勇者の嫁にされ――なりました。【改稿予定】

るし

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03.異世界召喚されたんだけど、婚約者に格上げされました

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「ヘタレ」

 ぼそりと、あたしの直ぐ傍で呟く声。視線を向けるとロザリンド姫が唇を尖らせていた。

「でも、まぁ、退かなかったのは褒めてあげるわ。一応認めてあげる」

 くすくすと、口元に手を当てて笑みを零す。こ、これは……、

「謀られた?」

「まぁ、人聞きの悪い。私がそんな人間に見えまして?」

「見えないからタチが悪いです」

「あら、正直ね。気に入ってよ、お姉さま」

 お姉さま!?

「見たところ貴女不器用そうで、余り頭の巡りも良くなさそうですもの。仕方ないから私がお姉さまの後ろ盾になってあげるわ」

 感謝しなさいと、斜に構えて見上げられる。目線は下にあるのに、見下ろされているような気がするのは何故だろう。でもさ、それって要するに、あたしがバカで鈍感って事だよね。

「サクラハルカさま、ロザリンド姫は王より溺愛されておられます。彼女が味方に着くのは心強いかと」

 言い返そうとしたのに気づいたのか、そんな風に取り成す魔法使い。それはそうかもしれないけどさ。

「そうよ、どうせ貴女帰れないのだもの。味方は多い方が良いし、ここで生きるにはユキヤの奥さんになるのが1番よ」

「ロザリンド姫! それは……」

「隠したって直ぐ判る事でしょ? 先に教えて置いた方が親切だわ」

 長瀬くんは姫を嗜めようとしたのだけど、あたしは苦笑して首を振った。姫の言う通りだもの。

「や、何となくそうかなって、思ってたので大丈夫です」

 帰還出来るかどうか、異世界トリップの話において、結構重要な事である。役目を終えたら帰れる話もあれば、帰れない話もある。
 そもそも魔王を倒した長瀬くんが、何故元の世界へ帰らずあたしがここに呼ばれたか。考えれば単純な事。でもこうして帰れないとはっきり判るのは、まだ実感は湧かないものの、ちょっとクルものがあるのは確かだけどね。

「同じ世界から呼ぶのは座標軸が既にあるので、そう難しくはないのですが、送り返すのは単純に座標軸を特定するだけではダメなのです」

 一応長瀬くんを帰す方法は研究されていて、あたしを召喚したのも、その研究成果のひとつらしい。

 シュテンドダルドは、長瀬くんから聞いた話とあたしの特徴、身長体重だののプロフィールを基に、彼が転移した座標軸に目標を合わせ、あたしが彼に続いて屋上の扉を開けるタイミングで術を発動させたらしい。でもさ、ひとつツッコミ入れて良い? 長瀬くん、そのあたしの身長体重他諸々のトップシークレット、一体どうやって手に入れたのよ。乙女の秘密を守る会会長として、あたしはそっちの方が気になるんだけど! あ、ちなみに今作りました。

 それはさておき、それって屋上に行かなかったら、召喚されなかったという事だよね。あたしが手紙を読んで屋上に行くかどうか、そんな不確実な可能性を信じる事と、あたしが屋上へ到達する時刻まで、何度も何度も召喚を繰り返す根気が必要だけど。それを聞いたら、シュテンドダルドを怒ったり詰ったり出来なくなってしまった。彼も彼なりに長瀬くんの事を考えてやった事なのだし。もっとも幾ら特徴をあたしに合わせていたとはいえ、あたし以外の人間が、召喚される確率もあったと思うけど。

「まさかユキヤさまの片思いだとは思ってもよらず、本当に申し訳ない事をしました」

 そう言ってシュテンドダルドは頭を下げて来た。この世界の謝罪も頭を下げるのかと、ちょっとズレた事を思う。

「あ、ドゲザの方が良かったですよね。ユキヤさまの世界の謝罪方法だと聞きました」

「いや、そこまでやらなくても良いです!」

 確かに土下座も謝罪方法だけど、長瀬くん何を教えてるのよ。
 勇者さまの異世界の恋人の話は、どうやらかなり有名らしく、引き離された恋人を思う勇者さまと言うタイトルで、吟遊詩人の歌や悲劇のお芝居にも使われているそうだ。やめて、お芝居とか何の羞恥プレイですか!?

 そりゃ、異世界に恋人残して帰れないとなると、せめて相手を呼び寄せてあげようと、あたしでも思うかもしれない。長瀬くん、一体あたしの事を彼らにどう話してたんだろう。すっごく、聞きたくないんだけど。

 う~ん、これからどうしたものかなぁ。今まで散々読んだ話にも、嫁として召喚された話なんかなかったし。はっ? ひょっとしてこれがフロンティア? このジャンルの話をあたしに書けという、天の啓示――な訳がない。大体この世界にラノベがあるとは限らないし。

 とりあえず、何か職を見つけないと。こんな事ならラノベばかりじゃなく、異世界知識チートに利用出来るような本でも読んでおけば良かった。身ひとつで異世界に来たあたしが持っているのは、生徒手帳とスマホ位のものだ。スマホだって直ぐに充電切れるだろうしね。

「佐倉さんは、僕の家に来てもらって良いかな……」

 人差し指の先同士をつんつんさせながら、長瀬くんはそんな提案をしてくれた。そんなもじもじ照れられるとあたしの方が困るのだけど。何故だかひらひらとお花が散る幻想も見えるし。誰かのお世話になるのは心苦しいけど、いずれ独立するにして、当座はその方が良いかな。長瀬くんなら少なくとも知ってる人だし。

「それは駄目だ」

 お願いしますと、言いかけたあたしの台詞をぶち切るように男の声がした。

「サクラの身柄はこちらで預かろう」

 いつから居たんだろう、扉の処に男が2人立っていた。後ろに控えているのは彼らの護衛かな。部屋の中までは入って来ないみたいだ。
 どちらもキラキラしい派手な美貌の持ち主で、片方はセミロング位の金髪翠の瞳、もう片方は短髪の赤毛で紅茶色の瞳をしている。金髪の方が若干背が高いかな。表情も対照的で、金髪は笑顔、赤毛は不機嫌そうに口を引き結んでいる。

「あら、お兄さま方遅かったわね」

「ローザ、何故お前がここに居る?」

「こんな楽しそうな出来事、放っておける訳ないでしょ?」

 こちらへ向かいながら尋ねかけて来る金髪に、くすくすと楽しげな笑みを零すロザリンド姫。
 お姫さまの兄という事は、自動的にこの人たちは王子さま? うん、確かに仕立てはシンプルだけど豪奢な衣装とこの態度は納得。

「王太子殿下と、第二王子のジークハルト殿下です」

 シュテンドダルドが横でこっそりと教えてくれる。なるほどねぇ。見た感じ、金髪の方が王太子殿下かな。彼らが近づいてくると、魔法使いもロザリンド姫も長瀬くんも、いつの間にかあたしの側に並んでお辞儀をしたので、あたしもそれに習ってみる。郷に入っては郷に従えっていうものね。

「そなたがサクラか?」

「はい」

 近くで見ると金髪はかなり背が高い。シュテンドダルドよりは若干低いけど。年齢は20歳前後かな。外人の年齢は判りにくいけど、顔にシワもないし大学生位に見える。第二王子はあたしたちと年は変わらなさそうだ。

「私はアクレイシス。そなたを歓迎しよう」

 そのまま立ち尽くす王太子を見上げていると、横で魔法使いがこっそり囁いて来た。

「サクラハルカさま、手を」

 言われて右手を差し出すと、指先に落ちる唇。おぉ、手にキスとか初めて見たよ。あ、そうそう、挨拶しないと。

「佐倉春風です」

「サクラか、良い名だな。姿も美しい」

 いや、残念ながら自分が美人じゃないのは解ってますから。後佐倉は苗字だし。もっとも、この顔とスペックで褒められてお世辞を言われたら、大抵の女性は落ちるだろうなぁ。そんな事を考えてたら、何故か長瀬くんと手を繋いでいた。あれ?

「殿下、触り過ぎ」

「おや、すまない。どうだ、愛しい姫と再会した感想は」

 愛しい姫ですと!?

「あ、あの。あたしと長瀬くんは恋人とかじゃないんですけど」

 ダメだこの人、早くなんとかしないと、さっきからの恥ずかしい台詞攻撃に、あたしのライフがゼロになってしまう。

「の、ようだな」

 先程のやり取りを聞いていたようだ。王太子は鷹揚に頷いた。

「だがそれはどちらでも良い事なんだよ、サクラ。肝心なのはこの世界の救世主たる勇者が、君を愛してると言う事実だ」

 うぎゃ~!! この世界の白人がラテン系なのかは判らないけど、少なくとも奥ゆかしさを尊ぶ日本人とは、一線を画しているのは間違いない。

 涙目で耳を押さえていると、隣でよしよしと、あたしの頭を撫でる長瀬くん。君、当事者の癖になんで平気なのよ。自分の胸の内赤裸々に語られちゃってるでしょ。え? いつもこんな感じだから慣れたって? それはともかく、何時まで手を握ってるんですか。それもこれって恋人繋ぎとかいうやつではないかと。何時の間に。

「世界の恩人で、救世主の愛する人である君を、市井に下ろすなんてとんでもない事なんだよ」

 さりげなく手が離れないかと、画策している間に話が進んでいたらしい。そんなあたしたちの様子に気づいてないのか、熱く語る王太子。

「それに君を呼び寄せたのは私たちだ。責任もあるし、君に不自由はさせない。ここに居てくれるね? サクラ」

「え~っと……」

 まぁ、確かにあたしを召喚したのはこの世界の人たちなのだから、責任もって面倒を見るのは当然なのかもしれない。お城って位だし、ここに居たら衣食住には困らなさそうだし、あたし1人養う位、彼らにはなんて事もないのだろう。

「ユキヤ」

 不意に今まで黙っていたもう1人の殿下が、長瀬くんを呼んだ。

「お前の相手って、この貧相な女か」

 不機嫌そうな顔そのままに、不機嫌そうな声を出す赤毛。確か第二王子だっけ。いや、否定はしないけど、その言い方はないんじゃない?

「ハルト! 佐倉さんに失礼だぞ!!」

 しかしあたしが怒るより先に、長瀬くんが反論してくれた。

「確かに佐倉さんは凹凸に乏しいけど、それは細いからで、ちゃんと65のCカップはあるんだからな!!」

「あんたの方が失礼よ!!」

 あ、しまった、思わず長瀬くんを殴ってしまった。一応曲がりなりにも弁明してくれたのに。と言うか、何故その情報を知ってるの!? それも今までで台詞も一番長文で、熱も篭ってたし。

「ユキヤさまを殴った……」

 あれ? 皆さん驚愕の表情であたしを見てるのは何故。さすが勇者さまの愛する人とか、呟いたのはどなたですか。

「え~っと、お申し出は嬉しいのですが、あたしはここで暮らすつもりはありません」

 あたしの言葉に、再び目を丸くする皆さま方。断られるとは全く思ってなかったみたいだ。

「それは何故だ?」

「まぁ、帰る方法は研究していて欲しいですけど、働かざる者食うべからずと言いますし、お城とか堅苦しいのは庶民には窮屈そうなので」

 後、上手い話には裏があるとか、タダより高いものはないとか言うしね。この人たちは純粋に責任感と好意で言ってくれてるのかもしれないけど、判断材料が少な過ぎるし、あたし自身余り縛られるのは好きじゃない。後はもうひとつ。思い過ごしじゃないと良いんだけど。

「ここでお世話になるのでなければ、ユキヤのところに行く気?」

 今まで沈黙していたロザリンド姫がそんな事を尋ねてくる。
 あ、そうか。当面の問題があったっけ。知り合いが長瀬くんしか居ない以上、彼には申し訳ないけど、そうするしかないかな。

「ふぅん、狼の巣穴に飛び込むのね」

「え?」

「サクラ、ユキヤの気持ちは知ってるのでしょ? その彼のお世話になるの?」

「えっと、それは」

 返事に戸惑っていると、長瀬くんがあたしを力づけるつもりか、握っている手に力を込めた。

「佐倉さん、僕は迷惑じゃないからね。君の部屋もちゃんとあるから大丈夫」

 それはありがたいと思い掛け、内容が聞き捨てならない気がして思考を停止させる。今さらっと聞き流しかけたけど、部屋が余ってるから大丈夫とかじゃなくて、どうしてあたしの部屋があるからになるのでしょう。

「いや、何となく……、もし佐倉さんがここに居たらなって良く想像してて」

 部屋もあたしの好きなパステルグリーンとブラウンの色調だそうで、君は一体何処まであたしの個人情報を知っているのですか。長瀬くん、まさかと思うけど、そんな風に妄想してるから、周りがあたしを召喚しちゃったんじゃないのでしょうか。

「サクラ、私の侍女におなりなさい」

 頭を抱えていると、そんな申し出をしてくるロザリンド姫。

「お給料は弾むわ。この世界で生きるための勉強もすると良いし。先生も紹介してよ。このまま市井で暮らすにも、知識は必要でしょ?」

 もっともな提案に心が揺らぐ。侍女としてお金を貯めて軍資金にするというのは魅力的だ。おまけにここの勉強もさせてくれると言うし。

「決まりだな。理由は勇者の婚約者の行儀見習いで良いか」

「それはヤメテクダサイ」

 あたしの表情を見て察したのか、王太子が手を叩く。いや、侍女はともかく、恋人とかでもないのに、婚約者はないです。

「周りに公開せずとも理由は必要だからな。後見にはユキヤと同様、宰相に着いてもらおう。こちらで話はつけておくので、後で挨拶に行くと良い」

 反論する間もなく、王太子は話を切り上げて部屋を出て行った。第二王子も着いて行こうとして足を止めると、こちらを振り返る。

「俺はお前を認めない」

 おぉ、何かカッコ良く盛り上がってる。しかしあたしは彼の反感を買う理由が解らないから、首を捻るしかない。

「これから楽しくなりそうね。よろしく、お姉さま」

 去って行った2人を見送ると、ロザリンド姫はにっこりと、花が綻ぶような笑みを浮かべたのだけど、あたしには遊べる獲物を見つけた狩人の眼差しにしか見えない。例えるなら、ミルクを飲んで満腹なネコの顔。ひょっとして、また彼女に乗せられた?
 これからの事を思って肩を落としたあたしは、先程から黙り込んでいる勇者さまの方を見て、更にため息をついた。

「佐倉さんが僕の婚約者……」

 そんな事を呟いて、乙女のように胸の前で手を組んで、瞳をキラキラさせてます。お花も満開に咲いてます。うん、そうじゃないかと思ったよ。もう、良いけどさ。
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