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訓練?
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見渡すとなにかの施設の門が目の前にあるだけだあとは二股にわかれた道がある。
「え。地井頭、ここでキャンプなの?」
「まさか。ここから下るよ。じゃ愛洲、乗って」
「下だるんだ?」
沙織はズーマに乗り香織が乗ったのを一瞥して二股道の右のほうへ走った。
香織もついていくと大きくくねったカーブの下り坂だ。
右側の木々の間から山々が見える。
しかし先頭の沙織はカーブを速度を落とし、慎重に曲がっていく。
山道で車との出会い頭のお見合いはお互いびっくりする。
と、思った矢先沙織のズーマーが止まった。
見るとカーブから車が音もなくゆっくりと現れた。
互いにすれ違う瞬間は慎重だ。
それに最近のハイブリッドカーは音がしない。
沙織は慣れた感じで車の側面から消えた。
今度は香織がすれ違う。
互いにもうわかってるので驚きはない。
しかしもうひとつのカーブを見たときすでに沙織の姿はなかった。
「え?地井頭。…どこ行った?」
もう一度カーブを曲がると道路を外れた野道に香織を待つ沙織を見つけた。
「あそこを入ってくんだ」
香織が追いついたのを見て沙織は大声で言った。
「ここは気合いで登るよ。倒れる前にアクセル蒸して!コケないでね」
そう言って野道の坂を登って行った。
小川に沿った野道で大きな石が行く手を阻む。
沙織はハンドルを鋭く切りながら登って行った。
石をよけるとバランスが崩れそうになって足を着きそうになる。
足を着くとバイクの勢いが止まり倒れてしまう。下手したら最悪、小川に落ちることもありそうだ。
沙織はそのことを言ってたのだろう。
しかもどうやらコンクリートで舗装されてたであろう道がなにが原因か砕けている。
香織は言われたようにアクセルを蒸した。
バイクが前進しようとする。
でまた立ちはだかる石をよける。
合気道の多人数掛けを思い出した。
次から次へと相手が向かってくる。
しかしこれはあんなもんじゃない。
合気道は相手が人間で待ってくれることもある。
この悪路は待ってはくれない。
こちらを倒そうと悪い石をそのへんに待ち伏せさせている。
「悪い石め!」
細いリトルカブのタイヤでなんとか石をかわし、必殺の絶対シフト1で悪路を登りきった。
すると少し開けた道に出た。
鬱蒼とそり立つ杉の木々、人が歩く道がある。
沙織はズーマに寄りかかり相棒がたどり着くのを待っていた。
「愛洲。ここにバイク止めるよ」
「ここに?」
香織はズーマのとなりにリトルカブを停めた。
坂道で別の角度からも傾斜がかかってる。
なんとか倒れない角度を探して停めた。
「こっからは歩くよ」
「キャンプっぽいね」
しかし見ると坂道がそびえ立っている。
先が見えない。
持ってきたリュックを背負ってこれからこの坂道を登るのだ。
「え。訓練?」
「違う違う。デイキャンプ」
「これ、この間テレビでやってた自衛隊の訓練じゃん」
「あはははは。そう?」
「女子のキャンプってもうちょっとゆるいもなじゃないの?川に落ちるかもしれない悪路の坂道とかってもう訓練じゃん」
「すぐそこだから。文句とか訓練とか言わないの」
「え。地井頭、ここでキャンプなの?」
「まさか。ここから下るよ。じゃ愛洲、乗って」
「下だるんだ?」
沙織はズーマに乗り香織が乗ったのを一瞥して二股道の右のほうへ走った。
香織もついていくと大きくくねったカーブの下り坂だ。
右側の木々の間から山々が見える。
しかし先頭の沙織はカーブを速度を落とし、慎重に曲がっていく。
山道で車との出会い頭のお見合いはお互いびっくりする。
と、思った矢先沙織のズーマーが止まった。
見るとカーブから車が音もなくゆっくりと現れた。
互いにすれ違う瞬間は慎重だ。
それに最近のハイブリッドカーは音がしない。
沙織は慣れた感じで車の側面から消えた。
今度は香織がすれ違う。
互いにもうわかってるので驚きはない。
しかしもうひとつのカーブを見たときすでに沙織の姿はなかった。
「え?地井頭。…どこ行った?」
もう一度カーブを曲がると道路を外れた野道に香織を待つ沙織を見つけた。
「あそこを入ってくんだ」
香織が追いついたのを見て沙織は大声で言った。
「ここは気合いで登るよ。倒れる前にアクセル蒸して!コケないでね」
そう言って野道の坂を登って行った。
小川に沿った野道で大きな石が行く手を阻む。
沙織はハンドルを鋭く切りながら登って行った。
石をよけるとバランスが崩れそうになって足を着きそうになる。
足を着くとバイクの勢いが止まり倒れてしまう。下手したら最悪、小川に落ちることもありそうだ。
沙織はそのことを言ってたのだろう。
しかもどうやらコンクリートで舗装されてたであろう道がなにが原因か砕けている。
香織は言われたようにアクセルを蒸した。
バイクが前進しようとする。
でまた立ちはだかる石をよける。
合気道の多人数掛けを思い出した。
次から次へと相手が向かってくる。
しかしこれはあんなもんじゃない。
合気道は相手が人間で待ってくれることもある。
この悪路は待ってはくれない。
こちらを倒そうと悪い石をそのへんに待ち伏せさせている。
「悪い石め!」
細いリトルカブのタイヤでなんとか石をかわし、必殺の絶対シフト1で悪路を登りきった。
すると少し開けた道に出た。
鬱蒼とそり立つ杉の木々、人が歩く道がある。
沙織はズーマに寄りかかり相棒がたどり着くのを待っていた。
「愛洲。ここにバイク止めるよ」
「ここに?」
香織はズーマのとなりにリトルカブを停めた。
坂道で別の角度からも傾斜がかかってる。
なんとか倒れない角度を探して停めた。
「こっからは歩くよ」
「キャンプっぽいね」
しかし見ると坂道がそびえ立っている。
先が見えない。
持ってきたリュックを背負ってこれからこの坂道を登るのだ。
「え。訓練?」
「違う違う。デイキャンプ」
「これ、この間テレビでやってた自衛隊の訓練じゃん」
「あはははは。そう?」
「女子のキャンプってもうちょっとゆるいもなじゃないの?川に落ちるかもしれない悪路の坂道とかってもう訓練じゃん」
「すぐそこだから。文句とか訓練とか言わないの」
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