異世界に行ったら国が衰退していたので、不動産屋をしていた経歴を生かしてエルフの王女と国を再建する

おっぱな

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第一章【ゴーレム幼女と魔法少女達】

お母さん! 塔の中で金髪の美少女に出会いました!

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「なんだこれ!? でっけえ! 確か、昨日の夜にはなかったよな!?」

 上を見上げると塔の先が見えない程の高さで、ジャックとまめの木のような感覚に陥る。

「いや、昨日は入口通ってないから! あんたの好きなワープで来たから!」

「... ...ああ。そうか。_____ってか、俺、ワープ嫌いだけど!? ワープで人の事イジるのやめてくれる!?」

「それよりもどうするこれ!? ぶっこわす!?」

 俺のツッコミを華麗にスルーし、便所の棒を強く握る魔法少女。

「野蛮だな! 何で壊す事を一番最初に思いつくんだよ!」

「じゃあ、ここに住もうよ! 一度でいいから城に住みたかったんだよね!」

「急だな!」

 魔法少女はそのまま、両手を挙げて、天真爛漫な振舞いで塔の中に入って行く。俺はビビりなので極力入りたくはなかったが、魔法婆に背中を押されてしまった。



______「謎の城の中」______



「わー!! 真っ暗だー!!」

 いつになく魔法少女のテンションが高い。
 本当に城に住みたかったんだな... ...。としみじみ。
 城の中は全ての景色に黒い絵の具を塗りつけたかのようで、何となく物のシルエットは分かるのだが、暗すぎて前に進む事が出来ない。
 俺が上野の立ちんぼのように動かないでいると魔法少女は手を掴んで。

「ほらほら! 探検しよう!」

「探検って言っても何にも見えないんですけど... ...」

 魔法少女の手はスベスベで暖かく、柔らかかった。
 声の方向や腕の位置から魔法少女シルエットは何となく分かる。
 そして、まあ、こんだけテンションが高ければ暗闇だし、おっぱいくらい触ってもいいだろう。
 と男子が誰でも持つバレなきゃ合法思考が働き、近くで声を出している魔法少女のおっぱいらしき物体に手を伸ばした。

 大きな乳房から重量感が伝わるが、その分柔らかいのでまるで低反発枕に手を埋めているようだ。

「アンドレイルブリョフ!!」

 呪文を魔法少女が唱えると辺りが明るくなり、俺が揉んでいたものの正体が魔法少女の乳ではなく、バカデカイクマの太ももという事に気付いた。
 体長は5mくらいあるだろう。
 下手したら象くらいデカイんじゃないか?
 象見た事ないけど... ...。

「うおー!!!!」

 俺は慌てて魔法少女の後ろに隠れる。

「おー!! デカイな! こりゃ、3日間は食料に困らないね!」

「ミーレ!! ちょっと待ちな! 様子が変だよ」

 確かにクマは一向に襲ってくる気配がない。
 足元を見るとトラばさみのような罠がついており、どうやらケガをしている様子で本来のクマの特有の獰猛さは影を潜めている。
 今にも「く・くう~ん」とか細い声を上げそうだ。

「レミー!! 罠にかかってたって関係ないよ! もう、あたしには食料にしか見えないよ!」

 魔法少女、口元じゅるり。

「ミーレ!! あんたは本当に食い意地が張ってるね! 魔女の掟にもあるだろ!? 命を奪う時はお互い対等の状況じゃなくてはいけないって!」

「初めて聞いたよ! なによその掟!」

「いいから! まずは足を治してあげるのよ!」

 頬をぷくっと膨らませながら、魔法少女と婆はお馴染みの便所棒を天に掲げる。

「エリンス・ペンス!」

 呪文を唱えるとクマの足の罠が外れ、光の玉がクマの傷口を舐めるように辺りを飛び回り、みるみるうちに傷が治っていく。
 苦痛に顔を歪ませていたクマの顔も雨上がりのように晴れていき、ピョンピョンと跳ね喜んでいる。
 人間の言葉を話せるのであれば確実に「はちみつ食べる?」と言ってくるに違いない。
 そして、俺はそのクマに対して「そんなベタベタしてるもん食うとかどうかしてるぜ」と言ってやるんだ。

「チャッキー!!!」

 突如、上の階から女の人が聞き覚えのあるフレーズ。

「ん? チャッキー?」

 _____カツカツカツ。
 
 ヒールの音の先に目をやると白いドレスを完璧に着こなす、金色の髪をした美女の姿。
 年齢にして20代くらいか。
 腕や足や腰には無駄な肉がついておらず、余った贅肉は全て胸部に集中。
 正に贅沢な肉の使い方をしている女性の容姿に俺は見惚れてしまい、言葉が出なかった。

「_____は・花島!?」

 ん?
 何故、俺の名を?
 金髪の美女は俺を見つけると容姿には似つかない豪快な走り方でこちらに近づいてくる。

 そんなに勢いよく走ると転ぶぞ!
 と、忠告しようと思った矢先、ヒールがもつれ一回転してしまうほどの転び方を見せる。
 
 やれやれ... ...。
 勢い良く走るから... ...。

 女性に触れたいという下心を隠し、俺は女性に手を差し伸べた。

「_____だ・大丈夫??」

「はなじいまああ!!!」

 その女性は泣きながら俺の名前を呼び、急に抱きついてきた。
 条件反射からその女性の腰に手を回すと良い匂いがどことなくする。
 この匂い... ...。
 どこかで嗅いだ気がする... ...。
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