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冬物語
葵葉と朔夜の買い物デート?③
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「お友達だちの太鼓判も頂けたことですし、気に入ったのなら諦める必要はないと思いますよ」
「でも……」
「髪型を気にされているのなら、髪型を少し変えてみてはいかがですか?」
「え?」
「例えば、髪の毛を後ろで結んでみるとか。髪をアップにしてお顔を出すだけでもぐんと女の子らしさが増して、更に可愛くなりますよ」
そう言って私を鏡の方へと振り向かせると、店員さんは私の後ろ髪を持ち上げて見せてくれた。
確かに店員さんの言った通り、たったそれだけでまるで魔法にかかったかのように、鏡の前には十分立派な女の子が立っていた。
似合わないと思っていたはずのフリフリのスカート姿も、何だか急に違和感が薄れて見え始める。
神崎君も、私と同じ事を思っている様子で、目と口をポカンと開けながら驚いている顔が鏡越しに映って見えた。
「……本当だ……たったこれだけで?」
「はい。お顔立ちが可愛らしいので、化粧をしたり、髪型をもっと工夫すれば、もっともっとこちらの服を可愛らしく着こなす事はできると思いますよ。女の子にとってなにより大事なのは、可愛くなりたいと探求する心。自分には似合わないからと最初から諦めてしまっては勿体ないです。まだまだお若いのですから、是非色々と試してみて下さい」
店員さんのアドバイスに勇気を貰って、気が付くと私は「はい」と返事をしていた。
そんな私の返事を、神崎君は笑うでもなく、バカにするでもなく、どこか嬉しそうな表情で見守ってくれていた。
「ありがとうございました」
店員さんに見送られながら、大きな紙袋を肩にかけた私と神崎君はお世話になったアパレルショップを後にする。
つい先程までご機嫌だった神崎君が、店を出た今、何故か機嫌が悪い。
何故? と気まずさに少し距離を取って歩いていると、神崎君は拗ねたような口調で口を開いた。
「せっかくプレゼントしてやるっつったのに、何で断んだよ……ったく」
「何でって、当たり前だよ。プレゼントしてもらう理由がないもん」
「今はクリスマスなんだろ? クリスマスにはプレゼントを交換しあう習慣があるんじゃないのか」
「確かにあるけど、でもクリスマスプレゼントに貰って良い値段じゃなかったし……。だから何をそんなに怒ってるの? 怒るような事かな?」
「うるせぇ、うるせぇ、うるせぇ~!」
どうやら彼の親切心を断ってしまった事が気に入らなかったらしい。一人ご立腹の神崎君は終いには癇癪を起こして、突然私の腕を乱暴に掴んだ。
「ちょっ……神崎君、痛いよ、離して」
「うっせぇ!良いから大人しく俺について来い!」
「ついて来いって、どこいくの?」
「良いから!」
半ば引きずられるようにして私は神崎君にある場所へと連れて行かれた。
「でも……」
「髪型を気にされているのなら、髪型を少し変えてみてはいかがですか?」
「え?」
「例えば、髪の毛を後ろで結んでみるとか。髪をアップにしてお顔を出すだけでもぐんと女の子らしさが増して、更に可愛くなりますよ」
そう言って私を鏡の方へと振り向かせると、店員さんは私の後ろ髪を持ち上げて見せてくれた。
確かに店員さんの言った通り、たったそれだけでまるで魔法にかかったかのように、鏡の前には十分立派な女の子が立っていた。
似合わないと思っていたはずのフリフリのスカート姿も、何だか急に違和感が薄れて見え始める。
神崎君も、私と同じ事を思っている様子で、目と口をポカンと開けながら驚いている顔が鏡越しに映って見えた。
「……本当だ……たったこれだけで?」
「はい。お顔立ちが可愛らしいので、化粧をしたり、髪型をもっと工夫すれば、もっともっとこちらの服を可愛らしく着こなす事はできると思いますよ。女の子にとってなにより大事なのは、可愛くなりたいと探求する心。自分には似合わないからと最初から諦めてしまっては勿体ないです。まだまだお若いのですから、是非色々と試してみて下さい」
店員さんのアドバイスに勇気を貰って、気が付くと私は「はい」と返事をしていた。
そんな私の返事を、神崎君は笑うでもなく、バカにするでもなく、どこか嬉しそうな表情で見守ってくれていた。
「ありがとうございました」
店員さんに見送られながら、大きな紙袋を肩にかけた私と神崎君はお世話になったアパレルショップを後にする。
つい先程までご機嫌だった神崎君が、店を出た今、何故か機嫌が悪い。
何故? と気まずさに少し距離を取って歩いていると、神崎君は拗ねたような口調で口を開いた。
「せっかくプレゼントしてやるっつったのに、何で断んだよ……ったく」
「何でって、当たり前だよ。プレゼントしてもらう理由がないもん」
「今はクリスマスなんだろ? クリスマスにはプレゼントを交換しあう習慣があるんじゃないのか」
「確かにあるけど、でもクリスマスプレゼントに貰って良い値段じゃなかったし……。だから何をそんなに怒ってるの? 怒るような事かな?」
「うるせぇ、うるせぇ、うるせぇ~!」
どうやら彼の親切心を断ってしまった事が気に入らなかったらしい。一人ご立腹の神崎君は終いには癇癪を起こして、突然私の腕を乱暴に掴んだ。
「ちょっ……神崎君、痛いよ、離して」
「うっせぇ!良いから大人しく俺について来い!」
「ついて来いって、どこいくの?」
「良いから!」
半ば引きずられるようにして私は神崎君にある場所へと連れて行かれた。
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