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01.異世界召喚されたんだけど、思っていたのと少し違う件について
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「は?」
「ですから勇者ではなく……」
「えっと、もう一度説明お願いします」
冷や汗をひとつ、たらりと流すと、あたしは目の前の相手を促した。
◇◇◇
拝啓 父上様母上様。如何お過ごしでしょう。
あたし、佐倉春風は、この度父上様母上様にお知らせしなければならない事が出来ました。
ごめんなさい、どうやら今日の晩御飯までに家に帰れそうにありません。それどころか、当分の間帰れないかもしれません。
何故なら、あたしが今居るのは、余り日本ではお見かけしない、石造りの室内だったりするからです。
窓もないのに周囲が明るいのは、あたしを中心に円を描く、金色の光のラインが辺りを照らしているせいだし、複雑な模様のその円は、ファンタジーとかであるような、いわゆる魔法陣というやつのような気がする。
踊るようにあたしを取り巻く、キラキラと輝く光の渦は、それに相応しく神秘的だけど、そもそもあたし、学校の屋上の扉を開けて外に出た筈なのよ。何で部屋の中に居るんだろう。
今朝学校の下駄箱を開けたら入っていた手紙。放課後屋上の呼び出しと言えば、告白か果たし状よね。そして、「お話ししたい事があります」と、真面目そうにきっちりと書かれた文字からは、後者の可能性は余りなく。
この世に生まれて16年、イコール彼氏居ない歴なあたし。成り行き次第でこの先の人生が大きく変わるかもしれない予感に、放課後までの時間を戦々恐々として過ごしたんだけど、まさかこういう形で大きく変わるとは、さすがに思わなかったよ。
終礼の合図と共に教科書を片付け、ドキドキしながら屋上の扉を潜った途端、あたしを取り巻いていたのは屋上の爽やかな風ではなく、少しカビ臭い淀んだ空気。どう見ても異常事態。
だって目の前に居るのが、真っ黒な床に引きずりそうな程長い、ローブと呼ばれるような服を着て、額には赤い宝石の着いた輪っかのような装飾品。おまけに杖まで持っている、いかにも怪しい風体の男。このスタイル、状況に加えてあたしの足下の魔法陣。どう見ても彼は魔法使いというものではないだろうか。
魔法使いと言えば腰の曲がった年寄りが思い浮かぶかもしれないけれど、30歳は行っていなさそうだ。腰の辺りまで伸びた、銀色の髪とアイスブルーの瞳、ひょろっと背も高くハリウッド映画から抜け出て来たような、なかなかのイケメンだと思う。
これでも小学生の頃から、将来の夢はと言われて迷わず『小説家』と、言い続けてきたあたしだ。残念ながら高校に文芸部とかそれに類する部活がなかったから、他の部に入ったけど、特にファンタジーは大好物で、紙媒体からweb小説まで幅広く愛読している。
その知識と、このシチュエーションで思い浮かぶものと言えば、良くあるテンプレで言う『異世界召喚』というヤツかな。
魔王が復活してそれを倒す為に、異世界から勇者を呼び出すというものだ。或いは滅びかけた世界を救う為に巫女を呼び出すとか。
どちらにしろ、その障害を取り除かなければ帰れないというのが、この場合のお約束である。召喚が人違いでなければ、やっぱり夕飯までに戻れないよね。というか、そもそも帰れるのかな、あたし。うぅ、今日は大好物なハンバーグの予定だったのに。
「あの……、サクラハルカさまですよね?」
何時の間にかあたしを取り巻いていた光の渦は消えていた。気づかないまま物思いに耽り、項垂れるあたしに向け、彼が呼んだのは正しくあたしの名前。これで間違いという線は絶たれた。そして幸い言葉は通じるみたいだ。頷くと男はホッとした顔をした。
「実はサクラハルカさまにお願いしたい事がありまして、お呼びしました」
ほら来た。あたしは神妙な顔を繕うと、もう一つ頷いた。
「実はこの世界に魔王という存在が復活しまして、古の伝承により、異世界から勇者さまをお呼びしようという事になりました」
あ、やっぱりテンプレ召喚なのね。予想が当たって嬉しい気もするけど、この場合当たって欲しくはなかったなぁ。状況は全く嬉しくないんだもの。あたしは大きく溜息を着くと男を見据える。
「……あの、あたしに魔王が倒せるでしょうか」
自慢じゃないけど、運動神経のなさには自信がある。ほんと、自慢じゃないね……。それ以外はというと、小さい頃から母親の方針で、幾つか習い事はやってきたけど、習字と珠算とお茶お花、ピアノにバレエと日本舞踊、余り勇者には関係なさそうだよね。未だに続いているのは声楽位だ。部活も合唱部だし。肺活量と声の大きさには自信があるよ! うん、これも自慢にはならないね。しくしく。しかしあたしの言葉を、男は大袈裟に手を振って否定した。
「あ、あぁ、いえ、魔王は先日勇者さまに倒されたので、倒す必要はないのです」
あれ? 勇者もう居るの? しかも既に討伐済み? じゃぁ、何であたしが呼ばれたんだろう。首を捻りつつ、何故だか歯切れの悪い男の言葉を待つ。
「ええと、実はサクラハルカさまをお呼びしたのは、是非勇者さまの……その、お嫁さんになって頂こうかと思いまして」
「は?」
そして、冒頭に戻る。
◇◇◇
「いえ、ですから、勇者さまのお嫁さんに……」
「はぁっ!?」
律儀に繰り返される男の言葉に、あたしが口をあんぐり開けても仕方ないと思う。
「ちょっ、何それっ!?」
そりゃ、魔王倒せるかと言えば、あたしのスペックじゃ、それこそ神さまにチートでも付けてもらわなきゃ無理だと思う。でも勇者の嫁ってどういう事よ。そもそも――
「そんな知らない人のお嫁さんなんか、なれません!」
彼氏居ない歴イコール年齢とはいえ、あたしにも一応譲れない部分はある。と言うか彼氏彼女通り越していきなり嫁とか結婚とかありえないっ!
結婚と言えば、やっぱりあれでしょ。まずは告白お付き合い嬉し恥ずかしデートなんかしちゃったりして手を繋いだりキ、キスしちゃったりして何年かしてプロポーズされて両親に紹介してお前には娘はやれんとかそんなフラグを経てようやく起きるイベントでしょ!?
「あ、それなら大丈夫です」
あたしの心の葛藤を余所に、男は嬉しそうな笑顔を浮かべる。何が大丈夫なのよと、言い返そうとしたあたしは、男の背後にあった扉が大きく開く音に口を噤んだ。
「シュテンドダルト!」
焦ったような男の声に、そちらを見遣ると、黒い髪と瞳をした、あたしと同い年位か、少し年上かな、青年が居た。銀髪が白人系の美形なら、彼は東洋系の凛とした感じの美青年だ。立てば芍薬座れば牡丹、ファンタジーで良くあるチュニックと呼ばれるような貫頭衣を着た姿も似合うけど、和服はもっと似合いそう。
彼はあたしの姿を見ると信じられないものを見たように大きく目を見開き、続いて顔を赤らめ、一瞬歓喜したように頬を緩めたかと思うと、泣きそうに顔を歪めて、やがて額に手の平を当てると俯いて肩を落とした。
「……遅かった」
例えるなら澄んだ楽器のような声。そうだね、バイオリンとかそんな響き。綺麗な人は声まで綺麗なんだなと、目まぐるしく変わる表情を見ながらそんな暢気な事を思う。どうやら現実離れし過ぎた事が立て続けに起こったせいで、感覚が麻痺してしまったようだ。
彼は顔を上げると、ゆっくりとあたしの方へと歩いて来た。やがて目の前に来るとこちらに手を伸ばしかけ、ぎゅっと拳を握り締め、また開く。その躊躇いがちな仕草に、あたしは何だか自分が触ったら壊れてしまう硝子細工にでもなったような気分になる。もどかしい、そんな感じ。
彼は暫く逡巡していたようだけど、唇を舌で湿らせると、口を開いた。
「佐倉さん……」
銀髪のように平坦ではない、明らかに意味を持って聞こえるあたしの名前。そして見つめて来る彼の容貌に、何となく見覚えがあるような気がする。
「僕が判りますか?」
そうだ、知っている。
あたしは彼を知っている。
でも、あたしの知っている彼はもっと背が低かったし、こんなに切なそうな表情はしない。何時もクラスの中心にいて、朗らかに、楽しそうに笑っている。
まさか、と思う。あたしの知っている彼。でもあたしの知らない彼。
「長瀬……くん、の、お兄さん?」
あたしの呼びかけに、彼は小さく首を振る。
「本人だよ。佐倉さん、お久しぶり」
「ですから勇者ではなく……」
「えっと、もう一度説明お願いします」
冷や汗をひとつ、たらりと流すと、あたしは目の前の相手を促した。
◇◇◇
拝啓 父上様母上様。如何お過ごしでしょう。
あたし、佐倉春風は、この度父上様母上様にお知らせしなければならない事が出来ました。
ごめんなさい、どうやら今日の晩御飯までに家に帰れそうにありません。それどころか、当分の間帰れないかもしれません。
何故なら、あたしが今居るのは、余り日本ではお見かけしない、石造りの室内だったりするからです。
窓もないのに周囲が明るいのは、あたしを中心に円を描く、金色の光のラインが辺りを照らしているせいだし、複雑な模様のその円は、ファンタジーとかであるような、いわゆる魔法陣というやつのような気がする。
踊るようにあたしを取り巻く、キラキラと輝く光の渦は、それに相応しく神秘的だけど、そもそもあたし、学校の屋上の扉を開けて外に出た筈なのよ。何で部屋の中に居るんだろう。
今朝学校の下駄箱を開けたら入っていた手紙。放課後屋上の呼び出しと言えば、告白か果たし状よね。そして、「お話ししたい事があります」と、真面目そうにきっちりと書かれた文字からは、後者の可能性は余りなく。
この世に生まれて16年、イコール彼氏居ない歴なあたし。成り行き次第でこの先の人生が大きく変わるかもしれない予感に、放課後までの時間を戦々恐々として過ごしたんだけど、まさかこういう形で大きく変わるとは、さすがに思わなかったよ。
終礼の合図と共に教科書を片付け、ドキドキしながら屋上の扉を潜った途端、あたしを取り巻いていたのは屋上の爽やかな風ではなく、少しカビ臭い淀んだ空気。どう見ても異常事態。
だって目の前に居るのが、真っ黒な床に引きずりそうな程長い、ローブと呼ばれるような服を着て、額には赤い宝石の着いた輪っかのような装飾品。おまけに杖まで持っている、いかにも怪しい風体の男。このスタイル、状況に加えてあたしの足下の魔法陣。どう見ても彼は魔法使いというものではないだろうか。
魔法使いと言えば腰の曲がった年寄りが思い浮かぶかもしれないけれど、30歳は行っていなさそうだ。腰の辺りまで伸びた、銀色の髪とアイスブルーの瞳、ひょろっと背も高くハリウッド映画から抜け出て来たような、なかなかのイケメンだと思う。
これでも小学生の頃から、将来の夢はと言われて迷わず『小説家』と、言い続けてきたあたしだ。残念ながら高校に文芸部とかそれに類する部活がなかったから、他の部に入ったけど、特にファンタジーは大好物で、紙媒体からweb小説まで幅広く愛読している。
その知識と、このシチュエーションで思い浮かぶものと言えば、良くあるテンプレで言う『異世界召喚』というヤツかな。
魔王が復活してそれを倒す為に、異世界から勇者を呼び出すというものだ。或いは滅びかけた世界を救う為に巫女を呼び出すとか。
どちらにしろ、その障害を取り除かなければ帰れないというのが、この場合のお約束である。召喚が人違いでなければ、やっぱり夕飯までに戻れないよね。というか、そもそも帰れるのかな、あたし。うぅ、今日は大好物なハンバーグの予定だったのに。
「あの……、サクラハルカさまですよね?」
何時の間にかあたしを取り巻いていた光の渦は消えていた。気づかないまま物思いに耽り、項垂れるあたしに向け、彼が呼んだのは正しくあたしの名前。これで間違いという線は絶たれた。そして幸い言葉は通じるみたいだ。頷くと男はホッとした顔をした。
「実はサクラハルカさまにお願いしたい事がありまして、お呼びしました」
ほら来た。あたしは神妙な顔を繕うと、もう一つ頷いた。
「実はこの世界に魔王という存在が復活しまして、古の伝承により、異世界から勇者さまをお呼びしようという事になりました」
あ、やっぱりテンプレ召喚なのね。予想が当たって嬉しい気もするけど、この場合当たって欲しくはなかったなぁ。状況は全く嬉しくないんだもの。あたしは大きく溜息を着くと男を見据える。
「……あの、あたしに魔王が倒せるでしょうか」
自慢じゃないけど、運動神経のなさには自信がある。ほんと、自慢じゃないね……。それ以外はというと、小さい頃から母親の方針で、幾つか習い事はやってきたけど、習字と珠算とお茶お花、ピアノにバレエと日本舞踊、余り勇者には関係なさそうだよね。未だに続いているのは声楽位だ。部活も合唱部だし。肺活量と声の大きさには自信があるよ! うん、これも自慢にはならないね。しくしく。しかしあたしの言葉を、男は大袈裟に手を振って否定した。
「あ、あぁ、いえ、魔王は先日勇者さまに倒されたので、倒す必要はないのです」
あれ? 勇者もう居るの? しかも既に討伐済み? じゃぁ、何であたしが呼ばれたんだろう。首を捻りつつ、何故だか歯切れの悪い男の言葉を待つ。
「ええと、実はサクラハルカさまをお呼びしたのは、是非勇者さまの……その、お嫁さんになって頂こうかと思いまして」
「は?」
そして、冒頭に戻る。
◇◇◇
「いえ、ですから、勇者さまのお嫁さんに……」
「はぁっ!?」
律儀に繰り返される男の言葉に、あたしが口をあんぐり開けても仕方ないと思う。
「ちょっ、何それっ!?」
そりゃ、魔王倒せるかと言えば、あたしのスペックじゃ、それこそ神さまにチートでも付けてもらわなきゃ無理だと思う。でも勇者の嫁ってどういう事よ。そもそも――
「そんな知らない人のお嫁さんなんか、なれません!」
彼氏居ない歴イコール年齢とはいえ、あたしにも一応譲れない部分はある。と言うか彼氏彼女通り越していきなり嫁とか結婚とかありえないっ!
結婚と言えば、やっぱりあれでしょ。まずは告白お付き合い嬉し恥ずかしデートなんかしちゃったりして手を繋いだりキ、キスしちゃったりして何年かしてプロポーズされて両親に紹介してお前には娘はやれんとかそんなフラグを経てようやく起きるイベントでしょ!?
「あ、それなら大丈夫です」
あたしの心の葛藤を余所に、男は嬉しそうな笑顔を浮かべる。何が大丈夫なのよと、言い返そうとしたあたしは、男の背後にあった扉が大きく開く音に口を噤んだ。
「シュテンドダルト!」
焦ったような男の声に、そちらを見遣ると、黒い髪と瞳をした、あたしと同い年位か、少し年上かな、青年が居た。銀髪が白人系の美形なら、彼は東洋系の凛とした感じの美青年だ。立てば芍薬座れば牡丹、ファンタジーで良くあるチュニックと呼ばれるような貫頭衣を着た姿も似合うけど、和服はもっと似合いそう。
彼はあたしの姿を見ると信じられないものを見たように大きく目を見開き、続いて顔を赤らめ、一瞬歓喜したように頬を緩めたかと思うと、泣きそうに顔を歪めて、やがて額に手の平を当てると俯いて肩を落とした。
「……遅かった」
例えるなら澄んだ楽器のような声。そうだね、バイオリンとかそんな響き。綺麗な人は声まで綺麗なんだなと、目まぐるしく変わる表情を見ながらそんな暢気な事を思う。どうやら現実離れし過ぎた事が立て続けに起こったせいで、感覚が麻痺してしまったようだ。
彼は顔を上げると、ゆっくりとあたしの方へと歩いて来た。やがて目の前に来るとこちらに手を伸ばしかけ、ぎゅっと拳を握り締め、また開く。その躊躇いがちな仕草に、あたしは何だか自分が触ったら壊れてしまう硝子細工にでもなったような気分になる。もどかしい、そんな感じ。
彼は暫く逡巡していたようだけど、唇を舌で湿らせると、口を開いた。
「佐倉さん……」
銀髪のように平坦ではない、明らかに意味を持って聞こえるあたしの名前。そして見つめて来る彼の容貌に、何となく見覚えがあるような気がする。
「僕が判りますか?」
そうだ、知っている。
あたしは彼を知っている。
でも、あたしの知っている彼はもっと背が低かったし、こんなに切なそうな表情はしない。何時もクラスの中心にいて、朗らかに、楽しそうに笑っている。
まさか、と思う。あたしの知っている彼。でもあたしの知らない彼。
「長瀬……くん、の、お兄さん?」
あたしの呼びかけに、彼は小さく首を振る。
「本人だよ。佐倉さん、お久しぶり」
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