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「決戦準備編」
【レイとティア】 part1
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僕達ふたりは決戦までの時間の過ごし方として、近くの森でレベリングをすることにした。
本当はダンジョンに行ってみたかったけど、野良の冒険者に遭遇する可能性があるため却下だ。
下手に出会うと、ティアちゃんやジャックを見た冒険者に攻撃されかねない。
なので街外れの人気のない森で活動することにした。そこなら魔物もそこそこ居るだろうし、広大な森では冒険者に会う確率もぐっと下がる。
「取り敢えず今日は早めにチェックインしてゆっくり休もう。最終打ち合わせ前には帰りたいから、明日からのまる2日をレベリングに当てよう」
ハルトさんが教えてくれた人気のない寂れた宿に泊まる。ここからなら森が近いし、人通りも少ないので絡まれる可能性も低い。好立地だ。
「レイくんやっぱり頼りになるね♡」
「そ、そう…かな、アハハ」
パフェの一件から、僕達の距離はさらに縮まった気がする。レベリングについてくると言ってきたのもティアちゃんだ。
どんなことがあっても、彼女のことを絶対に守りぬくと誓う。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
朝ごはんを食べ終え、僕達は宿を後にした。
「森に行く前に、防具屋に寄っていこうか」
使役使いである彼女は直接戦闘はしないのだが、不意を付かれて攻撃される可能性があるので、せめて盾ぐらいは装備しようということになった
たまたま近くに防具屋があったのでそこへ入る。
防具店「ミスター・アルマジロ」...やっぱりこの世界のネーミングセンスはどこかネジが外れている。
「いらっしゃいませ」
奥から現れた若い店員は本当にアルマジロそっくりの顔をしていて、思わず吹き出しそうになる。
「今日はどのようなご要件でしょう」
「か、彼女に盾を」
笑いを必死にこらえる。
「そこのお嬢さんですね。では軽めの盾をご用意してまいります」
在庫が裏にあるのか、店員が奥へと戻っていく。
「ティアちゃん選んでて。僕ちょっと用事あるから」
「え?う、うん」
キョトンとしているティアちゃんをおいて、僕はとある店へと向かう。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
しまった。少し遅くなってしまった。
慌ててアルマジロに戻ると、ティアちゃんは盾片手に店の前で待っていた。
「はぁ、はぁ、遅くなってごめん」
「大丈夫だよぉ♡ それよりどうしたの?」
この世界に詳しくない、異世界人の僕に用事があったのが不思議なようだ。
「実は、これ...ティアちゃんにと思って」
持っていた小包を渡す。
「え!?くれるの?いいの?」
「開けてみて」
盾を置き、ゆっくりと小包のリボンを解いていく。
「これって...」
サファイアが施されたイヤリング、それを手に入れるために僕は宝石店へと走ったのだった。
「これどうしたの?」
「ティアちゃんにはいつも助けてもらってる。この前叱ってくれた時、本当に嬉しかった。ポケベルも買って貰ったし、これはほんのお礼」
実は昨晩、夜中に宿を抜け出してダンジョンに潜っていたのだ。魔物は何もドロップしないこの世界だけど、自然の洞窟には稀に宝石が形成される。
1晩中探し回り、やっと見つけたのがこのサファイアだった。僕はそれを早速宝石店に持っていき、イヤリングへと加工してもらった。ティアちゃんが喜んでくれると信じて。
「喜んで...くれたかな?」
「喜ばない...訳、ないよ」
ギュッとイヤリングを握り、胸に押し付ける。彼女の瞳からは涙が流れていた。
「レイくんが私のために見つけてくれて、作ってくれたこのイヤリング...ずっと大事にする。ずっとずっと...」
喜んでくれたみたいで良かった。泣いてるティアちゃんの頭をそっと撫でてやる。
本当はダンジョンに行ってみたかったけど、野良の冒険者に遭遇する可能性があるため却下だ。
下手に出会うと、ティアちゃんやジャックを見た冒険者に攻撃されかねない。
なので街外れの人気のない森で活動することにした。そこなら魔物もそこそこ居るだろうし、広大な森では冒険者に会う確率もぐっと下がる。
「取り敢えず今日は早めにチェックインしてゆっくり休もう。最終打ち合わせ前には帰りたいから、明日からのまる2日をレベリングに当てよう」
ハルトさんが教えてくれた人気のない寂れた宿に泊まる。ここからなら森が近いし、人通りも少ないので絡まれる可能性も低い。好立地だ。
「レイくんやっぱり頼りになるね♡」
「そ、そう…かな、アハハ」
パフェの一件から、僕達の距離はさらに縮まった気がする。レベリングについてくると言ってきたのもティアちゃんだ。
どんなことがあっても、彼女のことを絶対に守りぬくと誓う。
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朝ごはんを食べ終え、僕達は宿を後にした。
「森に行く前に、防具屋に寄っていこうか」
使役使いである彼女は直接戦闘はしないのだが、不意を付かれて攻撃される可能性があるので、せめて盾ぐらいは装備しようということになった
たまたま近くに防具屋があったのでそこへ入る。
防具店「ミスター・アルマジロ」...やっぱりこの世界のネーミングセンスはどこかネジが外れている。
「いらっしゃいませ」
奥から現れた若い店員は本当にアルマジロそっくりの顔をしていて、思わず吹き出しそうになる。
「今日はどのようなご要件でしょう」
「か、彼女に盾を」
笑いを必死にこらえる。
「そこのお嬢さんですね。では軽めの盾をご用意してまいります」
在庫が裏にあるのか、店員が奥へと戻っていく。
「ティアちゃん選んでて。僕ちょっと用事あるから」
「え?う、うん」
キョトンとしているティアちゃんをおいて、僕はとある店へと向かう。
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しまった。少し遅くなってしまった。
慌ててアルマジロに戻ると、ティアちゃんは盾片手に店の前で待っていた。
「はぁ、はぁ、遅くなってごめん」
「大丈夫だよぉ♡ それよりどうしたの?」
この世界に詳しくない、異世界人の僕に用事があったのが不思議なようだ。
「実は、これ...ティアちゃんにと思って」
持っていた小包を渡す。
「え!?くれるの?いいの?」
「開けてみて」
盾を置き、ゆっくりと小包のリボンを解いていく。
「これって...」
サファイアが施されたイヤリング、それを手に入れるために僕は宝石店へと走ったのだった。
「これどうしたの?」
「ティアちゃんにはいつも助けてもらってる。この前叱ってくれた時、本当に嬉しかった。ポケベルも買って貰ったし、これはほんのお礼」
実は昨晩、夜中に宿を抜け出してダンジョンに潜っていたのだ。魔物は何もドロップしないこの世界だけど、自然の洞窟には稀に宝石が形成される。
1晩中探し回り、やっと見つけたのがこのサファイアだった。僕はそれを早速宝石店に持っていき、イヤリングへと加工してもらった。ティアちゃんが喜んでくれると信じて。
「喜んで...くれたかな?」
「喜ばない...訳、ないよ」
ギュッとイヤリングを握り、胸に押し付ける。彼女の瞳からは涙が流れていた。
「レイくんが私のために見つけてくれて、作ってくれたこのイヤリング...ずっと大事にする。ずっとずっと...」
喜んでくれたみたいで良かった。泣いてるティアちゃんの頭をそっと撫でてやる。
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