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3人台本
『これが流行りの異世界転生!?』(男1:女2)約15分
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登場人物(男:1、女:2)
・アイリーン/女
丁寧な言葉遣いの女神。
・レイラ/女
男まさりな性格の女神。
・山本/男
異世界転生された学生。
【時間】約15分
【ジャンル】コメディ
【本編】
アイリーン「目覚めなさい」
山本「………」
アイリーン「目覚めなさい、選ばれし者」
山本「ぐー…」
アイリーン「目覚めっ…は?」
レイラ「がっつり寝とる…」
アイリーン「目覚めなさい、選ばれし者」(ちょっと強め)
山本「zzz」
アイリーン「目覚めろぉ!」
強烈なビンタ
山本「ぎゃあぁ!?」
レイラ「えぇぇぇ!!?」
山本「いった!?…え?ど、何処?ここ…」
アイリーン「お目覚めですか?選ばれし者」
レイラ「目覚めさせたのあんたでしょ、アイリーン」
アイリーン「何ですか、レイラ?」
レイラ「いいえ」
山本「あの…ここは?貴方達誰ですか…?」
レイラ「私はレイラ、彼女はアイリーン。私達は選ばれし者を導く女神。ここは導きの間と呼ばれる神聖な場所よ」
山本「め、女神!?」
アイリーン「貴方は選ばれたのです。選ばれし者…山本様」
山本「え、えぇ…?」
レイラ「混乱するのも無理もないわ。でも貴方の力が必要なの」
山本「なんか流行りの異世界転生物のプロローグみたいな夢だな…」
アイリーン「夢ではありません、選ばれし者」
山本「いや、夢としか思えないんですけど…」
アイリーン「夢ではありません!」
強烈なビンタ
山本「またぁ!?」
アイリーン「痛いでしょう?これでまだ夢というなら何度でも叩きます」
レイラ「ドSかお前は」
山本「っ……。わ、分かりました!話だけでも聞きますから、もう叩かないで…めっちゃ痛ぃ…」
アイリーン「分かれば宜しい、選ばれし者」
レイラ「雰囲気と行動が合ってないのよ…」
アイリーン「では、選ばれし者である山本様。早速貴方の適性と行く道を示しましょう」
山本「おぉ、それっぽい…」
レイラ「じゃあまずは私が貴方の適性を教えてあげる…行くわよ…」
アイリーン「ここで雰囲気のあるBGMですね」
ボタンを押してBGMを流す
山本「え?自分達でBGM流してるの!?」
レイラ「こら!それは見えないようにやれっていつも言ってるでしょ!?」
アイリーン「あ、ごめんごめん」
山本「いつもそう言う感じなんだ」
レイラ「がっかりしてんじゃないわよ!雰囲気作るのは大切だけど毎回派手な力使ってたらこっちが持たないのよ!」
山本「聞きなくないなぁ、そういう裏話…」
アイリーン「何事にも物事は手早く済ませないといけません。導く女神達は競争社会なのです」
山本「競争社会…?」
レイラ「だって、派手に力使ってバテてる間に、他の女神に選ばれし者を取られたら成績に響くのよ」
山本「なにその会社の業務成績みたいなの。営業かけてるの!?」
アイリーン「選ばれし者は貴方だけに留まりません」
レイラ「ぶっちゃけ5人に1人は適性あるから色んな世界に導いてるよね」
山本「5人に1人の割合?結構多くない!?後、世界ってそんなにあるの?」
レイラ「色んな世界があるわよ。あんた達にとってはRPG風って言った方が分かりやすい世界ばかりだけど」
アイリーン「多くの世界は人間以外の生物がおり、その生物達が暴れては地を焼き、人を殺す…それをみすみす見殺しには出来ません…」
山本「アイリーンさん…」
アイリーン「って、創業者が言っておりましたね」
レイラ「私達は転生させるだけの仕事だもんね。ぶっちゃけあんまり気にした事ない」
山本「聞きたくなかったそこまでは!」
レイラ「でも、創業者…んんっ、神様がそう言って心を痛めてるのは確かよ。残酷な世界ばかりなんだもの…」
山本「…レイラさん」
軽快なBGM
アイリーン「ミスった」
レイラ「アイリーン!?」
山本「雰囲気ぶち壊しだよ!」
アイリーン「ごめんごめん。押し間違えた」
レイラ「しっかりしてよね……はぁ、適性が出たからみんなに見えるようにここに映し出すわ」
山本「おぉ、何もない空間に画面が!」
アイリーン「レイラ、プロジェクター使わなくて良かったの?」
レイラ「いや、最近これ使ってなかったから感覚思い出そうと思って…」
山本「だからそういう会話やめてもらっていいかな…でも、適性があるからここに呼ばれるんじゃないの?」
アイリーン「彼を知り己を知れば百戦殆うからずです。世界も自分の適性も知らないまま転生なんて猛獣の群れに入れられたも同然なのです」
レイラ「他の女神はそのまま転生させる奴も少なくないんだけどね…でも、そうなった人間は上手くいかない事もあるから私達はやりたくないの…」
山本「そんな危険な…」
アイリーン「後、転生後の文句を少しでも和らげる為…」
レイラ「安心して。私達転生後のバックアップは定評があるの」
山本「だからその売り込みやめて貰っていい?」
レイラ「さてさて…山本君の適性は~っと……ん?」
アイリーン「は?」
山本「ど、どうですか?」(ちょっと期待してる)
レイラ「は?はぁ!?」
アイリーン「…え?最初見た時のステータスと違う」
レイラ「どういう事よアイリーン!?」
山本「え?え!?…どうしたの?」
レイラ「近年類を見ないレベルのステータス値だったのよ!?なんでこんなモブレベルのくそステータスなのよ!?」
アイリーン「おかしい…何故?……そういえば山本様を引き取る時に手続きが異様にスムーズでしたが…。適性の高い者は取り合いになって手間取る時があると言うのに…」
山本「え、オークションみたい…」
レイラ「くそっ!あのオークションサイトバグってやがったのか!?」
山本「今オークションサイトって言った!?どんだけ今時なんだよ!」
アイリーン「山本様が亡くなって適性が変わった…いや、そんな事はありない」
山本「え、亡く…え?」
レイラ「山本だいち!あんた私達を騙したの!?」
山本「え?……え、だい…ん、誰って?」
レイラ「はぁ?山本だいちでしょ?」
山本「俺…山本たいちです…。つか亡くなったって…」
レイラ「…たいち?」
アイリーン「だいちではなく?」
山本「たいちです…」
レイラ「………アイリーン。今回の選別から引き取りまで担当したのあんたよね」
アイリーン「はい」
レイラ「どう言う事?」
アイリーン「り、リストを見てみます。……はぁあ!?一段間違えてる!しかもこの方まだ亡くなってないし!」
レイラ「なんですって!?…あー!あんたまたひらがな表記のリスト使ってんの!?」
アイリーン「だって最近は珍みょ…間違えた。読みにくい名前が多いじゃないですか…」
レイラ「パソコンの方はリストナンバーで表記されてんのよ?間違えたらどうしようもないじゃん!この山本たいちの死亡確認印と山本だいちの適性を混同させてんじゃないわよ!」
アイリーン「うぅ…山本だいち…。この名前、漢字表記じゃ読めないけど絶対間違えなかったのに…」
レイラ「聖域とかいてだいちってなによ…サンクチュアリを捻れてないのよ」
山本「あの…」
レイラ「アイリーン…これは仕方ないわ」
アイリーン「はい…」
二人「すいませんでしたー!!」
山本「…そんな、土下座する勢いで…」
レイラ「素早く全力で謝る!これがトラブルが起きた時に少しでも状況を緩和する為の必勝法!」
アイリーン「すいませんでしたー!」
山本「だからサラリーマンとかじゃないんだから!」
レイラ「来てしまったものは仕方ないわ…山本君、どうする?」
山本「え?俺に聞くの?つか…死んだって…マジ?」
アイリーン「ここは亡くなった人間だけが来れる場所。だから貴方がいるのです」
山本「死んだ…そんな…」
レイラ「直前の記憶が無いのね…珍しくないわ。貴方は交通事故で亡くなった様ね」
山本「そういえば、俺は家に帰る途中だった…気付いたらここに…」
アイリーン「山本様はまだ学生…心苦しい限りです」
山本「……それも上っ面の言葉ですか?」
アイリーン「いえ、本心です。ここでは様々な死を見てきました」
レイラ「あんたみたいに若い子。事故、病気、残酷な事件…目を瞑りたくなる事ばかりよ」
アイリーン「なので、今の私達の心情は安い同情なんかではありません。どうしますか?」
山本「どうするって…」
レイラ「あんたが決めていいわよ。ここであんたの人生を新しくリスタートさせる事は出来る。異世界だけど…」
アイリーン「特別に全力でサポートを致します。これは間違ってしまった事への償いでもありますので」
山本「そっか…俺、死んじゃったのか。あんまり実感湧かないもんだね…もう母さん達には会えないんだ…」
レイラ「…会う事は出来ないけど見せる事は出来るわ…この画面見てなさい」
山本「え…」
画面が切り替わる
山本「あっ…母さんと父さんが映ってる…」
アイリーン「酷く泣いておられますね…余程貴方のことを愛してらしたのでしょう」
山本「…いつ死ぬか分からないもんだな…でも、俺が居なくなって二人が泣いてくれるなら良かったのかな…」
レイラ「良い方よ…短過ぎるけどね…」
山本「………あの、他の世界はもっと残酷なんだよね?」
レイラ「え?……えぇ、まぁね」
山本「俺に出来る事はある?」
アイリーン「……山本様」
レイラ「もしかして、転生してくれるの!?」
山本「元の世界に戻れないのなら別の世界で誰かを救いたい。俺にそれは出来ると思う?」
レイラ「…その気持ちがあれば何でも出来るわよ!」
アイリーン「全力でサポート致します!」
山本「ありがとう!」
レイラ「ステータスが高くなくてもバフやデバフを活用出来れば上手く行くのよ!やる気沸いてきたわぁ!」
アイリーン「最初はどうなるかと思いましたが、結果的には悪くありませんね」
山本「でも、アイリーンさんが間違えたんだよね…」
アイリーン「山本様?今は良い雰囲気です。流れに身を任せるのです」
レイラ「アイリーン、あんた次はないと思いなさい?」
アイリーン「はい、すみません…」
レイラ「さて、山本君!君には失礼な事をしてしまったけど、結果的には私達を救ってくれて、これから一つの世界を救うかも知れない。覚悟はいい?」
山本「…やっぱりまだ実感は湧かないけど、貴女達がいるならきっと大丈夫です」
アイリーン「困った事があったら心の中で強く私達のことを呼んでください。すぐに駆けつけます」
レイラ「達者でね!」
山本「はい!」
エンディングっぽいBGM
レイラ「そういえばさぁ、最近山本君から連絡なくない?あっちの世界じゃ数年は経ってるよね?」
アイリーン「確かに…最初の頃は頻繁に呼び出されましたのに…」
レイラ「仕事に集中してたとは言え、女神呼応システムは起動するもんね…何かあったのかな」
アイリーン「…心配ですね、様子を見に行きましょうか?」
レイラ「ったく、異世界に飛ばした後は基本的にこっちから行かないと様子を見れないって不便過ぎるわよねぇ」
アイリーン「まぁ、転生先の世界の数が多いので仕方ないですわ」
とある異世界
レイラ「ここね?山本君のいる世界は」
アイリーン「今は王都にいるはずですわ」
レイラ「おぉ、国の中心都市に住んでるとは出世したのね?」
アイリーン「して、本人は今何処に…」
山本「あれ?レイラさんにアイリーンさん?」
レイラ「山本君!」
アイリーン「お元気でしたか?」
山本「あぁ、なんとかね…でも急にどうしたの?俺呼んだっけ?」
レイラ「いや、最近全く連絡なかったからどうしたのかなって」
山本「あ、そうなんだ!なんか余計な心配掛けちゃったみたいだね」
アイリーン「無事なら良かったですわ」
山本「最近忙しくてね…この間魔王と戦ってなんとか勝ったけど身体中ボロボロでさ…やっと回復したと思ったら王都で盛大にお祝いしてくれて、次は王女との結婚式の準備でてんやわんやなんだ」
レイラ「え?」
山本「でも、魔王を倒したからと言って油断は出来ないからすぐに魔族との関係を改善する手を考えなくちゃいけないんだよね…まぁいくつか対策は思い付いてるけど」
アイリーン「ん?」
山本「あ、この後陛下達と今後の国の情勢について話し合いがあるんだった!ごめん二人ともまたゆっくり話せる時に呼び出すよ!じゃあね!」
走り去る山本
レイラ「……モブが異世界で無双するって話…本当にあるんだね」
アイリーン「お役御免とはこの事ですわね…」
アイリーン「後日、平和になった世界で山本様に呼び出された私とレイラはお城でお茶とお菓子をご馳走になりました…とさ」
レイラ「これはこれで特別ボーナスとかつかないかしら…?」
終
・アイリーン/女
丁寧な言葉遣いの女神。
・レイラ/女
男まさりな性格の女神。
・山本/男
異世界転生された学生。
【時間】約15分
【ジャンル】コメディ
【本編】
アイリーン「目覚めなさい」
山本「………」
アイリーン「目覚めなさい、選ばれし者」
山本「ぐー…」
アイリーン「目覚めっ…は?」
レイラ「がっつり寝とる…」
アイリーン「目覚めなさい、選ばれし者」(ちょっと強め)
山本「zzz」
アイリーン「目覚めろぉ!」
強烈なビンタ
山本「ぎゃあぁ!?」
レイラ「えぇぇぇ!!?」
山本「いった!?…え?ど、何処?ここ…」
アイリーン「お目覚めですか?選ばれし者」
レイラ「目覚めさせたのあんたでしょ、アイリーン」
アイリーン「何ですか、レイラ?」
レイラ「いいえ」
山本「あの…ここは?貴方達誰ですか…?」
レイラ「私はレイラ、彼女はアイリーン。私達は選ばれし者を導く女神。ここは導きの間と呼ばれる神聖な場所よ」
山本「め、女神!?」
アイリーン「貴方は選ばれたのです。選ばれし者…山本様」
山本「え、えぇ…?」
レイラ「混乱するのも無理もないわ。でも貴方の力が必要なの」
山本「なんか流行りの異世界転生物のプロローグみたいな夢だな…」
アイリーン「夢ではありません、選ばれし者」
山本「いや、夢としか思えないんですけど…」
アイリーン「夢ではありません!」
強烈なビンタ
山本「またぁ!?」
アイリーン「痛いでしょう?これでまだ夢というなら何度でも叩きます」
レイラ「ドSかお前は」
山本「っ……。わ、分かりました!話だけでも聞きますから、もう叩かないで…めっちゃ痛ぃ…」
アイリーン「分かれば宜しい、選ばれし者」
レイラ「雰囲気と行動が合ってないのよ…」
アイリーン「では、選ばれし者である山本様。早速貴方の適性と行く道を示しましょう」
山本「おぉ、それっぽい…」
レイラ「じゃあまずは私が貴方の適性を教えてあげる…行くわよ…」
アイリーン「ここで雰囲気のあるBGMですね」
ボタンを押してBGMを流す
山本「え?自分達でBGM流してるの!?」
レイラ「こら!それは見えないようにやれっていつも言ってるでしょ!?」
アイリーン「あ、ごめんごめん」
山本「いつもそう言う感じなんだ」
レイラ「がっかりしてんじゃないわよ!雰囲気作るのは大切だけど毎回派手な力使ってたらこっちが持たないのよ!」
山本「聞きなくないなぁ、そういう裏話…」
アイリーン「何事にも物事は手早く済ませないといけません。導く女神達は競争社会なのです」
山本「競争社会…?」
レイラ「だって、派手に力使ってバテてる間に、他の女神に選ばれし者を取られたら成績に響くのよ」
山本「なにその会社の業務成績みたいなの。営業かけてるの!?」
アイリーン「選ばれし者は貴方だけに留まりません」
レイラ「ぶっちゃけ5人に1人は適性あるから色んな世界に導いてるよね」
山本「5人に1人の割合?結構多くない!?後、世界ってそんなにあるの?」
レイラ「色んな世界があるわよ。あんた達にとってはRPG風って言った方が分かりやすい世界ばかりだけど」
アイリーン「多くの世界は人間以外の生物がおり、その生物達が暴れては地を焼き、人を殺す…それをみすみす見殺しには出来ません…」
山本「アイリーンさん…」
アイリーン「って、創業者が言っておりましたね」
レイラ「私達は転生させるだけの仕事だもんね。ぶっちゃけあんまり気にした事ない」
山本「聞きたくなかったそこまでは!」
レイラ「でも、創業者…んんっ、神様がそう言って心を痛めてるのは確かよ。残酷な世界ばかりなんだもの…」
山本「…レイラさん」
軽快なBGM
アイリーン「ミスった」
レイラ「アイリーン!?」
山本「雰囲気ぶち壊しだよ!」
アイリーン「ごめんごめん。押し間違えた」
レイラ「しっかりしてよね……はぁ、適性が出たからみんなに見えるようにここに映し出すわ」
山本「おぉ、何もない空間に画面が!」
アイリーン「レイラ、プロジェクター使わなくて良かったの?」
レイラ「いや、最近これ使ってなかったから感覚思い出そうと思って…」
山本「だからそういう会話やめてもらっていいかな…でも、適性があるからここに呼ばれるんじゃないの?」
アイリーン「彼を知り己を知れば百戦殆うからずです。世界も自分の適性も知らないまま転生なんて猛獣の群れに入れられたも同然なのです」
レイラ「他の女神はそのまま転生させる奴も少なくないんだけどね…でも、そうなった人間は上手くいかない事もあるから私達はやりたくないの…」
山本「そんな危険な…」
アイリーン「後、転生後の文句を少しでも和らげる為…」
レイラ「安心して。私達転生後のバックアップは定評があるの」
山本「だからその売り込みやめて貰っていい?」
レイラ「さてさて…山本君の適性は~っと……ん?」
アイリーン「は?」
山本「ど、どうですか?」(ちょっと期待してる)
レイラ「は?はぁ!?」
アイリーン「…え?最初見た時のステータスと違う」
レイラ「どういう事よアイリーン!?」
山本「え?え!?…どうしたの?」
レイラ「近年類を見ないレベルのステータス値だったのよ!?なんでこんなモブレベルのくそステータスなのよ!?」
アイリーン「おかしい…何故?……そういえば山本様を引き取る時に手続きが異様にスムーズでしたが…。適性の高い者は取り合いになって手間取る時があると言うのに…」
山本「え、オークションみたい…」
レイラ「くそっ!あのオークションサイトバグってやがったのか!?」
山本「今オークションサイトって言った!?どんだけ今時なんだよ!」
アイリーン「山本様が亡くなって適性が変わった…いや、そんな事はありない」
山本「え、亡く…え?」
レイラ「山本だいち!あんた私達を騙したの!?」
山本「え?……え、だい…ん、誰って?」
レイラ「はぁ?山本だいちでしょ?」
山本「俺…山本たいちです…。つか亡くなったって…」
レイラ「…たいち?」
アイリーン「だいちではなく?」
山本「たいちです…」
レイラ「………アイリーン。今回の選別から引き取りまで担当したのあんたよね」
アイリーン「はい」
レイラ「どう言う事?」
アイリーン「り、リストを見てみます。……はぁあ!?一段間違えてる!しかもこの方まだ亡くなってないし!」
レイラ「なんですって!?…あー!あんたまたひらがな表記のリスト使ってんの!?」
アイリーン「だって最近は珍みょ…間違えた。読みにくい名前が多いじゃないですか…」
レイラ「パソコンの方はリストナンバーで表記されてんのよ?間違えたらどうしようもないじゃん!この山本たいちの死亡確認印と山本だいちの適性を混同させてんじゃないわよ!」
アイリーン「うぅ…山本だいち…。この名前、漢字表記じゃ読めないけど絶対間違えなかったのに…」
レイラ「聖域とかいてだいちってなによ…サンクチュアリを捻れてないのよ」
山本「あの…」
レイラ「アイリーン…これは仕方ないわ」
アイリーン「はい…」
二人「すいませんでしたー!!」
山本「…そんな、土下座する勢いで…」
レイラ「素早く全力で謝る!これがトラブルが起きた時に少しでも状況を緩和する為の必勝法!」
アイリーン「すいませんでしたー!」
山本「だからサラリーマンとかじゃないんだから!」
レイラ「来てしまったものは仕方ないわ…山本君、どうする?」
山本「え?俺に聞くの?つか…死んだって…マジ?」
アイリーン「ここは亡くなった人間だけが来れる場所。だから貴方がいるのです」
山本「死んだ…そんな…」
レイラ「直前の記憶が無いのね…珍しくないわ。貴方は交通事故で亡くなった様ね」
山本「そういえば、俺は家に帰る途中だった…気付いたらここに…」
アイリーン「山本様はまだ学生…心苦しい限りです」
山本「……それも上っ面の言葉ですか?」
アイリーン「いえ、本心です。ここでは様々な死を見てきました」
レイラ「あんたみたいに若い子。事故、病気、残酷な事件…目を瞑りたくなる事ばかりよ」
アイリーン「なので、今の私達の心情は安い同情なんかではありません。どうしますか?」
山本「どうするって…」
レイラ「あんたが決めていいわよ。ここであんたの人生を新しくリスタートさせる事は出来る。異世界だけど…」
アイリーン「特別に全力でサポートを致します。これは間違ってしまった事への償いでもありますので」
山本「そっか…俺、死んじゃったのか。あんまり実感湧かないもんだね…もう母さん達には会えないんだ…」
レイラ「…会う事は出来ないけど見せる事は出来るわ…この画面見てなさい」
山本「え…」
画面が切り替わる
山本「あっ…母さんと父さんが映ってる…」
アイリーン「酷く泣いておられますね…余程貴方のことを愛してらしたのでしょう」
山本「…いつ死ぬか分からないもんだな…でも、俺が居なくなって二人が泣いてくれるなら良かったのかな…」
レイラ「良い方よ…短過ぎるけどね…」
山本「………あの、他の世界はもっと残酷なんだよね?」
レイラ「え?……えぇ、まぁね」
山本「俺に出来る事はある?」
アイリーン「……山本様」
レイラ「もしかして、転生してくれるの!?」
山本「元の世界に戻れないのなら別の世界で誰かを救いたい。俺にそれは出来ると思う?」
レイラ「…その気持ちがあれば何でも出来るわよ!」
アイリーン「全力でサポート致します!」
山本「ありがとう!」
レイラ「ステータスが高くなくてもバフやデバフを活用出来れば上手く行くのよ!やる気沸いてきたわぁ!」
アイリーン「最初はどうなるかと思いましたが、結果的には悪くありませんね」
山本「でも、アイリーンさんが間違えたんだよね…」
アイリーン「山本様?今は良い雰囲気です。流れに身を任せるのです」
レイラ「アイリーン、あんた次はないと思いなさい?」
アイリーン「はい、すみません…」
レイラ「さて、山本君!君には失礼な事をしてしまったけど、結果的には私達を救ってくれて、これから一つの世界を救うかも知れない。覚悟はいい?」
山本「…やっぱりまだ実感は湧かないけど、貴女達がいるならきっと大丈夫です」
アイリーン「困った事があったら心の中で強く私達のことを呼んでください。すぐに駆けつけます」
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山本「はい!」
エンディングっぽいBGM
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アイリーン「確かに…最初の頃は頻繁に呼び出されましたのに…」
レイラ「仕事に集中してたとは言え、女神呼応システムは起動するもんね…何かあったのかな」
アイリーン「…心配ですね、様子を見に行きましょうか?」
レイラ「ったく、異世界に飛ばした後は基本的にこっちから行かないと様子を見れないって不便過ぎるわよねぇ」
アイリーン「まぁ、転生先の世界の数が多いので仕方ないですわ」
とある異世界
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アイリーン「今は王都にいるはずですわ」
レイラ「おぉ、国の中心都市に住んでるとは出世したのね?」
アイリーン「して、本人は今何処に…」
山本「あれ?レイラさんにアイリーンさん?」
レイラ「山本君!」
アイリーン「お元気でしたか?」
山本「あぁ、なんとかね…でも急にどうしたの?俺呼んだっけ?」
レイラ「いや、最近全く連絡なかったからどうしたのかなって」
山本「あ、そうなんだ!なんか余計な心配掛けちゃったみたいだね」
アイリーン「無事なら良かったですわ」
山本「最近忙しくてね…この間魔王と戦ってなんとか勝ったけど身体中ボロボロでさ…やっと回復したと思ったら王都で盛大にお祝いしてくれて、次は王女との結婚式の準備でてんやわんやなんだ」
レイラ「え?」
山本「でも、魔王を倒したからと言って油断は出来ないからすぐに魔族との関係を改善する手を考えなくちゃいけないんだよね…まぁいくつか対策は思い付いてるけど」
アイリーン「ん?」
山本「あ、この後陛下達と今後の国の情勢について話し合いがあるんだった!ごめん二人ともまたゆっくり話せる時に呼び出すよ!じゃあね!」
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アイリーン「後日、平和になった世界で山本様に呼び出された私とレイラはお城でお茶とお菓子をご馳走になりました…とさ」
レイラ「これはこれで特別ボーナスとかつかないかしら…?」
終
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