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1-4. JSとの戯れ
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【保健室】
「うへへ。可愛いなあ~」
ポプラは反省の色を見せることなく、ベッドで寝ている幼子のことをヨダレを垂らしながら見ている。
スケベ面から校内一の美少女の面影はなく、どちらかといえば、初めてのエロ本をみた男子のようでもはや無邪気さすら感じる。
見たところ、この幼子は小学生だ。
先程、背中に背負っていたのはランドセルだった。
それに、微かに膨らむ胸元には小学校の校名とこの子の名前である伊地知光という名札が着いていた。
因みに俺はロリ専門の魔術師ではないのでその膨らみに鼻の下は伸ばさない。
「しかし......。どうして、小学生?」
「うむ。ワトソン君。私が考察しよう」
ほう......。
では、聞かせてもらおうじゃないか。
「恐らく、この子は自発的にこの学校に来たのではない。誰かに連れて来られたのだ」
「どうしてそれが?」
「この子の小学校はここから遠い。距離にして4kmはある。そして、今は夕暮れ間近。そこまでしてこの高校に来る理由がこの子にある? 恐らく、これは誰かに連れて来られたとしか考えようがない」
ポプラはドヤ顔で胸を張った。
いや、そんな、名探偵っぽいのは言い方だけだから......。
「俺は違うと思う」
「ん? じゃあ、何だってのさ!」
「強制的にここに連れて来られたのなら、この子を連れてきた奴がいないのがおかしい。そして、何より、この子は何て言ってあの教室に来たか覚えてるか?」
「え? うん。友達部ってここですか? って」
「そう。あの教室には部活名の書いてある札も無ければ校内のポスターも俺が全部剥がしたから『友達部』という言葉が出て来る事自体がおかしい」
ポスターを剝がす時は本当に辛かった......。
もう、いっそのこと、光の粒になって消えたいと思っていた。
「じゃあ、何でこの子はそれを知ってたのかな?」
ポプラは頭を抱えている。
おいおい。
ここまで俺が説明してやったんだろ。
お前が気付けよ!
うんうんと唸っているポプラから答えが出て来る気配すらない。
っうか、謎解きっぽい雰囲気出してるけど。
これ、何の捻りもないからな。
「ふう。この子の名前何て言う?」
俺は胸元の名札を指さす。
「伊地知光? ん? 伊地知?」
やっと気付き始めたか。
「伊地知って名前は九州とか沖縄方面ではポピュラーな苗字だ。ただ、この千葉ではあまり聞かない。うちの学校に一人だけいるだろ? 伊地知って苗字が」
流石にここまで言えば、ポプラの口から俺が求めていた名前が出た。
「あ! 生徒会長の伊地知恵ちゃん!」
「そう。恐らく、この子は生徒会長の妹か何かだろう」
ってか、お前、先輩の事、ちゃん付けするなよ。
お兄ちゃんはそういう上下関係うるさいからね。
「じゃあ、友達部を聞いたのって......」
「そうです。私がお姉ちゃんから聞きました」
栗毛の幼子、もとい、伊地知光はむくりと起き上がる。
「光ちゃん... ...。さっきはごめんなさい!」
ポプラは綺麗な90度姿勢で伊地知光に謝罪。
先程と雰囲気の違う高校生を見た小学生は言葉に詰まりながらも。
「え、あ、まあ、二度としないでくださいね」
と高い高いの禁止という重要な事はシッカリと主張した。
流石、あの生徒会長の妹だ。
小学生の女子が高校生に自身の意見を物申すというのは思っているよりもハードルが高い。
先程の弱々しさは微塵もなく、芯の強い子だと俺に印象付けた。
「うん......。しないよ。高い高いわね」
ん?
何か引っかかる言葉を吐くとポプラは伊地知光に抱きついた。
「いぎゃあああ!! 何ですか! 止めて!」
「いいじゃないの~! 高い高いはしないけどぎゅ~はさせていただきます!」
「お兄さん! 助けてください!!」
伊地知光は見ず知らずの俺に助けを求める。
しょうがない......。
このままでは話が進まないしな......。
「てい!」
「いた!」
空手チョップを受けたポプラは痛がりながらも伊地知光を離さない。
「てい! てい! てい!」
殴打に次ぐ殴打!
だが、カメのように固まり、離れる気配がない。
「うわああ!!! お兄さん早く!!!」
伊地知光は再び、泣き叫ぶ。
しっかし、うるせえなこいつ。
あんまり、言うとブラックお兄さん出現しちゃうよ?
「てい! てい! てい!」
「おにいさああああ!!!」
スピードが上がるにつれて俺のチョップの威力も加速度的に上がる。
そして、夢中になった俺はやってはいけないミスをおかした。
「てい! てい! てい! あっ!」
「ぎゃっ!」
俺の右手はポプラの後頭部を綺麗に横滑りし、抱き着かれて泣いていた伊地知光の額に直撃。
「......あ、あんまりだぁああ!!」
と伊地知光は綺麗な顔をぐしゃぐしゃにして泣く。
彼女は初めてこんな感情を味わったから泣くのだろう。
俺にもこんな時期があった。
ただ、すぐに慣れて涙は流れなくなる。
泣ける内に泣いておくが良い。
「もう泣き止んだ?」
「今、泣いたばかりだよおおお!!!」
いっけね!
面倒過ぎてワープしようとしたけど俺、そういう力無かった!
「痛いね。怖かったね」
ポプラは最後の将のような慈愛の心に満ちた声で幼子を撫でる。
「あんたのせいだから!」
言うことは言う。
本当に君は強い子やで。
「うへへ。可愛いなあ~」
ポプラは反省の色を見せることなく、ベッドで寝ている幼子のことをヨダレを垂らしながら見ている。
スケベ面から校内一の美少女の面影はなく、どちらかといえば、初めてのエロ本をみた男子のようでもはや無邪気さすら感じる。
見たところ、この幼子は小学生だ。
先程、背中に背負っていたのはランドセルだった。
それに、微かに膨らむ胸元には小学校の校名とこの子の名前である伊地知光という名札が着いていた。
因みに俺はロリ専門の魔術師ではないのでその膨らみに鼻の下は伸ばさない。
「しかし......。どうして、小学生?」
「うむ。ワトソン君。私が考察しよう」
ほう......。
では、聞かせてもらおうじゃないか。
「恐らく、この子は自発的にこの学校に来たのではない。誰かに連れて来られたのだ」
「どうしてそれが?」
「この子の小学校はここから遠い。距離にして4kmはある。そして、今は夕暮れ間近。そこまでしてこの高校に来る理由がこの子にある? 恐らく、これは誰かに連れて来られたとしか考えようがない」
ポプラはドヤ顔で胸を張った。
いや、そんな、名探偵っぽいのは言い方だけだから......。
「俺は違うと思う」
「ん? じゃあ、何だってのさ!」
「強制的にここに連れて来られたのなら、この子を連れてきた奴がいないのがおかしい。そして、何より、この子は何て言ってあの教室に来たか覚えてるか?」
「え? うん。友達部ってここですか? って」
「そう。あの教室には部活名の書いてある札も無ければ校内のポスターも俺が全部剥がしたから『友達部』という言葉が出て来る事自体がおかしい」
ポスターを剝がす時は本当に辛かった......。
もう、いっそのこと、光の粒になって消えたいと思っていた。
「じゃあ、何でこの子はそれを知ってたのかな?」
ポプラは頭を抱えている。
おいおい。
ここまで俺が説明してやったんだろ。
お前が気付けよ!
うんうんと唸っているポプラから答えが出て来る気配すらない。
っうか、謎解きっぽい雰囲気出してるけど。
これ、何の捻りもないからな。
「ふう。この子の名前何て言う?」
俺は胸元の名札を指さす。
「伊地知光? ん? 伊地知?」
やっと気付き始めたか。
「伊地知って名前は九州とか沖縄方面ではポピュラーな苗字だ。ただ、この千葉ではあまり聞かない。うちの学校に一人だけいるだろ? 伊地知って苗字が」
流石にここまで言えば、ポプラの口から俺が求めていた名前が出た。
「あ! 生徒会長の伊地知恵ちゃん!」
「そう。恐らく、この子は生徒会長の妹か何かだろう」
ってか、お前、先輩の事、ちゃん付けするなよ。
お兄ちゃんはそういう上下関係うるさいからね。
「じゃあ、友達部を聞いたのって......」
「そうです。私がお姉ちゃんから聞きました」
栗毛の幼子、もとい、伊地知光はむくりと起き上がる。
「光ちゃん... ...。さっきはごめんなさい!」
ポプラは綺麗な90度姿勢で伊地知光に謝罪。
先程と雰囲気の違う高校生を見た小学生は言葉に詰まりながらも。
「え、あ、まあ、二度としないでくださいね」
と高い高いの禁止という重要な事はシッカリと主張した。
流石、あの生徒会長の妹だ。
小学生の女子が高校生に自身の意見を物申すというのは思っているよりもハードルが高い。
先程の弱々しさは微塵もなく、芯の強い子だと俺に印象付けた。
「うん......。しないよ。高い高いわね」
ん?
何か引っかかる言葉を吐くとポプラは伊地知光に抱きついた。
「いぎゃあああ!! 何ですか! 止めて!」
「いいじゃないの~! 高い高いはしないけどぎゅ~はさせていただきます!」
「お兄さん! 助けてください!!」
伊地知光は見ず知らずの俺に助けを求める。
しょうがない......。
このままでは話が進まないしな......。
「てい!」
「いた!」
空手チョップを受けたポプラは痛がりながらも伊地知光を離さない。
「てい! てい! てい!」
殴打に次ぐ殴打!
だが、カメのように固まり、離れる気配がない。
「うわああ!!! お兄さん早く!!!」
伊地知光は再び、泣き叫ぶ。
しっかし、うるせえなこいつ。
あんまり、言うとブラックお兄さん出現しちゃうよ?
「てい! てい! てい!」
「おにいさああああ!!!」
スピードが上がるにつれて俺のチョップの威力も加速度的に上がる。
そして、夢中になった俺はやってはいけないミスをおかした。
「てい! てい! てい! あっ!」
「ぎゃっ!」
俺の右手はポプラの後頭部を綺麗に横滑りし、抱き着かれて泣いていた伊地知光の額に直撃。
「......あ、あんまりだぁああ!!」
と伊地知光は綺麗な顔をぐしゃぐしゃにして泣く。
彼女は初めてこんな感情を味わったから泣くのだろう。
俺にもこんな時期があった。
ただ、すぐに慣れて涙は流れなくなる。
泣ける内に泣いておくが良い。
「もう泣き止んだ?」
「今、泣いたばかりだよおおお!!!」
いっけね!
面倒過ぎてワープしようとしたけど俺、そういう力無かった!
「痛いね。怖かったね」
ポプラは最後の将のような慈愛の心に満ちた声で幼子を撫でる。
「あんたのせいだから!」
言うことは言う。
本当に君は強い子やで。
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