30 / 75
第十節気 夏至
末候――半夏生(はんげしょうず)
しおりを挟む
長雨が続く季節、田舎町は少しばかり風情があるように見える。しとしとと降る雨の中、田んぼでカエルが跳ねたり、あじさいの葉の上にカタツムリがいたり。なにより都会と違うのは草葉の匂いがすることだ。
それは蒸し蒸しとした湿気と熱気ばかりの街中では感じられない自然の香り。この町も湿度は高いけれど、空気が違う。空気がとても澄んでいるのだ。
「あれ、今日は八百屋さんお休みか」
「今日はほら、半夏生だからだよ」
「はんげ、しょう?」
バスの窓から見えた、いつもお世話になっている青果店がシャッターを閉めていた。それを目に留めて振り返った暁治に、並んで立つ朱嶺が人差し指を揺らしながら応える。
しかし彼の口から出てきた言葉は聞き慣れない単語で、眉を寄せて首を傾げるしかできなかった。
「雑節の一つだよ。節分とか彼岸とか土用みたいな。日本の文化から生まれた暦日。その中でも半夏生は物忌みの日とも言われて、天から毒が降るから井戸に蓋をしなさいとか、その日に採った野菜は食べちゃいけないとか、そういうの」
「ふぅん、昔ながらだな」
「地域によってはその日に食べるものも色々あるみたいだよ。次で下りる?」
「いや、八百屋が休みならまっすぐ帰ろう」
「なにを買う予定だったの?」
「このあいだ、桃が桃を食べたいって……なんかややこしいな」
先日のことだ。テレビを見ていた桃が珍しく興奮気味に画面を指さした。どうやら七月に入ると果物の桃が多く出回るようで、それは特集番組だった。
あれがいま隣にいる朱嶺だったら、暁治は適当に受け流していただろう。しかしいつも大人しい彼女からのリクエストとあらば、応えないわけにはいかない。
「えー、桃ちゃんがそんなおねだり? 珍しい」
「だろう。まあ、それはまた後日、だな」
「僕も食べたい!」
「その時にいたらな」
「なにそれ、誘ってよ~! ……って、痛っ!」
駄々っ子みたいに腕にしがみついてくる、食いしん坊の額を指先で弾いた。大げさに痛がるその顔に暁治が吹き出すように笑えば、頬がぷくりと大きく膨らむ。
これで三世紀以上生きていると言うのだから驚き以外のなにものでもない。年を重ねるごとに退行しているのでは、などと考えても仕方ないだろう。ふて腐れている横顔をじっと見つめたら、視線が気になるのか目線が持ち上がった。
「どうしたの?」
「いや、やっぱり三歳児かなって」
「はるぅ? もう、信じてるんだか、信じてないんだかわからないね」
「そんなこと言ったって見た目は普通だし、貫禄もないしな」
「昔のはるはメソメソしてて可愛かったのに」
「それ、いつの話だよ」
そういえばなにがきっかけで彼と出会ったのだろうと昔を振り返る。いつの頃からか祖父の家に出入りしていて、気づけば毎日のようにやって来た。けれどそれはいまとなんら変わりがないような気もする。
昔から神出鬼没だったのか。そんなことを思いながら暁治は少し遠くへ視線を投げた。最初に手を伸ばしてくれたのは、朱嶺だったのかどうか、正直あまり記憶が定かではない。
泣きべそをかいていた暁治に手を伸ばしてくれた人。記憶をたぐり寄せると、それはもっと大人びていた、ようにも思える。
独りぼっちは寂しかろう――そう言って手を握ってくれたあの人は、誰だったのか。あれもまた隣にいる彼なのか。しかし思い返せば返すほど、見た目がちぐはぐだ。
あの人と、毎日一緒に遊んでくれたあの子には年の差がある。この男はどういう時間の流れで成長しているのだろうと、暁治は小さく唸りながら首をひねった。
しかしいつぞやの言葉を思い出す。このくらいが小回りが利いて良かった、などと言っていたような。
「もしかして伸び縮みするのか?」
「え? なにが?」
「あっ、いや、なんでもない。……着いたな、下りるぞ」
「はーい」
こういったよくわからないことは考えるべきではない。一瞬にして暁治の心のシャッターが閉まる。ついでに鍵をかけてしまえと記憶の奥底へと押し込んだ。
「雨、上がってる!」
「雨上がりは」
「雨上がりは空気が澄んでて気持ちいいね。緑の匂いがする」
「えっ? ああ、そうだな」
口に出そうとした言葉が重なって聞こえて、胸がドキリとした。自分が感じていることを同じように感じている。それに暁治は少しばかりうろたえてしまった。
いままで周りに、情緒的とも言える感性豊かな人はあまりいなかった。友人も親や妹も大雑把で、思ったことを口にすると笑われることが多い。きっといま同じことを言ったら、土臭いとでも言われそうである。
そういえばあの子も、一度も暁治を馬鹿にすることはなかった。一緒に驚いてくれて、一緒に感動してくれて、それが懐いた一番の理由であった気がする。
「いかんいかん、シャッターが開きそうになった」
「え? シャッターがどうしたの? はる、今日はいつにも増して独り言が多いね」
「なんでもないよ」
きょとんとした表情で見上げてくる顔から視線を外し、そそくさと暁治は家へと向かう。その後ろを朱嶺は「よっと、よいっしょ、やぁ」などと、かけ声を上げながら着いてくる。
騒がしいやつだと振り返れば、水たまりの上をまたいだり跳ねたりしていた。いつもの着物姿ではできない芸当だ。
「あれ? 誰だ?」
日の暮れかけた夕刻。門扉の前に人の後ろ姿が見える。その人は閉まった扉の前でウロウロして、しまいにはぴょんぴょんと、垣根の向こうを覗くように飛び跳ねている。
怪しい人物に警戒心が湧くが、近づくと気配を察したのかぱっとこちらを振り返った。
「暁治っ!」
「えっ? ね、猫屋?」
「キイチだよ!」
「いや、……どっちもお前の名前だろう」
不審人物――もとい猫屋喜一はこちらを見るなり瞳を輝かせた。彼は先日、顔を合わせたばかりの一年生。昔この家に居着いていた猫だと言い張るが、正直なところあまり暁治は信じていない。
それでも言い分を頑として譲らないので、右から左へ流しているところだ。
「なにをしてるんだ?」
「懐かしくなって来てみた! じいちゃんがいた頃から変わんないなっ」
「へぇ、そうか」
なんと返していいものかと苦笑いが浮かぶ。しかしこの人懐っこさは既視感がある。あの猫はこの家の者にはひどく懐いて、にゃーにゃー鳴きながら家中をついて回っていた。
「はる、誰?」
「ん? ああ、一年生の……」
「お前こそ誰にゃ! 人間じゃないにゃ!」
「え? なんでいきなり猫語?」
威嚇するみたいに両手を開いて爪を見せる猫屋に、思わず突っ込みが入る。しかし彼は隣に立つ朱嶺に気を取られていた。
そこでふと暁治は考えた。昔からこの家に出入りしていた朱嶺のことを知らない、と言うことは、この家の猫というのはやはり嘘か――けれど類似している点が多いのが悩ましい。
「なんだ、化けてから大して経ってない猫又じゃないか。あ、君、……はるを泣かせた猫でしょう? お前がいなくなったって、はるは一晩中、泣いてたんだから!」
「……あ、あきはるぅ。おれがいなくて寂しかったのか? ごめんにゃ、もうどこにも行かないにゃぁ~っ」
「わわっ! ちょっと待て! なんの話だ!」
ビシッと朱嶺に指先を向けられて、猫屋は目を見開き、驚くより先に感動をあらわにした。そして突進するみたいに暁治に駆け寄ってくる。勢いよく抱きつかれてよろめくけれど、抱きついた猫屋は木にしがみついた猿のようになっていた。
「あっ! なに勝手にはるに抱きついてるの!」
賑やかできっと楽しかったのだろうな――なんて祖父がいた頃に思いを馳せたりもしたが、賑やかと言うより、これはやはり姦しいがぴったりだ。正面には猫がしがみつき、背後にはなにやらよくわからない自称三百歳がしがみつく。
早く家に帰りたい、と思わずにいられない徒歩数秒の夕暮れ。
それは蒸し蒸しとした湿気と熱気ばかりの街中では感じられない自然の香り。この町も湿度は高いけれど、空気が違う。空気がとても澄んでいるのだ。
「あれ、今日は八百屋さんお休みか」
「今日はほら、半夏生だからだよ」
「はんげ、しょう?」
バスの窓から見えた、いつもお世話になっている青果店がシャッターを閉めていた。それを目に留めて振り返った暁治に、並んで立つ朱嶺が人差し指を揺らしながら応える。
しかし彼の口から出てきた言葉は聞き慣れない単語で、眉を寄せて首を傾げるしかできなかった。
「雑節の一つだよ。節分とか彼岸とか土用みたいな。日本の文化から生まれた暦日。その中でも半夏生は物忌みの日とも言われて、天から毒が降るから井戸に蓋をしなさいとか、その日に採った野菜は食べちゃいけないとか、そういうの」
「ふぅん、昔ながらだな」
「地域によってはその日に食べるものも色々あるみたいだよ。次で下りる?」
「いや、八百屋が休みならまっすぐ帰ろう」
「なにを買う予定だったの?」
「このあいだ、桃が桃を食べたいって……なんかややこしいな」
先日のことだ。テレビを見ていた桃が珍しく興奮気味に画面を指さした。どうやら七月に入ると果物の桃が多く出回るようで、それは特集番組だった。
あれがいま隣にいる朱嶺だったら、暁治は適当に受け流していただろう。しかしいつも大人しい彼女からのリクエストとあらば、応えないわけにはいかない。
「えー、桃ちゃんがそんなおねだり? 珍しい」
「だろう。まあ、それはまた後日、だな」
「僕も食べたい!」
「その時にいたらな」
「なにそれ、誘ってよ~! ……って、痛っ!」
駄々っ子みたいに腕にしがみついてくる、食いしん坊の額を指先で弾いた。大げさに痛がるその顔に暁治が吹き出すように笑えば、頬がぷくりと大きく膨らむ。
これで三世紀以上生きていると言うのだから驚き以外のなにものでもない。年を重ねるごとに退行しているのでは、などと考えても仕方ないだろう。ふて腐れている横顔をじっと見つめたら、視線が気になるのか目線が持ち上がった。
「どうしたの?」
「いや、やっぱり三歳児かなって」
「はるぅ? もう、信じてるんだか、信じてないんだかわからないね」
「そんなこと言ったって見た目は普通だし、貫禄もないしな」
「昔のはるはメソメソしてて可愛かったのに」
「それ、いつの話だよ」
そういえばなにがきっかけで彼と出会ったのだろうと昔を振り返る。いつの頃からか祖父の家に出入りしていて、気づけば毎日のようにやって来た。けれどそれはいまとなんら変わりがないような気もする。
昔から神出鬼没だったのか。そんなことを思いながら暁治は少し遠くへ視線を投げた。最初に手を伸ばしてくれたのは、朱嶺だったのかどうか、正直あまり記憶が定かではない。
泣きべそをかいていた暁治に手を伸ばしてくれた人。記憶をたぐり寄せると、それはもっと大人びていた、ようにも思える。
独りぼっちは寂しかろう――そう言って手を握ってくれたあの人は、誰だったのか。あれもまた隣にいる彼なのか。しかし思い返せば返すほど、見た目がちぐはぐだ。
あの人と、毎日一緒に遊んでくれたあの子には年の差がある。この男はどういう時間の流れで成長しているのだろうと、暁治は小さく唸りながら首をひねった。
しかしいつぞやの言葉を思い出す。このくらいが小回りが利いて良かった、などと言っていたような。
「もしかして伸び縮みするのか?」
「え? なにが?」
「あっ、いや、なんでもない。……着いたな、下りるぞ」
「はーい」
こういったよくわからないことは考えるべきではない。一瞬にして暁治の心のシャッターが閉まる。ついでに鍵をかけてしまえと記憶の奥底へと押し込んだ。
「雨、上がってる!」
「雨上がりは」
「雨上がりは空気が澄んでて気持ちいいね。緑の匂いがする」
「えっ? ああ、そうだな」
口に出そうとした言葉が重なって聞こえて、胸がドキリとした。自分が感じていることを同じように感じている。それに暁治は少しばかりうろたえてしまった。
いままで周りに、情緒的とも言える感性豊かな人はあまりいなかった。友人も親や妹も大雑把で、思ったことを口にすると笑われることが多い。きっといま同じことを言ったら、土臭いとでも言われそうである。
そういえばあの子も、一度も暁治を馬鹿にすることはなかった。一緒に驚いてくれて、一緒に感動してくれて、それが懐いた一番の理由であった気がする。
「いかんいかん、シャッターが開きそうになった」
「え? シャッターがどうしたの? はる、今日はいつにも増して独り言が多いね」
「なんでもないよ」
きょとんとした表情で見上げてくる顔から視線を外し、そそくさと暁治は家へと向かう。その後ろを朱嶺は「よっと、よいっしょ、やぁ」などと、かけ声を上げながら着いてくる。
騒がしいやつだと振り返れば、水たまりの上をまたいだり跳ねたりしていた。いつもの着物姿ではできない芸当だ。
「あれ? 誰だ?」
日の暮れかけた夕刻。門扉の前に人の後ろ姿が見える。その人は閉まった扉の前でウロウロして、しまいにはぴょんぴょんと、垣根の向こうを覗くように飛び跳ねている。
怪しい人物に警戒心が湧くが、近づくと気配を察したのかぱっとこちらを振り返った。
「暁治っ!」
「えっ? ね、猫屋?」
「キイチだよ!」
「いや、……どっちもお前の名前だろう」
不審人物――もとい猫屋喜一はこちらを見るなり瞳を輝かせた。彼は先日、顔を合わせたばかりの一年生。昔この家に居着いていた猫だと言い張るが、正直なところあまり暁治は信じていない。
それでも言い分を頑として譲らないので、右から左へ流しているところだ。
「なにをしてるんだ?」
「懐かしくなって来てみた! じいちゃんがいた頃から変わんないなっ」
「へぇ、そうか」
なんと返していいものかと苦笑いが浮かぶ。しかしこの人懐っこさは既視感がある。あの猫はこの家の者にはひどく懐いて、にゃーにゃー鳴きながら家中をついて回っていた。
「はる、誰?」
「ん? ああ、一年生の……」
「お前こそ誰にゃ! 人間じゃないにゃ!」
「え? なんでいきなり猫語?」
威嚇するみたいに両手を開いて爪を見せる猫屋に、思わず突っ込みが入る。しかし彼は隣に立つ朱嶺に気を取られていた。
そこでふと暁治は考えた。昔からこの家に出入りしていた朱嶺のことを知らない、と言うことは、この家の猫というのはやはり嘘か――けれど類似している点が多いのが悩ましい。
「なんだ、化けてから大して経ってない猫又じゃないか。あ、君、……はるを泣かせた猫でしょう? お前がいなくなったって、はるは一晩中、泣いてたんだから!」
「……あ、あきはるぅ。おれがいなくて寂しかったのか? ごめんにゃ、もうどこにも行かないにゃぁ~っ」
「わわっ! ちょっと待て! なんの話だ!」
ビシッと朱嶺に指先を向けられて、猫屋は目を見開き、驚くより先に感動をあらわにした。そして突進するみたいに暁治に駆け寄ってくる。勢いよく抱きつかれてよろめくけれど、抱きついた猫屋は木にしがみついた猿のようになっていた。
「あっ! なに勝手にはるに抱きついてるの!」
賑やかできっと楽しかったのだろうな――なんて祖父がいた頃に思いを馳せたりもしたが、賑やかと言うより、これはやはり姦しいがぴったりだ。正面には猫がしがみつき、背後にはなにやらよくわからない自称三百歳がしがみつく。
早く家に帰りたい、と思わずにいられない徒歩数秒の夕暮れ。
0
お気に入りに追加
32
あなたにおすすめの小説

婚約者に会いに行ったらば
龍の御寮さん
BL
王都で暮らす婚約者レオンのもとへと会いに行ったミシェル。
そこで見たのは、レオンをお父さんと呼ぶ子供と仲良さそうに並ぶ女性の姿。
ショックでその場を逃げ出したミシェルは――
何とか弁解しようするレオンとなぜか記憶を失ったミシェル。
そこには何やら事件も絡んできて?
傷つけられたミシェルが幸せになるまでのお話です。

前世が俺の友人で、いまだに俺のことが好きだって本当ですか
Bee
BL
半年前に別れた元恋人だった男の結婚式で、ユウジはそこではじめて二股をかけられていたことを知る。8年も一緒にいた相手に裏切られていたことを知り、ショックを受けたユウジは式場を飛び出してしまう。
無我夢中で車を走らせて、気がつくとユウジは見知らぬ場所にいることに気がつく。そこはまるで天国のようで、そばには7年前に死んだ友人の黒木が。黒木はユウジのことが好きだったと言い出して――
最初は主人公が別れた男の結婚式に参加しているところから始まります。
死んだ友人との再会と、その友人の生まれ変わりと思われる青年との出会いへと話が続きます。
生まれ変わり(?)21歳大学生×きれいめな48歳おっさんの話です。
※軽い性的表現あり
短編から長編に変更しています

うるせぇ!僕はスライム牧場を作るんで邪魔すんな!!
かかし
BL
強い召喚士であることが求められる国、ディスコミニア。
その国のとある侯爵の次男として生まれたミルコは他に類を見ない優れた素質は持っていたものの、どうしようもない事情により落ちこぼれや恥だと思われる存在に。
両親や兄弟の愛情を三歳の頃に失い、やがて十歳になって三ヶ月経ったある日。
自分の誕生日はスルーして兄弟の誕生を幸せそうに祝う姿に、心の中にあった僅かな期待がぽっきりと折れてしまう。
自分の価値を再認識したミルコは、悲しい決意を胸に抱く。
相棒のスライムと共に、名も存在も家族も捨てて生きていこうと…
のんびり新連載。
気まぐれ更新です。
BがLするまでかなり時間が掛かる予定ですので注意!
人外CPにはなりません
ストックなくなるまでは07:10に公開
3/10 コピペミスで1話飛ばしていたことが判明しました!申し訳ございません!!


僕の王子様
くるむ
BL
鹿倉歩(かぐらあゆむ)は、クリスマスイブに出合った礼人のことが忘れられずに彼と同じ高校を受けることを決意。
無事に受かり礼人と同じ高校に通うことが出来たのだが、校内での礼人の人気があまりにもすさまじいことを知り、自分から近づけずにいた。
そんな中、やたらイケメンばかりがそろっている『読書同好会』の存在を知り、そこに礼人が在籍していることを聞きつけて……。
見た目が派手で性格も明るく、反面人の心の機微にも敏感で一目置かれる存在でもあるくせに、実は騒がれることが嫌いで他人が傍にいるだけで眠ることも出来ない神経質な礼人と、大人しくて素直なワンコのお話。
元々は、神経質なイケメンがただ一人のワンコに甘える話が書きたくて考えたお話です。
※『近くにいるのに君が遠い』のスピンオフになっています。未読の方は読んでいただけたらより礼人のことが分かるかと思います。
君に望むは僕の弔辞
爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。
全9話
匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意
表紙はあいえだ様!!
小説家になろうにも投稿
出戻り聖女はもう泣かない
たかせまこと
BL
西の森のとば口に住むジュタは、元聖女。
男だけど元聖女。
一人で静かに暮らしているジュタに、王宮からの使いが告げた。
「王が正室を迎えるので、言祝ぎをお願いしたい」
出戻りアンソロジー参加作品に加筆修正したものです。
ムーンライト・エブリスタにも掲載しています。
表紙絵:CK2さま
【完結・BL】胃袋と掴まれただけでなく、心も身体も掴まれそうなんだが!?【弁当屋×サラリーマン】
彩華
BL
俺の名前は水野圭。年は25。
自慢じゃないが、年齢=彼女いない歴。まだ魔法使いになるまでには、余裕がある年。人並の人生を歩んでいるが、これといった楽しみが無い。ただ食べることは好きなので、せめて夕食くらいは……と美味しい弁当を買ったりしているつもりだが!(結局弁当なのかというのは、お愛嬌ということで)
だがそんなある日。いつものスーパーで弁当を買えなかった俺はワンチャンいつもと違う店に寄ってみたが……────。
凄い! 美味そうな弁当が並んでいる!
凄い! 店員もイケメン!
と、実は穴場? な店を見つけたわけで。
(今度からこの店で弁当を買おう)
浮かれていた俺は、夕飯は美味い弁当を食べれてハッピ~! な日々。店員さんにも顔を覚えられ、名前を聞かれ……?
「胃袋掴みたいなぁ」
その一言が、どんな意味があったなんて、俺は知る由もなかった。
******
そんな感じの健全なBLを緩く、短く出来ればいいなと思っています
お気軽にコメント頂けると嬉しいです
■表紙お借りしました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる