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1章 転生編
14話
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次の日、僕らはモンスター討伐クエストを受け、馬車で魔の森から西に60キロ離れた草原へと来ていた。
最近この草原の近隣の村々がレッドベアーに襲われているので、その討伐をする為に来た。
「では、これから討伐クエストを開始する。油断はしないで安全に対応してくれ」
「「「「「はい!」」」」」
僕と傭兵組み初のクエストに皆んなは張り切っていた。そのやる気が空回りしないでほしい。
今回のクエストにあたって新しいスキルを創った。
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スキル : ステータス上昇倍化(ー)【付与可能】
詳細 : レベルアップ時のステータス上昇値を通常の倍に
する。
【指定した者に付与、付与の取り消しが行える】
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スキル : 軍団召喚
詳細 : 保管庫に保管されているゴーレムを瞬時に複数召
喚する。
召喚する方法は二つあり、指定したゴーレムのみ
を召喚する方法と保管庫全てのゴーレムを召喚す
る方法である。
召喚距離は召喚者から半径10キロ圏内ならどこ
でも召喚可能。しかし、その為には空間魔法が扱
えれないといけない。
空間地図と同時に使う事で、遠く離れた地点にも
召喚が可能になる。
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スキル : 空間地図
詳細 : 空間魔法による空間認識したものをウインドウも
しくは意識上に表示する。
スキル保持者の半径50キロ内の空間を認識し、
一度通った場所は記憶される。
しかし、一度も通ってない場所は地図には表示さ
れない。
地図上には敵(赤)味方(青)が表示される。そ
の他にも敵ではなく味方でもないものを黄色で、
こちらに興味をしてしているものは緑などと言っ
たように表示される。
奇襲などの危険が迫った時はアラームが鳴り、危
険を知らせる。この時、意識上に強制表示される
======================================
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今回新たに創ったのはこの3つだ。
一つ目のスキルがあれば、周りの傭兵よりも早く強くなれる。経験値アップも付けようかと思ったが、そうするとステータスばかりが上がり実力がついて来なくなる可能性があるからやめた。
二つ目のスキルは今後の緊急時に対応する為のものだ。緊急時以外にも敵を挟みうちにしたりする事も出来る。創っておけば今後役立つスキルだろう。
三つ目は奇襲対策だ。危険時にはアラームが鳴るからガルドの刺客が送られて来ても奇襲は防げれるだろう。他にも子供達の居場所の認識にも使えるから便利だ。もっと早く創っておくべきだった。
早速、ステータス上昇倍化を子供に付与し、空間地図を使いクエスト対象のレッドベアーの位置を突き止め、子供達を班に分けて戦わせた。今までの成果を僕に見せようと子供達は奮戦していた。
レッドベアーはランクDのモンスターで体長は平均2メートルほどである。筋力が高いうえにファイヤーボールなどの初級の魔法も使える為、E級傭兵や冒険者にとっては辛い相手だ。
その為、先程から子供達の戦いは長時間にわたるものになっている。盾役が挑発をして意識を自分に向けさせ、爪で攻撃して来たのを盾で防ぎ、そこへ前衛が懐に入ろうと突っ込むがファイヤーボールで牽制され、懐に入れずにいた。後衛は初級のファイヤーボール、アイスボールなどを使い攻撃するが、躱されたり当たったとしてもあまり効いていなく、弓の攻撃もあまりダメージを与えれずにいた。
「セルは、そのままレッドベアーの注意を惹きつけて。ハルは隙を見て魔法攻撃を続けて。セイベルは胴体ではなくて目を狙って」
フィルを司令塔に四人は連携を取り、苦戦しながらもそこから攻略の糸口を見つけ、倒すペースが上がり始めていた。
それに対して、6人パーティーのリーダーをミリアがしていたが、上手く纏められず苦戦を強いられていた。その原因はミヤとの連携が取れていない事が大きいだろう。
「ミヤ!あそこはミヤが盾役をするべきだろ!」
「いいえ!あそこはミリアがする所よ」
この二人の連携の無さにより他のメンバーも翻弄されていたのだ。
これも経験だと思い、危険だと判断するまで僕は敢えて放置した。
それから数時間後、フィル率いるパーティーは15体のレッドベアーの討伐に成功した。ミリア率いるパーティーは6体の討伐に成功と連携が取れてない中でと思うと倒せた方だと思うが、フィル達と比べればその成果は明らかだ。僕はと言うと空間地図上の遠方にいた125体を討伐し、数時間経っても残っていたフィル達の周辺のレッドベアー34体も討伐し、計159体の討伐に成功していた。
村からの依頼は15体以上の討伐であったが、余分な討伐分は討伐部位をギルドに提出する事で報酬を貰える。モンスターの中には売れる素材を持つものもいるので、その素材を売れば更に報酬は増えると言う感じの仕組みになっている。
依頼のあった村に行き、討伐確認をしてもらいクエスト完了書を貰い、家に帰った。
家に帰った後はそれぞれのパーティーで反省会をさせていた。その間に、商店組みの今日の売り上げ確認などをしていた。今日も今日とてかなりの儲けていた。アテナとナナに今日の事を聞いたら、やはりガルドの差し向けたであろう者達の襲撃があったようだ。しかし、アテナ達ゴーレムにより、すぐに制圧された事により騒ぎにはならずに寧ろ評判が上がったとの事だった。
反省会を終えたフィルが事務部屋にいる僕へ報告に来ていた。
「今回の戦闘である程度、自分達の役目の認識を改め、前衛と後衛との連携をより綿密にする為の作戦を考えています。結果こそはあまり良くはありませんでしたが、今後に繋がるクエストになったと思います」
「そうか、僕から見ても個々がそれぞれの役割をしっかりと果たしていたと思うよ。今後はその役割を極めて、より柔軟に対応出来るように頑張ってね。
それと、今日のフィルの指示は良かったよ。これからも頼むよ」
「はい!頑張ります!!」
そう言って僕はフィルを撫でてやると嬉しそうにしていた。
フィルが部屋を出てから数分後、ミリアが来た。入って来たミリアは素早い動きで土下座をした。
「今回のクエストで見苦しい姿を見せてしまいすみませんでした。今後は・・・、今後はカオル様にお見せ出来るよう努力します。すみません・・でした」
頭を床につけているから顔は見れないが、声色から泣いているのは理解出来た。
「ミリア、まずは顔を上げて。ミリア達はまだ、傭兵になったばかりだ。経験も少ない。今回はダメだったけど、今回の失敗を糧に努力すればいいから」
「でも、カオル様も傭兵になったばかりと聞いてます。それなのにカオル様は私達とは比べられない程強くて・・・」
顔を上げたが、カオルの事について話してミリアは顔を俯かせながら泣いていた。年頃の女の子への対応なんて知らないカオルはどうしたらいいのか戸惑っていた。兎に角、元気付けようと撫でてやり、カオルは話し始めた。
「傭兵になったのは最近でも、僕は昔から戦って(ゲームの事)来たから、それらの経験を生かしているだけ。僕だって上手くいかない事だってあったさ(ゲームでの失敗談)。だけど、失敗から成功のルートを見つけて上手くいった時は嬉しかったなぁ~(ゲームの攻略法を見つけた時の事)。この気持ちをミリア達にも知って欲しい。失敗したっていい、そこから何かを導けたのなら失敗は君達の力になる。
だから、僕からは何も言わない。これはミリア達の問題だからね。
これからも頑張って強い傭兵を目指してくれ」
そう言いながら撫で続けていた。すると、泣いていたミリアは更に強く泣き出した。優しく抱いてやり泣き止むまで付き合った。リーダーとして頑張ろうとしたが、上手くいかず、焦っていたのだろう。そのせいで頑張りが空回りして連携に影響していた。僕はそう思っていた。
__________________
とある街の酒場にゴツく大きな体をしている男が数名の部下を連れて飲んでいた。そこへ、裕福そうな格好をした男と執事服に身を纏った男、それに怪しい格好をしている二人を連れている男達は、飲んでいる男の前で止まった。
「あなたがシュベインでしょうか?」
執事服の男が飲んでいる男にそう尋ねると尋ねられた男は執事服の男を睨みつけた。間が空いてから飲んでいる男は口を開いた。
「合っているが、その名前を知っているって事は俺がどんな奴か分かってるだろ。
それで何の用だ?内容によってはただでは返さねーからな」
男はそう言って睨みを更に強めた。その様子を見ていた裕福そうな格好をした男が口を開いた。
「焦らないでください。儂はあなたに依頼をする為に来たのですから」
男の発言に飲んでいる男は顔を歪め、不愉快そうな顔をしていた。
「んで、依頼ってのは何だ?内容によっては受けてやらなくもないが」
「内容は、ある男を殺す事です。名前などは後から伝えますが、儂の邪魔になる存在でな、屈辱を味わされた仕返しをあなたに依頼したいのです。報酬はこの金額でいかがですかな」
そう言って男は飲んでいる男に紙を見せた。そこに書かれていたものを見た男はニヤッとして裕福そうな格好をした男を見た。
「前金に報酬の半分を払うなら受けてやる。払うか?払わないか?」
「分かりました。こうなった時の為にお金は準備してあります。・・・・・、これが報酬の半分です。では、依頼のターゲットについて話しましょう」
酒場はいつものように賑わっていたが、そんな中でカオル達に魔の手が静かに伸び始めていた。
【後文】
すっかり寒くなりましたね。北海道はもう雪景色になりました。皆さんが住んでいる所はいかがですか?私の所は旭川や岩見沢などよりはマシですが、そこそこ雪が降りまして雪かきが大変です。
皆さん、寒いので風邪に気を付けて下さいね。
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