53 / 73
第二章
46
しおりを挟む
とりあえず一昼夜寝てみた……あれから触手は出なかったようだ。俺一人のテントと、ネメシス&ウェンティのテントに分かれていた筈だが……横で裸のネメシスが寝ている……アレーオカシイナー。
「……おい、おいネメシス、朝だぞ……とりあえず起きて服を着てくれ。ウェンティに見つかったら……」
「……わたくしは眠り姫、眠りの魔法にかかっていますの……王子様の熱くディープなヴェーゼで目覚めますわ♪」
と言って餌を待つ雛鳥の様に唇を尖らせてくる。昨日さんざん唇にもあそこにもしたじゃないか、と思いつつも目を瞑ったまま起きようとしない我儘なお姫様の頼みだ、魔法を解くようにゆっくりとキスをし、その双丘に顔をうずめる。
「あんっ……朝から情熱的ですわね……」
自分から誘っておいてそういう事を言う悪役令嬢にはお仕置きが必要だな……俺は朝から下着を突き破りそうに怒張しているアヤカート君を握って……。
「おはようございます」
ドッキイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン!!
「あ、ごめん……昨晩夜の組体操激しかったみたいだし起きてないかなと思ったけど、もう朝のラヂオ体操してたんだね……ごゆっくり」
「こっこここここれは違くてっ!」
「あら、昨晩は一応サイレントの魔法をかけておいたのですが……テントの揺れまでは抑えられてませんでしたわ、てへっ♪ ですわ」
「てへっ♪ じゃないがっ!」
とりあえずウェンティさんのジト目にしどろもどろに言い訳をしつつ、今日の探索の準備に取り掛かる。とはいっても装備の確認程度だ。ショートソードの目釘の確認や弓の弦を絞めたりするなんてゲームの装備画面では思いもつかなかったな。
「さ、出発するか……とはいえ、遺跡ってのは……あれの事だろう?」
この触手島は直径10数キロほどの島だ。あまり高い山もなく……エルフの視力のお陰かこのテントから数キロ先に既に目的の神殿らしきものが視認出来ている。
「うん……わたしは目がよくないからまだ見えないけど……白い石で出来てるならそれだと思う」
と、装備を終えたウェンティが言う。まあ彼女こそ船上で出会った時の学生服のような服と、手足に皮の部分鎧を付け、新人プリーストが持つメイス? の様なものを持っただけだ。
ちなみに彼女の珍しい服は、3年ほど前に記憶喪失だった彼女が保護先の教会に見つかった時から着ているものを修繕しながら使っているらしい。といってもこの世界のものにしてはかなり頑丈で教会の掃除等で使っててもほとんど解れすらなかったそうだ。
ネメシスもいつもの野暮ったいローブ姿(とはいえ流石は貴族、地味に見えても生地は耐性を上げる魔力を帯びた糸を織り込んだ最高級品らしい)と愛用のワンド(こちらもシンプルながらエターナルオーク(ブナ科の樹の方)の枝を使ったこれまた最高級品らしい)を持っただけで、一番時間がかかったのは弓の調整に手間取った自分だったが。
「……おい、おいネメシス、朝だぞ……とりあえず起きて服を着てくれ。ウェンティに見つかったら……」
「……わたくしは眠り姫、眠りの魔法にかかっていますの……王子様の熱くディープなヴェーゼで目覚めますわ♪」
と言って餌を待つ雛鳥の様に唇を尖らせてくる。昨日さんざん唇にもあそこにもしたじゃないか、と思いつつも目を瞑ったまま起きようとしない我儘なお姫様の頼みだ、魔法を解くようにゆっくりとキスをし、その双丘に顔をうずめる。
「あんっ……朝から情熱的ですわね……」
自分から誘っておいてそういう事を言う悪役令嬢にはお仕置きが必要だな……俺は朝から下着を突き破りそうに怒張しているアヤカート君を握って……。
「おはようございます」
ドッキイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン!!
「あ、ごめん……昨晩夜の組体操激しかったみたいだし起きてないかなと思ったけど、もう朝のラヂオ体操してたんだね……ごゆっくり」
「こっこここここれは違くてっ!」
「あら、昨晩は一応サイレントの魔法をかけておいたのですが……テントの揺れまでは抑えられてませんでしたわ、てへっ♪ ですわ」
「てへっ♪ じゃないがっ!」
とりあえずウェンティさんのジト目にしどろもどろに言い訳をしつつ、今日の探索の準備に取り掛かる。とはいっても装備の確認程度だ。ショートソードの目釘の確認や弓の弦を絞めたりするなんてゲームの装備画面では思いもつかなかったな。
「さ、出発するか……とはいえ、遺跡ってのは……あれの事だろう?」
この触手島は直径10数キロほどの島だ。あまり高い山もなく……エルフの視力のお陰かこのテントから数キロ先に既に目的の神殿らしきものが視認出来ている。
「うん……わたしは目がよくないからまだ見えないけど……白い石で出来てるならそれだと思う」
と、装備を終えたウェンティが言う。まあ彼女こそ船上で出会った時の学生服のような服と、手足に皮の部分鎧を付け、新人プリーストが持つメイス? の様なものを持っただけだ。
ちなみに彼女の珍しい服は、3年ほど前に記憶喪失だった彼女が保護先の教会に見つかった時から着ているものを修繕しながら使っているらしい。といってもこの世界のものにしてはかなり頑丈で教会の掃除等で使っててもほとんど解れすらなかったそうだ。
ネメシスもいつもの野暮ったいローブ姿(とはいえ流石は貴族、地味に見えても生地は耐性を上げる魔力を帯びた糸を織り込んだ最高級品らしい)と愛用のワンド(こちらもシンプルながらエターナルオーク(ブナ科の樹の方)の枝を使ったこれまた最高級品らしい)を持っただけで、一番時間がかかったのは弓の調整に手間取った自分だったが。
0
お気に入りに追加
313
あなたにおすすめの小説
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
金貨1,000万枚貯まったので勇者辞めてハーレム作ってスローライフ送ります!!
夕凪五月雨影法師
ファンタジー
AIイラストあり! 追放された世界最強の勇者が、ハーレムの女の子たちと自由気ままなスローライフを送る、ちょっとエッチでハートフルな異世界ラブコメディ!!
国内最強の勇者パーティを率いる勇者ユーリが、突然の引退を宣言した。
幼い頃に神託を受けて勇者に選ばれて以来、寝る間も惜しんで人々を助け続けてきたユーリ。
彼はもう限界だったのだ。
「これからは好きな時に寝て、好きな時に食べて、好きな時に好きな子とエッチしてやる!! ハーレム作ってやるーーーー!!」
そんな発言に愛想を尽かし、パーティメンバーは彼の元から去っていくが……。
その引退の裏には、世界をも巻き込む大規模な陰謀が隠されていた。
その陰謀によって、ユーリは勇者引退を余儀なくされ、全てを失った……。
かのように思われた。
「はい、じゃあ僕もう勇者じゃないから、こっからは好きにやらせて貰うね」
勇者としての条約や規約に縛られていた彼は、力をセーブしたまま活動を強いられていたのだ。
本来の力を取り戻した彼は、その強大な魔力と、金貨1,000万枚にものを言わせ、好き勝手に人々を救い、気ままに高難度ダンジョンを攻略し、そして自身をざまぁした巨大な陰謀に立ち向かっていく!!
基本的には、金持ちで最強の勇者が、ハーレムの女の子たちとまったりするだけのスローライフコメディです。
異世界版の光源氏のようなストーリーです!
……やっぱりちょっと違います笑
また、AIイラストは初心者ですので、あくまでも小説のおまけ程度に考えていただければ……(震え声)
ヒューマンテイム ~人間を奴隷化するスキルを使って、俺は王妃の体を手に入れる~
三浦裕
ファンタジー
【ヒューマンテイム】
人間を洗脳し、意のままに操るスキル。
非常に希少なスキルで、使い手は史上3人程度しか存在しない。
「ヒューマンテイムの力を使えば、俺はどんな人間だって意のままに操れる。あの美しい王妃に、ベッドで腰を振らせる事だって」
禁断のスキル【ヒューマンテイム】の力に目覚めた少年リュートは、その力を立身出世のために悪用する。
商人を操って富を得たり、
領主を操って権力を手にしたり、
貴族の女を操って、次々子を産ませたり。
リュートの最終目標は『王妃の胎に子種を仕込み、自らの子孫を王にする事』
王家に近づくためには、出世を重ねて国の英雄にまで上り詰める必要がある。
邪悪なスキルで王家乗っ取りを目指すリュートの、ダーク成り上がり譚!
性奴隷を飼ったのに
お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。
異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。
異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。
自分の領地では奴隷は禁止していた。
奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。
そして1人の奴隷少女と出会った。
彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。
彼女は幼いエルフだった。
それに魔力が使えないように処理されていた。
そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。
でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。
俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。
孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。
エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。
※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。
※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。
【全話挿絵】発情✕転生 〜何あれ……誘ってるのかしら?〜
墨笑
ファンタジー
『エロ×ギャグ×バトル+雑学』をテーマにした異世界ファンタジー小説です。
主人公はごく普通(?)の『むっつりすけべ』な女の子。
異世界転生に伴って召喚士としての才能を強化されたまでは良かったのですが、なぜか発情体質まで付与されていて……?
召喚士として様々な依頼をこなしながら、無駄にドキドキムラムラハァハァしてしまう日々を描きます。
明るく、楽しく読んでいただけることを目指して書きました。
男子中学生から女子校生になった僕
葵
大衆娯楽
僕はある日突然、母と姉に強制的に女の子として育てられる事になった。
普通に男の子として過ごしていた主人公がJKで過ごした高校3年間のお話し。
強制女装、女性と性行為、男性と性行為、羞恥、屈辱などが好きな方は是非読んでみてください!
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる