5 / 8
辺境の街マルノス
万物創造
しおりを挟む
大きな石造りの外壁に囲まれた街
今は早朝らしく薄暗く冷んやりとした空気が静かに街を覆っている
街から伸びる道、轍の跡が残りそこだけ綺麗に草がない整備された街道…を見渡せる小高い丘に俺達3人は転送されたようだ
神「俺達本当に異世界に来たんだよな」
街を見ながら神威が独り言のように呟く
俺はそれに答えようと右側にいる神威の方に振り向いた
皇「うぉっ!?」
神「おぉうっ!?どうした!?」
右側を向いたら7歳になった神威がいて一瞬誰か分からなくて変な声を出してしまった
そうか、たしか異世界に来る時に年齢変えて貰ったのすっかり忘れてたな
皇「いや悪い、本当に7歳になったんだなって」
神「あぁなるほど」
龍「で、これからどうするんだ?いつまでも感慨に耽っていても意味ないだろう?」
こうゆう時は冷静になれるあたり変態を演じている変態である所以だろうな
そうだな、今すぐにでも街に行って色々物見遊山したい所ではあるがいかんせん今のままじゃ危険ばかりでろくに生活出来そうにないな
皇「とりあえずステータス確認してレベリングと洒落込もうぜ」
神「でたっ、突然門前に現れた少年3人は常識を知らない。でも力はSランク冒険者で周囲の人間の目を見開かせるあれだな!?」
龍「おぉ!!そんな事しちまったらきっと世界の幼女から引っ張りだこだな!!」
オタク全開と変態全開の二人は放置してステータスを確認する事にしよう
俺は片手を前に突き出し設定した文言を唱える
皇「ステータスオープン」
ブゥン
すると光剣が発するような重低音な音と共に片手のさらに先にA4を縦にしたくらいのホログラムが出現した
皇「ゲームみたいだな…」
皇 公平(7)
Lv:1
力:16
魔力:800
速さ:21
耐久:7
固有スキル
万物創造
スキル
なし
わりと大雑把なステータス表示ではあるが分かりやすいから問題ないだろう
しかしそれにしてもなかなかステータス低いな、Lv.1だからってのもあるんだろうけどこれはレベリングを早急にしないとまずい気がして来た
神龍「「ステータスオープン」開放!!」
誰だゲート開いやつは…
神威 悠太(7)
Lv:1
力:22
魔力600
速さ:19
耐久:11
固有スキル
賢者
スキル
なし
龍樹 聖人(7)
Lv:1
力:25
魔力:260
速さ:24
耐久:15
固有スキル
変身
スキル
なし
二人も同時にステータスを開いた
神威と龍樹のステータスはどちらも魔力以外はほとんど俺よりも高い
龍樹に関してはやはり元の世界でスポーツマンだっただけになかなか高いな
ステータスの1の差がどれだけ違うのか分からないがそこはこれから詰めていけば良いだろう
皇「Lv1だとまだ全体的に低いな」
神「だな、まぁその方が成長しがいがあるってもんだぜ」
龍「ステータスは把握したから次は各々固有スキルの確認しないか?」
皇「よし、じゃぁ移動するか。ここらで固有スキルなんて使って見つかったら対処出来そうにないしな」
街から離れていると言っても距離にして500メートルくらいだ
今はまだ扱い方も知らないスキルを人に見られる訳にはいかない
という事で3人は街に背を向け歩き出した
10分ほど歩いてしばらく
そこには開けた草原が広がっていた
草原にはちらほらと野性の動物やスライムらしい粘状物質が動いているのが分かる
皇「ここらへんでいいだろう」
神「おう」
龍「よし、じゃぁ太陽が45度くらい登るまでは各自好き好きにやっていこう。ただしお互いがお互いちゃんと視界に入る位置で戦うにしても野性の動物相手か多分大丈夫そうなスライムだけにしよう、もし他のモンスターや危険が近づいて来たら知らせるって事で」
皇「了解した」
神「ん」
そう言って3人が程よい距離間を取るために散っていく
よし、大分離れたし二人とも見える周りも問題なし
と、そこで万物創造を使おうとしてはたと気付く
皇「スキルってどうやって使うんだ?」
困ったな
魔力を糧にして物質を作るんだったな
魔力…魔力かぁ
なんかこう身体中の血管に血と魔力が流れてるイメージでぇ…
俺は目を瞑り血を魔力に置き換えて身体中を巡るイメージをする
なんかジワーって体に巡ってる気がするな
俺はなんとなく魔力を把握出来た
そこで手のひらを上に向けてそこに魔力を集めていく
適当な量集めたところで鏡をイメージする
すると手のひらの上の魔力が徐々に長方形を形作る
よしもう少し…
そしてついに鏡が…鏡…あれ?
俺は創り出した鏡を覗き込む
確かに反射してる
自分の少年時代の顔が浮かび上がっている
一応鏡としても遜色ないだろう
だが…
皇「おんもい…」
そう重いのだ
まるで金属で作られたように
というよりも恐らくこれは金属だろう
俺は鏡の作り方を知らない
そこで反射する銀色の板をイメージしてみたが多分そのせいだろうな
皇「より確かなイメージか…」
次は鞄だな
気持ちを切り替えて鏡を入れる鞄を作ることにする
皇「想像した物が作れるって事はイメージさえ出来ればファンタジーな物も作れるって事だよな」
今度は両手に魔力を集めていく
イメージは腰袋
流石にこの世界でリュックサックや学生鞄を作ったりしたら格好のカモだろう
誰が見ても盗ろうとは思はない
むしろ見窄らしくさえ見える腰袋
麻で出来た小汚い感じで大きさは手のひらサイズの巾着袋が具現化する
ここからイメージをどんどん追加していく
口の所は伸縮自在で中のイメージは虚空
ブラックホールのような物に物を入れて取り出すイメージ
次に砂時計をひっくり返してその中に入れる
入れた時と出す時に砂の量を変動させないイメージで…
イメージを追加し終わった所で魔力をさらに集めて固定する
皇「出来た!!」
両手に乗った巾着袋を持ち上げて触ってみる
見た目は麻布で毛羽立っているように見えるが感触は完全にゴムというなんともちぐはぐな感じだがイメージ通りと言えるだろう
次に口を開けて中を確認する
ゴゴゴゴオォォと擬音が出そうな黒い渦がなんとも禍々しい
だがそれもイメージ通り
意を決して先ほど作った鏡を入れる
ズシリ
皇「あ…」
入れられた
取り出せもした
だが…
皇「おんもい…」
イメージの中に重さの事など入れたなかった
恐らくそのせいで入れたものの重さは腰袋に蓄積されるような設計になったのだろうと思われる
皇「イメージって案外難しいな…」
その後も試行錯誤を繰り返しながら固有スキルの練習を行った
今は早朝らしく薄暗く冷んやりとした空気が静かに街を覆っている
街から伸びる道、轍の跡が残りそこだけ綺麗に草がない整備された街道…を見渡せる小高い丘に俺達3人は転送されたようだ
神「俺達本当に異世界に来たんだよな」
街を見ながら神威が独り言のように呟く
俺はそれに答えようと右側にいる神威の方に振り向いた
皇「うぉっ!?」
神「おぉうっ!?どうした!?」
右側を向いたら7歳になった神威がいて一瞬誰か分からなくて変な声を出してしまった
そうか、たしか異世界に来る時に年齢変えて貰ったのすっかり忘れてたな
皇「いや悪い、本当に7歳になったんだなって」
神「あぁなるほど」
龍「で、これからどうするんだ?いつまでも感慨に耽っていても意味ないだろう?」
こうゆう時は冷静になれるあたり変態を演じている変態である所以だろうな
そうだな、今すぐにでも街に行って色々物見遊山したい所ではあるがいかんせん今のままじゃ危険ばかりでろくに生活出来そうにないな
皇「とりあえずステータス確認してレベリングと洒落込もうぜ」
神「でたっ、突然門前に現れた少年3人は常識を知らない。でも力はSランク冒険者で周囲の人間の目を見開かせるあれだな!?」
龍「おぉ!!そんな事しちまったらきっと世界の幼女から引っ張りだこだな!!」
オタク全開と変態全開の二人は放置してステータスを確認する事にしよう
俺は片手を前に突き出し設定した文言を唱える
皇「ステータスオープン」
ブゥン
すると光剣が発するような重低音な音と共に片手のさらに先にA4を縦にしたくらいのホログラムが出現した
皇「ゲームみたいだな…」
皇 公平(7)
Lv:1
力:16
魔力:800
速さ:21
耐久:7
固有スキル
万物創造
スキル
なし
わりと大雑把なステータス表示ではあるが分かりやすいから問題ないだろう
しかしそれにしてもなかなかステータス低いな、Lv.1だからってのもあるんだろうけどこれはレベリングを早急にしないとまずい気がして来た
神龍「「ステータスオープン」開放!!」
誰だゲート開いやつは…
神威 悠太(7)
Lv:1
力:22
魔力600
速さ:19
耐久:11
固有スキル
賢者
スキル
なし
龍樹 聖人(7)
Lv:1
力:25
魔力:260
速さ:24
耐久:15
固有スキル
変身
スキル
なし
二人も同時にステータスを開いた
神威と龍樹のステータスはどちらも魔力以外はほとんど俺よりも高い
龍樹に関してはやはり元の世界でスポーツマンだっただけになかなか高いな
ステータスの1の差がどれだけ違うのか分からないがそこはこれから詰めていけば良いだろう
皇「Lv1だとまだ全体的に低いな」
神「だな、まぁその方が成長しがいがあるってもんだぜ」
龍「ステータスは把握したから次は各々固有スキルの確認しないか?」
皇「よし、じゃぁ移動するか。ここらで固有スキルなんて使って見つかったら対処出来そうにないしな」
街から離れていると言っても距離にして500メートルくらいだ
今はまだ扱い方も知らないスキルを人に見られる訳にはいかない
という事で3人は街に背を向け歩き出した
10分ほど歩いてしばらく
そこには開けた草原が広がっていた
草原にはちらほらと野性の動物やスライムらしい粘状物質が動いているのが分かる
皇「ここらへんでいいだろう」
神「おう」
龍「よし、じゃぁ太陽が45度くらい登るまでは各自好き好きにやっていこう。ただしお互いがお互いちゃんと視界に入る位置で戦うにしても野性の動物相手か多分大丈夫そうなスライムだけにしよう、もし他のモンスターや危険が近づいて来たら知らせるって事で」
皇「了解した」
神「ん」
そう言って3人が程よい距離間を取るために散っていく
よし、大分離れたし二人とも見える周りも問題なし
と、そこで万物創造を使おうとしてはたと気付く
皇「スキルってどうやって使うんだ?」
困ったな
魔力を糧にして物質を作るんだったな
魔力…魔力かぁ
なんかこう身体中の血管に血と魔力が流れてるイメージでぇ…
俺は目を瞑り血を魔力に置き換えて身体中を巡るイメージをする
なんかジワーって体に巡ってる気がするな
俺はなんとなく魔力を把握出来た
そこで手のひらを上に向けてそこに魔力を集めていく
適当な量集めたところで鏡をイメージする
すると手のひらの上の魔力が徐々に長方形を形作る
よしもう少し…
そしてついに鏡が…鏡…あれ?
俺は創り出した鏡を覗き込む
確かに反射してる
自分の少年時代の顔が浮かび上がっている
一応鏡としても遜色ないだろう
だが…
皇「おんもい…」
そう重いのだ
まるで金属で作られたように
というよりも恐らくこれは金属だろう
俺は鏡の作り方を知らない
そこで反射する銀色の板をイメージしてみたが多分そのせいだろうな
皇「より確かなイメージか…」
次は鞄だな
気持ちを切り替えて鏡を入れる鞄を作ることにする
皇「想像した物が作れるって事はイメージさえ出来ればファンタジーな物も作れるって事だよな」
今度は両手に魔力を集めていく
イメージは腰袋
流石にこの世界でリュックサックや学生鞄を作ったりしたら格好のカモだろう
誰が見ても盗ろうとは思はない
むしろ見窄らしくさえ見える腰袋
麻で出来た小汚い感じで大きさは手のひらサイズの巾着袋が具現化する
ここからイメージをどんどん追加していく
口の所は伸縮自在で中のイメージは虚空
ブラックホールのような物に物を入れて取り出すイメージ
次に砂時計をひっくり返してその中に入れる
入れた時と出す時に砂の量を変動させないイメージで…
イメージを追加し終わった所で魔力をさらに集めて固定する
皇「出来た!!」
両手に乗った巾着袋を持ち上げて触ってみる
見た目は麻布で毛羽立っているように見えるが感触は完全にゴムというなんともちぐはぐな感じだがイメージ通りと言えるだろう
次に口を開けて中を確認する
ゴゴゴゴオォォと擬音が出そうな黒い渦がなんとも禍々しい
だがそれもイメージ通り
意を決して先ほど作った鏡を入れる
ズシリ
皇「あ…」
入れられた
取り出せもした
だが…
皇「おんもい…」
イメージの中に重さの事など入れたなかった
恐らくそのせいで入れたものの重さは腰袋に蓄積されるような設計になったのだろうと思われる
皇「イメージって案外難しいな…」
その後も試行錯誤を繰り返しながら固有スキルの練習を行った
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
月が導く異世界道中
あずみ 圭
ファンタジー
月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。
真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。
彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。
これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。
漫遊編始めました。
外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編

Another World〜自衛隊 まだ見ぬ世界へ〜
華厳 秋
ファンタジー
───2025年1月1日
この日、日本国は大きな歴史の転換点を迎えた。
札幌、渋谷、博多の3箇所に突如として『異界への門』──アナザーゲート──が出現した。
渋谷に現れた『門』から、異界の軍勢が押し寄せ、無抵抗の民間人を虐殺。緊急出動した自衛隊が到着した頃には、敵軍の姿はもうなく、スクランブル交差点は無惨に殺された民間人の亡骸と血で赤く染まっていた。
この緊急事態に、日本政府は『門』内部を調査するべく自衛隊を『異界』──アナザーワールド──へと派遣する事となった。
一方地球では、日本の急激な軍備拡大や『異界』内部の資源を巡って、極東での緊張感は日に日に増して行く。
そして、自衛隊は国や国民の安全のため『門』内外問わず奮闘するのであった。
この作品は、小説家になろう様カクヨム様にも投稿しています。
この作品はフィクションです。
実在する国、団体、人物とは関係ありません。ご注意ください。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる