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おじさん♡お大事になさいませ
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クラウディア♡
遺憾千万、で御座います!
妾の愛しき、それは大切で大事な御方様の一大事に!
立ち会う事は、妾の悲願でした。
その為に万事滞りなくと来たる佳き日に備えて参りましたわ♡
そう、で御座いましたのに…
その、佳き日は余りにも唐突で御座いました。
故に、何という、、事でしょう!
我が君の御側に、、、妾がようやっと駆けつけた頃には…
何もかもが済んでしまっていた、の。
あまりに口惜しい事態に、打ち拉がれましたわ!
「なんたる、悲劇…ッ!」
「なんという、無情…ッ!」
妾は親友とひしと手を取り合い、悲嘆にくれた。
女王のお産は、たまさかの奇蹟で有る。
Ωのその御魂の分配が下されのだ。
それはαには最高の出来事である。
またこの世の理りに属する全てにおいてもそれは同じ事だ。
故にルイスが領地は狂ったように、Ωのたれし恩恵への愛を爆発させた!
なんと御子が生まれ出し瞬間に、歓喜した大地は一斉に叫ぶかの如く芽吹いたのである。
さらに春夏秋冬を弁えず花を開いては実りをつけ、新緑を蔓延らせては水際までも命を誇った。
また空は爽やかに晴れ渡り、麗かな光が降り注ぎ、吹く風は芳しく穏やかに全ての生き物を優しく撫でていく。
それはこの上ない完全な美だった。
とはいえそれはΩ女王の恩恵によって得た力の濫用であると言えよう。
余りにも理りを度外視した奔放なまでの恵みっぷりだ!
つまり我らが領地は他国の大地に大気に、生ける者どもの全てに、Ω女王を頂いた事の威光を誇示した訳である。
α族の統べし大陸の中央で起こったこの劇的な有り様をして、新時代が幕開けたのだ!
我がルイスに最上の後継者が誕生し、只今の支配者には御子の御威光がもたらされよう!
王の侍従として、その始まりが生まれし瞬間に御身に侍る事がならなかった罪悪に、この身は焼かれんばかりの焦燥に明け暮れておる。
しかし、それすら何ともおこがましい事でした。
「…、、ご、ごめん、なさい!、、、ど~しても、我慢、出来なくて…」
この様に♡
主の一大事に侍る栄誉を仕損じては泣き喚き懺悔す侍女共に、我らが女王はお謝りなすった!
これにはひと溜まりもありませんでしたわ!
愚図っていては視作生が余計な心配りに可愛いお顔を曇らせてしまう。
だから、もう!
この御慶びに存分と浸りましょう♡
「イチロー様♡」
「ジロー様♡」
美しくも尊き、私の愛孫たる御方は!
すやすやと御寝みです♡
第一王子殿下はその御名を、イチロー・セバスティアン様と成られました。
また第二王子殿下のその御名は、ジロー・マクシミリアン様であられます。
ルイスにおいて通常、御子の名は同性の親の名を継ぐものだ。
が、しかし!
怪訝な御顔の視作生の、鶴の一声でございました!
「…、、いや、親子で同じ名前とか、紛らわしいよ?」
その様な理由により、皇子様方は未だ視作生の御胎の中においでの頃に、御呼ばれなすった愛称をままに名付けられたのである。
「いっくん♡じろくん♡おばあちゃまの抱っこ、いいねぇ」
愛し子を我らの胸にお任せなすって、優しくお声がけなさる。
“おばあちゃま♡”
私と私の同志に与えられし、新しき称号が誇らしい!
感動に胸を熱くしていると、御子様の健やかな頬に手を伸ばして撫でながら、女王は朗らかかと宣った。
「んふ♡いろいろあったけど、次はきっと、もっとイイ感じでお産出来るんじゃないかなぁ」
次。
つぎ、つ、つ、つ、、、お、次ぎ!
「…、、、そ、それは!タロー様とジロー様の、お次ぎのお子様、、のお話しでしょうかしら?」
「ん♡そう」
「…、、、、、そう、で御座います、か」
あなたときたら、とても簡単な事のように“そう”と仰いますのね!
なんとも容易く奇跡の再来を告げる我が君に、あなたの侍女は翻弄されておりますわよ!
「…そ、そ、そ!、、そう、で御座いますのねっ、、」
妾の隣りで同じく狼狽えていた親友が震える声音で再度お尋ね申し上げた。
それが何とも不審に感じて側らを見遣ると…
「!!!、、あら!」
なんとまあ、よくよく見ればブレンダリー!
前のめりが過ぎて跪かんばかりね!
感激による興奮で目を血走らせ、鼻息も荒く尋常ではないわ!
視作生を怯えさせてしまいそうで、妾は彼女の肩をぎゅうと捕まえる。
するとそんな侍女の奇行には構わず、我が主は瞳をキラキラと瞬かせて夢見る人の様に続けなすった!
「僕、ひとりっ子だから、兄弟に憧れがあるんだ。まぁ、この子達はすでにふたりっ子ではあるんだけどさぁ」
眠る御子の背なや頬を優しく撫でながら、女王は微笑む。
「この子達を絶対、独りぼっちにしたくないんだ。、、ん、そんな事にはならないってわかってるよ?、、みんながいてくれるんだもの。僕は、独りじゃない」
ほんのりと目元を桃色に染めて、面映そうに我が君はつぶやいた。
視作生は天涯孤独でいらした。
その事は今もあなたの御心を時に冷やすのですね。
はい、あなたを独りになど絶対にいたしません!
この、命にかけて誓いましょう!
しかし、我が君の信頼を込めた御言葉に、決意を込めて目を地走らせる我ら侍女らを!
「なにせ僕って、子沢山な体質なんでしょ?だったら!産めるだけ、産みたいんだ♡」
我が君はさらに追い込むのでした♡
「、、、!、、な、な、何ですって!」
あなた様という、御方様は…
その様に容易に、御次ぎの御子様を次々にと迎えるおつもりですのね!
凄まじくも、天晴れで御座います♡
「えっと、すごく大変な事だよね!でもさ、お母さん達や侍女ーズのみんながそばに居てくれるなら、僕、がんばれそうなんだ。、、甘えた事言ってて、恥ずかしいけど…」
なんとも甘い、女王のおねだりで御座いました♡
「ご安心くださいませ!このブレンダリー、死んでも!死んでも!君のお側に侍りますゆえ!」
たまらず食い気味に応える同志に、可愛い君はビクリと肩をすくませる。
しかし、妾とて!
もうこの場を制する理性も吹き飛んでしまったわ!
「視作生、視作生!有難き、幸せ!」
妾とて、と負けじと君に縋りつくのです♡
「うん。みんなで幸せになりましょう」
可愛い御顔を笑みで綻ばせた女王は、さらなる幸福を垂れたのでした。
いざ、芽吹の時!
この常春は未だ未だと続くのですわ!
視作生の愛はいずれ、西欧大陸を覆うのでしょう♡
・:*+.\(( °ω° ))/.:+
遺憾千万、で御座います!
妾の愛しき、それは大切で大事な御方様の一大事に!
立ち会う事は、妾の悲願でした。
その為に万事滞りなくと来たる佳き日に備えて参りましたわ♡
そう、で御座いましたのに…
その、佳き日は余りにも唐突で御座いました。
故に、何という、、事でしょう!
我が君の御側に、、、妾がようやっと駆けつけた頃には…
何もかもが済んでしまっていた、の。
あまりに口惜しい事態に、打ち拉がれましたわ!
「なんたる、悲劇…ッ!」
「なんという、無情…ッ!」
妾は親友とひしと手を取り合い、悲嘆にくれた。
女王のお産は、たまさかの奇蹟で有る。
Ωのその御魂の分配が下されのだ。
それはαには最高の出来事である。
またこの世の理りに属する全てにおいてもそれは同じ事だ。
故にルイスが領地は狂ったように、Ωのたれし恩恵への愛を爆発させた!
なんと御子が生まれ出し瞬間に、歓喜した大地は一斉に叫ぶかの如く芽吹いたのである。
さらに春夏秋冬を弁えず花を開いては実りをつけ、新緑を蔓延らせては水際までも命を誇った。
また空は爽やかに晴れ渡り、麗かな光が降り注ぎ、吹く風は芳しく穏やかに全ての生き物を優しく撫でていく。
それはこの上ない完全な美だった。
とはいえそれはΩ女王の恩恵によって得た力の濫用であると言えよう。
余りにも理りを度外視した奔放なまでの恵みっぷりだ!
つまり我らが領地は他国の大地に大気に、生ける者どもの全てに、Ω女王を頂いた事の威光を誇示した訳である。
α族の統べし大陸の中央で起こったこの劇的な有り様をして、新時代が幕開けたのだ!
我がルイスに最上の後継者が誕生し、只今の支配者には御子の御威光がもたらされよう!
王の侍従として、その始まりが生まれし瞬間に御身に侍る事がならなかった罪悪に、この身は焼かれんばかりの焦燥に明け暮れておる。
しかし、それすら何ともおこがましい事でした。
「…、、ご、ごめん、なさい!、、、ど~しても、我慢、出来なくて…」
この様に♡
主の一大事に侍る栄誉を仕損じては泣き喚き懺悔す侍女共に、我らが女王はお謝りなすった!
これにはひと溜まりもありませんでしたわ!
愚図っていては視作生が余計な心配りに可愛いお顔を曇らせてしまう。
だから、もう!
この御慶びに存分と浸りましょう♡
「イチロー様♡」
「ジロー様♡」
美しくも尊き、私の愛孫たる御方は!
すやすやと御寝みです♡
第一王子殿下はその御名を、イチロー・セバスティアン様と成られました。
また第二王子殿下のその御名は、ジロー・マクシミリアン様であられます。
ルイスにおいて通常、御子の名は同性の親の名を継ぐものだ。
が、しかし!
怪訝な御顔の視作生の、鶴の一声でございました!
「…、、いや、親子で同じ名前とか、紛らわしいよ?」
その様な理由により、皇子様方は未だ視作生の御胎の中においでの頃に、御呼ばれなすった愛称をままに名付けられたのである。
「いっくん♡じろくん♡おばあちゃまの抱っこ、いいねぇ」
愛し子を我らの胸にお任せなすって、優しくお声がけなさる。
“おばあちゃま♡”
私と私の同志に与えられし、新しき称号が誇らしい!
感動に胸を熱くしていると、御子様の健やかな頬に手を伸ばして撫でながら、女王は朗らかかと宣った。
「んふ♡いろいろあったけど、次はきっと、もっとイイ感じでお産出来るんじゃないかなぁ」
次。
つぎ、つ、つ、つ、、、お、次ぎ!
「…、、、そ、それは!タロー様とジロー様の、お次ぎのお子様、、のお話しでしょうかしら?」
「ん♡そう」
「…、、、、、そう、で御座います、か」
あなたときたら、とても簡単な事のように“そう”と仰いますのね!
なんとも容易く奇跡の再来を告げる我が君に、あなたの侍女は翻弄されておりますわよ!
「…そ、そ、そ!、、そう、で御座いますのねっ、、」
妾の隣りで同じく狼狽えていた親友が震える声音で再度お尋ね申し上げた。
それが何とも不審に感じて側らを見遣ると…
「!!!、、あら!」
なんとまあ、よくよく見ればブレンダリー!
前のめりが過ぎて跪かんばかりね!
感激による興奮で目を血走らせ、鼻息も荒く尋常ではないわ!
視作生を怯えさせてしまいそうで、妾は彼女の肩をぎゅうと捕まえる。
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「僕、ひとりっ子だから、兄弟に憧れがあるんだ。まぁ、この子達はすでにふたりっ子ではあるんだけどさぁ」
眠る御子の背なや頬を優しく撫でながら、女王は微笑む。
「この子達を絶対、独りぼっちにしたくないんだ。、、ん、そんな事にはならないってわかってるよ?、、みんながいてくれるんだもの。僕は、独りじゃない」
ほんのりと目元を桃色に染めて、面映そうに我が君はつぶやいた。
視作生は天涯孤独でいらした。
その事は今もあなたの御心を時に冷やすのですね。
はい、あなたを独りになど絶対にいたしません!
この、命にかけて誓いましょう!
しかし、我が君の信頼を込めた御言葉に、決意を込めて目を地走らせる我ら侍女らを!
「なにせ僕って、子沢山な体質なんでしょ?だったら!産めるだけ、産みたいんだ♡」
我が君はさらに追い込むのでした♡
「、、、!、、な、な、何ですって!」
あなた様という、御方様は…
その様に容易に、御次ぎの御子様を次々にと迎えるおつもりですのね!
凄まじくも、天晴れで御座います♡
「えっと、すごく大変な事だよね!でもさ、お母さん達や侍女ーズのみんながそばに居てくれるなら、僕、がんばれそうなんだ。、、甘えた事言ってて、恥ずかしいけど…」
なんとも甘い、女王のおねだりで御座いました♡
「ご安心くださいませ!このブレンダリー、死んでも!死んでも!君のお側に侍りますゆえ!」
たまらず食い気味に応える同志に、可愛い君はビクリと肩をすくませる。
しかし、妾とて!
もうこの場を制する理性も吹き飛んでしまったわ!
「視作生、視作生!有難き、幸せ!」
妾とて、と負けじと君に縋りつくのです♡
「うん。みんなで幸せになりましょう」
可愛い御顔を笑みで綻ばせた女王は、さらなる幸福を垂れたのでした。
いざ、芽吹の時!
この常春は未だ未だと続くのですわ!
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