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2人台本
『雨宿り』(女2)約10分
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登場人物(女:2)
・美香(みか)/女
明るい溌剌とした性格。
・薫(かおり)/女
清楚でお上品な性格。
【時間】約10分
【ジャンル】会話劇
【本編】
美香「あーもう、何で急に雨が降ってくるかなぁ!?傘持ってきてないし、家までまだ距離があるのに…あ、あそこのバス停で雨宿りしよう!」
バス停の屋根の下に入る。
美香「ふぅ…。すぐに止むかなぁ?」
薫「このバスは何処に行くんですか?」
美香「え!?」
薫「…こんにちは、バスに乗られるんですか?」
美香「あ、いえ…私は雨宿りでここにいるだけです…。えっと、このバスですよね?到着まで少しかかりそうですよ。行き先は確か…」
薫「この辺に住んでるんですか?」
美香「え?…まぁ、もう少し先ですが…」
薫「バスには乗らないの?」
美香「今日は荷物が少ないし、バス代節約を兼ねて歩いて帰ろうと思ってるんです」
薫「そうなんですね」
美香「…行き先は、良いんですか?」
薫「……良いんです。少し、誰かとお話ししたかっただけなので…」
美香「……私、美香って言います。雨が落ち着くまでお喋りしませんか?」
薫「良いんですか?」
美香「はい、どうせこの後は家に帰るだけだし」
薫「ありがとう、美香さん。私は薫」
美香「薫さんね。…年、近そうだしタメ口でいい?」
薫「構いません」
美香「…それで、何か嫌な事でもあったの?あ、話したくないなら良いんだけどさ」
薫「…実は、婚約者の方と喧嘩をしてしまって…」
美香「そう、なんだ…」
薫「些細な事です。でも、私…彼に言い過ぎちゃって…。思ってもいない言葉が次々と出てしまって、そのまま逃げてきてしまったの…」
美香「あらら…」
薫「謝りたいけど、許してくれるか分からなくて…」
美香「何て言ったの?」
薫「…貴方は私の事を分かってくれないって、…結婚式が近くて少し気が立ってたので…」
美香「そうなんだ…」
薫「式は一族総出で行われる厳格な物なの。だから、自由な時間が少なくて、でも私はどうしても彼との時間が欲しかった。それを伝えようとしても、もう少し待ってくれとしか返ってこなくて、それで……」
美香「…なるほど、そりゃ大変ね。私も彼氏はいるけど、結婚となると話は違うだろうなぁ…。しかも一族総出なんて…もしかして、薫さんってお嬢様?」
薫「そこまで大したものではありません!でも、近いものはあるかも…」
美香「すっご!生お嬢様かぁ」
薫「美香さん、茶化さないで下さい!」
美香「ごめんごめん。…でも、そうだなぁ。見事にすれ違ってるって感じだよね」
薫「酷いことを言ってしまって…嫌われたかもしれない…そう思うと帰りたくなくて…」
美香「でも、帰らないとずっと喧嘩したままだよ?」
薫「…ですが」
美香「……私の彼氏さ、すっごいバカなの」
薫「え?」
美香「おバカでおっちょこちょいで、素直なんだけど言葉が足りない時があるの。昔は結構それが原因でぶつかっちゃってさ…」
薫「そうなんですか…」
美香「うん。でも、今はそんな彼の事が分かってるから最後まで話を聞くようになったの。最後まで話を聞いたら、向こうは嬉しそうだし、話す時間が…一緒にいる時間が増えたの。コミュニケーションを上手く取るってのかな?関係が改善したの」
薫「素敵ですね…」
美香「だから薫さんもさ、大変でいらいらしてるタイミングだったから心に余裕がなかったんじゃない?」
薫「心の…余裕」
美香「そう、心に余裕がないといっぱいいっぱいで何も考えられなくなっちゃう。それは誰にも起こり得る事!でも、実際なっちゃうとしんどいはずだよ」
薫「そっか…余裕がなかったのね…私」
美香「結婚とかお家の事とか彼の事とか色々考えてた所に婚約者さんから少し冷たくされたら辛いよね。それ、私もきっとしんどいかも…」
薫「美香さん…」
美香「だけど、喧嘩したままはもっとしんどいよ。だから早く仲直りするべき!大好きなんでしょ?その人のこと」
薫「…はい」
美香「落ち着いて、自分の伝えたい事を伝えるの。紙に伝えたい事をメモしてても良い。それでも聞いてくれなかったら私がいくらでも愚痴を聞いてあげる!スマホ持ってる?連絡先交換しよ?」
薫「え、そんな…」
美香「ここで会ったのも何かの縁!どう?」
薫「……ごめんなさい。私、そういうの…持ってなくて…」
美香「もしかして忘れてきた?じゃあ……はい、これが私の番号を書いたメモよ。いつでも連絡して?」
薫「え、…あ、ありがとう」
美香「へへっ」
薫「……ありがとう、美香さん。私、少し心に余裕が出来たかも。彼は優しいけど私と少し似てる所があるんだったわ…きっとあの人も、心に余裕がなかったんだと思う」
美香「そっか、なら良かった」
薫「私、彼と仲直りするわ。…だから、また会えないかしら?」
美香「私と?…いいよ!連絡してくれたらいくらでも遊びましょう」
薫「あ、そういう事じゃなくて……」
美香「え?」
薫「…いえ、また会えるわ」
美香「うん…?」
薫「あ、雨が上がってるわ」
美香「本当だ!これで帰れる~。それにもうすぐバスも来る時間じゃない?」
薫「…バスはいいのよ」
美香「え?」
薫「美香さん、恋人さんと仲良くね」
美香「そっちこそ、仲直りも結婚式も上手くいくと良いね!」
薫「…近いうち、雨が急に降り出したら上手くいったと思ってくれて良いわ」
美香「なにそれ?狐の嫁入りじゃないんだから」
薫「ふふっ、またね…」
美香「え?………え、薫さん?薫さんが消えた!?嘘っ、……ん?手に何か握ってる…、どんぐり?何で!?」
薫「また会いましょう。優しい人間の友人…!」
終
・美香(みか)/女
明るい溌剌とした性格。
・薫(かおり)/女
清楚でお上品な性格。
【時間】約10分
【ジャンル】会話劇
【本編】
美香「あーもう、何で急に雨が降ってくるかなぁ!?傘持ってきてないし、家までまだ距離があるのに…あ、あそこのバス停で雨宿りしよう!」
バス停の屋根の下に入る。
美香「ふぅ…。すぐに止むかなぁ?」
薫「このバスは何処に行くんですか?」
美香「え!?」
薫「…こんにちは、バスに乗られるんですか?」
美香「あ、いえ…私は雨宿りでここにいるだけです…。えっと、このバスですよね?到着まで少しかかりそうですよ。行き先は確か…」
薫「この辺に住んでるんですか?」
美香「え?…まぁ、もう少し先ですが…」
薫「バスには乗らないの?」
美香「今日は荷物が少ないし、バス代節約を兼ねて歩いて帰ろうと思ってるんです」
薫「そうなんですね」
美香「…行き先は、良いんですか?」
薫「……良いんです。少し、誰かとお話ししたかっただけなので…」
美香「……私、美香って言います。雨が落ち着くまでお喋りしませんか?」
薫「良いんですか?」
美香「はい、どうせこの後は家に帰るだけだし」
薫「ありがとう、美香さん。私は薫」
美香「薫さんね。…年、近そうだしタメ口でいい?」
薫「構いません」
美香「…それで、何か嫌な事でもあったの?あ、話したくないなら良いんだけどさ」
薫「…実は、婚約者の方と喧嘩をしてしまって…」
美香「そう、なんだ…」
薫「些細な事です。でも、私…彼に言い過ぎちゃって…。思ってもいない言葉が次々と出てしまって、そのまま逃げてきてしまったの…」
美香「あらら…」
薫「謝りたいけど、許してくれるか分からなくて…」
美香「何て言ったの?」
薫「…貴方は私の事を分かってくれないって、…結婚式が近くて少し気が立ってたので…」
美香「そうなんだ…」
薫「式は一族総出で行われる厳格な物なの。だから、自由な時間が少なくて、でも私はどうしても彼との時間が欲しかった。それを伝えようとしても、もう少し待ってくれとしか返ってこなくて、それで……」
美香「…なるほど、そりゃ大変ね。私も彼氏はいるけど、結婚となると話は違うだろうなぁ…。しかも一族総出なんて…もしかして、薫さんってお嬢様?」
薫「そこまで大したものではありません!でも、近いものはあるかも…」
美香「すっご!生お嬢様かぁ」
薫「美香さん、茶化さないで下さい!」
美香「ごめんごめん。…でも、そうだなぁ。見事にすれ違ってるって感じだよね」
薫「酷いことを言ってしまって…嫌われたかもしれない…そう思うと帰りたくなくて…」
美香「でも、帰らないとずっと喧嘩したままだよ?」
薫「…ですが」
美香「……私の彼氏さ、すっごいバカなの」
薫「え?」
美香「おバカでおっちょこちょいで、素直なんだけど言葉が足りない時があるの。昔は結構それが原因でぶつかっちゃってさ…」
薫「そうなんですか…」
美香「うん。でも、今はそんな彼の事が分かってるから最後まで話を聞くようになったの。最後まで話を聞いたら、向こうは嬉しそうだし、話す時間が…一緒にいる時間が増えたの。コミュニケーションを上手く取るってのかな?関係が改善したの」
薫「素敵ですね…」
美香「だから薫さんもさ、大変でいらいらしてるタイミングだったから心に余裕がなかったんじゃない?」
薫「心の…余裕」
美香「そう、心に余裕がないといっぱいいっぱいで何も考えられなくなっちゃう。それは誰にも起こり得る事!でも、実際なっちゃうとしんどいはずだよ」
薫「そっか…余裕がなかったのね…私」
美香「結婚とかお家の事とか彼の事とか色々考えてた所に婚約者さんから少し冷たくされたら辛いよね。それ、私もきっとしんどいかも…」
薫「美香さん…」
美香「だけど、喧嘩したままはもっとしんどいよ。だから早く仲直りするべき!大好きなんでしょ?その人のこと」
薫「…はい」
美香「落ち着いて、自分の伝えたい事を伝えるの。紙に伝えたい事をメモしてても良い。それでも聞いてくれなかったら私がいくらでも愚痴を聞いてあげる!スマホ持ってる?連絡先交換しよ?」
薫「え、そんな…」
美香「ここで会ったのも何かの縁!どう?」
薫「……ごめんなさい。私、そういうの…持ってなくて…」
美香「もしかして忘れてきた?じゃあ……はい、これが私の番号を書いたメモよ。いつでも連絡して?」
薫「え、…あ、ありがとう」
美香「へへっ」
薫「……ありがとう、美香さん。私、少し心に余裕が出来たかも。彼は優しいけど私と少し似てる所があるんだったわ…きっとあの人も、心に余裕がなかったんだと思う」
美香「そっか、なら良かった」
薫「私、彼と仲直りするわ。…だから、また会えないかしら?」
美香「私と?…いいよ!連絡してくれたらいくらでも遊びましょう」
薫「あ、そういう事じゃなくて……」
美香「え?」
薫「…いえ、また会えるわ」
美香「うん…?」
薫「あ、雨が上がってるわ」
美香「本当だ!これで帰れる~。それにもうすぐバスも来る時間じゃない?」
薫「…バスはいいのよ」
美香「え?」
薫「美香さん、恋人さんと仲良くね」
美香「そっちこそ、仲直りも結婚式も上手くいくと良いね!」
薫「…近いうち、雨が急に降り出したら上手くいったと思ってくれて良いわ」
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薫「ふふっ、またね…」
美香「え?………え、薫さん?薫さんが消えた!?嘘っ、……ん?手に何か握ってる…、どんぐり?何で!?」
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終
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