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プロローグ
黒服
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ーー真っ暗で、何も見えない。
でも、なんだか心地が良かった。こんなに身体が軽いのは初めてだった。胸も苦しくないし、どこも痛くない。
そんな生まれて初めての“体調万全”の身体に、きっと自分は死んだんだなと理解した。
真っ暗だった視界が、次第にクリアになっていく。見えてきたのはどこまでも続く真っ白な空間と、一面に咲く美しい花々。
「ここって、天国?」
「違いますよ」
一人だと思っていた俺は、自分の独り言に突如応えが返ってきた事に驚く。見ると、そこには黒い服を着た一人の男が立っていた。青みがかった灰色の髪に、禍々しい紅い瞳をしたその男は、先の尖った歯をニッと見せて笑いかけてくる。
「ここは、世界の分岐点。まあ、例えるなら駅のプラットホームみたいなものです」
「分岐点...プラットホーム...」
「そう!あなた方の様な死者は、ここからまた違う世界に生まれ変わるんですよ」
男は、こちらにグイッと顔を近づけながら言った。そして言い終わると、ハッとして顔を上げ、「そうそう、自己紹介がまだでした。私、しにがみです」エッヘンとでも言いそうな誇らしげな顔をしている。
「シニガミさんかぁ、まるで死神みたいな名前ですね」
「いやいや、その死神であってますよ!死神に名前はありませんから」
ーーあ、そっちの死神でしたか
そう言われてみると、彼の紅い瞳などは、その禍々しく光る様が死神の名前にぴったりな気がした。
「では、早速ですが、行きましょうか!あまり時間もありませんしね」
でも、なんだか心地が良かった。こんなに身体が軽いのは初めてだった。胸も苦しくないし、どこも痛くない。
そんな生まれて初めての“体調万全”の身体に、きっと自分は死んだんだなと理解した。
真っ暗だった視界が、次第にクリアになっていく。見えてきたのはどこまでも続く真っ白な空間と、一面に咲く美しい花々。
「ここって、天国?」
「違いますよ」
一人だと思っていた俺は、自分の独り言に突如応えが返ってきた事に驚く。見ると、そこには黒い服を着た一人の男が立っていた。青みがかった灰色の髪に、禍々しい紅い瞳をしたその男は、先の尖った歯をニッと見せて笑いかけてくる。
「ここは、世界の分岐点。まあ、例えるなら駅のプラットホームみたいなものです」
「分岐点...プラットホーム...」
「そう!あなた方の様な死者は、ここからまた違う世界に生まれ変わるんですよ」
男は、こちらにグイッと顔を近づけながら言った。そして言い終わると、ハッとして顔を上げ、「そうそう、自己紹介がまだでした。私、しにがみです」エッヘンとでも言いそうな誇らしげな顔をしている。
「シニガミさんかぁ、まるで死神みたいな名前ですね」
「いやいや、その死神であってますよ!死神に名前はありませんから」
ーーあ、そっちの死神でしたか
そう言われてみると、彼の紅い瞳などは、その禍々しく光る様が死神の名前にぴったりな気がした。
「では、早速ですが、行きましょうか!あまり時間もありませんしね」
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