ドドド更生人生

ひめ?

文字の大きさ
上 下
2 / 4

『日影夜の人生』

しおりを挟む

『あ~!クソッ!また負けかよ…。』

ハズレた馬券十枚を握りしめ近くにあったゴミ箱に向けヤケクソになって馬券をぶん投げた。

自制心が不安定な状況なために上手くコントロールが出来ず力任せに放り投げた十枚の馬券たちはヒラヒラとゴミ箱の周りに散乱していた。

一頭にかけた金額は十枚を合わせておよそ十万円。
当たれば百万円を獲得することができたが、順位は物の見事に最下位だった。

と、言うことはだ。
十万円のマイナスになったことになる。

痛すぎる出費となった。

『この馬今年調子良くて一位になるって新聞で言ってたのに……。クソッ…!』

腹いせにゴミ箱を思うがままに蹴りつけた。


ドンドンドンドン


わざとらしく大きな足音を立てながら階段を降りていく。

競馬場を出てから家に向かうことにした。

こんな冒頭で悪いが、
負けざまを食らった俺の自己紹介でもするか。

俺の名前は日影夜_ヒカゲヨル_

目付きが鋭いせいか少し相手を横目で見ただけでガンつけている、睨んでいると思われてしまう顔をしている、らしい。

趣味は賭博(とばく)や、お金を賭けて一攫千金を狙うカジノなどをすることが大好きだ。

昔から俺は金にも女にも報われず、
さっき話したように容姿端麗でもなければ
素晴らしい頭脳を持っているわけでもない。

高校も中退し、親にも見捨てられ、
俺はやっとのことで見つけたバイト先で働いている。

時給760円

闇金融並みに安すぎる時給だが、ここしか面接に受からなかったのだからしょうがない。

でも、もうすぐここもクビになりそうだ。

あの、クソ店長…。ろくにシフトもいれさせてくれないし…。
この前なんか俺に向かって……


『あ、君もうあがっていいよ。』

『え、でも俺まだ仕事あがる時間じゃ…』

『あー、もういいもういいからさ、君がいるとお客さんからクレームはいるから、うん。』

『なんで俺がいるとクレームが…。』

『分からないの?君、顔ヤクザみたいじゃん。』


はぁ…。どいつもこいつも、顔顔って…。
人は所詮顔で決められるんだな。
仕事も、人生も。

ほんと、クソみたいな世の中に生まれちまったもんだぜ。

俺は溜息をつきながらボロアパートに帰っている途中、ここの街には似つかわしくない女が高級そうな車からおりてきた。


『なんだアレ…。』
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。

藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった…… 結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。 ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。 愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。 *設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 *全16話で完結になります。 *番外編、追加しました。

魔法のせいだからって許せるわけがない

ユウユウ
ファンタジー
 私は魅了魔法にかけられ、婚約者を裏切って、婚約破棄を宣言してしまった。同じように魔法にかけられても婚約者を強く愛していた者は魔法に抵抗したらしい。  すべてが明るみになり、魅了がとけた私は婚約者に謝罪してやり直そうと懇願したが、彼女はけして私を許さなかった。

もう死んでしまった私へ

ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。 幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか? 今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!! ゆるゆる設定です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

お嬢様はお亡くなりになりました。

豆狸
恋愛
「お嬢様は……十日前にお亡くなりになりました」 「な……なにを言っている?」

王が気づいたのはあれから十年後

基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。 妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。 仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。 側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。 王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。 王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。 新たな国王の誕生だった。

処理中です...