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夏物語
本当の願いは?
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「……あの言葉は嘘だったのかよ。友達が欲しい、俺に友達になってくれって俺に言ったあの言葉は、嘘だったのか?」
「……神耶……君……」
「お前は、俺を置いて二度と会えない所に行くつもりか?」
「だって……だって神耶君は、もう私にあってくれないって。嫌われちゃったんでしょ、私」
「違う! そうじゃない! 俺はただ、お前に元気になって欲しくて……お前に治療に専念して欲しくて……」
「嘘っ!」
「嘘じゃない!お前言ったよな。友達になって、いっぱいいっぱい思い出作りたいって」
「言ったよ。だからこそ、私には病院でのんびりしてる時間なんてなかったの。なのに」
「そうじゃない。そうじゃなくて……友達が欲しい。思い出が作りたい。それが願いだとお前は言った。でもその願いは、この先の未来を望む事と同じだと思わないか?」
「……違う。私は未来なんて望んでない。だって私の心臓は、体の成長には堪えられないんでしょ。知ってるよ私。これが私に与えられた運命だって。だから、未来なんて望んでない」
「自分には未来がない。それがわかっていて何故お前は友達を望んだ。お前のその願いが、行動が、お前の本心を物語ってると思わないか?」
「違う!!」
「違わない! お前は……もっと欲張りになって良いんだ。小さい頃から色々と制限されて、諦める癖がついたのかもしれない。けど葵葉は、もっと貪欲になって良いんだ。人の願いが、つまりはその欲が、人の生きる糧になるのだから。死ぬ事が運命なんて自分で決めつけるなよ。もっともっと自らの手で、運命に荒がってみせろよ」
「……」
「約束したろ。夏祭りでデートをしようって。言い出しっぺのお前が約束破るなよ。な、葵葉」
「…………」
神なんて言っても、俺には見守る事しか出来ないけど……
出来る事なんて限られてるけど……
でも本気で願いを叶えようと、足掻く人間の手助けなら俺にだって出来る。
それをそいつが本気で叶えたいと願うのであれば、俺は全力で応援する!
「本気で願うなら叶えてやるっ! お前の願いは?!」
「私の……願い……は…………」
葵葉が何か言いかけたその時、葵葉の足元、川の中から無数の手が伸びてきて、葵葉を水の中へと引き込もうと力強く引っ張った。
「きゃ~~~~~っっ!!?」
「葵葉っ!」
葵葉の悲鳴に俺は急いで手を伸ばした。
「神耶君、やだ……何……これ。私を水に引き込もうと……」
「荒御霊だ。あの世にも行けず、現世にも戻れず、行き場の無くした魂達が、お前の精気に惹かれて集まって来てるんだ!」
本来であれば現世で肉体が死に、生を終えた肉体から魂を離す儀式を済ませた魂にしか、この三途の川は渡れない。葵葉の魂がこの川を越える事などできるはずがないのだ。
あの世への川も渡れず、現世への帰る道も分からなくなった魂は、年月をかけて荒魂となる。
そして、荒魂となった魂は、気の狂いそうな程長い年月をこの地で彷徨い続けるしかなくなる。
そして自我を失った魂はやがて、消滅の道を辿る。
「やだ……怖い……怖いよ神耶君。私、どうなっちゃうの? もしこのまま引きずり込またら……」
「二度と現世に戻れなくなる。お前の兄貴や、家族、現世にいるお前の大切な人達と、もう二度と会えなくなる」
そして葵葉の魂も荒魂となり……今葵葉を引きずり込もうおしている彼らと、同じ道を辿ることになる。
「……神耶君とも?」
「あぁ。俺ともだ」
「嫌っ!」
葵葉の顔は恐怖からなのか、一気に青くなり、目元にはじわじわと涙がたまり始めた。
「いやだ……怖いよ……死ぬの……怖いよ……。まだやりたい事いっぱいあったのに……。神耶君ともっといっぱい思い出作りたかったのに……まだ死にたくない。死にたくないよ……」
恐怖の中、葵葉が少しずつ胸に隠していただろう欲望を漏らし始めた。
そうだ。もっと、もっと欲を出せば……
本気でこの状況から抜け出したいと抗えば、まだ葵葉を助けられる可能性があるはずだ。
「葵葉、もう一度聞く。お前の……本当の願いは?!」
「私……私……生きたい。もっともっと、生きていたい!」
ボロボロと涙を零しながらそう訴える葵葉。
そんな葵葉に、俺は精一杯腕を伸ばして叫んだ。
「掴まれ、葵葉っ!!」
俺が伸ばすその手を、一生懸命掴もうと葵葉も手を伸ばして来て、やっとのおもいで掴まえた葵葉の腕を、俺はおもいっきり引っ張りあげる。
「うおぉぉぉ~~~~!!!」
絶対にこいつは助けてみせる。死なせてなんてたまるか!
絶対に、絶対にこの手を離さない!
こいつは、俺が守ってみせる!!
絶対にっ!!!
ー生きろ!!ー
「……神耶……君……」
「お前は、俺を置いて二度と会えない所に行くつもりか?」
「だって……だって神耶君は、もう私にあってくれないって。嫌われちゃったんでしょ、私」
「違う! そうじゃない! 俺はただ、お前に元気になって欲しくて……お前に治療に専念して欲しくて……」
「嘘っ!」
「嘘じゃない!お前言ったよな。友達になって、いっぱいいっぱい思い出作りたいって」
「言ったよ。だからこそ、私には病院でのんびりしてる時間なんてなかったの。なのに」
「そうじゃない。そうじゃなくて……友達が欲しい。思い出が作りたい。それが願いだとお前は言った。でもその願いは、この先の未来を望む事と同じだと思わないか?」
「……違う。私は未来なんて望んでない。だって私の心臓は、体の成長には堪えられないんでしょ。知ってるよ私。これが私に与えられた運命だって。だから、未来なんて望んでない」
「自分には未来がない。それがわかっていて何故お前は友達を望んだ。お前のその願いが、行動が、お前の本心を物語ってると思わないか?」
「違う!!」
「違わない! お前は……もっと欲張りになって良いんだ。小さい頃から色々と制限されて、諦める癖がついたのかもしれない。けど葵葉は、もっと貪欲になって良いんだ。人の願いが、つまりはその欲が、人の生きる糧になるのだから。死ぬ事が運命なんて自分で決めつけるなよ。もっともっと自らの手で、運命に荒がってみせろよ」
「……」
「約束したろ。夏祭りでデートをしようって。言い出しっぺのお前が約束破るなよ。な、葵葉」
「…………」
神なんて言っても、俺には見守る事しか出来ないけど……
出来る事なんて限られてるけど……
でも本気で願いを叶えようと、足掻く人間の手助けなら俺にだって出来る。
それをそいつが本気で叶えたいと願うのであれば、俺は全力で応援する!
「本気で願うなら叶えてやるっ! お前の願いは?!」
「私の……願い……は…………」
葵葉が何か言いかけたその時、葵葉の足元、川の中から無数の手が伸びてきて、葵葉を水の中へと引き込もうと力強く引っ張った。
「きゃ~~~~~っっ!!?」
「葵葉っ!」
葵葉の悲鳴に俺は急いで手を伸ばした。
「神耶君、やだ……何……これ。私を水に引き込もうと……」
「荒御霊だ。あの世にも行けず、現世にも戻れず、行き場の無くした魂達が、お前の精気に惹かれて集まって来てるんだ!」
本来であれば現世で肉体が死に、生を終えた肉体から魂を離す儀式を済ませた魂にしか、この三途の川は渡れない。葵葉の魂がこの川を越える事などできるはずがないのだ。
あの世への川も渡れず、現世への帰る道も分からなくなった魂は、年月をかけて荒魂となる。
そして、荒魂となった魂は、気の狂いそうな程長い年月をこの地で彷徨い続けるしかなくなる。
そして自我を失った魂はやがて、消滅の道を辿る。
「やだ……怖い……怖いよ神耶君。私、どうなっちゃうの? もしこのまま引きずり込またら……」
「二度と現世に戻れなくなる。お前の兄貴や、家族、現世にいるお前の大切な人達と、もう二度と会えなくなる」
そして葵葉の魂も荒魂となり……今葵葉を引きずり込もうおしている彼らと、同じ道を辿ることになる。
「……神耶君とも?」
「あぁ。俺ともだ」
「嫌っ!」
葵葉の顔は恐怖からなのか、一気に青くなり、目元にはじわじわと涙がたまり始めた。
「いやだ……怖いよ……死ぬの……怖いよ……。まだやりたい事いっぱいあったのに……。神耶君ともっといっぱい思い出作りたかったのに……まだ死にたくない。死にたくないよ……」
恐怖の中、葵葉が少しずつ胸に隠していただろう欲望を漏らし始めた。
そうだ。もっと、もっと欲を出せば……
本気でこの状況から抜け出したいと抗えば、まだ葵葉を助けられる可能性があるはずだ。
「葵葉、もう一度聞く。お前の……本当の願いは?!」
「私……私……生きたい。もっともっと、生きていたい!」
ボロボロと涙を零しながらそう訴える葵葉。
そんな葵葉に、俺は精一杯腕を伸ばして叫んだ。
「掴まれ、葵葉っ!!」
俺が伸ばすその手を、一生懸命掴もうと葵葉も手を伸ばして来て、やっとのおもいで掴まえた葵葉の腕を、俺はおもいっきり引っ張りあげる。
「うおぉぉぉ~~~~!!!」
絶対にこいつは助けてみせる。死なせてなんてたまるか!
絶対に、絶対にこの手を離さない!
こいつは、俺が守ってみせる!!
絶対にっ!!!
ー生きろ!!ー
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