
「とりあえず、この瓦礫を撤去してくれ」
「撤去かあ~。私は物体を石に変えたりとかは得意だけど無くす事は出来ないみそ」
「え? そうなの? 真打登場みたいなノリで『人肌脱ぐかみそ』とか言ってたくせに全然使えないっすね! パイセン!」
ゴーレム幼女をバカにするように指を差す。
「おい! 花島! あんまり、調子こくとお前を石にするみそよ!!」
「____ぐっ!!! こいつ!!」
拳を強く握り締め、悔しい思いを断ち切り、小さな声でゴーレム幼女に「す・すみませんでした」と頭を深々と下げて謝罪。
ゴーレム幼女は腕組をしながら、俺の頭を上から下に押し付けるようにし。
「けっ! ちょっと前まで可愛いペットかと思っていたら、生意気になってみそ!!」
「へ・へへへ。すいやせん... ...」
それをヘラヘラした表情で聞いていた。ただ、心の中では「このクソ幼女が! 絶対にお前の処女奪ってやるからな!」と少年のような純粋な気持ちでいた。
「____で、結局、どうすれば良いんだみそ?」
ゴーレム幼女が手を放したのを見計らって、頭をあげる。
「物体を石に変える事は出来るんだよな?」
おもむろに転がっていたレンガを手に取る。
すると、レンガは力を入れていないのにも関わらず、豆腐のようにボロボロと崩れてしまった。
どうやら、レンガは既に劣化していたようだ。
このレンガを再利用して家を建てても近いうちに倒壊する恐れもある... ...。さて、どうしようか... ...。
一休さんのようにポクチンポクチンと考え、ある事を閃いた。
「ゴーレムよ。お前はどうやって小便をする?」
「は? いきなり、なんだみそ? 普通に座ってするみそ」
「そうか、男は立って小便するって知ってたか?」
「え!? そうなのかみそ!? それじゃあ、小便が飛び散ってド汚いみそ!」
「そうだな。しかし、男は立って小便をする事が誇りでもあるし、男に生まれてきた特権でもある」
「そんなド汚い『誇り』も『特権』もクソいらねえみそ!」
「女のお前には分からんよ。そう。男と女でもこんなに価値観ってもんが違うんだ... ...」
「で、さっきから何が言いたいんだみそ!?」
「価値観ってものは人によっても人種によっても宗教によっても違う。ましてやここは異世界だ。俺達にとってはこの目の前に広がる瓦礫はゴミにしか見えないが、誰かにとってはお宝って可能性もある」
空を見上げて、まだ見ぬその誰かに思いを馳せる。
「そんな奴いる訳ないみそ」
ゴーレムは頼りない俺に嫌気がさしたのか「ふう~」っとため息をつく。
「... ...ですよね」
馳せた思いは一瞬にして爆ぜ、瓦礫の撤去方法を考えたが、何も思いつかなかった。
所詮、異世界に転生しても特殊な能力もないし、運動が出来る訳でも頭が良い訳でもない。
おまけに顔もよくない。
しかも、年齢も27歳という中途半端な歳。
高校生なら若さで何とかなったかもしれないとか考えてしまうのは既に叔父様的思考なのかな?
それに、異世界転生者の基本設定でもあるニートでも引きこもりでもない。
実家に就職という荒業を使い、『正社員』という肩書を持った卑怯者。
ニートからも社会人からも少し上から見られ、「へー。実家に就職したんだー。実家が商売やってるとか羨ましい」などと嫌味を言われる存在となった。
そりゃ、ゴーレムの幼女に「こいつ使えねえな」って思われますよ。
異世界に来て、しばらく経つが、自分の自信の無さは改善しなさそうだ。
よく、こんなポンコツに国の再建を頼んだもんだよ... ...。
とシルフの人の見る目を疑った。
まあ、エルフだから、人の見る目なんて元々持っていないのかもしれない。
元はと言えば、シルフが「町を破壊しろ!」なんて言ったのがいけないのだ!
うん。そうだ! 俺が何で考えが浮かばないで落ち込んでるんだ! シルフが考えれば良いじゃないか!
とシルフに怒りの矛先を向ける。
シルフを見ると噴水の脇で体操座りをして、あからさまに負のオーラを纏いながら落ち込んでいた。
だが、そんな事は関係無しの傍若無人な俺はシルフに詰め寄る。
「おいおい! お姫様よ! 落ち込んでないで瓦礫の撤去方法でも考えたらどうだい!?」
俺は「てやんでえい!」と言わんばかりの迫力。
シルフは顔もあげずにボソボソと聞き取りにくい声で答えた。
「だって、あのクソタンクトップが一週間で終わるとか言ってたじゃない... ...」
「おいおい! 人のせいってか!? まず、この状況にさせたのは、シルフだろ!?」
「しょうがないじゃない... ...。こうするしか街を再建する方法がなかった」
「いやいや! あったでしょ!? これ以外の方法くらい考えたらあったよ! 考えずに先走ったのがいけないよ!」
アメリカのコメディアンのように両手を広げ、ボディーランゲージを多用してシルフに伝える。
シルフは顔を上げ、潤んだ瞳で俺を見て。
「_____嫌い」
子犬のような瞳で、その言葉を言われ我に返った。
男というものは女の泣き顔にはめっぽう弱い生き物だ。
シルフはその事を知っているのだろう。
ここぞという所で使うからタチが悪い。
「... ...ごめん」
「... ...大嫌い」
「言い過ぎたよ... ...」
「殺す」
「殺しはしないで... ...。今、良い案考えるから... ...」
俺は顎に手を当て、考える。
「良い案浮かんだ?」
「いや、まだだよ! 考えたばっかでしょ!?」
「ふう~。つかえねえな... ...」
男が女に言われたくないセリフナンバーワンの言葉を聞き、イラッとしたが、この状態のシルフに色々と言うと病んでしまうので表情に出さないように頑張った。
「____あ! あれがあったか!」
噴水の奥の景色にゴーレムマンションがある事に気付き、同時にそれを見て、瓦礫の撤去と町の再建の両方が出来る案を思いつき、俺は自然と顔がニヤケ。
「うわあ... ...。何そのエロい顔... ...。生理的に無理」
とシルフにドン引きをされる。
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