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『日影夜の人生』
しおりを挟む『あ~!クソッ!また負けかよ…。』
ハズレた馬券十枚を握りしめ近くにあったゴミ箱に向けヤケクソになって馬券をぶん投げた。
自制心が不安定な状況なために上手くコントロールが出来ず力任せに放り投げた十枚の馬券たちはヒラヒラとゴミ箱の周りに散乱していた。
一頭にかけた金額は十枚を合わせておよそ十万円。
当たれば百万円を獲得することができたが、順位は物の見事に最下位だった。
と、言うことはだ。
十万円のマイナスになったことになる。
痛すぎる出費となった。
『この馬今年調子良くて一位になるって新聞で言ってたのに……。クソッ…!』
腹いせにゴミ箱を思うがままに蹴りつけた。
ドンドンドンドン
わざとらしく大きな足音を立てながら階段を降りていく。
競馬場を出てから家に向かうことにした。
こんな冒頭で悪いが、
負けざまを食らった俺の自己紹介でもするか。
俺の名前は日影夜_ヒカゲヨル_
目付きが鋭いせいか少し相手を横目で見ただけでガンつけている、睨んでいると思われてしまう顔をしている、らしい。
趣味は賭博(とばく)や、お金を賭けて一攫千金を狙うカジノなどをすることが大好きだ。
昔から俺は金にも女にも報われず、
さっき話したように容姿端麗でもなければ
素晴らしい頭脳を持っているわけでもない。
高校も中退し、親にも見捨てられ、
俺はやっとのことで見つけたバイト先で働いている。
時給760円
闇金融並みに安すぎる時給だが、ここしか面接に受からなかったのだからしょうがない。
でも、もうすぐここもクビになりそうだ。
あの、クソ店長…。ろくにシフトもいれさせてくれないし…。
この前なんか俺に向かって……
『あ、君もうあがっていいよ。』
『え、でも俺まだ仕事あがる時間じゃ…』
『あー、もういいもういいからさ、君がいるとお客さんからクレームはいるから、うん。』
『なんで俺がいるとクレームが…。』
『分からないの?君、顔ヤクザみたいじゃん。』
はぁ…。どいつもこいつも、顔顔って…。
人は所詮顔で決められるんだな。
仕事も、人生も。
ほんと、クソみたいな世の中に生まれちまったもんだぜ。
俺は溜息をつきながらボロアパートに帰っている途中、ここの街には似つかわしくない女が高級そうな車からおりてきた。
『なんだアレ…。』
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