転生して悪役令嬢な私ですが、ヒロインと協力して何とかハッピーエンドを目指します!

胡椒家-コショーヤ-

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●本編●

8.誕生日パーティー【開始:その前に】②

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 身体が軽くなって、理性のたがも軽くなってしまったのか。
冷静になると、憤死してしまいそうな羞恥が押し寄せてきた。
先程の行動は、イタい。

でも、それを指摘してくれる、ツッコミ的存在は今現在の公爵家には、生息して、いないのだ。
どんなに後悔しても、事前に引き止めてくれる存在は居ないのだから、自分でマインドをコントロールしないとならない。
それが、至極、至難の業だった。

幼いからか、直情的で、こうと感情の方向が決まると、猪突猛進、突っ走ってしまう。
前世では、もうちょっと、理性的だった。
と言うか、自己主張はほとんどせず、云われたことをこなすタイプ。
主体性がなかった気がする。


 前世の自分の為人、それを深く掘り下げようとすると、途端、ジャミングされたように記憶が乱れ、ホワイトアウト。

前世の記憶への、アクセスが切られたような、強制シャットダウン状態。

何で? ただワタシが、どんな人間だったか思い出そうとしただけなのに…?

不自然過ぎる記憶への妨害に、心臓がキュッと絞られるような、言い知れない恐怖が、胸に迫る。
知らず、胸の前で強く握り合わせた手を、小さな体と共に小刻みに震わす。


 そんなワタシに、いや、わたくしに優しく触れる、良く知った体温。
肩に触れる、長兄の手に、強張った身体が弛緩しかんする。

「ライラ、大丈夫か? 顔色が悪い…、無理をしないと、約束しただろう? 今からでも、戻って休息をとったほうが良いんじゃないか?」

頬や頭を、優しく撫でる手の温もりで、先程まであった身体を支配する恐怖は霧散して、今では安心感が溢れ、凍えた胸を満たし、解凍しきっていた。

「ん~ん、ヘーキ! お兄しゃまのおててで、ライリャゲンキなったぁ~♡ あぃがとぉ♡」

にへら…と顔面崩壊なほどに笑み崩れていたことだろう。
長兄が、苦虫を噛み潰したような渋面で、ジト目で見返してくる。

あれ? お兄様、おこなの??
そんなに、ヤバさが過ぎる顔面だったでしょうか???


 今まで優しかった長兄が、初めて(転生を認識してから)見せる苦り切った表情に、俄に緊張する。
目を左右にこれでもかと泳がせながら、息を詰めて、長兄の次なる言葉を待つ。

「やはり、挨拶は遠慮したほうが良い…。 一人で返す事は出来ない…か、仕方ない。 ライラは部屋の外で待っておいで。」

「ふぁおっ??!」

廊下に立っとれ!…的な?!
えぇっ!? 何で、そんな羞恥プレイ??
ならいっそ、『ハウスッ!!』と云ってくれたほうがマシなんですが?!?
絶っっっっっ対に!帰らないけどね!!

もう『?』の乱舞。
目まで?になってしまいそうな程、困惑しかない長兄の発言に、後ろからダラダラ~っと歩いて、やっとこちらに追いついた次兄が、訳知り顔でうんうんとしきりに頷く。

「そうだねぇ~、それが良いよぉ~~。 悪い虫が付かないように、顔合わせはしない方向でぇ~、けって~~い!!」

藪から棒に、シスコン発言。
ちょっと冷静になって下されよ、お兄様方。
身内への贔屓目が過ぎるってもんだぜ!

確かに、可愛らしい容姿なのは同意しかない。
自画自賛で、恥ずか死にそうだが、前世のワタシとは比べるまでもなく、ライリエルは愛らしい。

顔の造形も、この親にしてこの子あり、を体現していて、実に可憐なのだ。
顔面偏差値は前世の私の、100倍は、軽く凌駕している。
黙っていれば、極めて可憐で、悪役令嬢化するとは到底思えない容姿だった。

ぱっちりお目々に、それを縁取る長い睫毛。
ラピスラズリの瞳も、光が当たる角度で輝きが変化して、ずーーーーっと見ていたくなる美しさなのだ。

それに、この髪も。
今はキレイにセットしているが、普段は自然におろしたままの、緩くウエーブの掛かった薄水色をいた銀髪が、顔の横でふんわり揺蕩たゆたう様は、女子なら一度は憧れる“お姫様”っぽくて、密かにお気に入りなのだった。


 でも待って欲しい、今現在の私は、弱冠3歳のちんちくりん幼女なんだ、ゼ☆
これじゃあ、ヤベえロリコンしか寄ってこないさ。
そして今、挨拶に向かっている件の攻略対象者達は、そんなヤベえ嗜好はしていない。

片や、将来を嘱望される、エリート出世コース待ったなし!な紳士の中の紳士、羨望を集める、想像できうる理想通りの騎士様。

片や、私の2歳年上、おそらく現在は5歳と思われる、ゲーム開始時は王太子の側近兼護衛を務め、王太子からの信頼も篤く、将来有望な出世株、安定収入間違いなし☆な、穏やかな笑顔が眩しい爽やかイケメン(予定)。


 なのに、この兄達は、私に何と言ったのか…?
ハイスペック顔面偏差値ハイタカ親子、そんな2人の、今しかお目見えできない、貴重かつ、二度とは無いこの瞬間を、会わずに、待って居ろと?

バッッッッッッッッッカ?
バァッッッッッッッッカなの?!

そんな愚行、私が、取るとでも?
後悔しか残らない、悶絶必至な過ちを、私が大人しく勧められるままに、唯々諾々として従うとでも?!

否! 断固として、全面拒否!! 徹底抗戦を辞さない構えを、崩す気は毛頭なし!!!

私が今、取れる行動は一つ。
最善にして最高の、必殺技、それは……。

「ライリャ、虫さん、なの…?」

「「え?」」

俯ききって、ぽそっと、聞き取れるかどうか、という声量を心がけて、悲しみを滲ませた声音で呟く。

バッチリ聞き取った兄2人が、ピッタリ同じ反応を返す。

「ライリャ、虫さんだかりゃ、ごあいさつ、ダメなのぉ?」

「「「 !!?? 」」」


 涙は、自然と溢れてきた。
だって、ここで会えなかったら、もっと泣く。
本日晒した大号泣2回を、よっゆう~♪で凌駕する、降涙量を御覧ごろうじれる自信しかない。

うっるうるに潤んだ瞳のまま、悲壮感をこれでもかっ!と詰め込んだ顔面を上げ、家族の目に晒す。

ポロッポロに、これみよがしに零された涙に、兄2人+お父様追加で、落雷被害発生。

効果は抜群だぁあ~~~っ!!
こいつぁ、チョロ過ぎでさぁ、げへへぇ…。

予想を遥かに上回る、高効果・高ダメージ。
3人は最早、息も絶え絶え、瀕死の重症だ。


 決して、彼らの名誉の為に敢えて云うが、決して、この3名の頭脳の出来は悪くないのだ。
ただ、弱いだけ。
末っ子幼女の泣き落としに、ぐうの音も出なくなっってしまうくらいに。
優秀な頭脳の一部が、機能停止して正常な判断が下せなくなるくらいに、末っ子幼女の存在にぐっらぐらのよっわよわなのだった。

それを逆手に取る。
人道に反する、恥ずべき行為であることは、重々、承知の上だ。
良心の呵責が、ないわけではない。
だからって、背に腹は代えられない。

引くに引けない、否、絶対に負けられない戦いが、ここにはある!!

なんのかんのと、グダグダ言い募ったが、望みは単純明快。

見たい、触れたい、触りたい!

これですよ、これに尽きるんですよ!!
私の第二の人生の外せない抱負、それを履行することこそが、至上の命題。
多少の犠牲、大義の前には塵芥のごとし…!!

外道と罵られようと、悪役令嬢、なんなら、ラスボスらしく、高笑いとともに、甘んじて受け入れてやるわ!!

完全勝利を確信して、ダメ押しの一言。

「ライリャ、虫さんだから、いっしょにごあいさつ、ダメなのぉっ?」

「「「 それだけは無い!! 」」」

「ごあいさつして、いいの? みんな、いっしょ?! うわぁ~~い、あぃがとぅ! だぁ~~~いしゅきっ!!」

これにて、一発K.O~~~!!
華麗に急所に打ち込んでやったわっ!!!

正気を取り戻して反対意見が出る前に、今できる限りの早口で話しを完結させる。

チョロ過ぎな公爵家の男性陣は、3歳児の泣き落とし攻撃に敢え無く陥落し、翻弄されて、首を縦に振るしか無くなった。


 公爵夫人は、男性陣が末の娘に良いように翻弄されるさまを静かに見守っていた。
始終絶やさない、いつもと同じ穏やかな笑顔で。

「うふふ。 ライラちゃん、今日はいつにも増して元気いっぱいねぇ。 まるで、今朝とは別人みたいだわぁ。 子供の成長って、早いものね…。」

薄く開かれた瞳で、娘を見つめる。
その瞳には、子どもの健やかな成長を喜ぶ、母親としての感情と、その奥に、窺い知れない感情が潜んでいた。
少し離れた場所で、独り言のように呟かれた言葉達は、他の家族の、誰の耳にも届くことはなかった。


 気を取り直して、別館にあるオーヴェテルネル公爵一家が、本日滞在する客室を目指す。
別館についた際、お父様はオズワルドへ、パーラーメイドに先触れに行かせるよう指示を出していた。
そこからは、止まること無く目的地に直行している。

本当に、止まる気配がない。
客室は別館1階の南側、一番豪華で広い部屋とのこと。
今回選ばれた別館はコの字型をした3階建ての、比較的こじんまりした建物、らしい。
選んだ理由は、本邸に一番近いからだとか。

道中、拙い滑舌で必死に疑問に思ったことを質問しまくった。
脈絡がなかったり、聴き取り辛くても、嫌な顔一つ見せないで家族の誰かが、ちゃんと答えてくれる。
向けられる優しさに、背中を押され、質問が後から後から尽きることなく口をつく。

私の誕生日、つまり今日は冬期の年の瀬に近く、後数十日で年が明ける。
我が公爵領は、雪は滅多に降らない地域だそう。
でもそれなりに寒い、はず。
というのも建物内は廊下も含め、魔導具をフル活用して、空調魔法を随時展開している為、快適な室温に保たれている。

本邸から別館へ渡る際は、お父様が皆に魔法を施してくれたので、どれくらいの寒さなのかイマイチピンとこない。
本当に、魔法って便利。
自在に操れるお父様を、超リスペクトゥ!!


 似合わない口髭が、ちょっと残念系を連想させてしまったけど、実際のお父様の魔法の腕前は、我が国で上から数えたほうが早いのだとか。
正確には、どのくらいの位置付なのか、情報が少なすぎてわからないけど…。

人って見かけによらないわ、ホント。
外見だけじゃ、本質は見抜けない。
人生経験が乏しいから仕方ないけど、今のところ第一印象どおりの人物は居ない。

家族全員、一緒にいると新たな一面がどんどん発覚して、ゲームのキャラクター設定集だけでは知り得なかった側面が見えるてくる。
悪役令嬢の家族なんて、アルヴェインお兄様以外、しっかり詳細まで載ってはいないから、私が持っている知識はほんの一握り以下、だったけど。

延々と続くかと思うほど、真っ直ぐに延びる廊下をお父様に続いて歩く。
軽いハイキング並みに歩いている気さえする。

でも息が切れていないのも、ひとえに、お父様の魔法のおかげだった。
どういう原理かは、全く不明だが、ドレスにかけた軽量化魔法と同じ系統なのかな?と何となく思った。

魔法があれば、体鍛えなくても生きていけそう、とか考えてしまうが、しかし、お父様の身体はしっかり鍛え上げられている。

何故知ってるのかって?
そんなのぉ、エリファスお兄様の窃盗事件の騒動を治める際、“魔法の言葉”を教えられている間に、バッチリ観察済みですからぁ♪


 口髭で減点された心象が、着痩せマッチョと発覚して正の数に修正された。
さらに、魔法の腕前をこれでもか!と見せられて、加点が半端ない。

今では軽く、お父様信者に成りかけているのだ。
後どれだけ凄い魔法をこの眼で見て、体感できるか、考えるだけでワクワクしてしまう。
そしてその度に、お父様への尊敬の念がグングン上がる。

先頭を歩くお父様の背中を眺めながら、無駄な肉が一切ついていない様に、目を爛々とさせて、凝視してしまう。
大丈夫、ハァハァはしない、今回は絶対。
何となく、お母様が怖くなる気がするから…、君子危うきに近寄らず。
空気読むのって、大事♡
一番必要な処世術よね♡♡


 そうこう考えていると、やっと廊下の突き当りに辿り着いた。
今はコの字の、上の横棒の付け根部分だ。
つまり、一番広い部屋は、横棒部分全体なのだ。
すんごい贅沢な部屋割りの仕方に、貴族の屋敷だということを嫌でも実感する。

無駄に大きな扉のドアノブを、ノックもなしにいきなり掴み開けようとするお父様に、慌てて呼びかける。

「お、父しゃま、コンコンは?」

焦ったせいで、語彙力までもが死んでしまったか。
わざとでなく、自然と言葉が幼くなってしまった。
今の身体に合った喋り方を、無意識で選べるほど、幼児語に馴染んでしまっただろうか?

またも、自尊心をグリグリと、硬く握り込んだ拳骨を左右に捩じりながら、力を込めて押し付けられるような疼痛が、執拗にさいなんでくる。

「大~丈~夫ぅ~~、先触れはしてるからぁ~。 このまま突入ぅ~~っ! やぁ、セヴィ、しばらくぶりだねぇ~、やっほ~~!! 元気にしていたかなぁ~? 邪魔するよぉ~~!!!」

バッタ~~~ンッ…タ~~ンッ……タ~ンッ………。


 この日初めて、余韻を響かせるほど盛大な音を立てて開く扉を見て、やっぱり音が出るのが普通よね、と妙なところに関心がいってしまった。

勢いよく開け放たれた扉の先に、これまた眼福すぎる美形な人々が、自ら発光しているかのような煌めきを纏い、応接セットのソファで、長旅の疲れを癒やしていた。

突然の騒音にも、さして驚いていない。
この公爵家への宿泊は、初めてのことではないそうだ。
きっと過去にもこのように、突発的な乱入をされていたのだろう。
なんとも、迷惑極まりない家主の登場の仕方だ。
拒みたくても、拒めないなんて…。

ちょっと、いや、かなり、恥ずかしいな。
今この瞬間に至っては、誰かにお父様です♡と胸を張って紹介できそうもない。
エリファスお兄様に続いて、家族として紹介できないトップ2にランクインした瞬間だった。

うなぎ登りだったお父様への評価は、ここに来て打ち止めと相成った。
これは至極正当で真っ当な、極めて理性的な判断だったと、断言できる。
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