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逆半身と相半身

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「次は相半身で」

「えっと」

「もう片方の手で掴んで」

「ああ、そゆこと」

沙織は右手で香織の右手首を掴んだ。

「今度は体の変更三」

香織はまた身体を反転させ一と同じように沙織と並んだ。しかし今度は伸び切った沙織の腕の下から前腕を当て肘をキメられる形をとった。

「おお!」

体の変更を終えると香織は一教から教えた。

「逆半身片手捕りの一教から」

「逆半身…はい」

沙織が香織の左手首を右手で掴んだ。
香織はサッと横へ踏み出し掴まれた腕を開き、空いた手で沙織のあごに下から突く形をとった。

「お!」

掴んでいる沙織の手首を取りかち上げると同時に掴まれていた手で肘を掴み、沙織の左側へ踏み込みながら腰の高さへ落とした。
さらに一歩進みながら正座した。
すると沙織も腕を取られたままうつ伏せに抑えられた。

「これが一教」

「一教?」

「…の表ね」

「表?」

「裏があるから」

「裏?」

「今のは逆半身からだけど、相半身からもやるから」

「え、待って逆半身の…」

「片手捕りからの一教表」

「で、その裏があるんでしょ?」

「そう。そして相半身片手捕りからの一教表、裏。で抑え技は一教から五教まであるから」

「え。一教から五教?それ全部表と裏があるの?」

「そう」

「へえ。それで技、全部?」

「まさか。呼吸投げ、四方投げ、小手返し、入身投げ、回転投げ、えーっと腰投げとかもあるよ」

「それ全部表裏があるの?」

「投げで表裏があるのは四方投げくらいかな」

「相半身片手捕りと逆半身片手捕りでやるんだ」

「だけじゃないよ。入り方は正面打ち、横面打ち、両手持ち、両手捕り、袖、肩、襟捕り、襟締め、後ろ両手捕り、後ろ襟捕り、後ろ襟締めとかある」

沙織は自分の頭を両手で掴んでパニックという顔をしてみせた。

「ゲッ。それ全部覚えんの?」

沙織の大げさな仕草に爽やかな笑みで答えた。

「徐々にやってこ」

香織は沙織の手首を掴んだ。

「じゃ、やってみて」

「えっと…」

ぎこちなく沙織は香織がやったように動いてみた。

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