男子高校生異世界に憚る

やるくる

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辺境の街マルノス

賢者

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神「このへんでいいだろう」

草原に着いた俺達はこれから各自スキルの練習をする事になったのだ

神「よっしゃやっぱ魔法の世界つったらまず魔力感知だろ」

神威は目を閉じる

自分の体に流れている物と同じものが周囲にも流れてる
そんなイメージ
周りの色を無くし魔力という紫色の霧をイメージする

はじめこそぼんやりしたものしか分からなかったが今ははっきりと分かる
目を閉じていても魔力の存在が分かりちらほらと小さな塊がぽつぼつと視える
おそらく動物とスライムだろう
その中でも圧倒的に他の物を飲み込むほどデカイ反応が一つ
それほどではないにしろ動物やスライムとは比べるのも嫌になりそうな反応が一つ

神「大きいのが公平で小さいのがタツだな」

そんな感じで観察しているとふと気づいた事がある
少しずつではあるが皇の反応がある範囲にいる動物やスライムたちが皇から離れていく
神威はおそらく意識的か無意識か皇の強大な魔力から逃げているのだろうとアタリをつける

神「異世界チートの醍醐味は力の隠蔽からの開放だろっ」

そう言って再び目を閉じ魔力感知を発動させる
次に自分から溢れているであろう魔力を少しずつ自分の中に収めるイメージ

するとさっきまで感じられた溢れ出た魔力が自分の中に収まったのが分かる

神「よっしゃ、さてお待ちかねの魔法タイムだっ!!」

神威は片手を前に突き出す

どデカイ火魔法を一発ぶちかましたいがここは草原、他の二人もいるし迷惑にならないようにしなければ

イメージは水の球

ハンドボールくらいの水の球が浮かび上がる

神「行くぜ、ウォーターボール!!」

空中に浮かび上がる水球を押すように片手を前に突き出す

あれ?

その後なんども手で押して見たり叩いてみたりしたが水球は動かない

神「むむ、これはあれだな魔法とは構築して発動するまでの過程があるからきっと軌道と射出速度、着弾時の威力も考えなきゃいけないパターンだな」

そうと決まれば行動だ

魔力の隠蔽でスライムに近づいても逃げられないのを確認し、スライムに向けて両手を突き出す

イメージは風

薄く鋭い風の刃

狙いはスライムの中心にある小さな石
おそらくあれが心臓部だな
動物を殺すのは躊躇われたがスライムであればグロッキーさもないだろう

軌道は決まった
射出速度はTVでみた弓のような速さで
あの小さな石を分断するイメージ
起動詠唱はウィンドカッター

神「ウィンドカッター!!」

詠唱した瞬間目の前に浮かんでいた風の刃が一直線にスライムの中にある石に吸い込まれる

ウィンドカッターは狙い通りスライムの魔石を分断した

スライムは一瞬上下に分裂した後ドロリと溶けるように崩れ、再生する事はなかった

神「よっしゃぁぁ!!」

スライムを倒す事ができた
その後神威は新しいオモチャを貰った子供のように同じようにスライムを倒して行った

5匹ほど屠った所でステータスを確認してみた

神「ステータスオープン」

神威 悠太(7)
Lv:3
力:25
魔力:603
速さ:21
耐久:13

固有スキル
賢者

スキル
魔力感知 魔力制御 風魔法


神「経験値的には美味くないがLv1だったから上がりやすかったんだな」

この世界では産まれてすぐにLvが発生する
産まれて成長するにつれて自然と人生経験を積み7歳になればLvは3~4まで上がるようになっている

3人に関しては高校生までの経験がステータスとして現れ
この世界に転送された時に産まれたと認識されLv1になっていたのだ
通常Lv1の場合ステータスはゼロに等しいが3人ともそれには気がついていない
神威がスライムを倒してLvが2つ上がったのは赤子がスライムを倒したようなものだからだ

熟練の冒険者でもLv30あれば有名になれる
それほどまでにこの世界のLvというのは上がりにくい

神「よし、他にも試してみるか」

神威は一通り火水土風雷の5属性の魔法を使用した
もちろん火魔法は空に向けて
おそらく構築とイメージが出来さえすればどの魔法も使えるだろう

では次に何を覚えるべきか

神「防御魔法だな」

防御魔法にも色々あるんだろうがとりあえず壁作ってみるか

神威は地面に手を突く

イメージは土

土の壁が周りの地面から土をかき集めるイメージ

神威の前の地面が盛り上がる

固く整った壁をイメージし魔力を増やしていく

直感的に魔力はもういらないなと魔力の流れを遮断する

神「出来たっ」

神威は出来上がった土壁を自らの拳で小突いたり
弱めの5属性の魔法を撃ってみるもビクともしない

なかなかいい壁が作れたな

神威はもう一度土壁に触れて魔力を流し土壁を分解するイメージをする
すると土壁はあっさりと崩れて元の地面へと戻って行く

神「まだまだ行くぜっ!!」

神威は再び新たな魔法を開発すべく奮闘するのであった
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